旅する狼達よ、鋼鉄の城にて吠えろ(シャングリラ・フロンティア×ソードアート・オンライン) 作:しらすの番人
「チップ二十万!チップ二十万!?・・・・・・これはバーダンさんブチギレですわぁw」
「ルイドいなかったらこれ無理だったでしょ」
うへへへへへへ、最強片手剣これにてゲット!完!!と行きたいところだがまだ早い、交換出来ても俺とカッツォどっちがウォル剣使うか決めないとだしな。
「あいつらにメール送っとかないとなー」
『先二十万チップ稼いだんでちょっくら交換してきます』っと。あ、チップの写真も忘れずにな
「うーん愉悦!!」
「・・・・・・クソだなぁー」
「今更じゃない?」
「ようこそ、ウォルプータグランドカジノへ。チップへの交換でしょうか?それとも景品の交換でしょうか?」
受付のスタッフが話しかけてくる。俺はこの時を待っていたんだ、チップか景品か、そんなのもう一択しかないよなぁ?
「『ソード・オブ・ウォルプータ』!一本よろしくお願いしまぁす!!!」
それはもう意気揚々と叫ぶ。あったりまえだろ十万VCだぞ現実で一億円ですよ??
周りにいる客達がざわざわし始めてきたが、スタッフは何事もないように「かしこまりました」と一礼すると、くるりと振り向く。
景品群はカウンター中央の柱側面に取り付けられていて、更にウォル剣はその最上部。
これどうやっても人間じゃ届かないだろとか思っていたのだが──
ゴゴ・・・・・・
あらびっくり。スタッフが何かボタン的な物を押したら景品群が並ぶボード自体が下降し始めたじゃありませんか。流石SAO、ファンタジー風な世界のはずなのに近未来的な技術を使うのな!・・・・・・スマスロがある時点で今更だけど
スタッフが銀と金で造られた剣を鞘に入れる。そして俺達の方に振り返り、
「こちらがソード・オブ・ウォルプータになります。どうぞお受け取り下さいませ」
ちらりと横を見るが、全員はよ受け取れ的な顔をしている。いやまぁ遠慮なく頂いちゃうんですけど。
剣の両端を支え、スタッフから剣を受け取る。そらぶっ壊れと名高いウォル剣だ。さぞかし重いんだろうから気をつけ──ん?
この剣なんか軽くない??
え?俺のグレイスソードも中々スペックの良い片手剣とは言え四層レベルでしかもAGI重視のプレイヤーが軽く扱える武器っすよ?なのに七層でバカ強とか最強〜とか言われる片手剣が俺でも軽いと感じるってどういうことなんですかね。
「・・・ありがとうございます」
まぁ強さを極めたが故に軽くなったとかだろう。強さ=重さとか言う先入観があった俺がいけない。これは現時点最強の片手剣、そう信じてスペックは後で確認すれば良い。
「他にも景品を交換いたしますか?」
剣を受け取ってストレージに入れるとスタッフがそう訪ねてくる。俺から十万VCを取ったは良いものの、未だ十四万VCが余っているからそう聞いてきたのだろう。
「サンラク君〜?」
「サンラク?」
・・・・・・はい、結論から言うと俺とカッツォは残り十四万程あるチップを交換に使うことが許されていません。
何故って?外道鉛筆が「サンラクとカッツォ君ぶっ壊れ武器使えるんだから他の物なんていらないよねぇ〜??」とか言い出しやがったからです。それに外道幕末厨も乗っかり、「片手剣打払令」が出され俺とカッツォの交換する権利が無くなりましたとさ。めでだくねぇよ??
結局、残る十四万のチップは俺とカッツォ以外に全部使われましたとさ。ガリウス達三人含めても一人一万以上のチップが使えたのだ。そりゃもう高価なアイテムとか武器・装備交換しまくってた。俺とカッツォはそれを眺めながら何か虚しいなぁとか浸ってました。
ちなみに三万VCで貰えるとか何とか言ってたビーチの通行証は、三万VC稼ぐ毎に一枚貰える仕様だった。俺達の場合二十四万VC稼いでたので八枚ってわけだ。
〜深夜・第七層フィールド〜
「ってことでやって来ましたお試しのお時間!!!」
「どんどんぱふぱふ」
「・・・・・・なんで俺も?」
何でってそりゃキリト君・・・・・・自慢に決まって居るでしょうよォ
「自慢です」
「せめて建前作れ?」
「せっかく手に入れたぶっ壊れスペックと名高いウォル剣だぜ?キリトも気になるんじゃないのかなーって」
「それはそうだが・・・・・・」
「騙されなくていいよキリト。結局サンラクはキリトに自慢したかっただけ」
「サンラク??」
俺とカッツォ二人で剣使う所キリトに見せびらかしてやろうぜつったら即了承した両生類はどちらへ?
とまぁこんな感じでやってはいるものの、もう深夜の十一時。ゲーマーとしてはこれからが夜の始まりさという感じなのだが、キリトの要請により明日は早朝から迷宮区目指して進まなければならないので、迅速に済まして寝なければならない。
「では、スペック確認と行きますか!」
まずソード・オブ・ウォルプータを実体化。鎬部分に黄金が埋め込まれ、鍔も黄金で出来ていて、握りは赤革、柄頭には宝石がある銀色の長剣。見るだけでヤバイとなるこの剣にカッツォとキリトも固唾をのむ。
剣をタップする。そこにはステータスやら何やらが──
「「「!」」」
『ソード・オブ・ウォルプータ』ロングソード/片手剣 レンジ:ショート
攻撃力:230 重さ:30 タイプ:斬撃
要求レベル:20 防御:+30 敏捷:+30 力:+30 強化回数:30
この武器を装備した者には、追加で『毒無効』『HP自動回復』『クリティカル率強化』が付与される。
「えっっっっっぐ」
「
「一桁層の時点で攻撃力200越え・・・・・・バカだろ!これ作ったの茅場だろ!バカだろ!!」
キリトの語彙力が壊れちゃった・・・・・・
いや、言いたいことは分かる。なにせオーバースペックすぎると思っていた俺のグレイスソードでさえ攻撃力110。単純な攻撃力で見るなら二倍、付加要素も強すぎて二倍どころの話じゃない
「・・・・・・キリト、これ何層まで持つと思う?」
「インゴットとかにしたら分からないが・・・・・・これだけなら15、いや20までは確実に持つ」
おっほ、勝ったわ。SAO君まさかの救済措置が強すぎる
「単純スペックの時点でもおかしいのに、何で毒無効とリジェネがしれーとついてんのさこれ。この二つだけでコルの存在意義半分くらい無くなるよ?」
「毒、ってことは麻痺毒とダメージ毒両方っぽいもんなぁ・・・・・・ヤバイわこれ」
スペック確認も程々に、さっそく・・・・・・
「実戦と行きましょうかねぇ」
本題はこれだ、実戦だとコイツはどのくらい強いのか。いやもうスペックの時点で強いとは分かっているんだけれどもね、実際の使用感を確かめないとね。
「「最初はグー、ジャンケンポン」」
「は?」
「いえーい」
「・・・・・・」
は??は???こんなスペック見せつけられて?カッツォの次??なんでや!
「丁重に扱えよな」
「へいへい」
「・・・・・・・・・・・・俺は?」
「えぇ?何だって??」
「俺も使わせてくれええ!!!」
「キリト君にはβ的視点から観察するっていう仕事があるじゃないですかやだー」
「聞いてないけど!?お願いだから半殺しは止めてくれ!!!」
「まぁキリトも呼んだのはβテスターの使用感とか諸々も聞きたかったからなんだけどな、だから最終的には使わせる予定だから安心はしてほしい」
「よっしゃ!」
別にディアベルでも良かったんだが、あの勇者王(笑)さんはカジノ最終的に全部スッてなんか呼ぶのもアレだったんで止めときました。南無
「じゃまぁ、あそこのビートル君で試して見るか」
カッツォが剣を向けたのはいつか見たヤリカブト君。剣を構えライトグリーンに輝く光は─
「『ソニックリープ』!」
毎度毎度お世話になる十メートル程を跳躍してくれるソードスキル。対空性能良し、素早さ良しで隙がない。ソニックリープは終盤までお世話になるんじゃないだろうか。
夜に輝く黄緑の剣跡は一瞬の移動の跡、ヤリカブト君を甲から叩いて──割れた。
「ワンパンかよ」
「あのカブトってこの層でもトップで硬いモンスターのはずなんだけど真っ二つだな」
もはや驚き超えて呆然である。七層最初の時に「串刺し公!」とか言ってたペンシルゴンに見せてやりたい。多分「は?」って言って数秒固まるな。
「使用感はどうなん?」
「・・・・・・軽いね、振りやすいは振りやすいんだけどなんか最強!って感じが薄いかも」
「ふむ」
軽いってことはそれだけ身軽に動けるってことだよな?だとすると俺みたいな俊敏特化のプレイヤーが相性いいのか?リジェネ付きである程度のダメージなら気にならないから・・・・・・やっぱ時代はAGI特化型かな??言うて俺のビルドだと数回攻撃貰うだけでヤバイからなぁ・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・え?」
「どしたカッツォ」
「俺は今冷静さを欠こうとしている」
「何が起きた?」
「サンラク・・・・・・ちょっとこれ持って」
「おう」
「で、HPバーの左下、EXPのバー見てみ?」
はいはいEXPバーな、何だ経験値アップでもついてたか?うーん、これといって異常は・・・・・・お?バーが少しずつ動いてるなんだこれ。普段モンスター倒して経験値獲得した時は右側に行くゲージが何か左側に行ってるな??
ミルジル戦で27になった俺のレベルは──
しゅううん
26になった。
「はああああああああ!!!???」
ちょパス!キリト!!パス!!
「おい何だよ」
「HPバー、左下、ミロ」
「なんでそんなカタコトに・・・・・・って、んんん????」
「・・・・・・・・・・・・レベル下がった」
クソ武器確定じゃねぇか!!ふざけんな茅場!!!
「・・・・・・まとめると、超メリットが大きい代わりに超デメリットが大きい武器ってことでオーケー?」
「状況的にはオーケーじゃないけどオーケー」
まさか超強い代償が経験値吸収って・・・・・・笑えねぇよコレ厄ネタ認定封印指定案件です。
「レベルも関係なく下がるし」
「ボス戦の時だけ使ってプラマイゼロくらいか?」
「経験値の減り方は数値なのか割合なのか。何分で1レベ下がるのとか全然分からんから何とも」
俺達全員1レベずつ下がったからもう試す気にもなんないしなぁ
使い所を考えれば使えるくらいの評価に落ち着くか、流石にそんなに甘くはなかった
「とりあえず今日はもう戻ろうぜ、明日の朝にはお前らにも出発してもらわなきゃなんだから」
「はいよーとそうだキリト。結局お前が治したいって言うNPCってどんな奴なんだ?竜の血で治るNPCなんて異例すぎるだろ」
「うーん・・・・・・まぁお前らになら言ってもいいか。その・・・・・・ウォルプータのカジノってバーダン家とナクトーイ家、二つの家で運営してるんだけど」
「そうだな」
「あ知ってるのか。なら話は早いな、俺達はそのナクトーイ家の方、二ルーニル様のクエストを受けてたんだが、クエストの途中で倒れちゃってさ、治すには『竜の血』が必要って言われたんだ」
「二ルーニルが?」
えぇ・・・・・・いきなり急展開?あの人吸血鬼なんだろ?それが倒れるってどんなだよ・・・・・・あ
「知ってるのか?」
「こっちのクエスト関係でな、もしかして二ルーニルが倒れたのってコルロイ家関係してる?」
「・・・・・・サンラクお前どこまで知ってるんだ?」
「二ルーニルは吸血鬼・・・・・・じゃなくて『夜の主』ってこととか?」
キリトがどこで知ったんだそれみたいな顔をしている。生憎森エルフ関連の質問は受け付けておりませんのでね。
〜一月九日 7:00 迷宮区ボス前 安置〜
「はっ!・・・・・・あれ、ここは・・・・・・?」
「茜ちゃん、おはようございます」
「秋津茜、起きたのか。おはよう」
「おはようございます・・・・・・?」
「どうした秋津茜、寝ぼけてるのか?」
「いえ、何故でしょうか、昨日の記憶がほとんど無くて・・・・・・」
「あー、昨日はめっちゃ頑張ってたもんなぁ。疲れすぎてたんじゃないか?この安置に来た瞬間に寝てたし」
「そうだったんですか・・・・・・」
いや昨日の秋津茜はホントに良く頑張ってた。谷を抜ける時のフィールドボスなんか「突撃あなたが晩ごはん」とか意味分からんこと言ってたし。
迷宮区攻略の時も秋津茜を筆頭にした『南斗人間弾丸』で頑張ってたもんなぁ。しみじみ。
さて、もうそろそろ他の寝てる仲間も起こして準備を始めなければならない。予定では八時にディアベル達が来て九時からボス戦開始だからな。
二ルーニルは結局、マジで衰弱ってか薬で眠ってた。俺達は昨日の朝、キリト達とは別で迷宮区を目指しやって来たのだが、この安置で合流した時は流石に今すぐボス倒した方が良いんじゃないか?と思った。
時間が経つにつれHPが減ってるんだもんな。前訪問した時にいた従者、キオが二ルーニルを抱えていたのだが、その表情は悲しみで溢れていた。
更に言えばルイドとミーアにとっては昔世話になった人が死にかけでの再会になってしまった。絶句したり悲しんでいたが尚更放っておけないと改めたようだ。
・・・・・・六層で会った黒エルフのキズメルがいたことにより、一時期ガリウス達とキズメルの雰囲気は最悪になったのだが、今回は共闘?とうか不可侵条約的なのを結んだっぽい。
ちなみにこの層で一回も見かけなかったエギルパーティはここで合流。なんでも南からではなく北回りで攻略していたとか。
巨漢四人が追加されたことで、ただでさえ狭い安置が更に狭くなった。
「・・・・・・突入前に最後の確認をする!」
ボス戦を取り仕切るのは毎度おなじみの自称騎士ディアベル。更に今回はβテスターであるキリトも全体への指示出しを任されることになった。
「第七層フロアボスは『アギエラ・ジ・イグニアス・ウィルム』!SAO本格開始して依頼最初の『ドラゴン』だ!」
「こいつは主に巨大な体をいかした突進だったり爪での引っかき等物理攻撃をしてくるが、一番厄介なのは口から放つブレスだ!このブレスは範囲がバカでかいから盾持ちの後ろに隠れるように!!」
「今回もどうせβからの変更はあるんだろうが──俺達ならなんとかなるさ!皆、気合入れて行こう!!それじゃあ、行くぞ!!」
応、とプレイヤー達は答え、突入。竜の猛々しい砲声と共に開戦と相成った。
一ヶ月待たせてしまったので、この二十四と二十五で七層を終わらせようと思います。
随時更新するのでご期待下さい。