旅する狼達よ、鋼鉄の城にて吠えろ(シャングリラ・フロンティア×ソードアート・オンライン) 作:しらすの番人
「メリッサ様にお会いしたのですか?」
「うん、なんかとても上品な人だったよ」
「僕どころかレイちゃんよりもダイナマイトだったから嫉妬する気も失せちゃった」
「ふふ・・・・・・でもあれはあれで若い頃苦労したそうですよ?」
俺達はトレーニングルームで実戦訓練をしていたガリウス達と感動の再会・・・・・・と言っても一週間ぶりだが、を果たし、時間もちょうどよく18時手前だったので夕食を取ることに。五層でガリウス達と別れた後の俺達の獅子勇猛な活躍を語ったり、この層のパズルを愚痴を言ったりなど会話に花を咲かせていた。
「ミーアさんはメリッサさんと親しいんですか?」
「えぇ、だってメリッサ様は私の師匠ですもの。あの人のことは私が一番知っていると豪語出来ます」
「そうだったの!?」
「雰囲気が全然違う・・・・・・」
これは驚いた、ミーアは森エルフの「三強」の中の一人であるメリッサの弟子であるらしい。言われてみればミーアもメリッサもお嬢様言葉というか丁寧な話し方をしている。ミーアはおしとやかでメリッサはしっかりとした話し方だが、ミーアの話し方はメリッサから影響を受け自分の話しやすい形に変わっていったのだろうか。それなら話し方に共通点があるのも納得がいく
「じゃあミーアちゃんしか知らなそうなメリッサの秘密って何かあるの?」
「そうですね・・・・・・あ、これはガリウスもルイドも知らないかもしれません。実はですね、メリッサ様は普段はしっかりとした姿を部下達に見せているのですが、プライベートだと意外と大雑把と言いますか、朝起きるのも9時を回ってからですし、部屋も整頓していなくて散らかっているんです。片付けは全部私がやっていましたね・・・・・・あの人は別にやらなくていいとは言っていましたが」
「そうだったンか・・・・・・」
「ちょっと裏切られた気分になるっすね」
「半年前まではルイドも似たようなものだったのでは?」
「あの人はもう見た目がそうじゃないっすか」
「オレはまだ先生が自分でやってたから楽だったンだな」
ん・・・・・・?あの人って誰?お前達だけが知ってる話をするんじゃないよこっちがよく分かんなくなるだろ
「あの人って誰です?」
「あ、言うの忘れてた。申し訳ねぇっす、俺の師匠っていうか教え人って言うか?「イーシオン」って言って今は九層にいるはずっすね」
「ルイドも誰かに教わってたんだ」
考えてみれば不思議でもない、ガリウス達三人は特務隊とかなんとかで危険なミッションを行っているのだ、隊が結成される前にそれぞれ個別で教えを叩き込まれててもなんらおかしくないのだ。
「そろそろ行きましょうか、もう浴場に向かわないと一日の任務を終えた人達でいっぱいになってしまいますよ?」
「それは勘弁だね、じゃあ移動しようか。浴場への案内はミーアちゃん達にお任せできる?」
「もちろんです」
それから俺達は浴場へと移動。エミル城はあいも変わらず男女混浴なそうなので、男性陣と女性陣で入る時間を決めた。風呂に入った俺達は枕投げ大会などを行ったが通りかかったレムザードに笑われ終了。エミル城での一日は何事もなく終わった。
で、朝になり起床した俺達はまず朝食をいただき、昨晩レムザードに言われたので、司令室へ来たという状況だ。
「皆さん、昨日はゆっくり休めましたでしょうか?休めたのなら何よりですわ。早速依頼の説明⋯⋯をするはずでしたがまずは報告から言います」
メリッサは後半部分から口調も雰囲気も変え厳かな感じになった、これは多分ただ事ではないことが起きたな。
「昨日、この層各地に派遣している隠密兵から報告が入りました。曰くこの層の本当の鍵である「瑪瑙の秘鍵」が
うわ、これ絶対キリト達やん。多分そのエリートの黒エルフはキリト達といたキズメルという人だろう。これで本当にエルフクエストはリンクしてることが確定したわけだな。
「本来ならこの秘鍵を全員で取りに行って貰う予定でしたのですが、昨日取られたのならもう相手方の城に納められているでしょう。流石に城に攻め込むなんてことは時間も人員も無駄です、ですのでこの秘鍵は後の七層以降で取り返します。どうせ彼等も全ての秘鍵を揃えない限り目的達成は不可能なのですから」
「・・・・・・と、まぁ硬い話はここまでにしましょう。ないものの話をしてもしょうがないので、今回は秘鍵奪取訓練を行いますわ」
「「「「「「「「秘鍵奪取訓練?」」」」」」」」
「ええ、現在七つある秘鍵の内、三つずつを森エルフと黒エルフ共が所持しています。残りどちらの手にもないのは七層の秘鍵だけですの。訓練をしておけば、今は役にたたなくとも、七層の時には必ず役にたちますわ。と言ってもあくまでシミュレーションですのであまり気を貼らず参加して下さいな」
なるほど、これがキリトの言っていた秘鍵集めのシミュレートというやつか。こうなるんだったらキリトにもっと詳細を・・・・・・いや無駄か。恐らく「本来なら秘鍵を取りに行って貰う予定だった」とメリッサが言った時点でこのクエストは分岐していたことが分かる。黒エルフ側とストーリーがリンクしていることからも、このクエストは
「それじゃあここからは私が説明しましょう。まずこのシミュレート作戦に参加するのは、メリッサを除いたこの場にいる十二人、もちろん私もです。この十二人でランダムに三人四グループを作り行います。が、この時私・ガリウス・ルイド・ミーアの四人はそれぞれ別のグループになるように分けます、皆さんに説明しながら進行する役は各グループに一人は必要ですからね。そしてこの沼地エリアに配置されている四つの偽秘鍵をそれぞれグループで取りに行き、一番早く取って帰ってきたグループが勝利のシミュレート作戦です」
「作戦というよりゲームみたいなものですわね、私は城門前に立ってどのグループが一番早く帰ってくるか待っていますわ」
「ということでグループ分けは昔から伝わる「樽引き」で行いましょうか」
そう言えば森エルフであるガリウスは最初グッパーどころかジャンケンすら知らなかったんだよな・・・・・・そんな中で伝わってる分け方とはなんぞや
「よいしょ、ではガリウス達はこっちから、皆さんはこっちから引いて下さいね」
と言ってレムザードが机に置いたのは棒が何本か刺された二つの木製の樽・・・・・・くじ引きやんけ!ちょっと形変えただけのくじ引きやないですか!!
「くじ引きか・・・・・・俺最後の方でいいや、余り物にはなんとやらって言うし」
「願を掛けるカツオ・・・・・・略してガンツか」
「なんか違くないそれ?」
「じゃあ私が最初引きますね!」
「私も最初の方に引きたいです」
それぞれくじを引いて行った、種も仕掛けもないくじ引きの結果はと言うと、
赤 レムザード・俺・レイ氏
青 ルイド・カッツォ・モルド
黄 ミーア・京極・秋津茜
緑 ガリウス・ペンシルゴン・ルスト
森エルフ四銃士どころか外道共も全員分断されてやがる・・・・・・だと?このくじ引き・・・・・・やるなぁ
「よろしくな、レイ氏」
「ひゃい!よろしくおねがいしまひゅ」
「ふふ、私がついたからにはそれはもう一瞬で案内して上げましょう」
実際出来そうだからなぁレムザード
「最後にもう一つ説明がありますわ、今回はあくまでもシミュレーション、ですが秘鍵は本来、黒エルフ共と膠着状態にあるからこそ取ったり取られたりが出来ないのです、つまり秘鍵を取ろうとしたら黒エルフ達と戦闘になる可能性もあるのです。ガリウスは三層でそれを身を持って体感したでしょう?今回はその黒エルフ役として私の部下達をそれぞれの場所に派遣していますわ、本気にならずに、ですが実戦だと思って戦闘を行って下さいね」
「「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」
「その意気ですわ、では城門前に出て開始と行きましょう。各自準備はしっかりとお願いしますわ」
城門前に出た俺達は呼吸を整えたりストレッチをしたりする。さながら気分は持久走前だな、SAOじゃストレッチなんてやっても動きに変化はないが、それでも気分的に落ち着く。
「では皆さんそれぞれ向かう場所は覚えましたね?それぞれのグループに案内役がいるからといって頼りすぎないように!」
・・・・・・先生かよ
「それでは行きますわ・・・・・・3、2、1、始め!」
始まりの合図とともに全員が一斉に走り出す。俺達赤グループが目指すのはマップで言うと第三エリアの真ん中付近、三層の真ん中に繋がる川を超えた先にある鍵のほこらだ。
「レムザード!森を抜けた後は沼だらけだぞ!どう進むんだ!?」
「まぁまぁ、そう慌てないで下さい。それよりも先に、この木だらけの場所を超えないとですよ」
俺達がエミル城に来た道は木がたくさん生えている中で存在している道の一つだった。俺達はそんな道達を無視し、木と木の間を通って城から一直線に沼エリアに向かっている。
「レイ氏!大丈夫か?」
「はい、何とか!」
レイ氏は
「ほら、もう出口が見えてきましたよ」
森エルフなので森の中はお見通し、ということなのだろうか。レムザードは完璧な誘導で、ショートカットしているとは言え俺達が登るのに十分以上かけた森を数分で抜けてしまった。
「問題はこっからだぞ?沼を避けながらゆっくり進んでたんじゃ時間が足りないってことはなくても他の沼が無いルートを通ってるやつらに負けちまう」
「そんな時のためにですね、テッテテン、【ヴィルリの雫】〜」
「ヴィルリの雫・・・・・・ですか?」
「はい、案内役も兼ねている私達四人には、このヴィルリの雫を持って良いという許可が与えられていたんですね。かいつまんで話しますと、この瓶の中にある液体はエルフ達の隣人である
「へぇ、そりゃ凄いな」
「はい、私達エルフにとっては水霊達は
俺とレイ氏は靴を片方ずつレムザードに渡す、靴を預けてる間は片足立ち状態にならなくては行けないが我慢だ我慢。
「はい、もう片方もお願いします」
レムザードは俺とレイ氏の両靴に液を振りかけ、最後に自分の靴にも液を振りかけた。
するとHPバーの左下に水面を踏む靴のマークが表示される。恐らくそういう風に表示されるということはバフ扱いなのだろう。
「これでどんな水の上も歩くことが出来ますよ。もちろん沼もです。あ、でもゆっくり歩かないと落ちてしまうので気をつけて下さいね」
ということなので、俺達はゆっくりと沼の上を歩いて移動することにした。実際にやってみて分かるが、水の上を歩くというのは何とも不思議な感覚だ。最初の数歩は普通に沼に入りかけたが、慣れてからは、一歩進むと沼中にあるのだろう水が波紋のように広がっていくのが分かる。
この沼は何百メートルとかありそうなほど大きい、というか途中から湖に変わるのではないだろうか。これだけ大きいと移動するにも時間がかかるので、俺はレムザードに今まで気になったことを聞くことにした。
「なぁレムザード、今の内にいくつか聞きたいことがあるんだけど」
「はい、何でしょう。私が答えられそうなものならいくらでも答えますよ」
「そうか?じゃあ遠慮なく、今まで聞こうとは思っても時間が無かったりしたからな。で、俺が聞きたいのは主に二つ。【原始化】と【エルフ達はなんで秘鍵を巡って争ってるのか】の二つだ。原始化はガリウスでも知ってたんだしレムザードなら知ってるだろ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうですね」
・・・・・・・・・・・・もしかして地雷か?地雷なのかこの話題は?レムザードは動きが一瞬止まったし表情も笑うのを止めて真顔になった。てかどっちの話題に反応したんだ?やっぱ原始化の方なのか?
「・・・・・・順番に答えましょう、【原始化】は、この浮遊城が存在する前、古の時代のエルフ達の姿になることです。伝えられた話では、浮遊城に作られた時、【大地切断】の時に私達エルフは本来あった自由に空を翔けるための羽を失ったとされています、そして私達の体の色も、もっと極端だったとか」
・・・・・・確かに、あの時のグレトリクセルの肌は、黒エルフの褐色を超えて真っ黒になっていた。その真っ黒なのが「
「つまるところ、私達エルフは浮遊城に入る時、進化をしたのです、この城の環境に合わせて。それが私達の「今」の姿。ですがある時、これは浮遊城が出来た後の話ですが今よりも昔のこと、何かをきっかけとして、
重大情報のバーゲンセールか?とりあえず昔に原始化をしたエルフがいたってことか。
「・・・・・・俺達は確かに三層で黒エルフが変わった姿になったのを見たし、ガリウスもそれを見て「原始化」と言った。黒エルフ達にもその話は伝わってて、なおかつその姿になれるやつがいたってことか」
「そのようですね」
「あの、レムザードさんも、出来るのですか?その【原始化】を」
「いえ、実は私はその原始化とやらになったことはないのです。そしてそれはガリウス達やメリッサも同様ですね。実を言うと、私もあの時初めて原始化を目にしたのです。少なくとも私が生きている中で原始化をした森エルフはいないはずですね」
「なるほどなぁ、いやなんかすまんかった。そんな歴史のある話だとは思ってなかったわ」
ちょっと今までの情報まとめてくれライブラリ・・・・・・いるとウザいが情報を纏めるという点ではあいつらを超えた集団にあったことは無い。てかシャンフロプレイヤーもたくさんSAOにいるんだろうし探せばライブラリ所属の奴らもいるんじゃないか?
「いえいえ、気にしないで下さい。答えられるものなら答えると言ったのは私ですし。あぁ、それと二つ目の疑問ですね、それは──」
「聖堂を自分達の手で開くためです」
今まで歩きながら話していたレムザードは、俺とレイ氏の方へ顔を向け、いつもと変わらない糸目と薄ら笑いをした顔でそう言った。
エルフって元は妖精らしいですよ、妖精ってどこに住んでるんでしょうね
ここで一つ
「超サイヤ人に初めてなった悟空」とかけまして「テストで赤点取った時」と解きます。
その心は、
どちらも大きい感情(怒りと絶望)があったでしょう