旅する狼達よ、鋼鉄の城にて吠えろ(シャングリラ・フロンティア×ソードアート・オンライン)   作:しらすの番人

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止まって沈んで泥被り

 

ぐちゃ

 

小さい頃こんな音を聞いたことはないだろうか、虫を踏み潰した時・・・・・・は音も出さずに瞬殺かダァン!の二択か。じゃあ雨が降った後の地面ならどうだろう、雨によって濡れた地面のぐちゃりとした感触と汚れる靴。あの泥となった地面を踏む時の擬音はぐちゃりで間違いないよな

 

 

「流石にこれはないだろうよ」

 

辺り一面に広がる沼地。これどう考えても外れエリアだろ!地面は水で濡れててほとんどが泥になってるし・・・・・・沼とか入ったら絶対気持ち悪いだろ、なるべく入らないようにしないとな

 

「第二エリアは荒野だったのに一気に沼地になるかぁ」

 

「もうここまで来ると何でもありだね」

 

六層のテーマはいつの間に「色んな環境」に変わったのだろか。開発陣が「テーマがパズルじゃ弱いですからもっと盛り込みましょう」と話してるのが見える見える・・・・・・なんだってこんな環境違いにしたんだ、しゃぶしゃぶのだしですらもっと親和性の高いものが揃ってるぞ??

 

「あ、分かったかも」

 

「何が分かったの?」

 

「さっきのボスはワニだったでしょ?で、ワニの生息域は大体水がある所・・・・・・河川だったり沼だよね?それで第三エリアは沼地。つまりこの層のフィールドボスは、次のエリアの環境を表してるんじゃないかなって」

 

「すごい、当たってそう・・・・・・流石はカッツォだ」

 

うんまぁ確かに良い推理なんだろうがそれ現状は何も変わってないよなぁ。別に沼地だからどうこうってことはないんだが、泥にはあんまり良い思い出がないんだよなぁ。小学生とか中学生の頃の俺は雨の中を走って帰っていたので泥や水が服に飛び散り母さんに怒られたという苦い思い出しかない。

 

「でもここのエリアを進まないとですよね・・・・・・森エルフの皆さんはこのエリアにいるとのことですし」

 

「キリトはあくまでβの話だから過信はし過ぎるなよとは言ってたけどな」

 

「そうだねぇ・・・・・・進むときは地面が濡れてて滑りやすくなってるのと泥になってる場所は歩きにくいだろうからそれに注意かな。あとカッツォ君の予想通りならワニ系のモンスターが出てきそうなので沼に注意しよう」

 

「オーケー・・・・・・で、どっちの方進む?マップ的にここは第三エリアの北西側、第四エリアには南東方面進むのが正しいんだろうけど」

 

「そもそも正面見る限り真っ直ぐ西側に突っ切ろうとしても沼しかないんだけど。最初は道なりに進んで途中で分岐があるんじゃない?」

 

「京極ちゃんの考えで行こうか。流石に沼を突っ切るのはねぇ・・・・・・たとえゲームの中でもこう・・・・・・モデルとしてダメな気がする」

 

「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」

 

もう言わない、もう言わないぞ。「まだモデルの自覚あったんですね」とか言ったらもう怒髪衝天。ある意味というよりそのままの意味でリアルを曝け出したペンシルゴンは何をしでかすか予想がつかないからな。

 

 

 

「・・・・・・あ、ほんとに分岐点がありますね」

 

「あっちの方には村みたいなのも見えます!」

 

「え、でもこっちは途中から道が無くなってない?草と木はこっちの方が生えてるけど・・・・・・」

 

フィールドボスのワニの小型版だったり、カエルやナメクジみたいなモンスターを倒しながら進むこと一時間弱、俺達は左側には村がある道、左側には草や木が生い茂る道の分岐点に着いた。村の方には木を土台として建てられた家がいくつか確認出来る。逆にもう片方の方は道こそ開けているものの、途中から道と言えるのか分からない程自然と一体化を果たしている。

 

「まぁ今回は怪しい方って言うか森エルフ達がいそうな方の道に行こうって決めてるからね、こっちの開けてる方に行こう」

 

「そもそも沼地にエルフがいるのか謎だけどな」

 

「違いないね」

 

 

 

ぐちゃ、ぐちゃ、ぐちゃ・・・・・・

辺り一面ぬかるんでいる道を俺達は進む、ぴちゃぴちゃという感じではないのでこの道は最近出来たものではないことが分かる。一歩進む毎に少し地面が沈むのがなんとも気持ち悪い。よくこの中でも木や草は生えるもんだよなぁ、沼で生える木で多いのは杉が多いとかなんとか。

 

「グルエッ!」

 

「モンスター!色が似てて気付けなかった!」

 

「トカゲ・・・・・・にしては立ってる」

 

地面の泥の色と似ていて、濁りすぎた茶色みたいな色をしたモンスター名「スワンプ・リザード」、初見のモンスターだがあまり脅威を感じはしないな。体長が六十センチ程しかなさそうな程小さいからか、それとも体を小さい足で支えているのが少し面白く感じるからだろうか?だがカーソルはめちゃくちゃ赤でこちらに敵意を向けて吠えてるので攻撃しないわけには行かないな!!

 

「少し片手剣だとやり辛いが──【レイジスパイク】!!」

 

片手剣ソードスキルは大体自分の目の前にいる敵を攻撃するようモーションが作られているので小柄なモンスターは苦手な部類である。だがレイジスパイクは剣を下に構えて突進するので多少小柄なモンスター相手にも当たる。【バーチカル】系統でも下に切り払う時は当たるだろうが、力が逃げ威力が少し落ちてしまうので、それを考えるとレイジスパイクの方が火力効率が良い。

 

「グエエェ!?」

 

「顔に当たったな!でも一撃とは行かないか!!」

 

レイジスパイクはリザードの顔面に直撃し、激しくリザードを吹っ飛ばすが倒してはいない。リザードのHPは二割程残ってしまっている。六層に入るまでは大体ソードスキルを使えばワンパンしていただけに六層でモンスターが強くなっていることを実感する。

 

「グエ」

 

「リザードが逃げる!!」

 

「このまま追いかけて仕留める!!」

 

「了解!」

 

俺以外の仲間は増援を警戒してくれていたが、リザードのHPが五割を切っても現れないことから増援は無さそうだ。後は俺が逃げようとするリザードを一回でも叩いたらそれで戦闘終了だ。

当のリザード君は現れた道を抜け草が生い茂っている方へ逃げようとしている。どっかで立ち止まったりしてくれればソードスキルも使わずに倒せるのだが⋯⋯

 

「⋯⋯!グェッ!!」

 

「ここから加速すんのか!」

 

リザードは草の奥目掛けて走る速度を上げた。流石小型と言うだけはあるがこっちも速度を上げる手段はあるんだぜ?

 

「【ソニックリープ】!」

 

レイジスパイクより速く移動出来かつ飛距離もレイジスパイクよりも長いソニックリープ。だが上に飛びすぎないよう前に自分の体を限界まで制御することが必要だ。

 

「グェア!」

 

「なっ、潜っ!?だが届く!!」

 

リザードは急に止まったかと思ったら()()()()()()()()()()をし始めた。だがリザード君は動くことを止めてしまった。一瞬でも止まったのならこちらのもの。

 

「グェアアアア・・・・・・」

 

リザードの背中をソニックリープで加速したグレイスソードが斬りつける。HPが二割にか残っていなかったリザードは当然ポリゴンとして爆散する。

 

俺はソニックリープの発動により前かがみになった体勢を少し走ることで戻す。そしてその場で止まり仲間の方へ戻るべく向きを反対側ずぶり

 

ずぶり?

 

 

「サンラク!足が!!」

 

「サンラク君!?」

 

「おいおいおい待て待て待て!!??」

 

先ほど何故リザードは地面に潜ろうとしたのか。それは潜れる地面だったからである、つまるところ、潜れる程柔らかい地面。俺達が歩いた地面はぐじゅぐじゅしているものの潜れる程ではなかった。だがここは道から少し外れた場所、沼である。俺は足をどうにか引き抜こうと何度か足を引き抜く、だが片方の足を上げれば片方の足が沈んでいるループとなってしまっている。

 

「おい待てほんとに!いやでも流石に──」

 

───あぁ、最悪のケースを俺は引いてしまったようだ。沼とは言ってもすぐ地面についたりして実際には大したことのないケースの方が多いだろう。だがこの沼は違う、俺が足を抜こうとすればする程、地面が柔らかくなり俺の足を深く飲み込んでいく。そしてそれは足の太ももまでもが飲まれようとしているのに一向に止まる気配がない。

「底なし沼」だと俺は直感的に悟った。

 

「いや流石に死因が沼は嫌過ぎるんだが!!ちょっと皆さん!何かありませんかね!?」

 

「運命に抗え!!」

「七転び八起きです!頑張り続けるしかないと思います!!」

「為せば成る」

「片足出すのが無理なら両足を入れて両足ジャンプするのはどうかな?」

 

十メートル程離れた道にいる仲間達がそう声をかけてくる。一人どういう世界観だよって言いたくなるがそれは厨二病な京ティメット、何を成せばいいのか具体的に言わないのはルストって別にツッコミがしたいわけじゃないんだよ!!

 

「うおおお本格的にマズイ!!」

 

もう俺の片足の飲み込み度は膝まで辿り着こうとしてる。てかそろそろ両足同時に沼の中に入りそうだ。何か案はないのか!?

 

「サンラク君一回止まって下さい!無理に出ようと更に体が沈んでいくってどこかの本で読んだ気がします!」

 

「マジ?」

 

一旦俺は足を動かすのを止める。・・・・・・確かに沈む速度は遅くなった。でも確実に着実に沈んでいってるんですけど、てかなんならもう腰に届きそうなんですけど!!

 

「この後はどうすればいいんだ!?」

 

「えっと・・・・・・確か沈むのは重さがあるからです!なのでサンラク君・・・・・・装備を、一旦全部外して下さい!!」

 

「「「「「「うぇええええ!!??」」」」」」

 

ガチか・・・・・・?ガチか・・・・・・いやてかもうやるしかないな死にそうなんだから!まだ死にたくねぇ!!

 

俺を速攻メニューを開き、自分の装備を全部解除。フォンと音がなり俺の上半身があらわになる。恐らく下半身もそうなっている。

 

「次は!?」

 

「あ、う、か、体を仰向けのような形にしてください!!」

 

俺は慎重に体重を泥に預け、体を傾かせる。泥に塗れ足が少し出るがそれっきりだ。

 

「次は何をしたらいいんだ!?」

 

「えっと、腕や足を可能な限り広げて・・・・・・」

 

「可能な限り広げて?」

 

「あとは気合です!!」

 

「きあい」

 

腕を広げる。足は依然沼の中なのでゆっくり、ゆっくり広がっていく。どうしよう、一旦手を使って脱出を試みるか

 

「こう逆平泳ぎ的な感じで・・・・・・お、良い感じかこれ!!」

 

手を使って後ろに下がっていくような感じで体を動かす。すると沼と体がずれて少しずつ下半身が出てくるではないか

 

「後はもう完全に気合か?・・・・・・ふんぬうううううううう!!」

 

仰向けを維持したまま足を引き抜こうと力を入れる。重い、足に重りがついているかのように重い。手もフル稼働させて後ろへ、足引き抜き!後ろ!足引き抜き!後ろ!

 

「ふんぬあああああああ」

 

体全体を反って足を引き抜こうとする。少しずつ、少しずつ足は沼から上がっていき───

 

「うおっ」

 

スポンと勢いよく抜けた足はそのまま空中へ、その勢いを利用して後ろ回りをし、沼の感触でなくなったと感じるやいなやすぐ立ち上がる

 

「生還したぞおおおお!!」

 

「良かった!!」

「やるじゃんサンラク!」

 

そう言ってくれるモルドとカッツォ。女性陣は・・・・・・あ

 

「これで早く拭いてくれるかなぁ!!後さっさと装備し直せドスケベサソラク!!!」

「へぶ」

 

ペンシルゴンから丸められたバスタオルが弾丸のように投げられた。しょうがないとは言え裸は裸。レイ氏はうつむいてるし京極は秋津茜の目を塞いでいる。ルストとペンシルゴンは白けた目をしていた。

 

 

 サンラク は 沼からの脱出方法 を 習得 した !!

 

 

 




逆に泥に良い思い出って何だよ、泥団子か何かかな??

そしてさらっと流されるモルドの考え

エルフ編は次回です
あ、でも本編の前に第二層の設定まとめ出す予定です
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