D.C.Ⅲ~霧の守護者来る! 作:アルコバレーノ
ボンゴレファミリー。
マフィア界の最上位に位置する、伝統のあるファミリー。
その規模は巨大で、裏の世界に少しでも踏み込んだ者。
政治関係者、などでは知らないものはほとんどいないとされるファミリーであり、不本意ながら、骸が十代目ファミリーの霧の守護者として在籍させられているファミリーである。
だが、骸が風見鶏学園長にその名を出しても、まったく名前すら聞いたことがないといったようだった。
ボンゴレの本部はイタリアにあるのだが、ヨーロッパでは一般人でも知っているものがいてもおかしくない。
そして、さらに状況は悪くなる。
「1950年…ですか」
「ええ、今年は1950年ですよ」
風見鶏学園長、エリザベスは懇切丁寧に話す。
「でも、その男の言うことが本当なら彼はタイムスリップしてきたことになるが…」
「でも、あのシェルに似た携帯電話ってのを見せられたら信じざるを得ないよね…」
タイムスリップっと言われても骸はそれほど驚かなかった。
ボンゴレファミリー10代目ファミリー雷の守護者であるランボはもともとボヴィーノファミリーというファミリーの殺し屋で、10年後の自分と5分間だけ入れ替わることのできる兵器『10年バズーカ』を所持していたらしい。
それで、沢田綱吉たちは未来の世界で白蘭率いるミルフィオーレファミリーと壮絶な闘いを経験し、10年後の骸の闘いの記憶は今の骸に送られている。
だから、タイムスリップについてはそこまで驚かなかった。
だが、この世界にボンゴレがないことはおかしい。
ボンゴレはかなり歴史が長い。
少なくとも、この時代には最強のファミリーとして、名を馳せていたはずである。
さらに魔法なんてものは聞いたこともなかった。
だが、骸の頭にはある可能性が浮かんでいた。
「…
「え、なんで今パラレルワールドなんて出てくるの?」
「そう考えなければ腑に落ちない点が多すぎる。少なくとも僕の居た世界には風見鶏なんて学校はありませんし、これほど広大な地下都市など存在しない。魔法なんてものの存在もなかったはずだ」
「もし、それが本当だとしたら帰るのは凄く難しいですね」
平行世界に手を出すことのできる魔法なんてものはあったとしても『禁呪』に含まれるものである可能性が高い。
「完全に八方塞がりって訳だ」
風見鶏生徒会役員の五条院巴が他三名の思っていることを代弁して言った。
ここから先骸はどうするかを考えていた。
この世界の魔法とやらに関係する者に憑依し、情報を集める。恐らくこれが最も現実的かつ、手っ取り早い方法だと考えた。
幸い自分には憑依する技術も、憑依したものを思いのままに操る能力も有している。
「貴方はこれからどうするつもりですか?」
風見鶏の学園長、エリザベスが何か良いことが思い付いたといったような顔で骸に問いかける。
「とりあえず、外に出てできる限り情報を集めるつもりですが…」
「情報を集める、ですか。では、この学園に入学してみてはどうでしょうか?」
エリザベスが骸に提案する。
「ちょ…学園長!六道骸を学園に入れるって…第一彼に魔法が使えるのかわからないじゃないですか!」
「ここに呼び出された時点で彼には何か特別な力があると思うのです。そうですね…例えばその右目に何かありそうですね」
「クフフフフ、貴方はなかなか鋭いようだ。だが、僕の能力については話すつもりはありませんよ。1つ言うとするならばこれは魔法なんてものではありません」
「貴方のその右目の力は学園生活の中で知る機会が来そうですから、それに外に出るよりもここにいた方が情報も入ってきますし、それに衣食住も保障しますよ?」
「クフフフフフフ、何か裏がありそうですが…良いでしょう。その話に乗りましょう」
この瞬間、六道骸の風見鶏への入学が決定した。