悪の組織の幹部だけど、魔法少女のオタクやってます【本編完結】   作:高々鷹々

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どっかで見たことある内容だなってなるかもしれませんが、
私も過去に見た作品の続きが知りたいので、似たような設定で書いてる節があります。


あの子たちのスカートの中

 ──魔法少女のスカートの中って、どうなってるんだろう。

 

 そんな疑問を解消するべく、私は魔法少女たちと一戦交えることにした。

 

 いや、私は変態ではない。決して変態ではないが。ふと、疑問に思ったのだ。スカートの中って、どうなってんの? と。

 

 魔法少女は、基本的にスカートだ。だが創作において、その中が見えることは少ない。無論、視聴者の年齢層に寄るのだろうが、これまで彼女たちと戦う中で、不思議なくらいにスカートの下が見えることは無かった。*1 それこそ、何かの力が働いているんじゃないかと疑うくらいに。*2

 

 そう、これは未知を求める探求であり、下心は一切ない。無いったら無いのだ。*3

 

「私たちがコワガーレと戦って、疲れるのを待っていたのね・・・・・・!」

 

「卑怯とは言うまいな」

 

 いや、誤解です・・・・・・ちょっとスカートの中を見たいだけなんです。そう言える訳もないので、それっぽいことを言って誤魔化しておく。

 

 問題は、どうやってスカートの中を見るかだ。相手を拘束して覗き込む*4だとか、剣の風圧でスカートをめくる*5だなんていうのは、露骨すぎる。何より、組織内での私の立場が危うい。流石に同僚から変態を見る目で見られるのは、だいぶキツい。

 

 つまり、戦いの中で自然に、かつ魔法少女にもにも気付かれない、あるいは気にしていられないような状態で見るのがベスト。あれ? けっこう難しいんじゃ?

 

 と、とにかく。戦いとは常に変動するもの。臨機応変かつ柔軟に対応していくしかないだろう。*6

 

「この状態で戦うのは、得策じゃないです、けど・・・・・・」

 

「やるしかない。みんな、行くよ!」

 

「えぇ!」

 

 マゼンタとシアンがステッキから光の刃を出現させて、こちらに向けて突っ込んでくる。その後方で、イエローが魔力を弾丸として発射した。

 

 まぁ、(全快)の私が彼女たちに負けることは無い。冷静に魔力弾を叩き落とし、二人と切り結ぶ。勿論、彼女たちを傷つけないように細心の注意を払って。

 しかし、どれだけ彼女たちが激しく動いても、不思議なことにスカートの中身は見えない。どうなっているんだ、私はただスカートの中が見たいだけなのに!*7

 

「くぅっ! やっぱりこの人・・・・・・」

 

「強い・・・・・・!」

 

「・・・・・・フン」

 

 埒が明かないため、一度大きく剣を振るって二人を引き剥がす。仕切り直しだ。このままやっても、目的は達成できない。

 

 そうだ、攻撃を回避して、すぐさま振り向こうとすれば、スカートは広がって中が見える・・・・・・完璧な作戦だな! これまで、攻撃は全部防御できるから回避とかしてなかったな、そう言えば。*8 この鎧の防御力が異様なまでに高いのもあるが。

 

 そのためにはまず、マギアイエローにも接近戦をしてもらわないと・・・・・・なんか適当なこと言ったら、こっち来てくれないかな。

 私は魔力弾をあえてそのまま鎧で受ける。こうすれば、この攻撃に効果が無いように見えるだろう。普段の魔力弾ならともかく、疲弊している今なら大したダメージじゃない。ちょっとかゆいくらい。

 

「無駄だ」

 

「・・・・・・っ!」

 

 イエローは歯噛みして、ステッキを構えて接近してくる。これで第一関門はクリア、と。

 

「そこ!」

 

 あちらに気を取られているのを隙と見たのか、シアンが斬りかかってくる。難なく弾いた。

 

フラム(炎よ)!」

 

 その直後、マゼンタが一言(いちごん)のみの詠唱で炎を発生させて、こちらに向けて放った。私はマントを(ひるがえ)して防ぐ。軽い魔法くらいなら弾けるから、便利なんだよな、このマント。

 

「まるでなっていないな。そんな戦い方では、話にすらならん」

 

 こう言えば、三人で協力して大技を放ってくれるだろう。いま思いついたアドリブだけど。こう、良い感じに新しい必殺技とか、作れたりしません?

 

「こうなったら・・・・・・三人で力を合わせよう!」

 

「でも、残りの魔力も少ないです。それで失敗したら・・・・・・」

 

「っ、他に手は無さそうね」

 

 私の思惑(おもわく)が通じた訳はないが、どうやら合体技を使う流れになってくれたようだ。良かったー、このまま戦い続けてたら、お互いに得るものの無い戦いになるところだった。

 

「失敗した時のことは、失敗した時に考えよう。

 今は、今できることをしないと!!」

 

「フッ・・・・・・そうだ。それでいい」

 

 どこまでも前向きで在り続けるマゼンタ。いや~、やっぱリーダーはそうでなくっちゃ。思わずウンウン頷いてしまった。

 そんな私はさて置き、魔法少女たちは、新たなる必殺技のためにステッキを構える。

 

「剣よ、ここに集え!」

 

「今一度、その刃を研ぎ澄まし!」

 

「我らの力を、ここに束ねん!」

 

 新詠唱キターーーーー!!! やば、格好いい・・・・・・っと、いけない。集中しなければ。

 

 三人の魔力の刃が合わさり、巨大な剣を形作る。この星の単位で、3メートルほどか。

 その大きさを見るに、残存魔力の全てを注ぎ込んだのだろう。三人とも必死な表情だ。眼福。

 

トリニタ・ターリオ!!!

 

 振るわれるのは、極大の光剣。これを受けたら、流石に火傷じゃ済まなそうだ。私は攻撃を見切り、回避を選択。ただし、最小限の動きで、すぐさま振り向けるように、だ。

 

「・・・・・・!」

 

 ここだ! というタイミングで、必殺技を躱す。そして私の居た場所を彼女たちが通過する一瞬の間に、私は振り返った。

 

 ──これは。三者三様、だと・・・・・・!?

 

 視界に広がるのは、風を受けたスカートと、その中身。私の鍛え抜かれた動体視力は、この(わず)かな交錯の中で、彼女たちの全てを捉えていた。

 

 まず、イエロー。彼女のスカートの下にあったのは、フワフワのペチコート。少女らしさがあって大変眼福だ。清楚な外見を裏切らない、期待通りと言っていい。

 

 次に、シアン。彼女の場合は、実のところ予想通りだった。上半身に纏ったインナーが、競泳水着のように下半身まであるタイプだったのだろう。こちらもまた、予想の範囲内だ。

 

 さて、最後のマゼンタだが。まさかまさかの、ショーツである。シンプルなデザインでフリルの付いた、ピンク色のパンツ。予想外の事態に、私のテンションはバグった。

 

 え、どうしよ!? パンツ!? ぱ、ぱんつ見ちゃった!?

 

 自分から見に行ったのはそうなのだが、ここまで上手く行くと思ってなかったのが半分。ドロワーズやショートパンツなどを穿いているだろう、というのがもう半分。そう、私はスカートの下を求めてはいたが、別にパンツを求めていたのでは無いのだ。*9

 

 これらの思考を0.5秒で終えた私は、彼女たちが必殺技を終えてこちらを向くまでの時間を冷静になることに費やした。いやだって、パンツだぞ!? 見れると思わないじゃん!?

 

「避けられた・・・・・・」

 

「ど、どうしましょう!? もう、魔力も残ってないですよ!」

 

 どうしよう。スカートの下ばっかり気になって、この後どうするかを考えていなかった。*10

 

 こうなったら、適当なことを言って退散するしか無い。なんとかなれ!!

 

 

▼△▼△▼△

 

 

 魔法少女たちは、絶望的な状況にいた。

 

 目の前には、『黒騎士』と呼ばれる悪の組織のメンバー。全身を黒い鎧で覆ったその戦士からは、一切の表情が読み取れない。

 以前に一度戦い、その時は退けたものの、本気で戦ってはいなかったのだろう。今回は、三人がかりでも傷一つ負わせられていない。

 対して、マギアカリーナたちは満身創痍だ。ロードローラーコワガーレは強敵であり、そこからの更なる連戦。二度の合体魔法の使用で、魔力はすっからかんだ。体力も限界で、立っているのもやっと、という状態だった。

 

 彼女たちの目の前で、黒騎士はただ、佇んでいた。剣を手に持ったまま、じっとこちらを見ている。逃がさない、という意思表示だろうか。

 

 この中で一番最初にマギアカリーナに目覚めた少女、マギアマゼンタは拳を握りしめた。とは言え、それすらも力が入らず、手は震えていた。

 

「っ、こうなったら、私が・・・・・・!」

 

 彼女は、人一倍正義感があり、人一倍責任感もあった。どこにでもいるような境遇でありながら、その心意気一つで今日まで戦ってきた。そして、自分一人でなんとかしようとする悪癖もあった。

 だから、ここは自分が時間を稼いで、二人を逃がそう。そう考えて、一歩踏み出そうとした。

 

「・・・・・・目的は果たした」

 

 突如、黒騎士が身を翻した。そのまま跳躍し、どこかへと消えていく。残された魔法少女たちは、状況が飲み込めないまま、力が尽きてへたり込んだ。

 

「帰りました、よね・・・・・・?」

 

「なんだったの、アイツ・・・・・・」

 

 まるで意図がわからない。何故自分たちに戦いを挑んできたのか。『目的』とは何だったのか。何故、圧倒的優位な状況を、捨てるような真似をしたのか。

 

 マゼンタは、二人にも聞こえないような小さな声で呟いた。

 

「もしかして、私たちから今の技を引き出すために・・・・・・?」

 

 だとしたら、どうして? まさか、自分たちを鍛えているとでも言うのか。

 

 浮上した仮説を、マゼンタは(かぶり)を振って自ら否定した。何を考えているんだ。悪の組織が、自分たちを鍛えて得をするはずがない。きっと何か、別の目的があったはずだ。

 

 まさか彼女たちも、黒騎士の目的が自分たちのスカートの中身だとは、気付くことは出来なかった──

 

 

*1
偶然

*2
勘違い

*3
若干ある

*4
事案

*5
更に事案

*6
行き当たりばったりとも言う

*7
更に更に事案

*8
脳筋

*9
支離滅裂な思考

*10
間抜け




黒騎士
本人に自覚は無いが、地球と常識が違うため、時々クズみたいな思考をしている。

身長
・マギアマゼンタ 153cm
・マギアシアン 157cm
・マギアイエロー 148cm
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