転生したら知らん内に結束バンドをぶち壊してしまった件について 作:AGE2
~下北沢~
大学の授業で色々あり、喜多さんとの仲良しグループに入ることに成功した。転生してコミュ力鍛えたのが唯一の救いだった。そして…
「それじゃ、私こっちだから!」
「ん!喜多!じゃあな!」
「またね~喜多~」
「奇遇だね喜多さん!道一緒だ。」
「高橋さんはどこ住みなの?」
「下北」
「えっ」
喜多さんの顔が歪む。結束バンドはケンカ別れでもしたのだろうか。
「嘘だよ。下北と言ったら、喜多さん確かバンドやってたでしょ?ライブとかは行ったこと無いけど、結構好きだったんだよ。」
「えっと、結束バンドのことなんだけど…実は解散したの。」
心が痛む。俺のせいで結束バンドが活躍出来なくなったと聞いたら喜多さんはなんて言うだろうか。
「あー、コロナあったしね。でも今はコロナも収まったし、大学生で時間もあるから再結成しても良いんじゃない?俺、ライブ観に行くよ。」
「実はこの前再結成しようって話にはなったのよ。でもひとりちゃんが…」
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「え、休みが無い?」
「えぇ…そうなのよ。ひとりったらどうやら悪い会社に引っ掛かったみたいで…週末の休みすら無くてあんまり家にいないのよ…」
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「ってことがあって…」
「そんなことが…他のメンバーはどうなんですか?ベースのリョウさんとかは…?」
「他の人は大丈夫。リョウ先輩も伊知地先輩も再結成に乗り気だけどひとりちゃんがいなきゃ意味ないって…」
「つまり、ひとりさん…リードギターの後藤さんさえなんとか出来れば結束バンドは再結成出来るんですね。」
「えぇ…そうだけど…ってちょっと!」
そこからの行動は早かった。喜多さんによると一応後藤家には帰ってきているようだったので後藤家近くに部屋を借りて張り込んだ。存外にも早く家に帰り、次の朝に家を出た。そこから尾行を開始して出社している会社と後藤ひとりの業務を確認出来た。
「あっ、あのすいません…ところて…」
「結構です!!!」
バタン!
「…ハァまた売れ残り…これで夕飯は一週間連続ところてんだ…」
どうやら後藤ひとりの業務は営業でところてんを売ってるらしい…原作で見た奴…て言うか原作では営業部に飛ばされたって言ってたけどいきなり営業スタートらしい…
「そんなに夕飯ところてんが嫌なら全部買い取りますけど。」
「!?!?!?エッ、あ、そのどなた…」
「そのところてん全部買うって言ってるんですよ。幾らですか。」
「あッ、えっと…100食分あるので9800円になります…」
「意外にしますね……はい、ちょうど9800円です。」
「あっ、そのあり、ありがとうございます。」
「皆、貴女が結束バンドに戻ってくることを信じてますよ。」
「に…虹夏ちゃんのさしがねですか…?」
「違います。ただのファンですよ。で、何故戻らないんですか?」
「もうダメなんです…私は頭悪いから就職するしか無くて…就職したらバンドする時間も無くて毎日怒鳴られて…」
「辞めれば良いだろうに…そんな会社…」
「だっ、駄目なんです…私社会人ですし…こんな私だから他に雇ってくれる会社も無いって言われてもうここしかなくて辞めるなんて…」
「それは貴方が決めることでも上司が決めることでもなく、企業が決めることですよ。今なら退職代行とか幾らでもあるし、辞めるなんて苦でも無いでしょう。」
「…駄目です。私もうれっきとした社会人ですし、親に養ってもらう訳にはいきません。仕事があるので、すみません…失礼します。」
そう言うとぽとぽと歩いて後藤ひとりは会社のある方へ帰っていった…まるで自分の運命を受け入れたかのように…
その姿を見て絶望したと同時に自分がしでかした事の重大さを噛み締めた。
「…」
その後
「あ、ところてん金払っただけで貰って無かった。」
~後藤ひとりが勤める会社~
「あ!?金だけ受け取って商品渡し忘れただぁ!?馬鹿じゃねぇのお前!!!」
「スミマセンスミマセンスミマセン…」