ある日の生徒会。
かぐやはある事を叫んでいた。
「はしたない!」
「いきなりどうしたんですか。そんな風に叫んで」
「いや、ちょっとな……………」
かぐやがそう叫ぶ中、悟はそう聞き、白銀はそう言う。
要約すると、先ほど、女子が男に食べ物をあーんさせていた様だ。
その為、荒れていた。
それを聞いた悟は。
「ああ…………だから荒れてるんですね」
「そうです!伝統ある秀知院の生徒としての自覚が足りません!人前であんな風に物を強請るなんて!浅ましい!!」
「酷い言い方だな……………」
悟がそう言うと、かぐやはそう叫ぶ。
悟と白銀が弁当を出すと、かぐやが口を開く。
「あら?会長今日はお弁当ですか?」
「あぁ。田舎の爺様が野菜を送ってくれてな。しばらく弁当にするかなと…………」
「へぇ……………」
かぐやがそう聞くと、白銀はそう答えながら弁当を開ける。
その弁当は、かぐやにとって、人生で初めて見る光景だった。
かぐやにとって弁当というものは、時間を見計らって専属のシェフが作るものである。
内容もその季節や、栄養バランスなどを考えて、作られた調和のとられたものであった。
それに対して、白銀の弁当には、煮物、ウインナー、だし巻き卵、ハンバーグ、梅干し、ふりかけ。
和洋などのジャンルを問わずに食べたい物を詰め込んだかの様な献立。
かぐやにとって、その弁当は、まるで宝箱のように見えたのである。
「お、お前の弁当、鯖の味噌煮とか入ってるのか」
「まあ、家が定食屋だからな。その余りをいくつか貰ってきたんだ」
「なるほどな」
かぐやがそう思う中、悟と白銀はそう話す。
悟の弁当は、鯖の味噌煮、切り干し大根、卵焼き、菜の花の辛子和えなどと言った感じだ。
定食の余りを貰うため、食品ロスを防げる上に、弁当を作る手間が省ける。
効率的であった。
その一方、かぐやはというと。
(食べてみたい……………特にあのタコさんウインナー!実在していたなんて!)
そんな風に思っていた。
だが、プライドの高さと先ほど言った発言もあり、欲しいなどと言えなかった。
すると、藤原がやってくる。
「みなさん、こんにちはー!会長、桐生君、お弁当ですか〜!美味しそー!」
「まあ、俺のは実家の余り物だけどな」
「俺は全部手作りだ」
「いいなー。私にも一口下さいよー」
「ん?別に構わないぞ」
(え!?藤原さん!?)
藤原は二人の弁当を見て、そう言う。
白銀はそう言うと、かぐやは驚く。
白銀は、ハンバーグを爪楊枝で刺して、藤原に渡す。
藤原はそれを受け取って、食べる。
「んー!おいしいー!ハンバーグって、熱々の肉汁出まくるのも美味しいですけど、常温だと美味しさギューーっと全部閉じ込めちゃった!って感じがしてまた良いですね!桐生君の鯖の味噌煮も下さいよ〜!」
「良いぞ」
藤原はそんな風に解説をする。
そして、悟に鯖の味噌煮を要求して、悟は鯖の味噌煮を渡す。
一方、それを見ていたかぐやは。
(……………藤原さん、友達だと思っていたのですけどね。あなたが明日死ぬとしても、私はもう助けてあげません)
かぐやは藤原に対して、そう貶しながら、軽蔑の視線を向ける。
それに気づいた白銀と悟は、小声で話す。
「な、なぁ、桐生。あの四宮の軽蔑しきった表情って……………」
「な、何ででしょうね」
二人はそう話す。
白銀としては、自分の弁当の事を軽蔑しているかと思ったが、悟は違かった。
(素直に欲しいって言えば良いのに。あと、怖いからやめて)
悟はそう思いつつ、四宮の視線に恐怖していた。
すると、白銀はある物を取り出す。
「何ですか、それ?」
「ああ、味噌汁か」
「あぁ。この味噌汁は米用のために持ってきている。弁当の米は冷えて固くなってしまい、食べにくくなるが…………」
「なるほど、お茶漬けと同じ要領か」
「その通り。藤原書記、米と味噌汁を一緒にして食べてみろ」
藤原が首を傾げながらそう聞くと、悟はそう言う。
味噌汁も持ってきていたのだ。
白銀は藤原にそう言う。
(ちょっと!?なんで食べかけの所から行くの!?それじゃ間接キ……………あああ!そっちも!?)
かぐやは、間接キスをしている様な藤原を見てそう思う。
藤原はお米を含んだ後、味噌汁を飲む。
すると。
「わぁっ!お米が……………お米が口の中でほろほろ解けていきます!」
「そう。古来より、茶漬けには冷や飯と相場が決まっている。温かい汁物と弁当の米は抜群に相性がいい!」
「まあ確かに。俺も余り物の豚汁を持ってきてよかった」
「分かっているじゃないか」
「それにしても、会長は天才ですよ!」
「ハハハっ、やめいやめい」
藤原がそう言うと、白銀はそう解説する。
悟も、余り物の豚汁が入ったスープジャーを取り出して、それを飲んでいく。
藤原と白銀がそう話す中、かぐやは、藤原とのこれまでを思い出していた。
そして。
(さよなら、藤原さん。絶交よ)
先ほどよりも軽蔑した視線を藤原に向ける。
それに気づいた白銀は。
(なっ……………!?さらに軽蔑度が上がっている!?一体何故だ!?)
白銀は、そんな風に勘違いをしていた。
悟は、我関せずと言わんがばかりに、黙々と食べていた。
ちなみに、豚汁とご飯を一緒に食べていた。
一方、かぐやは。
(そうですか。そっちがそう来るなら、こっちにも考えがあります。明日を楽しみにしてなさい!!)
かぐやはそんな風に思う。
その翌日、白銀と藤原と悟は、ある物を見ていた。
それは…………。
「ああ……………」
「今日の弁当はこれまた気合の入った…………」
「伊勢海老が入ってる……………」
「ええ。どうも料理人の興が乗ってしまったようで、旬の食材の中でも最高級のものを産地直送で調理したものです」
白銀達が唖然とする中、かぐやはそう言う。
かぐやが持ってきた弁当は、伊勢海老や牡蠣などと言った高級食材がふんだんに使われていた。
それを見た白銀は口を開く。
「普通に美味そうだな……………」
(そうでしょう!ならば、お願いする事ね。一口分けてくださいと!そうすれば私も寛大な心で受けてあげましょう。さあ、いつでも来なさい!)
白銀がそう言う中、かぐやはそう思っていた。
そんな風に思う中。
「俺らも食うか」
「そうだな」
「ですね」
3人はそう話して、弁当を出す。
かぐやが待つ中、3人は話す。
「あっ、今日もタコさんウィンナーですか?」
「おう、定番だからな」
「今日は海苔弁なんだな。美味そうだな」
「そうか?お前の弁当は、今日は生姜焼きなんだな」
「まあな。やっぱり、弁当といえば、タコさんウインナーや卵焼きとかだよな」
「確かにな。それぞれの家庭で必ず入れる物とかがあるよな」
「いいなぁいいなぁ。毎日タコさんウィンナーが入ってるなんて。タコさんウィンナーって可愛いし美味いし最強ですよ!」
「最強は言い過ぎじゃないか?」
「私にとっては最強なんです!」
白銀、藤原、悟の3人は、そんな風に談笑しながら弁当を食べていく。
かぐやは、次第に眉をピクピクと動かす。
欲しいと言ってこない事に。
「ハハハっ、分かった分かっ…………」
「会長」
「っ!?」
白銀がそう言いかけると、かぐやが話しかける。
屈託のない笑顔なのだが、負のオーラが溢れており、それに気づいた悟は震える。
「確か会長、牡蠣が好物でしたよね?お一ついかがですか?」
かぐやはそんな風に言う。
それに気づいた白銀は。
(昨日から引き続き、何だこの不穏なオーラは!この明らかに高級食材を意味もなく俺に差し出す理由は何だ!?)
白銀はそんな風に考えていた。
その一方、悟はというと。
(多分、会長の弁当が欲しいんだろうな。昨日の藤原がハンバーグとかを受け取った際の反応から分かる様に。でもなぁ……………)
悟は、かぐやの意図を読んでいた。
だが、それと同時に、その行動が悪手である事も。
すると、白銀は口を開く。
「……………受けとらん。俺は断じて受け取らん!そんな高級な物を譲られても、返せる物がない!!」
(そのタコさんウインナーで良いのに!)
(会長の家、貧乏だから……………萎縮するだけだろうし)
白銀がそう叫ぶと、かぐやはそう思いながら机に頭をぶつけ、悟はそう思う。
悟は、白銀家の事情は把握しており、貧乏であると分かっている。
その為、たまにクーポンを渡したりして、白銀家に安く食べさせたりしている。
ちなみに、白銀自身としては、嬉しいとは思っているものの、迷惑をかけているのではとも思っている。
すると、藤原が口を開く。
「かぐやさん痛くない!?頭大丈夫!?」
(あぁ、もう!悪口に聞こえて仕方ない!)
藤原がそう言うと、かぐやはそう思う。
側から見ると、悪口の様に聞こえてしまうのだ。
すると、かぐやは藤原に聞く。
「…………というより、なんですかそれ?」
「あぁ、これですか?会長が私の分も作ってくれたんですよ」
「え」
「一人分も二人分も変わらんからな」
かぐやがそう聞くと、藤原と白銀はそう答える。
和やかに弁当を食べていく。
ちなみに、白銀の春巻きと悟の生姜焼きを交換した。
それを見ていたかぐやは。
(人の姿をした家畜…………プライドが無く他人に依存する事ばかりに長けた寄生虫…………胸にばかり栄養が行ってる脳カラ……………なんて悍ましい生き物……………。私はあなたを絶対に赦しはしない……………!)
かぐやは藤原を軽蔑しながら、殺意を向ける。
それに気づいた白銀と悟は。
(っ!?四宮が暗殺者の様な目をしている!?)
(怖いですって。暗殺者か殺し屋か殺人鬼みたいに見えますから…………!)
かぐやの視線に怯えていた。
白銀は、逃げる事を選択した。
「しまった!今日は部活練の会合の日ではないか!急いで食べないと!」
(ああ!私のタコさんウインナー…………!!)
「それじゃ行ってくる!」
白銀は急いで弁当を食べる。
それを見て、かぐやは手を伸ばしかけるが、白銀は食べ終えて、生徒会室を後にする。
(私、何してるんだろう……………馬鹿みたい……………)
かぐやはそんな風に思っていた。
すると。
「かぐやさん。あーん」
藤原がかぐやの前に居て、タコさんウインナーを渡す。
かぐやはそれを食べる。
すると、藤原は笑みを浮かべながら口を開く。
「美味しいでしょ?一緒に食べよ?」
屈託のない笑顔でそう言う。
タコさんウインナーを食べたかぐやは。
「……………藤原さん。ごめんなさい。私はあなたの事を勘違いしてました……………。貴女はちゃんと人よ。自信持って。」
「今までなんだと思ってたんですか!?そこに自信無かったことは一度もないです!」
(……………やれやれ)
かぐやはそんな風に言うと、藤原はそう叫び、悟はそう思う。
3人は、弁当を食べていく。
本日の勝敗 白銀の逃走により、かぐやの勝利
一方、会合に向かっていた白銀は。
(畜生……………!牡蠣、食いたかったなあああああああ!!)
そんな風に思っていた。
その夜、かぐやは。
「……………全く。会長にも困ったものね。あそこまでお膳立てしてあげても、告白してこないなんて」
かぐやはそう言う。
すると、メイド……………早坂愛が口を開く。
「かぐや様。例えばなのですが……………かぐや様が真実の恋に落ちた時も、今の様に告白されるのを待ちますか?それとも自分から行きますか?」
早坂はそう聞く。
恋愛頭脳戦。
それは、お互いの尊厳をかけた魂の決闘である。
すると、かぐやは口を開く。
「そんな時が来たなら、誰かに取られるリスクを鑑みて、合理的結論は一つです。自分から行くに決まって……………決まって……………決まってますに……………決まって……………」
かぐやはそんな風に言うが、最後は尻すぼみ気味だった。
断じて、告白が恥ずかしくて出来ないとか、振られたらどうしようなど、しょうもない理由で行われている訳ではない事をご理解いただきたい。
それを聞いた早坂は。
「はぁ…………」
素直じゃない主人に対して、ため息を吐いた。
今回はここまでです。
今回は、弁当の話です。
基本的に、悟の弁当は和風の具材ばかりです。
そして、早坂愛が初登場。
次回は、スマホの話にする予定です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
悟のヒロインに関しては、アンケートを取ろうかなと思っています。
現状、自分が考えているのも含めると、早坂、四条眞妃、渚、オリキャラ、いらないという感じですね。
他に意見があればよろしくお願いします。
早坂の場合だと、他の小説の二番煎じになりそうですが。
悟のヒロインはどうするか
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早坂愛
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柏木渚
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四条眞妃
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オリキャラ
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その他
-
必要ない