旅する狼達よ、鋼鉄の城にて吠えろ(シャングリラ・フロンティア×ソードアート・オンライン)   作:しらすの番人

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前回最後にここからSAO攻略が始まる―と書いた割にはまだフィールド行かないんですけどね、初見さん




かくして彼等、鋼鉄の城に挑まんとす

 

『以上で「ソードアート・オンライン」のチュートリアルの終了する。プレイヤー諸君の健闘を祈る』

 

そうして茅場は消え、赤い長方形の六角形達も消え、太陽が沈んで行っている世界に残る9787人のプレイヤー達だけが残された。

 

広場を通り抜ける風が吹き、NPC達が奏でる演奏のBGMがなり始め、SAOは三十分ほど前と同じ姿を取り戻しつつあった。

そしてプレイヤー達は、この三十分で起きたことを認識し、考え「自分たちはここから出られない」と結論付けた。

 

「嘘だろ?嘘なんだろ!?何なんだよこれぇ!!」

 

「嫌、嫌、嫌・・・・・・!私を──元の世界に返して!!」

 

「出せ!ここから誰か出してくれ!嫌だあああああ!!!」

 

プレイやー達の悲鳴、怒号、その他もろもろが広場に響き渡る。

この世界をプレイする「プレイヤー」から、この世界に生きる「一人の人間」に変えられてしまった者達は、あるものは叫び続け、あるものは地面を叩き、あるもの達は抱き合い、あるもの達は罵り合った。

 

「・・・・・・絶対攻略してやる」

 

そうして俺は周りのクランメンバーを見る、カッツォは何かを考え、ペンシルゴンも何かを考えているがカッツォよりも悲観的になっている顔、秋津茜は棒立ちし、レイ氏と京ティメット、ルストとモルドは互いに抱きしめ合い、何かを話している。

 

「・・・・・・大丈夫か、カッツォ」

 

プロゲーマー「魚臣 慧」へと変わったカッツォへと話しかける

 

「あぁ、さっきまでは俺もちょっと悲観的だったけど、お前の言葉聞いて目が覚めたよ」

 

そう、笑いながら言ってくるのはまさしくいつものカッツォだ

 

「ゲームは楽しむためにある・・・・・・この状況下でこれ言えるのお前やっぱ大概狂ってるけど、そのおかげで俺がやるべきことがハッキリしたよ」

 

「絶対SAO攻略して、生き延びて帰る!そしてこの世界も楽しみ尽くす!!」

 

「おう、その意気だ」

 

カッツォも俺と同じ結論に至ったようだ。ゲームでも1度死んだら現実でも死ぬ。これだけ聞くと無理ゲーだろとでも言いたくなるが、安全マージンをしっかり取って少しづつ攻略して行けば生きて帰ることも不可能ではないはずだ。そうじゃないと茅場が「最上階で待ってる」などと言うはずがない。

それに──現実じゃ起動して動こうとした瞬間にゲームオーバーになるクソゲーがあるくらいだ。それと比べると甘い!甘いぞSAO!

 

カッツォは大丈夫だと確認した俺は──ことあると1番ヤバそうな状況にあるずっと立ち尽くしたままの少女――秋津茜に話しかける

秋津茜も手鏡でリアルの顔になったはず─なのだが、何故かほとんど変わっていない。もしかして──リアルの顔そのままで今までプレイしてたのか?それは言わないでおくが

 

「・・・・・・秋津茜、大丈夫か?」

 

「・・・う・・・あ」

 

そう言う秋津茜の体は少しぷるぷると震えてる、無理もないだろう、家族に会いに帰ろうとしたらGMにこのゲームをクリアするまで帰れない、と言われたのだから

 

「・・・私・・・私は・・・嫌です、もう、家族と会えないかもしれない今の状況・・・・・・」

 

これは俺の予想だが秋津茜は中学生くらい俺の妹の留美と同じくらいだろう、そんな女の子が1度ゲームで死んだら現実でも死ぬなんて言われたら普通は耐えられない。

これは・・・・・・光属性が闇堕ちしてしまう?ヤバい!!

 

「だから・・・・・・だからこそ、私は、生きて帰ります!生きて帰って、もう1回お父さんとお母さんに会います!!」

 

流れが変わった

 

「それに・・・・・・私1人だったら挫けてたかもしれないけど、今の私には皆さんがいます!!皆さんとなら絶対生きて帰れます!!」

 

秋津茜、なんとメンタルの強い子。どうやら後輩系光属性の強さは生半可なものじゃなかったらしい。

 

「そうか・・・秋津茜、生きて帰るために一緒に頑張ろう」

 

「はい!!」

 

秋津茜も大丈夫そうだと確認でき「あれやっぱ天音永遠じゃん」・・・・・・

 

「え?」

 

「嘘!?永遠様もSAOにいるの!?」

 

「それにあの金髪・・・・・・もしかして、「電脳大隊(サイバーバタリオン)爆裂分隊(ニトロスクワッド)」の魚臣慧じゃないか!?」

 

ざわ・・・ざわざわ・・・・・・

 

これはひっっっじょょょうに不味い事態になってきた

ただでさえプレイヤー達のメンタルがやられている今、トップモデルの「天音永遠」と、もしかすると今なら「SAO最強」かもしれない日本一のプロゲーマー「魚臣 慧」がこの場にいると知られてしまったら、2人は「救世主」と崇められ攻略するどころの話ではなくなる

いつもは外道なクセにこういう時に目立つのやめてくれませんかね??

 

「あのサンラクってプレイヤーももしかしてツチノコさんじゃね?」

 

「それにカッツォとペンシルゴンって・・・・・・もしかして「旅狼(ヴォルフガング)」がSAOに来ているのか!?」

 

うっっそだろおい

 

「不味い!「旅狼」戦略的撤退!!総員、ついてこい!!」

 

そして俺たちは目立つのを避けるために人混みを通り抜け、人がいない裏路地を目指すのだった。

 

 

―始まりの街・裏路地―

 

 

「まさかシャンフロで悪目立ちしてたツケがここで回って来るとはな」

 

俺たち以外に人のいない裏路地に逃げて来て、俺は呟く

 

「誰かさんがユニークばっかり引き当ててた結果じゃない〜?」

 

「望んでなってたわけじゃないんだけどな」

 

先程「サンラク」という単語が出てきた時に反応していたプレイヤーは決して少ない数ではなかった。「シャングリラ・フロンティア」はSAOが出るまでは唯一のオープンワールドVRMMORPGだったゲームで、そのプレイヤー数は3000万人を超えていた。そのゲームで名が知られているということはそれだけ大きいことだった、ということだろう。

 

さて。

 

「レイ氏・・・・・・京ティメット」

 

手鏡によりリアルの顔になった2人に話しかける

レイ氏こと玲さんはリアルでも一緒に登校したりしてるから驚きはなかったが、京ティメットは少し驚いた。京ティメットはガッツリ顔が変わったのだが...まさかのショートのクール系だった。いや別になにもないんだけどな?ちょっとこの顔であの性格かと思っただけおいコラ京極こっち見んな笑っちゃうだろ

 

「・・・はい、さっきまでは、あまりに突然のことでショック状態になっていましたが...京極ちゃんが落ち着かせてくれたり、サンラク君の言葉で元気が貰えて...いつも通りに行けます」

 

「・・・僕も、茜ちゃんや玲ちゃんが頑張ろうとしてるのにいつまでも俯いていられないからね」

 

2人はそう覚悟を決めた顔で言う。これは大丈夫そうだと安心した俺は...

 

「ペンシルゴン」

 

「ん?なにかなサンラク君?」

 

と、いつもと変わらないように振る舞うペンシルゴン。だが、そこに確かに混じる不安と絶望と何かが隠せていない。それはカッツォも気づいているだろう

正直、こういう平静を粧ってるやつが1番何かをやらかしそうで危険なのだ

 

「・・・・・・ペンシルゴン、俺らは少ししたらこのゲームを攻略するために動かなきゃ行けないんだ、何か言いたいことがあるなら今のうちに言った方が楽だぜ?」

 

と、広場での何かを考えている、何かを言おうとしているペンシルゴンの顔を思い出しながら言う

 

「あー、やっぱバレちゃってる?」

 

「実を言うとさ、少し・・・・・・負い目を感じちゃったんだ」

 

そう言うペンシルゴンの声は少し震えている

 

「こんな・・・・・・死ぬか生きるかの瀬戸際みたいな状況になっちゃってさ、予想出来なかったとはいえ最初に皆でSAOやろうって言ったの私だし」

 

「私が・・・私が・・・・・・!もし「SAOやろう」なんて言わなかったら・・・・・・!こんなことにはならかったんじゃないかって!」

 

「そう・・・・・・思っちゃって」

 

そう言うペンシルゴンの目には涙が浮かばれている。彼女は、自分のせいで俺たちがSAO事件に巻き込まれたと考えているのだ

 

「らしくないぜペンシルゴン」

 

「!」

 

「お前が言った通り、この事態は誰にも予想出来なかったんだ。それどころか・・・・・・俺たちはこうやって事件に巻き込まれても、立ち上がろうとしてる」

 

「お前は・・・・・・いや、全員が、周りの人・・・仲間達を頼っていいんだよ。もっと信頼しろって、同じクランなんだろ?俺達」

 

「皆で力を合わせて・・・このアインクラッドを登りきればいい。そして茅場にこう言ってやればいい」

 

「『茅場晶彦のばーか』ってな」

 

「・・・・・・ふふっ、そうだね。もっと君たちのこと信頼しておけば良かった」

 

涙の跡が残るペンシルゴンの顔にはさっきまでの思い詰めた顔はなく、いつもの明るい笑顔に変わっていた

 

「そうと決まれば行動しなきゃね、でも流石に今はゆっくり休みたいかも」

 

「あー俺もー、さっき「魚臣 慧じゃね?」って言われた時冷や汗かいてしょうがなかったんだから」

 

「それ言ったら私もだよ」

 

明るい雰囲気が戻ってきている、俺たちにシリアスなんて少しでいい。デスゲームなんて笑って攻略するのが俺たちだ。

 

「それじゃあ『旅狼』!皆で力を合わせてSAOを攻略して茅場なんちゃらの面をぶっ飛ばしに行くよ!!そのためにも今は休憩!そこら辺の宿に休みに行くよ!!」

 

「「「「応!」」」」「「「はい!」」」

 

ペンシルゴンの言葉に頷きの言葉を返す。天才と言われた茅場晶彦に事実上の軟禁宣言されるなんて世の中分からんもんだな。

 

宿に着き、皆がそれぞれ宿に入っていくなか、俺はモルドを呼び止める。

 

「あー、モルド、ちょっといいか?」

 

「ん?ああ。」

 

手招きしてモルドを呼び寄せる。俺が呼び出したことを不思議に思っているようだ。

 

「どうしたの?サンラク」

 

「あぁ、ルストのことでな。お前はもうそうでもないようだけど・・・ルストはまだ怖がってたろ?」

 

先ほど茅場が喋っていた時や茅場の一度死んだら現実でも死ぬ発言の時なども、ルストは常にモルドに引っ付いていた。それはモルドへの信頼と共に、恐怖していることの表れでもある。

 

「そうだね・・・・・・まだルストは恐怖の感情が大きいと思う」

 

「だろ?俺が他の恐怖してたであろうやつらに話かけに行ったみたいに、モルドもルストにそうしてやって欲しい」

 

「なんとなく分かった気がするよ。君がそこまで言うのは僕がルストと仲がいいから、だろ?」

 

「そういうことだ、多分、真に信頼されてるお前の言葉じゃないと、あいつには響かないような気がするんだよな」

 

「なるほどね、了解したよ」

 

「おう、じゃあよろしく頼むぜー」

 

そう言って俺も宿に向か「あっ、ちょっとまって」ん?

 

「どうした?」

 

「ちょっと重要なことだから、早めに行っておこうと思って」

 

「多分これから僕たちは・・・・・・このSAOでたくさんの戦闘をすると思う。そして、もしかしたら、万が一、パーティが危険な目に合うことがあるかもしれない。そうしたら・・・・・・僕は、彼女(ルスト)を一番に守りたい」

 

「なんだ、そんなことか」

 

「え?」

 

「まぁそんだけ仲いいんだから普通に分かるよ、大切なんだろ?ルストのことが。もしそうなったら、しっかり守ってやれ」

 

「あはは・・・・・・うん、もちろんそうするさ」

 

そうして今度こそ俺達は宿に休みに行く。ちなみにルストの顔はシャンフロの顔の色を変えただけだしモルドに至ってはほぼ同じ顔だった。どっちも身長はシャンフロでも変えていなかったらしい。

 

 

 

 

 




はい、まぁSAOに本格的に挑む前の気持ちの整理的な話です。

あ、あとなんですが、今のところ本作で誰をヒロインにするか迷い中なんですよね...今の展開的にはペンシルゴン、原作的にはサイガ-0といった感じでしょうか。正直、秋津茜や京極がヒロインでもやって行けそうですしまじでめっちゃ迷ってます。サンラクハーレムルート突入を考えてるほど迷ってます。
なんでそこら辺も含めて評価とか感想、意見書いてくれると嬉しいのでお願いします。
本当にお願いします。(迫真)
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