転生したら知らん内に結束バンドをぶち壊してしまった件について 作:AGE2
後プロローグに原作キャラは出てこないです…
20XX年
俺は死んだ。
そして転生した。
覚えているのは前世の全ての記憶。
前世の最後の記憶は轢かれる記憶。
打ち付けられて頭蓋が砕けるような音。
タイヤに巻き込まれてひしゃげる手首。
アスファルトの地面に抉りとられる顔面の皮膚。
体を構成するモノが重さで一斉に破裂する。
転生と言っても良いことばかりではない。
俺の記憶が戻ったというより前世の事を思い出したのが赤ん坊の頃だった。当然パニックになったが、赤ん坊だったのでぐずりだと思われて冷静に対処された。
この世界は元の世界と同じだった。
なら高橋良太郎として2週目を楽しもうとした。
実際楽しんだ。元の世界ではやれないようなことや、くだらないこと、転生者だから出来たことなどなんでもやった。その頃の記憶は『青い春』として一生心の中に残り続けるだろう。
高校1年の秋、まだ『青い春』を楽しんでいた俺に出会い…というより、ある者が夢に訪ねて来た。
「やぁっと見つけたわよ!」
「貴女は…?それに俺は寝ていたハズ…?」
「あーめんどくさいわね。異世界転生のテンプレで伝わるかしら?」
「貴女神様ですか…?」
「流ッッッ石!前世はオタクくんだったことあるわね!」
出会って早々に前世をDisられた。不快。
「で、俺に何か…?」
「あんた察し悪いわね~異世界転生のテンプレって言ったらアレよ。アレ。」
「チートとかくれるのか…?いや、遅ぇよ…そういうのは幼少期にくれるのがテンプレじゃねぇのか。テンプレもうちょい勉強してこいよ。」
「プークスクスwアンタこそもうちょいテンプレ勉強した方が良いんじゃないのぉ?異世界転生って大体の黒髪の中学生か高校生くらいの年齢で死んでチート貰うんだから今アンタもそんくらいの年齢なんだからチートあげるのよ。」
「そんなもんだっけ…?」
「そんなもんだと思うけどぉ?」
「まぁ、良いか。無性にイラッと来る性格をしているが、俺が16年前死んで転生した時のチートを授けに来てくれたっていう認識で良いか?」
「うんうんそーそー。で、何が欲しいの?言ってみてよ。最強の剣?最強の魔法?あ、どっかの素晴らしい祝福みたいに私ご所望は無しね。」
「家族…」
「え?聞こえないわよ。もっと大きな声で言って。」
「家族に…会いたい…!」
俺が望んだのは富でも名声でも力でもなく元の世界の家族だった。母さんは何を思っているのだろうか。父さんは泣いてくれてるのだろうか。ばあちゃんはショックで倒れていないだろうか。
「え、今アンタの頭覗いたけど、それ元の世界に戻りたいってこと?えー嫌よ、面倒だし。」
「何だと!?別に戻るわけでもないし、今の世界にだって家族がいるんだ!!!前世の顔で前世の家族に会いたいだけなんだ!」
「あっそう、意外とつまらない願いするのね。ほい、これでアンタは前世の世界に行き来出来るようになったわ。あ、でも時間制限3時間だから気を付けてね。んじゃね~」
――――――――――――
能力を貰って俺の家族に会った話はまた今度するとしよう。問題はそこからだった。
~1週間後~
『新型ウイルス日本で発見、そのウイルスをコロナウイルスと呼称』
「武漢じゃない…だと!?」
戦慄した。ウイルスの爆心地が前世の世界から帰った後に行った地だった。
「ま、まさか…いや、別にコロナは元々起きていたことだろ。爆心地が武漢から中国になっただけさ…」
そこから2年後、色々あり、コロナは大流行したが、大学受験も終わり、良い感じの大学に合格し、転生知識が元の時代に追い付こうとしていて人生早期ドロップアウト決められるかそんなことを考えていた。
そして3ヶ月後…大学の入学式…見かけてしまった…見たことある赤い髪…CV長谷川育美みたいな声をしている女子を…たまらず入学式を抜け出し、トイレで罪悪感にまみれた胃の中を全てぶちまけた。
「俺のせい…?」
「俺のせいだ…」
「元の世界に行った時に一緒に持ってきてしまったのか…?」
「じゃあ彼女達の結束バンドは…?」
イソスタを開く、喜多郁代のアカウントはすぐに見つかったがそこに結束バンドの活動報告や宣伝は無かった。
これは贖罪の物語。
自分で壊した物を自分で直そうとする空虚で意味の無い物語。それでも…
「俺がなんとかしないと…」
俺はこの道を歩き続けることにした。
プロローグお疲れ様でした。基本的にこんなノリで行きます。鬱展開が思い付かなかったらコメディになるかも…?