旅する狼達よ、鋼鉄の城にて吠えろ(シャングリラ・フロンティア×ソードアート・オンライン) 作:しらすの番人
「それじゃあ皆!今年の活躍を讃えて、乾杯!!」
「「「「「「「乾杯!!」」」」」」」
今日は12月31日、大晦日である。気が利かないSAOは大晦日であってもカウントダウンイベントなんてやってくれないが、なら自分達でやってやろうじゃないかとARKの連中が主催した、カルルインでのカウントダウンイベントに俺達は参加している。
ディアベルは俺達へ気を利かせてくれたのかカルルインの城に俺達の特等席を用意してくれた。何でもここからだと新年と同時に打ち上げられる花火が綺麗に見えるそうだ。
「はぁー、これで今年も終わりかぁ」
「・・・・・・ほぼ二ヶ月でまだ六層かぁ、それも六層に至っては主街区が解放されたばかりだし」
「カッツォ君、今その話題は禁止」
「へーい」
カッツォが言いたいことも分からなくもないが、一層突破した後は一ヶ月で六層まで到達してるしそんなに重く考えなくてもいいんじゃないか?一ヶ月で五層突破すると考えても・・・・・・あダメだこれこの考えでいったら再来年までかかっちまうわ
「でもシャンフロが今どうなってるのかは知りたい、です」
「リヴァイアサンも第一殻層攻略しただけで終わっちまったからなぁ、もうリヴァイアサンは全部探索されつくしたんじゃないか?」
「・・・・・・俺まだそこ入ってすらないんだけど」
「俺みたいに切り札として船召喚出来るくらいにならないと先行体験なんて出来ないってこった!!」
「それサンラク以外全員弾かれる・・・・・・」
まぁリヴァイアサン以外にもオルケストラとかその辺全部放ってきたけどな!!しかもオルケストラなんてまだ挑んですらないからとりあえず征服人形が関係している、ことくらいしか分かってない。
ただオルケストラのクエは征服人形と契約してるやつなら誰でも発生しそうなんだよなぁ・・・・・・
「あ、もう食べ物無くなっちゃった。誰か買ってきてー」
「言い出しっぺの法則」
「バリアで無効化ー」
「小学生・・・・・・?ていうか法則を無効化って何・・・・・・?ぷっ」
「それで笑うモルドが一番小学生まである」
結局ジャンケンで下の広場で食べ物を買ってくる人を決めることになった。そして選ばれたのは俺とカッツォ。・・・・・・なんでさ!
「あーあ、タダ働きじゃんこれ」
「まぁしょうがないな、ノリでジャンケン参加した俺達も俺達ってことで」
「強制参加だからノリもクソもないけどねー」
コツコツと階段を下りながら俺達は言う。俺達が居るこの城は五階建てで、しかもその五階に席はあるので下に行くのもちょっとした苦労だ。この階段で五階から三階まで下り、少し通路を進みメインホールへ行けば、下まで直通の階段がある。
「適当にスナック菓子でも買ってけばいいかな」
「いやというかさ、これ渡された額的に絶対コル余るだろ、これで二層の肉でも買いに行ってその場で食っちまわないか?流石にそれくらいは許されるだろ」
「・・・・・・サンラクも悪だねぇ、けど賛成。こういうのが買いに行く人の特権だからね」
「まぁ悪なのはカッツォ程じゃないけどな」
「何だとぉ?」
そんなこんなで三階の通路まで降りてきた。十数メートル程先にあるあのデカい扉を開けばメインホールへと繋がっているはずだ。
「ところでさカッツォ。この城のエリアって圏外じゃないよな?」
「いやそりゃそうでしょ。だってここに入る時も圏外表示出なかったでしょ?・・・・・・あ、でも地下は分かんないや、五層の地下は大抵圏外のダンジョンだったし」
「そっか、そりゃ良かった」
「・・・・・・?どうかしたのサンラク。サンラクらしくない質問して」
「逆に俺らしい質問ってなんだよ」
いやただ俺は思ってただけだ。「改めて暗視を取っておいて良かった」ってな。それにカッツォからとりあえず「ここは圏内」って言われただけで安心だ。
「よし、とこの扉を開ければ────」
カッツォが扉を開けようとした瞬間、俺の首筋に何かヒヤリとした物が当たり──
「イッツ・ショーウ・タァ」
「分かってんだよ!!」
俺はすぐさま右手剣を振り抜き、後ろにあるであろう刃物を弾き、後ろを見る。刃物を持っている何者かは何歩か後退し、俺の方を見る。
「何事!?何か首にが一瞬冷えたような───誰?」
「・・・・・・まいった。暗視スキルでも取ってたか?ツチノコさん?」
「正解だ。お前擬態率上げるマントか何か羽織ってたろ。階段から下った時にうっすらと壁に違和感が見えたんでな」
「面白い。面白いなぁ。話に聞いた通りだよ
「(サンラク、誰、コイツ)」
「(格好見てみろ。コイツ、多分キリトから聞いた通りなら、例の「黒ポンチョ」だ)」
「おいおい?俺を置いて内緒話かよ?悲しいなぁ?」
「初っ端からナイフ突きつけてくるやつに話すことなんて何もねぇよ。話に混ざりたいならナイフを突きつけた理由でも話したらどうだ?少しは仲良くなれるかもな」
「理由?理由なんて大層なことは何もない。ただ俺は楽しみたいだけだぜ」
「・・・・・・楽しみたい?」
「そうさ、俺は楽しみたい。せっかくのビッグ・ステージだぜ?色々仕込んで盛り上げたい。素晴らしいショーを作りたいんだ、観客が楽しめるような。」
「・・・・・・本当ならナイフを突きつけたまま地下室連れてってショウ・タイムの始まりだったんだがな。こんだけ距離もあるし二対一だしで何も出来ねぇ」
「またな、ツチノコさん。そしてそこの金髪君も」
そう言うと長身ポンチョ男は音も出さず壁へ身を出し、明るい町中へと消えていった。
「ナイフ・・・・・・」
黒ポンチョが落としていったのはただのナイフ。そこら辺のショップで変える何の変哲もない、レベル1毒すら塗られてない簡素なナイフ。
「ナイフはただの脅し、本命はやっぱ地下だったんだな」
「・・・・・・いや、ホント、何あれ?クッソ怖かったんだけど」
「正直俺もここが圏内だって確信持ってなかったらヤバかったかもな」
「だからあの時サンラクは「ここは圏外じゃないよな?」って聞いてきたのか・・・・・・普通に怪しいやつがいるって言ってくれれば良かったのに」
「いやそれを黒ポンチョに聞かれてたら不味いから言えなかったんだよ。何にせよ、ヤバい奴に目を付けられたのは間違い無さそうだな」
「てかあの黒ポンチョにも「ツチノコさん」呼びされてたじゃん。シャンフロの影響すごすぎない?」
「良くも悪くも、だよなぁ。まぁしばらくはあの黒ポンチョは現れないだろ。・・・・・・また会いたくはないけど。さっさと買ってきちまおう。あいつらにもこの事説明しなきゃだしな」
「うーん、話すのは後にした方が良いかもね。だって今日と明日は大晦日と元旦だよ?余計な心配させるのもどうかと思う」
「それもそうだな」
「ほら、早く行くよ。こんな所に居たらまた何か起きそうで怖い」
「へーい」
「「「「「「「じゅーう、きゅーう、はーち・・・・・・」」」」」」」
カルルインの広場では、およそ千人ものプレイヤー達がカウントダウンを始めた。
「いよいよですね!」
「僕たちもコールする?」
「折角ですし皆でしましょうよ!!」
「「「「「「「「「「なーな、ろーく、ごーお、よーん・・・・・・」」」」」」」」」」
カウントが一つ進むたび、声の塊はその色を赤く変え、大きくなっていく。
「「「「「「「「「「「「「「「「さーん、にーい、いーち・・・・・・」」」」」」」」」」」」」」」
加速度的に最高潮へと達していくプレイヤー達のボルテージ。その声は
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ぜろ!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「Happy New Year!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
新年の到来と共に爆発し、その音でカルルインの街を震わせた。
プレイヤー達の声と共に打ち上げられた花火もまた、カルルインの街とプレイヤー達の心を色鮮やかなものにし、プレイヤー達に感動と幸福を与える。
「わぁ綺麗ですね!」
「なんで遺跡の層なのに花火がこんなにあるの?」
「始まりの街とかに売ってるもの全部買い占めたとかなんとか」
「花火って製造系のスキル持ってる人がいれば意外と簡単につくれるらしいよ?」
「そんな花火って作るの簡単だったっけ・・・・・・」
「モルド、気にしたら負け」
「明けましておめでとうございます、楽郎君」
「うん、明けましておめでとう、玲さん」
「・・・・・・何か考え事ですか?」
「良く分かったね玲さん」
「帰ってきた時、皆には明るく振る舞ってましたけど、何かいつもの楽郎君らしくないなって、思ったんです」
「見透かされてる・・・・・・」
「何かあったのかは深くは聞きません、けど、今くらいは・・・・・・少し、心を落ち着かせてもいいんじゃないですか?」
「・・・・・・そうだね」
あの黒ポンチョがいなくなってから、少し考えたが・・・・・・もしあの時カッツォがいなくて一人だったら、俺はあの時みたいに冷静にいれただろうか?何故か知らない危険そうなヤツに正体を知られてて、そんな状態で一人でいて冷静に行動出来たのだろうか。カッツォに聞かなきゃ圏内かすらも判断出来ていなかったんだ、もし黒ポンチョに気づけていても、そこからさっきみたいになっていたかは怪しい。もし一人だったら、実力行使で連れて行かれる可能性もあっただろう
「周りには私や皆さんもいるんれすし、少しは頼って貰ってかまわにゃいんれすよぉー?」
「・・・・・・ん?」
「大丈夫れす、らきゅろう君は強いれすきゃらぁ」
「え?何か玲さん酔ってない?」
「だいじょうぶれす」
「サンラクくーん!レイちゃーん!早くこっち来てー!記念写真撮るよー!!」
「だそうれすよ、はやくいきましょう?」
「そ、そうだね?───そうだ」
黒ポンチョのことは、決して放置していい問題じゃない。必ず、考える時と決着を着ける時がやってくるのだろう。だが、それは今じゃない。なら、今は少し考えなくてもいいよな?今は楽しいことだけ考えててもいいよな?
思えば夏頃から随分と生活が変わったような気がする。夏頃までは武田氏とかのネットの知り合いはいても、基本的には一人でゲームはプレイしてた。実際それでめっちゃ楽しかったし、充実してた。でも今は、仲間と共にいる時間も物理的に増えて、パーティプレイも多くなった。それでも、プレイスタイルが変わっても、楽しいと思える俺がいる。
今年もなんだかんだで良い年になりそうだと、心の中で思いながら、俺は玲さんと一緒に仲間達への元へ向かった。
五層完結です。お疲れ様でした。ここだけは頑張りたい!って思ってた五層なんで、後書き長くなります。ご注意ください。
いや色々ありましたね、世界の真理書とか色々。ラフコフが出てくるのは次いつだろうとか思ったらもう六層で早速出番ありそうだなぁ。
この層での表テーマは「ARK崩壊危機」とか「ラフコフとサンラク」とか「世界の諸々」とかになると思うんですけど、裏テーマ?みたいなので「サンラクの考え方の変化」的なのも頑張って書こうとしたんですね、ヒロインちゃんを守るべき対象として見ようとしたりだとか、仲間とかの単語を多めに入れようとか。何かに挑戦し続けるのもサンラクですけど、何かを思い続けるのもサンラクって言うか?普段はバッサリと写るけど実は・・・・・・みたいな?何を言いたいのか自分でも分からなくなってきました。けどサンラクの根本的な部分は変わらないですね、だってサンラクなんで。考え方に少し味が付いてもいいかもねっていう、ただそれだけです。
とりあえず五層では頑張って楽×玲を書いてみたんですがどうだったでしょうか?もう散々言ってきましたけどまだヒロイン確定してないです。なんで、ヒロインが自分の中で確定するまでちょいちょいそれぞれのカップリングを書いてくことにしました。ちなみにメインヒロインが「ヒロインちゃん」「鉛筆」「ほうれん草」「光属性」の四人です。ワンチャン枠で「シリカ」か「ミト」も考えてるんですけど多分メインヒロインの中から決定されます。
結婚システムがあるならそれを活用したいですしね!
先言っちゃうと十層がボスとかフロアの雰囲気的に楽×京確定で、その間にワンチャン楽×茜を書くかな?程度です。楽×鉛筆は十層までだと描写しない予定だと言うことを先に宣言しておきます。あ会話がないとかそういうんじゃないです
長くなっちゃいましたけど、六層は自分がジェーンを当てられ次第書きます。当てられなくても書きます。勉強しないとヤバめな雰囲気出てきたので投稿頻度は落ちるかもですケド。
とりあえずこれからも本作をよろしくお願いしますね!