転生したら知らん内に結束バンドをぶち壊してしまった件について 作:AGE2
「…どこ…ここ?」
後藤ひとりは目を覚ます。真っ白な部屋の中で家に帰る途中から記憶が無いことに気が付くと真っ先に気にするのは現在の時刻だ。遅れたら何を言われるか分からないからだ。
「今何時…?会社行かなきゃ…え?」
そこで初めて気づいた。ここは家ではない。付け加えて自分の記憶に家に帰った記憶も無いし最後の記憶が歩いている途中に突然視界がブラックアウトしたことも思い出した。
「え?あなたは…?」
そこには見たことある顔の男が立っていた。
―――――――――――――――
人を誘拐した。人を監禁した。それも後藤ひとりを。その事実と罪の重さをこうやって本人と対面していると改めて感じる。ぽいずんやみと話している時は上手く隠せていたのに感情が溢れだしてしまう。
「え?あなたは…?」
寝ていた後藤ひとりが起きた。
「やぁ後藤さん。気分はどうだい?」
「え、あっ、ちょ、その、き、気分と言われましても…仕事に行かないと…」
「仕事かぁ…もうとっくに就業時間過ぎているんじゃない?」
そう言って設定時間を弄って12時にしたスマホを見せる。
「まっ、マズイ…!早く行かなきゃ…!!!」
「ちょっと待って後藤さん!僕から上司の人に連絡して休みにしてもらったから。」
嘘である。本当は後藤さんのスマホのコールをスルーしていた。
「え、休み…?今日…?いや、でも行かないと…」
戸惑いを見せる後藤ひとりを抱きしめて囁く
「大丈夫だよ。後藤さん。君はよく頑張っている。世界一頑張っていると言っても過言ではないよ。」
「え、ぐへ、グヘヘヘ…」
甘ったるくて薄っぺらくて吐き気のするような言葉を吐き続ける。後藤さん本人がチョロいからもう堕ちかけているのが唯一の救いだろうか。そんなことを思いながらキショイ言葉を吐き続けるのだった。
―――――――――――――――
「終わった?」
「あぁ…今終わって寝かしつけてきた。」
「お疲れ様。それにしてもこんな部屋まで用意しているなんて用意周到と言うか…どこからお金出てるの?」
「全部俺の金だよ。数えたことないが、総資産1~2億くらいはあるからな。」
「は?え、1~2億!?アバババババババ…」
「金のことで固まってる場合か…それより今はGuitarHeroだろ。」
「バババババ…ハッ!そうね。これからどうするつもり?」
「既にGuitarHeroの職場には退職代行を回して本人もそれに同意した。」
「1日でそこまで洗脳したの…?」
洗脳という言葉に心を痛めるがスルーする。
「後は結束バンドのメンバーに彼女を加えれば終わりだ。」
「…ねぇ、GuitarHeroさんだけど結束バンドじゃなくて別の人達と組んだ方が…」
「またその話か…言っただろ。彼女は人見知りだし、今回の一件で恐らくその傾向が強くなっている。見知らぬ人間とバンド組むなんてまともに弾けるようになるには10年はかかるぞ。」
「だからって、ヘタクソバンドに彼女を押し留めておくつもり!?アタシはアンタにGuitarHeroさんをゴミ溜めから発見したのは感謝するけど、だからってダイヤモンドの原石をおままごとバンドのために使うことは許さない!」
「…なら見守って決めれば良いだろ。結束バンドがおままごとバンドか否かを。どっちにしろ明日結束バンドのメンバーに彼女を会わせる話はもうついてるんだ。」
「なら刮目させてもらうわ…!結束バンドのことを!」
―――――――――――――――
~翌日の下北沢、STARRY~
『閉店のお知らせ』
「マジで?」
「刮目出来なくなったわね…」
今回は後藤ひとりさんに来てもらいました。イエーイ!
「イッ、イエーイ…」
…後藤さんはコロナでバンド活動出来ない時は何してたの?
「え、イヤソノ、ドウガトカイロイロ…」
声小さいからチェンジで。え?出来ない?マジ…?ヨシ!はーい!後藤さんありがとねー!それじゃ今回のおまけコーナーはここまで!見てくれてありがとー!