見滝原解放戦線物語   作:かずボコ

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魔法少女・黒江の前に寄生虫が現れた


第十三話 ソウルジェムと寄生虫

黒江「ひっ!」

 

と、思わず声を上げる黒江

 

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 ヒード 

粗雑種の寄生虫で、赤黒く、縦に割れた口がある肉塊のような体に人間の頭が何個か繋がっているかなり奇妙な構造をしている。倒すと、香りと呼ばれる痕跡を残し、ワームが出現するリスクが他の寄生虫より上がっている

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黒江「怖いけど…倒すしかないか…!」

 

そして、黒江が新体操で使うクラブを抜いた

その瞬間、ヒードが縦に割れた口を開け、黒江に飛びかかる

 

対して黒江がクラブをヒードに振るう

ヒードは、その一撃に沈んだ

元々、ヒードという寄生虫はあまり頑丈ではない…むしろ脆い方だ

 

黒江「ちょっと怖いな…いったん戻るかな…」

 

と考えていた時だった

ヒードの残した『香り』を頼りに数十体のワームが出現した

ワームは香りの濃さに応じて、それ相応の寄生虫をばら撒く

 

黒江「な、なに!?」

 

ワームから大量の原生種の寄生虫が解き放たれた

黒江がヒードの性質なんて知ってるはずがなかった

そして、解き放たれた原生種の寄生虫やく200体が黒江に一斉に飛び掛かる

 

その頃、この寄生虫大量発生を北側拠点でも察知していた

 

ボコブリン博士「黒江さんのところに大量の寄生虫が…!」

 

白銀ボコブリン「大量ってどれぐらい…言うて、30体ぐらいでしょ」

 

灯火「はにゃ~、これは200ぐらいいそう…」

 

と、レーダーを見ながら呟く

 

白銀ボコブリン「に…200!?」

 

ボコブリン博士「かつての、バンカラ街、神浜市のときでも比にならないくらいの数だ…」

 

白銀ボコブリン「いくら魔法少女でもまずい!ちょっくら行ってくる!!」

 

と拠点のドアをタックルで壊し、刀を手にし、黒江のもとに走り出した

だが、走っている白銀ボコブリンのもとに南京錠のような敵が現れた

 

白銀ボコブリン「邪魔だぁー!!」

 

それを細切れにしながら突き進んでいった

 

そんなさなか、地面を盛り上げて寄生虫から逃れていた黒江

だが、イエローアイに新種・バーミンが空中から襲来

更にアラクニド、ロングアームズがよじ登ってきた

 

黒江「攻撃されるのも時間の問題…」

 

だが、黒江はクラブを落として爆発させることで、結構な数を減らせることに気づいた

しかし、その爆破で倒したところにベコンがステージ3で出現

フライングキャリアー、ライトボマー、オーバーシアーなどを差し向けてきた

その時、黒江の真ん前に寄生されたエンダーマンが現れた

 

黒江「え?」

 

そして、黒江が寄生されたエンダーマンに突き落とされた

落ちる先は寄生虫の海

 

黒江(ドッペル…!)

 

だが、この土壇場で黒江がドッペルを発動した

そして、このドッペルがこの状況を打破する狼煙となった

 

その時、出現したベコンステージ3がステージ4に進化し、黒江の周りの原生種が適応種に進化した

だが、黒江は諦めていなかった

 

黒江「はぁー!」

 

ドッペルの飛行能力で空中にいる寄生虫たちを撃ち落としていった

地上にいる寄生虫にはクラブを爆発させて対処していく

その成果、ベコンステージ4、並びに地上を闊歩していた寄生虫たちを満身創痍で掃討した

 

黒江「やった…!」

 

だが、空中から突如として謎の触手が伸びてきた

 

黒江「え…!?」

 

その触手が黒江に巻き付いた

そして、黒江に黒い侵食物質を注入していった

 

その現場に白銀ボコブリンが到着した

 

白銀ボコブリン「何が起きてんだ!?」

 

その瞬間、黒江が触手の根元の空間に引きずり込まれた

と同時に白銀ボコブリンもその空間に引きずり込まれた

 

白銀ボコブリン「うわー!」

 

白銀ボコブリンが打ち付けられた空間は、何かの結界だった

そして、顔を上げると

黒江のドッペルの羽が金色に変色していった

 

白銀ボコブリン(この気配…黒江が侵食適応個体になった!?)

 

黒江はドッペルの状態で侵食物質を取り込んだことで、暴走状態となってしまった

その瞬間、黒江が白銀ボコブリンに向かって突っ込んできた

 

白銀ボコブリン「マジかよ!?」

 

白銀ボコブリンが黒江のクラブの一撃を間一髪で受け流した

そこに、ボコブリン博士が乗ったヘリが突入してきた

 

ボコブリン博士「一体どういう状況だよ!?」

白銀ボコブリン「黒江が暴走した!侵食かなんかだ!」

 

すると、ヘリから連射カノン砲が黒江に向かって飛ぶ

 

ボコブリン博士「今使ってるのは、対侵食インク!あの状態なら戻せるはずだ!」

白銀ボコブリン「こっちもあいつを削る!」

 

と黒江にぶつかって行った

 

白銀ボコブリン「豚流・漁夫木突(ぎょふもくづき)!」

 

と黒江に突き技を放つ

それが黒江のドッペルの翼を貫いた

 

白銀ボコブリン「今だ!!」

 

と、ボコブリン博士に叫ぶ

 

ボコブリン博士「連射カノン砲だ!戻れーー!!」

 

と、爆風が黒江を包み込んだ

その戦いの末、黒江が横たわっていた

 

白銀ボコブリン「ふぅー」

 

とため息をついた

だが、まだ戦いは終わってはいなかった

ヘリに南京錠のような使い魔が大量にへばりついた

そのまま、ヘリが白銀ボコブリンに向かって一直線に墜落した

 

白銀ボコブリン「なっ!」

 

そして、ヘリに白銀ボコブリンが押しつぶされてしまった

瓦礫から何とか抜け出した白銀ボコブリンの前にいたのは、

侵食適応個体となった絶交階段のウワサだった

 

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 侵食適応絶交階段のウワサ 

侵食適応個体の絶交階段のウワサ。以前の名古屋市での戦争でカズキとボコブリンが絶交階段のウワサと交戦したことがある

必殺技は、中にある大きな鐘の音で相手の生命エネルギーを奪う命奪鈴(ダイアウトベル)

この音を一分以上聞いた者は全て死に絶えてしまうという

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ボロボロの状態の白銀ボコブリンが立ち上がった

だが、白銀ボコブリンは肋骨が数本折れ、更に、左腕の骨も折れている

直後、血を吐いてしまう

 

白銀ボコブリン(あばらが肺に刺さったな…幸い利き手は生きてる…)

 

しかも、ボコブリン博士、黒江と、もに意識不明…動けるのは白銀ボコブリンしかいなかった

更に、絶交階段のウワサの奥に侵食核まで存在する

 

白銀ボコブリン(侵食核…アイツを倒して、最短で壊して脱出する!)

 

そして、刀を構えた

 

白銀ボコブリン「てめぇは絶対生きて返さんぞ!!」

 

白銀ボコブリンがブチ切れた

そして、

 

白銀ボコブリン「豚流・爬虫木打!!」

 

と、勢い良く飛び出す

その速度は白銀ボコブリンが白い流れ星のようにも見えるほどだった

その勢いのまま、絶交階段のウワサを真っ二つに両断し、そのまま、侵食核まで叩き斬った

 

白銀ボコブリン「やったぞ…」

 

と白銀ボコブリンが大の字に倒れた

その時、黒江の目が覚めた

 

黒江「あれ…私は…」

 

と起き上がる

目の前には燃え尽きたヘリの外で血まみれで倒れていボコブリン博士がいた

黒江がボコブリン博士に駆け付ける

 

黒江「大丈夫!?」

 

すると、ボコブリン博士も目を覚ました

 

ボコブリン博士「あ…ああ…何とか…な…」

 

実際、黒江も寄生虫の襲撃で満身創痍の状態だった

だが、その時、結界が何故か黒く染まり始めた

 

ボコブリン博士「侵食暴走状態の兆候だ!」

 

と周りを見渡すと、消滅真っ最中の絶交階段のウワサと、真っ二つになった侵食核、そして、大の字に倒れている白銀ボコブリンの姿だった

 

その上に影が現れた

蝶のような姿で、黒く染まった宝石のようなものを携えていた

それをボコパッドで解析するボコブリン博士

 

ボコブリン博士「悦ぶ…サファイア…の…唇…完全新種の…キモチ種…!?」

 

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  北側拠点付近に巣食う・侵食母体悦ぶサファイアの唇  

キモチというウワサでも魔女でもない種族に属する敵。絶交階段のウワサを配下にしており、人に憑依することができる。侵食母体個体になったことで、必殺技「氷人使役(フリーズプレイ)」で、サファイアの部分からの冷気で凍らせたものを自在に操ることができるようになった。

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ほぼ全員がダウン状態で、暴走状態の母体個体…今までにないほどの絶望的な状況だった

 

白銀ボコブリン「お前が…母体…かよ…!」

 

と、白銀ボコブリンも動けない状況だった

 

その時、黒江が白銀ボコブリンを見て

 

黒江(白銀ボコブリンさんには助けてもらってばっかだよな…

最初会った時も、魔女になっていたところを救ってくれたし…今までもそうだ…環さんに助けてもらって…だけど…それが憧れだった…)

 

その時、サファイアの唇が動けない白銀ボコブリンに氷のエネルギーを溜めて、強大な攻撃を放とうとしていた

 

黒江(今まで助けられてた分、今度はこっちが助けるんだ…!)

 

その時、サファイアの唇の攻撃が溜まり切った

 

白銀ボコブリン(避けれない…ここで…終わりか…)

 

黒江(『なれるかな』じゃない!なるんだ!…助けられてばっかの自分から助けてばっかの自分に!!)

 

黒江「マギア…!!」

 

すると、大きなジグソーパズルが現れた

 

黒江「欠片砲弾(ピーススティンガー)!!」

 

そのパズルのピースが次々とサファイアの唇に飛来し、そのピース一つ一つが大砲の砲弾並みの爆発を起こした

それにより、サファイアの唇が結界の奥まで吹き飛んだ

 

ボコブリン博士「あれ…は…」

 

ボコブリン博士はボコブリン達がつけるソウルジェムの代わりの代物であるデジタルポーチをつけた者しか『マギア』は発現しないものだと思っていた

それが、ソウルジェムしか持っていない魔法少女にも発現した

 

白銀ボコブリン「アイツ…やるじゃないか…」

 

と白銀ボコブリンもかなりの衝撃を受けた

だが、最悪な状況に変わりはなかった

しかし、それすらも覆る出来事が起こった

 

???「おりゃー!」

 

と、黄色のトンファーを持った魔法少女が突入してきた

そして、その一撃がサファイアの唇を捉えた

更に、もう一人、銀髪の魔法少女がどこからともなく現れ、サファイアの唇を切り裂いた

 

白銀ボコブリン「やっと動けるようになった…!」

 

更に、ボロボロの状態だが、白銀ボコブリンが復活

絶望的状況がまさかの大どんでん返しで一気に覆った

 

白銀ボコブリン「さっきは、よくやってくれたな!」

 

と、サファイアの唇との距離を一気に詰めた

 

白銀ボコブリン「百倍返しだよ!豚流・多頭狂乱!!」

 

繰り出された斬撃が容赦なくサファイアの唇を細切れにした

そのまま、禍々しい光があふれ出し、侵食母体悦ぶサファイアの唇は禍々しい大爆発とともに結界ごと跡形もなく消え去った

 

白銀ボコブリン「やべ…やっぱ無理し過ぎた~」

 

と白銀ボコブリンが倒れ込んだ

そして、辺りの侵食が浄化されていった

だが、最初に戦った三人はボロボロの状態だった

辛うじて黒江は動けたため、乱入した魔法少女二人と協力し、白銀ボコブリンとボコブリン博士を拠点にまで連れ帰った

 

その後、北側拠点である程度回復したボコブリン博士が起き上がった

だが、白銀ボコブリンは魔法少女判定ではない分、回復にも時間がかかる

 

ボコブリン博士「いててて…」

黒江「大丈夫ですか?」

ボコブリン博士「あ…ああ…」

 

気づくと、さっきの魔法少女二人が新たに仲間になっていた

この二人の魔法少女は黄色いトンファーのようなものを持った方が粟根こころ、銀髪で西洋の剣を持った方が加賀見まさらと名乗った

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  神浜の魔法少女コンビ・加賀見まさら、粟根こころ  

神浜市で共にコンビを組んで活動している魔法少女。まさらはクールなのに対して、こころは明るい性格と対照となっている。たまたま立ち寄った調整屋でみたまたちからの協力要請を承諾し、見滝原にやってきた。

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そんな中、ボコブリン博士が考え事をしていた

 

ボコブリン博士(何で、あの戦いで黒江に『マギア』が…?

今まで、マギアが発現する条件はデジタルポーチだと思ってたけど、違うのか…?

現状、マギアが発現したのは、僕とカズキ、青ボコブリン、黒ボコブリン、そして、黒江だ…

この五人に共通することがあるのか…何だ…?カズキ、青ボコブリンは名古屋港での寄生ラッシュのさなかで発現…黒ボコブリンはマチビト馬のウワサのときに発現、僕はお菓子の国の魔女のときだ…そして、黒江は寄生虫の大群襲撃の後の悦ぶサファイアの唇…

待てよ…寄生虫…まさか…!)

 

と、違和感を調査するため、黒江とまさら、こころのソウルジェムを比較することにした

 

ボコブリン博士「そこのお二人さん、ちょっとソウルジェム貸してくれる?」

こころ「割らなければいいよ」

ボコブリン博士「ありがとう」

まさら「はい」

ボコブリン博士「どうも~…あと、黒江も」

黒江「え!?…ま、はい…」

 

そうして、三人のソウルジェムを分析した

すると、黒江のソウルジェムにだけ、内部に見たことのない物質を検出した

 

ボコブリン博士「みんなありがとう!」

 

と、三人にソウルジェムを返した

そして、その物質を解析した

すると、それは、寄生虫がもたらすデバフを引き起こすウイルスが結晶化したものだと判明した

 

ボコブリン博士「そうか…そういうことだったのか!」

 

その結果で謎の核心を掴んだ

 

ボコブリン博士「マギアが発現の条件は…寄生虫によるソウルジェムの変異だったんだ!」

 

実際、黒江のソウルジェムだけ、性質が異なっていた。その結晶を中心としてだ。

こうして、寄生虫が絡めば発現可能と証明された『変異マギア』、そして、まさらとこころという心強い戦力の増加…この戦いも、もう後半戦に突入しようとしていた

 

カズキ「北側拠点に戦力増強か…」

 

黒ボコブリン「結構盛り上がってきたな…!」

 

そして、カズキたちが向かうのは、ショッピングセンター

黒ボコブリンたちは新興住宅地へと向かっていた

そして、二チームが向かう先にあるのは、見滝原中学校

今後、この戦いはさらに過激になっていくに違いないだろう




カズキ「見滝原解放戦線も、もう折り返しですね…」
ボコブリン「そうだねー…って早!」
カズキ「そうか~?こっちにも着々と味方が増えていっているな…今後、まさらとこころが終盤で大活躍するらしいからお楽しみに!」
ボコブリン「次回、河村隊長の物語だよ!志段味組を襲った極左の集団を追うこととなった貫希。その頃、その極左集団が以前関わった能力者のいる学園都市で生物テロを起こしてしまう…そんな中、貫希が大失敗を起こす」
カズキ「次回第十四話 貫希の大失敗
能力者のいる『学園都市』と、逃走中日記に出てくる『キヴォトス学園都市』とは全くの別物だからね!次回逃走中投稿します!」
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