D.C.Ⅲ~霧の守護者来る! 作:アルコバレーノ
虹の代理戦争から数ヶ月。
ある一人の男が歩いていた。
(僕はたしか、黒曜ランドにいたはずでしたが…)
ここがどこだかわからない、そんな顔だった。
南国のフルーツのような髪型で、色が赤く六という文字が浮かぶ右目を持ち、黒曜中の制服を着た男。
ボンゴレファミリー霧の守護者、六道骸は絶賛迷子だった。
(周りの景色から見て、日本ではないようだ)
ちなみにここは魔法学園都市なのだが骸は気づいていない。
ただ知らない場所に放り出されても慌てず冷静なところは流石の一言に尽きる。
未来に飛ばされた時の沢田綱吉とは似ても似つかない反応だった。
(とりあえずここがどこだか調べることにしましょう)
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「ちょっとそこのあなた。止まりなさい」
「なんでしょうか?」
声をかけられた。
「あなた風見鶏の生徒じゃないわね…それにこの辺のお店の店員って訳でもなさそう…あなた誰?」
骸に話しかけてきたのは金髪の少女だった。
「
「僕の名前は六道骸です。ここへは意図的に入ったわけではありませんよ」
「道に迷った、なんて言い訳は無理よ?ここへは門番のいる入り口しかないから」
「いえ、気がついたらここにいたのですよ」
「気がついたらここにいた…何かの魔法かしら…」
金髪の少女は骸のいったことを信じたようだ。最後の方は聞こえなかったが、これで帰れる手段が見つかりそうだと、骸は安心する。
骸ですら今の言い訳は無いと思ったのだが、いざとなったら幻覚を使い逃げるという手段、そしてそれが駄目ならば実力でねじ伏せるつもりでいた骸にとっては少し拍子抜けではあった。
「少し聞きたいのですが、ここはどこですか?」
「ああ、ここ?ここは王立ロンドン魔法学校、通称風見鶏よ」
………………
「クフフフフフフ、魔法学校…ですか。面白い冗談だ」
「冗談じゃないわよ!失礼ね!」
「魔法、なんて物がこの世に存在するわけないでしょう。第一ロンドンにそんな学校があるなど聞いたことがない」
「魔法は存在するわよ!みてなさい」
金髪の少女は魔法を使って見せる。
石を浮かせるという簡単な魔法であったが、それは魔力を使用した立派な魔法だった。
「幻術を使っている気配はありませんね…死ぬ気の炎を使った現象でもないようだ」
まず骸を騙せる術師などそうそういない。ましてやこの見た目は15歳くらいの少女に骸ほどの幻術が扱えるとは思いにくい。
骸はこの少女が嘘をついていないと信じた。
「で?あなたはどこから来たの?風見鶏の誰かがここに転移させてしまったのなら…って、話聞いてる?」
骸はこの『魔法』という現象について考えていたので、話が耳に入ってきていない。
(おかしい。こんな学校があるのなら僕が知らないはずがない)
骸は世界の闇の部分に、深く入り込んだ人間である。
裏の事情もよく知っている。
骸がこんな大きな学校を知らない筈がない。
だがしかし、表でも裏でも風見鶏なんて学校の存在など聞いたこともなかった。
まず、魔法なんて物が存在するということすらも知らなかった。
「とりあえず、学園長室にいって話を聞くわ」
そう言われ骸は風見鶏の中に入って行く。
このあと骸は大いに困り果てることになったのだった。