悪の組織の幹部だけど、魔法少女のオタクやってます【本編完結】   作:高々鷹々

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何か、お気に入りと評価がメッチャ増えてる!? ありがとうございます! めちゃめちゃモチベになります!
感謝ついでに言うんですが、感想もくださると嬉しいです!(強欲) 


逸材すぎないか?

『──だから、諦めない。負けられない!』

 

 立ち上がる、魔法少女たち。全身は傷付き、足も腕もまるで安定していない。風が吹けば倒れそうなほどに、頼りない。

 

 だが、目が離せない。ただの記録映像だと言うのに、惹き付けられる。

 ボスには感謝だな。これが下から上がってきてすぐに私にも渡してくれた。

 

 あの後、私は戦いに割り込み、シュヴィーを連れて撤退したが──そんなことしなくても、彼女たちならば乗り越えただろう。新しい魔法か、奇跡か、あるいは別の手か。それはわからないが、彼女たちならば出来ると私は信じている。*1

 

 自覚できるほどニヤニヤしながら映像を見ていると、部屋の扉が開いた。

 

「失礼します、お姉様──え、あの? 何を見られているのですか?」

 

「前回の戦いの記録映像だが」

 

「やっぱり、(わたくし)が戦った時のじゃないですか! は、恥ずかしいです・・・・・・」

 

 顔を赤くしながらそう訴えてくるシュヴィー。だが私も、ただ映像を見ていた訳ではない。

 

「報告書を作成する必要があってな。任務外の戦闘をすると、提出が必要になる」

 

 まぁ、それが無くても見ていただろうがな!

 

 私の言葉に、シュヴィーは何の報告書か気付いたのだろう。心苦しさを顔に出しながら、私に頭を下げてくる。

 

「その、申し訳ありませんでした! 独断で行動してしまい・・・・・・」

 

「それについて、責めるつもりは無い。むしろ満点だ

 

「・・・・・・満点、ですか?」

 

「こちらの話だ」

 

 私は意図的に意味深な敵ムーヴをやっているが、彼女は素でコレだ。逸材すぎる。

 

 ボスも褒めていた。「やっぱお前の下に付けて良かったわ。取り敢えず、ボーナスやるか・・・・・・」とのこと。あの人、何かあるとすぐ金を払おうとするな? 気持ちは分かるが。

 

「それにしても、マギアカリーナ・・・・・・」

 

 シュヴィーは思い出したように魔法少女たちの名前を口にした。きっと彼女も惚れた事だろう。あの精神性は、他者を惹き付ける魅力がある。

 

「本当に、気に食わないですね。(わたくし)、嫌いです」

 

 あれぇ? おかしいぞ? 私の見積もりでは、今頃シュヴィーも魔法少女オタクになっている算段だったのだが。

 

「弱いのに諦めだけ悪くて、よく吠える・・・・・・昔の自分を思い出して、嫌になります」

 

「そうか」

 

 いや、コレは──悪くない感触だ。むしろ良い。

 つまり、シュヴィーは彼女たちと自分の共通点を見つけているのだ。今でこそそれが嫌悪という感情に出ているが──それが裏返れば、それはマギアカリーナへの好意、共感となる。そうなれば、光堕ち待ったなしだろう。

 逸材すぎないか? (オタク)の妄想から生まれたのか?

 

「あの、それで・・・・・・話、というのは」

 

「・・・・・・ああ、そのことか」

 

 一瞬ド忘れしたが、前回の任務の際に言った『後で話がある』のことだろう。

 表情を強張らせる彼女に、私はなるべくいつも通りの口調を心がけて、言った。

 

「まず、さっきも言ったが私は君を責めるつもりは無い。むしろ、高く評価している」

 

「・・・・・・え?」

 

 キョトンとした顔で(ほう)けるシュヴィー。まさか、褒められるとは思っていなかったのだろう。

 

「真っ先に支援役(イエロー)を狙い、それを実行できる力。剣術に囚われない体術も絡めた戦い方。我々にはない、魔法という攻撃手段への対応。どれを取っても高水準だ。

 独断で戦闘を開始したことは問題だが──私もよくやるからな。気にしなくて良い。自分の判断に従え」

 

 そしてジャンジャン魔法少女たちと関係値を築いていってくれ。光堕ちのために。*2

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 放心した様子のシュヴィー。その紫紺(しこん)の瞳を大きく見開き、フリーズしていた。

 

 しかし、彼女の戦う姿を初めて見たが──強いな。私が戦っても勝てるだろうが、一筋縄では行かないだろう。彼女がいずれマギアカリーナ側になってしまうのが惜しく感じる程の強さだ。*3

 名前はマギアブラックかマギアホワイトか*4と考えていると、ようやく再起動したシュヴィーが(うつむ)きがちに口を開く。

 

「ありがとう、ございます・・・・・・そのようなお言葉を頂けて、(わたくし)は、とても──とても、嬉しいです。その評価に恥じないよう、一層(つと)めます」

 

 心なしか、熱の()もった視線で私を見つめるシュヴィー。おかしくないか? 私、ただ客観的な評価を述べただけなんだが。

 

「ふふ、うふふふ・・・・・・お姉様」

 

「・・・・・・どうした」

 

「いえ、呼びたくなっただけです。お嫌でしたか?」

 

「・・・・・・・・・・・・気にしていない」

 

 なんか怖いんだが!? 大丈夫だよな!? 光堕ち、するよな!? 彼女がマギアカリーナ側にでも回ってくれないと、組織と魔法少女たちのパワーバランスが取れないんだが!? いつか勝っちゃうよ、我々!?*5

 

 ブダーンはまだ良い。だが幹部クラス相手となると、流石に厳しい戦いを()いられる。無論、魔法少女たちが負けるなどとは思ってもいないが──嫌だぞ、世界を救った引き換えに彼女たちが命を落とすような結末(エンディング)は!*6

 

 私が内心で頭を抱えていると、シュヴィーが半眼で私のすぐ側まで近づいてくる。

 

「お姉様──何か、悩み事ですか?」

 

「ああ。少しな」

 

 君が悩みの大部分だ、とは言えるはずも無いので、適当に誤魔化しておく。今は下手に嘘を付かない方が良いと、私の直感が言っていた。

 

「私にお手伝い出来る事があったら、何でも言ってくださいね。文字通り、何でも

 

 そう言うと、彼女は「では、鍛錬があるので失礼します」と部屋を後にした。

 

 ・・・・・・どこで育て方を間違えたのだろう。部下を持って一週間しか経っていないが、私は新人教育の難しさを知った。*7

*1
※悪の組織の幹部です

*2
台無し

*3
コイツの中では確定事項

*4
子供の名前を考えるノリ

*5
そんな心配をしているのはコイツだけ

*6
※悪の組織の(ry

*7
そういう話ではない




黒騎士
褒めて伸ばすスタイル。だが、相手が自分は失望されたと思っているタイミングでしたのが良くなかった。

シュヴァルツ
光堕ちフラグと光堕ち回避フラグを両立している。光堕ち回避フラグって何だよ。


自分が見返すときにあまりにもわかりにくいので、そのうち『第○話』からタイトル付け直そうと思います。たぶん、近日中に。
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