「明日からイラスト、教えれないです」
先輩は、僕の言葉に疑問で返してきた。
先輩は、しゅんとした表情をして僕の顔を見ていた。散歩に連れていってくれないと分かった瞬間の犬みたいな感じの雰囲気だ。
「いや特に」
手を広げたりして大きく動いている先輩をみて、疲れそうだなと思いつつ、理由を話す。
「来週から期末テストあるんで」
「勉強したいです」
僕がそう言うと
………どうやらテストの存在を忘れていたらしい。……いや忘れるかテスト!
「呑気ですね…」
胸を張ってポンと叩く。結構硬めの音鳴ったな……。
「らしいですね」
そう、先輩は文武両道。勉強も運動もできる、他の人たちから見れば完璧人間だ。
「先輩はいつも、どれくらいから勉強するんですか?」
先輩を絵を描く手を止めて考え始めた。そんなに考えるかこの質問……??10秒ほど経つと
………なんでそれで1位になれるんだ???
「普段、授業の復習とか?」
ほんとになんで??それはもうチートじゃないか???
「えぇ」
「出てました?」
引いてたのが顔に出てたらしい。みんな引くだろこれ聞いたら。僕だけじゃないはずだ。…………多分。
突然先輩が聞いてきた。勉強が苦手か……?………特に苦手ってわけでもないけど………。
「勉強したら、平均点くらいなら取れるって感じです」
先輩がジーっと、僕の顔を見てくる……。
何か閃いたと言わんばかりに僕に近づいてくる。この人距離感近いな……
すぐ体がぶつかりそうな距離までぐいっと近づいて、先輩は言った。
「………えっ?」
先輩は絵を描く道具を直して、勉強道具を出し始めた。机と椅子をポンポンと叩いて
椅子に座る。
「ほんとにいいんですか?」
「先輩もまだ勉強やってないんじゃ?」
なるほど……確かにそれなら両方勉強できるか…。先輩はテストの提出物であろう、数学のワークを開いてスラスラと問題を解き始めた。……隣からすっごい速さで書く音が聞こえる……。なんでその速度で問題が解けるんだ??………僕もやるか…。
少し時間が経って17時ごろになった。先輩は数学の課題が終わったのか、ワークを閉じて伸びをしていた。その横で僕は問題を解いていたが………
「うーん………」
後ろからぐいっと顔を近づけて話しかけてきた。
「ここ、ちょっと……解説見てもあんまりわかんなくて」
そう言い、ワークのわからない箇所を見せた。
先輩は問題を読んでいるのか、すぐ隣でじっとしていた。……問題を解きながら、先輩は近づいてくる。……無意識か?これだと僕が問題を読めない…。
いつもより少し落ち着いたような声で話し始めた。解くの速いなほんと……先輩が解き始めてからまだ2分くらいしか経ってないぞ?
ほんとに、意外だ。先輩の説明は、驚くほどわかりやすい、いや普通に問題が簡単だった可能性もあるけど……。わからない人に対して、理解できるように話すのが上手い。僕の中の先輩が、いつもふわふわしている人というイメージがあるせいか、考えられない…。
「…まぁ……」
そんなこんなで、テストまで、先輩に勉強を教えてもらうことになった。
今回短くてすみません!!いつも短いですけど……