悪の組織の幹部だけど、魔法少女のオタクやってます【本編完結】 作:高々鷹々
それと、『かつて魔法少女と悪は敵対していた』というアニメがあるのですが、オススメです。是非見てください。マンガもあります。是非是非。
『黒騎士』──彼は地球侵略を
そんな彼だが、今回はシュヴァルツ──部下であるシュヴィーに魔法少女たちのことを学ばせるため、とあるキャンプ場に来ていた。今回のブダーンの任務先だ。
まずは敵を知るところから、という建前でブダーンの任務を影から観察するつもりだった。以前のような同行という形ではないのは、まだシュヴァルツという存在を魔法少女に伏せておくためだろう。
しかし、その様子は少々異様だった。
「えっと、お姉様? 本当にコレで上手く行くのでしょうか」
「全く問題ない」
彼らの状況を端的に現せば、フル装備の状態で枝を両手に木々に紛れ込んでいる状態だ。
もう一度言おう。全身鎧とぴっちりスーツの少女が枝だけで木々に紛れたと思い込んでいる状態だ。
見事にシュールな絵面が出来上がっていた。
誰がどう見ても一発でわかるような状態であったが──今のところ、地球人にバレてはいない。というのも、両者共に眼が良すぎるため、そこそこ離れた場所から観察しているためだ。
シュヴァルツは首を傾げたが、
「お姉様が言うなら、そうなんでしょう」
と、納得してしまった。彼への強い信頼がためだろう。尤も、その黒騎士の行動はアニメ・マンガ由来だが。
「ブッハッハッハ! やっちまうトン、テントコワガーレ!」
どうやら今回、ブダーンがコワガーレに選んだのは、キャンプ場にあるテントらしい。キャンプに来ていた人々や、林間学校に訪れていた中学生たちへと襲いかかり、悲鳴を上げさせていた。
後は、マギアカリーナたちの到着を待つのみ。そう気を抜きかけた黒騎士だったが、ふと見知った声が耳に届く。
「折角の林間学校をメチャクチャにするなんて、許せない!」
そう、真仲
「「「マギア・リナッシェレ!」」」
▽▲▽▲▽▲
私が気付いた時には、彼女たちは光に包まれ、変身が始まっていた。
とうとう念願の変身バンクが見られる! テンションが限界値まで上昇した私は、視線を逸らさずシュヴィーの肩に触れ、彼女にも気付かせる
彼女たちの衣服が輝きに包まれ、魔法によって変化していく。折角だ、訓練で
まずはユスラ──マギアマゼンタ。淡い茶髪がピンクに染まり、ボブほどのワンサイドアップから長く伸びてツインテールに結ばれる。両手から胴にかけて白い布が覆っていき、そのままとぉ持って行った胸元で光が弾けると、大きなリボンが蝶を
仕上げとばかりに光が弾け、ツインテールの根元にそれぞれ星型と魔女帽型のアクセサリが輝いた。
次は、黒髪のつり目の少女──マギアシアン。長い黒髪が海のように青くたなびき、出現したシュシュによって結ばれる。胴体部に水色のインナースーツが光と共に現れ、そこから更にスカートが伸びる。そのままリボンが両腕に巻き付くようにしてアームカバーへと変化し、袖口にはフリルが飾られる。しなやかな太股はハイソックスが
彼女が手を掲げると、幾つもの光と共にシュシュが輝き、星のアクセサリが煌めく。
最後に、栗色の髪の垂れ目の少女──マギアイエロー。ボブヘアが黄色く変化し、光と共にワンピースを身に纏う。指先から肘までを輝きが覆い、白い手袋へと変わると、同じように爪先から膝までを白いソックスが包んだ。溢れる光がエプロンへと姿を変えると、彼女はそれを自ら身に着け、後ろ手に紐を結ぶ。そして、結ばれた紐が大きなリボンへと弾けた。
光の中から現れたカチューシャを手に取って装着すれば、その両端に星のアクセサリが輝きと共に彩られた。
そして三人がステッキを構え──そう、名乗りだ!!!
「心を照らす、炎の
「心が磨く、剣の輝き! マギアシアン!」
「心で包む、慈愛の
「「「星の導きと共に、誰かの平和を守り抜く!」」」
「「「我らこそ、マギアカリーナ!」」」
眩しい・・・・・・あまりの眩しさに、涙が・・・・・・
感動のあまり兜の下で涙を流すが、視界に問題は無い。横から困惑したような空気が伝わってくるが、いずれ彼女にもこの感情を共有できるようになるだろう。いや、私がそうする。*1
「・・・・・・お姉様、ハンカチをお貸ししましょうか?」
「ああ、すまない」
受け取ったハンカチで、仮面の隙間から涙を拭った。流石に鼻水は出していないので、すぐに済んだ。
「ありがとう。洗濯して返そう」
「いえ、そのままで構いません」
「・・・・・・? だが汚れて──」
「そのままで構いません」
私の部下、時々怖いんだけど・・・・・・?*2
しかし、魔法少女たちの戦いを見逃す訳にはいかない。ここまでの会話も全て、あちらに目を向けながら行っている。シュヴィーは何故かちょいちょいこっちを見ていたけど。
「出たな、マギアカリーナ! 今日こそ、お前らの活躍を
ブダーンは、『トン』か『ブタ』絡みで何か言わないといけないノルマでもあるのだろうか。しかし、『活躍』と暗にマギアカリーナを認めているのは高評価だ。今度ボスに給料アップの相談をしておこう。
「ここは、みんなで楽しくキャンプするための場所──みんなの楽しい時間を返してもらいます!」
「全く、アナタも懲りないわね。良いわ、今回も倒してあげる!」
「行くよ、二人とも!」
良いよね、変身後のこういうセリフ──それぞれの個性が出ていて、とても良い。思わずニヤニヤが止まらなくなるくらいには。
魔法少女たちがテントコワガーレとの戦いを開始する。だが、この程度のコワガーレなんて、もう彼女たちの敵ではないだろう。
マギアカリーナの活躍は2クール目に突入するような時期だ。*3 だというのに、未だに序盤の敵であるブダーンの繰り出す怪人は、以前までと変わっていない。
対して、魔法少女たちは着実に成長している。経験を積み、新しい魔法を会得して、絆を深めている。ずっと見てきた私が言うんだから間違いない。*4
そして、いつもよりも早いペースでコワガーレが攻略されていく。シアンにダメージを与えられ、マゼンタによって体勢を崩され、イエローによって動きを封じ込められたテントコワガーレは、もう
「これで終わりよ!」
「「「トリニタ・ターリオ!!!」」」
あれは、私がスカートの下を見ようとした時の! なんというファンサ・・・・・・*5 アレは私との戦いで会得した魔法だし、
隣からのジトッとした視線なんてなんのその。今の私は、無敵だ。
「くっそ~! 覚えていろトン!」
ブダーンが撤退する。さて私たちも帰るかと隣を見てみれば、そこにはシュヴィーの姿は無かった。──まさか!?
「マギアカリーナ──確かに少しはやるようですね。あの方が気に入るだけの事はあります」
「ッ、貴方は!?」
マギアカリーナの前に姿を現したのは、彼女たちとそう変わらない年の少女。しかし、その
「初めまして。
そう言って、彼女──シュヴァルツは、自分の背丈ほどはある剣を構えた。
勝手な行動をした部下に対して、私は思わず
──それメッチャ格好いい奴~!
黒騎士
とうとう変身シーンと名乗りを見られてテンションMAX。もしうちわかサイリウムを持ってたら全力で振っていた。
シュヴァルツ
敬愛する相手が敵に夢中な姿に思わず乱入。オタク的には百点満点の動き。
マギアカリーナ
時期的にはもう二ヶ月くらい戦ってる。そろそろお話が動く時期。