旅する狼達よ、鋼鉄の城にて吠えろ(シャングリラ・フロンティア×ソードアート・オンライン)   作:しらすの番人

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本当はもっと早く投稿するはずだったんだ・・・・・・
遅れた理由はファタール87点取ってたからです


穿て天井、見下ろすは虚ろなる巨像也 其の六

 

フスクスの口の隙間から紫色の髪をした少女が出てきて言った。

 

「弱点を探して!!私が止めている間に、早く!!」

 

そう言うと紫少女は鎌みたいな刃を持つ武器をフスクスの口に挟み、フスクスがレイ氏とアスナを圧力で押しつぶすのを止めた。同時にレイ氏とアスナのHP減少も止まったので、しばらくは大丈夫そうだ。

 

「助かった紫!皆今の内に弱点探すぞ!!」

 

「紫!?私ミトって名前があるんだけど!!」

 

「すまん後で!」

 

第一印象が紫の髪しかないんだから紫しか無いだろ!そんなことより早く紋章探さなきゃいけないんだよこっちは!!

 

「つってもどこを探せばいいんじゃ!?」

 

問題はそこだ。現実的に考えてこの部屋に紋章があるのは確かだろうが、この部屋全部を探してちゃキリがないしそんな時間もない。必ずすぐ見つけられるように設計されているはずだ。

 

この部屋全体がボス。弱点は移動する。だったら、手足に弱点を移動させる、ということは可能か?・・・・・・多分出来るな、壁動かせて天井からも移動出来て、弱点を他の場所に移動させるくらいわけないだろう。なら!

 

「全員線を踏んで手足を全部出せ!その中に弱点が潜んでる可能性がある!!」

 

「「「「おうよ!!」」」」「「「「「「「了解!!」」」」」」」

 

各場所で腕と足を二本ずつ出す。ここの右腕には───ないな。動いていたり赤く光っているものすらない。

 

「右腕にはない!」

 

「右足もだ!!」

 

「左足も!」

 

右腕・右足・左足には無い。それつまり──

 

「左腕、赤い紋様を発見した!!」

 

そう声を上げたのはディアベルだ。だがそう分かったからといって俺達に出来ることはほとんどない。今から左腕の方に行っても着いた時にはもう腕は戻ってるだろうからな。

 

・・・・・・やるとしたら空中に戻ってく腕目掛けて【ソニックリープ】のワンチャンアタック?

 

 

「発見したは良いがめっちゃ動いてるぞ!?」

 

「斬りまくって紋様に当たることを祈るしかない!!」

 

左腕周辺にいるのはディアベル・ナイジャン・京ティメット・ペンシルゴンの四人。・・・・・・攻撃範囲は広いが手数に難アリなやつが多いな。紋様は腕の表面を動きまくってるっぽいので、もし上の方に行かれたらディアベルとペンシルゴンくらいしか攻撃出来るやつがいない。

 

やっぱり俺も移動した方いいな。攻撃出来るチャンスは多ければ多いほどいい。後は片手剣連中にも参加して貰わなきゃな

 

「カッツォ!キリト!お前らも左腕の方走れ!【ソニックリープ】なら空中でのワンチャンがある!!」

 

「オーケー!」「分かった!」

 

失敗は許されない。何とかあの紫少女が耐えてはくれているが長くは持たないだろう。耐えている武器が耐久値の限界を超えて破損した時、またレイ氏とアスナの死へのカウントダウンが始まってしまう。

 

「僕も援護します!!」

 

ネズハも少しずつ左腕へと近づいている。問題の紋章は──あった、二の腕の当たりをうろちょろしている。

 

「今だったら京ティメット達でも攻撃が当たる!」

 

「畳み掛けろ!!」

 

紋章の位置を捉えたディアベル達は一気にソードスキルを発動する

 

 

「──サンラク達の力借りなくても」

 

「私達だけで十分!!」

 

それぞれのソードスキルが腕に当たり、凄まじい音が発生した

 

「どうなった!?」

 

「一応俺達も発動準備を!!」

 

左腕には四人が当てたソードスキルの跡が残っている。そして、その真ん中──

 

一際デカい跡の中心に、動かなくなった赤い紋様があった。

 

「よし!まぁ僕が外すわけないんだけどね」

 

「京極ちゃん、ちゃんと見てみ?」

 

「へ?」

 

紋様がある跡は、何か丸い形状のもので押しつぶされたような跡だ。ディアベル・ナイジャン・京ティメット・ペンシルゴンの中で丸い形状の武器は、ナイジャンの両手鎚しか該当しない。

 

「俺のだったのか、ラッキーだな」

 

「・・・・・・なんでさ」

 

「どんまい京極ちゃん」

 

「guooooooooo!!??」

 

後ろでけたたましい重低音の叫び声。振り向くと弱点を攻撃され口を開いたフスクスと放り出されたレイ氏とアスナ、それに紫少女の姿。

 

「アスナ!」

「レイさん!」

 

アスナは紫少女が、レイ氏は秋津茜が受け止める。どちらも受け止めきれず倒れてしまったが大丈夫なはずだ。

 

「guoooooo・・・・・・」

 

フスクスはうめき声を上げながら階段から消え、天井に戻った。とりあえず一難は去った、ということらしい。

 

「レイさん!回復ポーションを!」

 

「ありがとう、ございます、茜ちゃん・・・・・・」

 

「困った時は助けなきゃ、ですから!!」

 

「・・・・・・ふふっ」

 

 

「アスナ、大丈夫?」

 

「うん、大丈夫。・・・・・・ありがとう、ミト。来てくれて」

 

「どういたしまして。・・・・・・まだ、戦えるよね?」

 

「もちろん!」

 

「じゃあ、ボスを倒さなきゃ」

 

 

よし、とりあえずは二人共大丈夫そうだ。レイ氏もアスナも耐久値を消耗した装備を替えているし、ポーションのおかげで半分まで減ったHPも回復しつつある。てかもしかしてあの紫少女、一層のボス戦後にアスナ達が話しかけに行ってたプレイヤーか?

 

 

「guoooo・・・・・・」

 

「アレね・・・・・・βとの違いは?」

 

「βの時は弱点が額に固定だったけど、今はパターンが変わって体のあちこちを動き回ってるみたいだ!」

 

・・・・・・ふむ、あの紫少女、口ぶりからして元βテスターっぽいな。それも相当やり込んでた雰囲気を感じるぞ

 

ドォン!

 

「うぉ!すまねぇ!足出しちった!」

 

ローバッカが線を踏んだ場所に足が落ちてくる。幸い誰もいなかったので衝撃波による被害は出ていない。

 

「・・・・・・見つけた。アレが弱点ね」

 

「・・・・・・何前出てんだ?流石に遠すぎるし時間もないぞ?」

 

「はああああああ!!!」

 

おい何武器振り回して走ってんだよ、もう【ソニックリープ】でも届かない距離じゃないか・・・・・・ってえ?投げた鎖が伸びて、曲がった?てかは!?当たりやがった!!

 

「自動追尾ィ!!??」

 

「えー、何それ・・・・・・」

 

「guo!?」

 

フスクスのHPは今と先程の動く弱点を攻撃したことにより急激に減少───残りHPバー本数、二本。

 

いやいやいやいくら何でも弱点自動追尾は流石に性能がアホだろ。というかそんなことが出来る武器種があったらとっくに有名になってるはずなんだが?もしかしてユニーク物か?今まで知らなかったことが少し悔しい・・・・・・

 

「皆、合図に従って線を踏んで、紋章は見つけ次第・・・・・・私が叩く!!」

 

途中から参戦して来て何様やねんとか幕末だったら言われそうだが、現状あの紫少女の自動追尾が安全性・正確性共に一番優れていそうなので何も言えない。

場所が場所なら即天誅してやりたいが今はSAO。落ち着けよ俺・・・・・・

 

「おう!」

「任せた!」

 

あ意外とアニキ軍団とかキリト達は気にして無さそう・・・・・・

 

もしかして俺が勝手に嫉妬心的なの抱いてるだけかコレ。

 

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

カッツォとディアベル(同類)みーっけ!!

 

 

 

ドン!ドン!ドン!ドン!

 

一斉に線が踏まれ、紫少女以外の俺達は弱点である動く紋様を探す。俺達が出した左腕には・・・・・・無いな。あったらサクッと俺が紋様攻撃しちゃっても良かったんだが、そうやらそのチャンスは訪れなかったみたいだ。

 

「こっちあった!ミト、お願い!!」

 

「はああああ!!」

 

左足に動く紋様を見つけたアスナが紫少女に声をかけ、紫少女はそれに応え先程と同じスキルを発動──当然のように当たる。どうやら待機時間とかも普通のソードスキルと変わらないみたいだ、いかれてらー。

 

 

「もう一回!皆お願い!!」

 

全員でタイミングを合わせ腕と足を出す。今回俺達が出したのは右腕。弱点は───

 

「よっしゃ来たああっ!!」

 

「あ!それは俺のだよサンラク!」

 

「お前達も狙ってたとはな・・・・・・だが、引くつもりはない!」

 

「「「うおおおおお!!」」」

 

俺・カッツォ・ディアベルによる弱点争奪戦が始まる。そんなことしても意味ない?いいや大いにあるね!こういうのは楽しいから良いんだよ!!

 

先に弱点に当てた者が勝ちというシンプルなルール。そういうルールを事前に決めてたわけではないが二人共同じ気持ちだろう。俺が当てる、と!

 

カツーン・・・・・・

 

「「「は?」」」

 

俺達が振った剣はまだ弱点に触れていない。横から来て弱点をかっさらっていったのは紫少女の鎖だった。

 

「なんかごめんなさい、先に当たっちゃったみたい」

 

「「「・・・・・・」」」

 

コイツ、コイツゥ・・・・・・久しぶりにクソゲーをしてる感覚を味わった。何やっても俺じゃなくて他のやつの手柄になってくのはクソゲーあるあるだ・・・・・・

 

「guoooooooooooooooooooo!!!」

 

「皆、上見ろ!!」

 

俺が変なことを考えてる内にボス線は佳境へと突入していくようだ。そりゃそうだろう、フスクスのHPバーはもう一本しか残っていない。散々言われてきたゴーレム形態になるならここがラストチャンスだもんな。

 

「下の線も!!」

 

ボス部屋全体にあった線全体が収縮し、外周部へと動いていく。線は壁にぶつかると壁へと垂直に登りだし、登りきった線達は天井の中央部、つまりフスクスの顔に吸収されていく。

 

俺達を今まで苦しめた青い線は一切消え、地面はただの黒い平面へと化した。

 

線を吸収し顔自体も少し青がかってるフスクスの顔が少しずつ出っ張っていく。線はフスクスの顔の先端に集まっていき、四本の太い束へ、そしてフスクスの顔の正面、俺達から見て天井中央に例の赤い紋様の超巨大化バージョンが出現する。

 

紋様からはゆっくり、ゆっくりと手足や、肘、膝、肩と腰も見え始め、最終的に胴体までもが現れ、紋様からは超大型の巨人が現れた。

 

「aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!」

 

今までで一番の叫びをしながら、ついにゴーレムとなったフスクスは天井から分離、地面までの自由落下を開始した。

 

「落ちてくるぞ!全員退避!退避!!!」

 

キリトが言うまでもなく、俺達はボスが落ちてくる場所からの退避を開始。

 

その直後、とてつもない揺れと轟音を発生させながらフスクスは地上へと降臨した。

 

高さ十メートルを超える巨人の体には、さっきまでを思い出させるラインがびっしりと入っている。そして何度目か分からない咆哮。フスクスに刻まれていた青のラインは真紅の赤色に変わり、動いていた壁もより不規則に、気持ち悪く縦の動きも追加されて動き出した。

 

 

「何で、HPが・・・・・・」

 

「HPが回復って・・・・・・そりゃあねぇだろうよ・・・・・・」

 

それらよりも更にインパクトのある事実、それは先程まででラスト一本まで削ったはずのHPバーが「四本まで復活していた」。

 

俺は元気いっぱいだと言わんばかりに、フスクスはまた雄叫びを上げた。




関係ないですけどファタールってヒロインちゃん→サンラクを思う感情を歌にしたっぽくて何か良くないです?
「あなたがいないと生きてけない」とかまんま将来のヒロインちゃんに当てはまりそう。
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