旅する狼達よ、鋼鉄の城にて吠えろ(シャングリラ・フロンティア×ソードアート・オンライン)   作:しらすの番人

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原作シャンフロをリスペクトしたタイトルにしていくスタイル

良い設定思い浮かんできたのでシャンフロ舞台にした二次創作も書きたくなってきた今日この頃・・・・・・


穿て天井、見下ろすは虚ろなる巨像也 其の一

 

〜12月28日。16:30。第五層・カルルイン・フォールド前神殿〜

 

 

「みんな、今日は俺達の誘いに乗ってくれたこと、本当に感謝する!!」

 

「・・・・・・」

 

今、俺とディアベルは何故か今日フロアボス攻略に参加する面々の前に立っている。

何故かというとディアベルが「折角参加してくれるんだから感謝くらいは言わないと」とか言ったからだ。

 

こいつ素で真面目な所あるの本当になんなの?こういうの俺はやるタイプじゃないんだよ

 

「まず俺がこの作戦の提案者のディアベルだ!大体の人はボス戦とかで顔合わせたことがあると思うけど今日はよろしく頼む!!それとこの隣にいるのが」

 

「ディアベルの相談係のサンラクです」

 

「・・・・・・事前に話し合った時お前も提案者で良いって言ってたじゃないか!?」

 

別にあんまり変わんないだろそれ・・・・・・実際ディアベルの話聞いてやったし頼みも聞いてやったし相談係であながち間違いじゃないような気もするが

 

 

「・・・・・・とにかく!今日は本当に集まってくれてありがとう!急なお願いだったし内容も内容なだけに本当に感謝する!いつかこの恩は必ず返すと約束する!!」

 

「事前にメールでも伝えたから皆知ってるとは思うが、俺達のギルド「ARK」は今メンバー同士の争いによって分裂するかもしれない状況にある!もう少し具体的に言うと、このフロアボスがドロップするアイテムをリンドかキバオウのどちらかが先に入手してしまうと、入手した方はそれを理由にして副団長になろうとするだろう!そうすれば入手出来なかった方との対立が更に激化するのが目に見えている!!俺はそんな理由でギルドが分裂してしまうなんて絶対に嫌なんだ!だからこそ、今日集まってくれた君達には大いに頼らせて貰う!」

 

「・・・・・・じゃあ俺からも。薄々気づいてる人も居るかもしれないけど、今ARKが内乱で崩壊でもしたりしたら、層の攻略スピードが大幅に落ちることになる。折角今まで順調に進んできただけに、それでまた一層の頃みたいに時間がかかるなんてことになったら目も当てられない。・・・・・・だから俺は協力してやろうと思った面もあるしな。だから、それを防ぐためにも、皆には全力で協力して貰いたい。」

 

「「「「「「応!」」」」」」

 

俺とディアベルの力強い演説を聞いていたメンバーは、俺とディアベルの言葉に応えてくれた。「ARKが崩壊しかけている」なんて聞いたら売るネタにしそうなアルゴも、ほとんどが初対面で不安だろうネズハというプレイヤーも、全員が俺達に応えてくれた。なら、後は──

 

「今日のボス戦、勝とうぜ、皆!!」

 

 

 

〜第五層・枯れ木の森〜

 

カルルインのフィールド近くの神殿を出発して早三十分。俺達は遺跡フィールドとマナナレナの村を超え、二日前にも来た第五層の迷宮区タワーが目の前に見える枯れ木の森まで進んできていた。

 

「なぁディアベル、今日のパーティの主催はARKって言ってたよな?今更だがそのARKの団長のお前が出てきちゃった大丈夫なのかよ?」

 

「本当に今更だな。てかだからパーティ開始から一時間後の16:00には抜け出して合流したんじゃないか」

 

「いやほら、まだ予定だとリンドもキバオウも出発しないでパーティに参加してるはずだろ?あいつらに怪しまれないのか?」

 

「俺は事前に「こういう雰囲気のパーティはあんまり得意じゃない」って言ってあるしな。本当は参加したかったけど・・・・・・パーティの準備も高校生カップル的なギルドメンバーが頑張ってくれてさ、だからこそ俺は準備とかにもほとんど顔出さないで済んだし。それに、SAO始まっての初めての大規模パーティーだぜ?リンドもキバオウも出発するまではパーティーを楽しんでるんじゃないか?」

 

「あーなるほどな。ってそれに参加出来ない俺達が可哀想すぎでは・・・・・・?」

 

「予定だと19:30くらいにはボス倒し終わってる予定だからなぁ、急いで帰れば最後の方は参加出来るんじゃないか?それに三日後の大晦日にはまた新年を迎える大々的なパーティーを計画中だしな。またカルルインでやることになってるしそれに参加すれば?」

 

「パーティーやりすぎだろ・・・・・・」

 

「楽しいことはたくさんあった方がいいだろ?」

 

「お前が楽しいことって言うと別な意味にも聞こえてくるんだけどな」

 

 

〜第五層・迷宮区〜

 

「せやあああああ!!」

 

「サンラク!スイッチ!!」

 

「応よ!!」

 

二メートル程のゴーレムのパンチをキリトとアスナが【バーチカル・アーク】と【パラレル・スティング】でパリィする。重心全てをかけていたゴーレムの巨体は仰け反り、膠着する。

 

「これでも喰らっとけ!クソゴーレム!!」

 

仰け反ったことで天井と垂直になったゴーレムの弱点である額の紋章をピンポイントで当てるため、跳躍して攻撃する【ソニックリープ】を選択、俺の予想と完璧な軌道で剣は紋章とぶつかり───

 

「grrrooooo・・・・・・」

 

石で作られた体は粉々になり、ポリゴンとして爆散した。

 

「ナイスサンラク!」

「流石サンラク君」

 

「二人もナイスパリィだった」

 

 

迷宮区に突入してから一時間程経っただろうか。迷宮区タワーに着く前にアルゴの抜け道だったりとか女性陣が作って来たロールケーキを食べたりなどのイベントをこなし、順調に攻略は進められていた。エギルやウルフギャングなどとは初めてパーティを組んだばかりではあるが、全員中々の連携を発揮している。中でも未知数だったネズハの活躍が目覚ましく、彼が使う「チャクラム」はきりきりきり、と音を発しながら飛翔し、敵に当たった後は元の位置に戻ってくるという、剣がメインのSAOではかなり異質・協力なサポーターとして活躍してくれていた。額に安全圏から攻撃してくれるので、すぐゴーレムのダウンを取ってくれるのが非常に助かる。旅狼でもチャクラム使いを本気で育てるべきでは?と少し考えた程である。

 

ちなみに、俺達のパーティ構成は

Aチーム

サンラク・京極・秋津茜・ルスト・キリト・アスナ

Bチーム

ディアベル・モルド・エギル・ウルフギャング・ローバッカ・ナイジャン

Cチーム

カッツォ・サイガー0・ペンシルゴン・アルゴ・ネズハ

といった感じである。

 

俺達Aチームがなるべく速い動きが出来る高速アタッカーで、Bチームが比較的重装備を持ったエギル隊とそれを支える盾持ちのディアベルとモルド。Cチームがネズハをサポート出来るよう実力者達を揃えた、というような構成だ。

タンクがいない分俺達Aチームが一番HPを削られやすいのでそこだけ注意である。Cチームはまぁ何とかなってるなぁくらいなのだが、Bチームがこの中だと一番安定している。ディアベルとモルドが攻撃を受け止めてからのエギル隊の高火力攻撃という、シンプルながらほぼ答えである戦法を取れるのがデカいのだろう。

 

 

「この先がボス部屋っぽいな」

 

「見るからに不気味って感じだな」

 

俺達は目の前に階段だけが続いている場所にたどり着いた。迷宮区の高さや位置的にも、この先がボス部屋ってことで間違いはない、はずだ。だがいつもはボス部屋の前に扉があったが、今回はそれがないのが不安を加速させている。

 

「オレっちがボス部屋を見てくるヨ。最悪目の前にボスがいても、オレっちならすぐに戻ってこれル。」

 

とアルゴは言い、一人でつかつか階段を歩き出す。

 

「いや一人は危なすぎじゃないか?」

 

「同感だな。何人かで一緒に行くべきじゃないか?いざって時のためにもな」

 

「大丈夫だっテ。クエストをクリアして得た情報からも、ボスは巨大なゴーレムで変わってなさそうだったシ。オレっちのビルドは超俊敏特化ダ。すぐ逃げられるヨ」

 

そうは言っても、ということで、最悪すぐ逃げられるようにするためにも、メンバーの中でも俊敏な俺・キリト・アルゴ・ルストの四人で偵察しに行くこととなった。一人で行こうとしていたアルゴは「えぇ〜?」とか言っていたが、こいつはボスの危険性を分かっていないんじゃないだろうか、ただでさえ区切りの五層で強いっていう情報が出てるのに。

 

 

「もしかしたらこの階段が床からせり上がっテ、入口を塞いじまうかもしれないナ?」

 

かつ、かつ、と足音の響く薄暗い階段でアルゴは言う。流石に茅場でも出口を無くすなんてことはしないだろう・・・・・・しないよな?

 

「アルゴ、冗談でもそういうことは言わない方がいい」

 

「冗談だってルストちゃん」

 

ニャハハ、と笑うアルゴの声は少し震えている、ような気がした。もしかしたらさっきのもアルゴなりに緊張を隠そうとしていたのかもしれない。

 

「それにしてもこの階段・・・・・・随分と長いな」

 

「ああ、それだけ皆が待ってるフロアとボス部屋の間の床面が分厚い、ってことなんだろう」

 

実際、もう階段を登り始めて一分くらいは経過している。慎重に進んでいるからというのもあろうが、最初は仲間たちの待つフロアの灯りが届いていたのに、今はアルゴが持つ松明が光源として唯一の頼りとなっている。もし松明が無かったら、ここら辺は真っ暗闇なんじゃないだろうか?

 

「・・・・・・静かに」

 

先頭を歩くルストがぽつりと言う。俺達もすぐにその重苦しい雰囲気を感じ取る。先程までとは違う、ヒヤリとした冷気。間違いなく───ボス部屋。

 

「「・・・・・・!」」

 

俺とキリトが階段を登りきると同時に、ぶぅんとどこからともなくLEDのような青い光が広がる。

 

───広い。直径約三十メートル。高さは十メートルを超えるだろう。とんでもなく広い部屋に湾曲した壁。迷宮区タワーの最上階まるごとが、第五層のボス部屋なのだ。

 

「ボスは・・・・・・どこだ?」

 

「いない、な・・・・・・」

 

ここはボス部屋であるはずなのに、その肝心なボスがいない。これじゃあボス部屋じゃなくてただの部屋だ。ボス消失バグでも起きたかSAO?

 

「おかしいナ・・・・・・六層に上がる階段も無い・・・・・・」

 

・・・・・・本当だ。上に見えるのは間違いなく天井で、おそらく裏側は六層の地面だろう。

だが、その天井に続く階段も、階段がありそうな部屋も、何も無い。

 

「何が起きてやがる・・・・・・?」

 

ふと、地面を見た。上に無いなら、下はどうかと。普通ならただ床が広がっているはずの地面は、今までとは違い青い線で出来たサークルがあって。

 

そのサークルの線に、上を見ていて気づいていない様子のルストの足が乗っかって───

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・

 

「ルスト!!!」

 

「「!?」」

 

「は?───」

 

ルストの足がサークルの線を踏んだ瞬間、轟音とともに部屋全体が揺れ、それと同時にルストの足元に赤い紋様が浮かび上がり───

 

飛び退ろうとしたルストを逃がすまいと、地面から黒い手が生え、その黒い手はルストを掴み、空中で、硬く硬く握り締められた。




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