旅する狼達よ、鋼鉄の城にて吠えろ(シャングリラ・フロンティア×ソードアート・オンライン) 作:しらすの番人
「・・・・・・ありました」
沼地の草をかき分け、レイ氏が見つけ出したのはほこら。世界観に全然合わない気がするが、日本の神社にあるようなほこらである。
「この中に秘鍵があるのか?」
「はい、まぁパカッと開けてみて下さい」
「じゃあレイ氏頼んだ」
「はい!」
ほこらは扉の前がひもで結ばれていて、ひもをほどかないと扉が開かないようにされている。本物の秘鍵が入ったほこらもこんな感じなのか?流石にシミュレーションのための形だけ模しただけとかじゃないとセキュリティガバガバすぎじゃね?
「ふぅ、後は扉を開けて・・・・・・あ、これですか」
レイ氏が開けた扉に入っていたのは、白い布で包まれた茶色の箱。そして茶色の箱の中には──
「鍵、ですね。木製ですけど・・・・・・」
「それで合ってますよ、枯れ木を加工して作ってますからね。形は上手く出来てるでしょう?」
確かに形はちゃんと鍵だ。持ち手は丸く、だが先端は鍵特有のギザギザになっていて、制作者は余程凄い技術を持っていると言える。
「ではこれを持って帰りま───おや」
「そこの者達、それはエルフ族に伝わる秘鍵だと知っての行動か?」
俺達がもと来た道を戻ろうとすると覆面をしてローブを着た三人組が現れた。これがメリッサの言っていた黒エルフ役の部下達なのだろうか
「あ、レムザード様いる」
「終わった、一番外れ引いたじゃん・・・・・・ 」
・・・・・・ドンマイ
「・・・・・・その秘鍵は我ら
リーダー的役割になってしまったのだろう黒エルフ(森エルフ)は仲間がへこたれそうになっても役割を続けている。真面目だなぁ
「ふむ、外れ扱いは頂けませんね。サンラク君、サイガさん、私は外れと言った者を処理するので他二人をお願いします。あなた達は強いので決して本気にならないで下さいね」
「ひえっ」
「了解、じゃあレイ氏、俺はあの真ん中のやつを相手するからもう一人の方お願い」
「分かりました・・・・・・!」
訓練とは言え実戦訓練、メリッサに戦闘だけはしっかりしろでも命令されていたのか、黒エルフ役はソードスキルも使って攻撃をしかけてきた。だが実戦訓練とは言え訓練、致命的になる一撃は避け、少しの間打ち合ったら俺と戦っていたリーダーが指示を出し撤退していった。
「終わりましたぁ」
「二人とも良い動きでしたよ」
「レムザードは良い動きどころか一撃も被弾してなかったな・・・・・・」
レムザードの相手をしてた黒エルフ役が可哀想になるくらいボッコボコにされてた、主に肉体面でなく精神面で。立ち上がった瞬間に足狙ってまた転倒させるとか悪魔か何かかな?
そして俺達は走ってもと来た道を戻った、徒歩じゃ通れない川や沼はまた「ヴィルリの雫」のお世話になった。・・・・・・この液クエスト報酬化か何かで貰えないか?あるとないとじゃライオット・ブラッドくらい違うぞ?てかエナドリ飲みたい、ごちゃごちゃした情報を一旦忘れるためにも頭にキメたい。
あの意味深発言をしてから城前に戻るまでの間、レムザードに何か変化があったようには見えなかったし、態度もいつものままだった。
そして俺達は城に到着。タイムは二時間と十二分で、順位はガリウス達に次いで二位。・・・・・・ガリウス、お前はどうしたってんだ。ペンシルゴンが理解出来ない?そんなの元々じゃないか
そして俺達がついてから五分程で京ティメット達が到着。最下位が確定した男三人組はそれから二十分遅れて城に着いた。何でも帰ってくる沼の途中でヴィルリの雫を使って歩いていたはいいものの、カッツォが沼の中から飛び出たピラニアみたいなモンスターに驚いて走って逃げようとしたらしい。もちろんヴィルリの雫は走る時適用されずにカッツォは沼の中に落ちたと、それでカッツォの救出に時間がかかり遅れたのだという。何してんのカッツォは?魚が魚に驚いてちゃ世話なくない??
一着だったガリウス・ペンシルゴン・ルストには、今日の夕食時にフルーツパフェが特別に提供されると。こんなクエスト報酬もあるんだな。
取ってきた偽秘鍵はメリッサが回収、後日またほこらに納められるそうだ。そんなこんなで今日のクエストは終わり、午後はまるまる自由時間へと当てられた。
「・・・・・・・・・・・・ということがあったんだ」
「なるほど、原始化の詳細な情報かぁ。なんかそういう情報がどんどん出てくると終わりに近づいてきてる感を感じるよね」
「エルフクエストもあと三層しかないもんな」
「残りの層は沼がない層だと助かるなぁ・・・・・・」
「あれはカッツォの自業自得でしょ、自分で焦って走っちゃったんだから」
「鰹はピラニアには勝てなかったんだな」
「ルイドも言ってたじゃん「何してんすか」って」
「めっちゃ呆れられてんじゃんカッツォ」
「しょうがないでしょ!急にバシャンって来られたらビックリもするよ!」
自由時間となった俺は城を探検すると同時にモルドとカッツォにレムザードから受けた説明を話していた、インプットして覚えたのならアウトプットして吐き出せってそれ良く言われるし。
「・・・・・・あれ、ここの先って何もなかったっけ」
モルドは壁を指差しながらそう言う。この城の全体図を見た時はこの奥にもう一つ二つくらい部屋があると書かれていたはずなのだ、だが目の前は壁で塞がれ行き止まりとなっている
「いや、この先にも空間はあるはずだよな」
「じゃあもうこの部屋から繋がってるとかじゃないの?」
カッツォが壁に一番近い部屋を指差す。ここくらいしか奥に繋がってそうな部屋はないか、折角なら城内全部見てみたいしな
「そんじゃこの部屋入ってみるか」
「人の部屋だったら謝らないとだけどね・・・・・・」
お邪魔しまーすと言いながら俺達は扉を開ける。幸い人が安んだりしているプライベートな部屋ではなかったが・・・・・・なんだここ
「書斎か」
「本がいっぱいある」
現れたのは俺の身長を超える程大きい本棚が並べられた書斎らしき部屋だった。本棚にはそれはもうたくさんの本が並べられてある。
「だけどこれじゃあの謎の空間が説明つかなくない?」
モルドの言ったことは確かで、この書斎は確かに広いがそれでも全体図で見た時程大きいスペースだとは思えない。
「方向ならこっちの方に何か・・・・・・あ、扉あるじゃん」
「マジ?」
カッツォが向かっていった方には確かに隠された扉が!でもこういうのって本棚の後ろとかに隠れてるんじゃないですかね
「あ、でも鍵かかってるわ・・・・・・横にあるこれは何・・・・・・ん?これクロスワードじゃない?」
「本当か?ちょっと見せてくれ」
扉の横の壁には白い紙と五十音順に並べられたボタンみたいなものがある。少しの文字だけ書かれた縦と横に並ぶブロックがいくつも存在し、所々①や②と書かれた数字付きのブロックが合計で七個ある。間違いなくこれはクロスワードだな。
「これだったら俺解けそうだな」
「じゃあここはサンラクに任せた」
「頑張れ〜」
クロスワードは別に全部埋めなくてもクリアは出来る。解いてる途中で大体の場所が埋まるっていうだけだ。・・・・・・えーと?まず横のラインで「②まきり」と並んでいる②に入るのは間違いなく「か」だろう、かまきり、まず②で、そしたら縦のラインで「①②の◯◯◯◯ぼえ」となっているところが「①かの◯◯◯◯ぼえ」になる。この文字数で当てはまるのは「ばかのひとつおぼえ」しかないだろう。ということで①は「ば」もうこの時点で「ばか」から始まる言葉を入力しないといけなくなった。・・・・・・なんか嫌な予感がするぞ?
クロスワードと格闘すること五分程。ついにクロスワードを解ききったがその答えは「ばかあほまぬけ」だった。いやもう感性小学生かよ、これ間違いだったのかと疑うレベルなんだが
「本当にこれで合ってると思うか?」
「とりあえず入力してみたら?」
「分かった」
五十音順に並べられたボタンを「ばかあほまぬけ」と順番に押していく。
ガチャ
・・・・・・何でこれで当たるんだよ。寧ろ外れてほしいと思った自分がいたことに驚いたよね
「ほあっ!?何でここに人族が!?ってもしかして君達あのクロスワード解いてきたの!?普通こんなのパスワードじゃないって思って引き返すよね??」
「じゃあそんなのパスワードに設定すんなよ」
扉を開けた奥にいたのはメガネをかけて少し年を取ってそうな森エルフ。おじいちゃんとは言えなそうな見た目だがおっさんでもない。おじちゃんだなこれは
「今から僕のサンドバーガータイムだったのに・・・・・・」
見ればこのおじちゃんは中々に美味そうなハンバーガーらしきものを持っている。・・・・・・そして後ろにはパティであるハンバーグを焼いているのが見える。何よりハンバーグの焼けるジュウジュウという音が聞こえてくる!まだ夜ご飯食べてないからめっちゃ美味そうに見えるんだけど
「おじちゃんそのハンバーガーちょっと食べさせてくれない?」
「おじちゃんじゃないわ!僕の名前はフリック!それにこれはハンバーガーなんて名前じゃなくてサンドバーガーだよ。少し惜しいけど違う名前だね」
「じゃあその焼いてるハンバーグでも良いからさ!」
カッツォもこのハンバーガーとハンバーグの魔力に取り憑かれたらしい。なんならモルドも今にもよだれを垂らしそうな顔をしている
「焼いてるってこれのこと?これはフリカテルだよ!・・・・・・うーん、君達の分はあるっちゃあるけどなぁ、どうしようかなぁ。人族が来たのも久々だしなぁ・・・・・・」
お?これは後一押しすれば行けるパターンのやつでは?・・・・・・ならあのワニのLAで行けそうか?
「じゃーん、これを見てくれフリックさんよ!」
「それは・・・・・・肉?」
「そう!バカでかいワニの肉だ!もしフリおじがサンドバーガーを俺達に食べさせてくれるならこのワニ肉を全部やる!筋肉も凄かったからきっと美味いと思うぞ!そのフリなんちゃらと合わせればダブルミートで更に豪華にもなるぞ!」
俺達が第三エリアに来る過程で倒した「ダルアル・ザ・アリゲーター」。そのLAを俺は取ったがその内容はこの大量のワニ肉だった。腐ってもというか腐ったらダメなヤツだがボスのLAボーナスなので、上等な肉ではあろうが、俺は料理スキルと取ってないし、取ってるレイ氏達も扱える熟練度ではないとのことだったので持て余していたのだ。今の交渉として使えるのなら持て余すどころかワニ神様に昇格までありえるぞ!!
「フリおじ?・・・・・・まぁいいか・・・・・・うーん・・・・・・うーん・・・・・・・・・・・・分かった!!このサンドバーガーを君達に食べさせて上げよう!今日は久しぶりに人が訪れたし気分が良い!そのワニ肉も焼いて皆で食べようじゃないか!!」
「「「おぉー!!!」」」
「この聡明なる「瞑想術師」フリックの華麗なる調理過程を見せて上げよう!」
「・・・・・・ん?瞑想術師?」
「え・・・・・・?あ、僕?もちろん瞑想術師だけど。あ、もしかして君達瞑想術が目的でここに来たの?」
「え、いや別に」
「ちなみにだけど瞑想術を手に入れたいならこのサンドバーガーは食べちゃダメだよ。瞑想術もそうだけどその先の「覚醒術」の修行に必要なことだからね。どうする?君達はサンドバーガーと瞑想術のどっちを手に入れるんだい?」
するとフリックの頭上にクエストであることを表す「?」マークが表示される。今までの会話ないようからして「瞑想術」やら「覚醒術」はクエスト報酬で獲得出来るスキルのようなものだと分かった
「えぇ・・・・・・」
「ちょっと待ってて下さい」
俺達は部屋の隅っこへ移動し、少し作戦会議というか話し合いをすることにした。フリックはこの間にもサンドバーガーなるハンバーガーにかぶりついて美味しそうに食べている。
「なんかめっちゃ急展開だけど二人はどうする?」
「うーん、あの感じは二層の【体術】の時と似てるんだよな・・・・・・だからこのクエストを受けることでゲット出来るんだろう仮称「瞑想」や「覚醒」はエクストラスキルに分類されるんじゃないか?」
「エクストラスキル!?良いねぇやろうよ!!」
クエスト受けるとなると俺は推奨瓶合わせて六つあるスキルスロットを全部使ってるんでどれか消さなきゃですねはい。流石にエクストラスキルは取っておきたいし【暗視】君が解雇になるかな。五層でレイ氏と逃げる時の逃走用には助けられたけど結局それからは水晶瓶に保存したまんまだし。後は「瞑想」と「覚醒」が同じスキルであるということを祈ろう。
「エクストラスキルかぁ、僕も体術の時は合わなそうだからやらなかったけど、今回はちょっとやってみたいかな。スロットも一つ余ってるし」
「俺も気にはなってるし二人ともやるんだったらやるか」
バイバイ暗視君。またいつか必要になったら取るかもな。
「待たせたなフリおじ、俺達三人ともその「瞑想術」とやらを手に入れさせて貰うぜ」
俺の言葉に反応し、フリックは俺達に向けて言う。
「そう言うと思ってたよ・・・・・・君達!僕は感動した!目の前にサンドバーガーがあっても「瞑想術」を選ぶその意思の強さ!!修行は厳しいと思うけど、君達なら「覚醒術」も体得出来る!この森エルフの《大賢者》と呼ばれたフリックが君達に覚醒術の試練を与えよう!!」
「試練・・・・・・か?」
「そう、試練だ!はい、まずこっち着いてきてね」
そう言うとフリックは部屋の奥に隠されていた扉を開け、ただ何も無い道場みたいな部屋に俺達を連れてきた
「広い・・・・・・ここがあの壁の先の空間か・・・・・・!!」
「無駄なスペースすぎでは?」
恐らく位置的にもあの時行き止まりだった先がこの部屋なのだろう。もっと凄い隠し部屋とかを期待してたが残念だ・・・・・・
「はいまず座って!そして座禅を組む!!」
俺達は言われた通り床に座り寺で坊さんなどがしている座禅を組んだ。意外とこの体勢自体は辛くはないな、長時間やると違うのか?
「試練の内容は至って単純!その状態で三時間、雑念や邪念、誘惑を捨て去り心の静穏を保つこと!!」
「「「三時間!?」」」
「あ、ちなみに静音の妨害として僕が目の前でサンドバーガーを食べるけど、サンドバーガーのことを考えても駄目だからね」
「・・・・・・まぁ、やってやろうじゃん!」
「頑張るぞー」
「まぁ、というわけだ。いつでも初めていいぞ」
「よろしい、それでは今から覚醒術の修行を始めます───始め!!」
用はハンバーガーのことを考えずに集中して耐えればいいんだろ?それなら楽勝だ、脳内ゲームの再生はお手のものだ。・・・・・・ハンバーグの匂い強いな?いや集中だ・・・・・・・・・・・・結局シャンフロは今どうなってるんだろうか、エムルやサイナ、ウィンプや兄貴に何も言えずこっち来てそれに年越してるしな・・・・・・確かシャンフロは一定期間ログインしないとNPCからの関係値がリセットされるんだっけか、それって今まで進めてたクエストはどうなるn「ほああああああ!!!」った!!
「何すんだ!?」
「何すんだじゃありません!開始して早々変な振り返りなんか初めて!一体どんな妄想してるんですか!しゃんふろとは何か分かりませんが雑念は雑念です!!」
こいつ俺の心の中を覗けるのか?
「そこの二人もです!一人は
二人の考えてることも当ててるのか・・・・・・カッツォは対全米一とのシミュレーションでモルドはネフホロか。だがこれらは何か駄目らしい。
「「「すんませんでした」」」
「・・・・・・よろしい。それではもう一回行きますよ、もう一度言いますけど心の静穏を保つんですよ?それでは───始め!!」
心の静穏・・・・・・か、感情に左右されず落ち着くこと・・・・・・って解釈で良いのか?静穏、静穏──ここはSAOだ、だとしたら、今までのSAOでの生活を振り返って心の静穏を保てってことか。
───
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──────
俺達が閉じ込められた「アインクラッド」。浮遊城であり、俺達が第百層までたどり着かなくてはいけないデスゲーム会場。あの日、プレイヤー全員が集められた場所で
「そこまで」
「・・・・・・もういいのか?全然三時間経ったようには思えないが」
「いいんだ、いいんだよ・・・・・・僕は、立派な心を見せて貰ったから」
「あー腹減った」
「フリックさん、試練が終わったならサンドバーガーを食べても・・・・・・」
「だめです、今食べたら折角の試練が台無しだよ?」
「「えぇー」」
「ほら、とっとと帰った帰った。あ、今度はそのワニ肉食べさせてね、そしたらサンドバーガー食べさせて上げるから」
クエストがクリアされた表示も出たので、俺達はフリおじに別れを告げ部屋の外に出た
「いやー疲れた」
「フリックさん三時間とか言ってたのに結局一時間と少ししかやらなかったんだね」
「え、逆にそんなに経ってたのかよ」
集中してたらマジ一瞬で時間過ぎてったな・・・・・・でもおかげで少しスッキリした気がする。瞑想、たまにはやっても良いかもな
「あ、スキル取れたのか確認しないと」
「確かに」
俺達はちゃんと「瞑想」もしくは「覚醒」スキルを取れたのか確認するべくメニューを開いた、そしてスキル画面を表示させる。
「お、あった【瞑想】って書かれてるね、そしたらこれをスロットにセットと──」
じゃあな暗視君、またいつか。
俺は水晶瓶に入っている暗視スキルを削除し、空になった水晶瓶の中に【武器防御】のスキルの熟練度を保存する。そして空いた五つ目のスロットに【瞑想】をセットして──
「うぇ!?熟練度500!!??」
瞑想のスキルをスロットにセット瞬間、俺達の瞑想の熟練度はどんどん上がっていき、500になって止まると同時に【覚醒】と書かれているスキルmodが解放された。
長くなったった・・・・・・ほぼ8000字・・・・・・
はい、瞑想のエクストラスキル及び覚醒modゲット!覚醒持ってたら良いことあるかもしれないですね