桐生悟は見守りたい   作:仮面大佐

4 / 14
第3話 かぐや様は連絡先を交換したい

 全校集会を終えたある日の生徒会。

 藤原は叫ぶ。

 

「ひ、ひゃあぁ!会長、ついにスマホ買ったんですか!?」

「ふふ…………まあな」

「それにしても、スマホを買った方がいいって言っても、『不要だ』、『周りに合わせるつもりはない』って言ってた会長が買うとは…………」

「ラインも入ってるぞ」

「わぁ〜。じゃあID交換しましょう」

「俺も良いか?」

 

 藤原がそう叫ぶと、白銀はそんな風に言う。

 悟がそう言う中、白銀はそう言い、2人はLINEのIDを交換する。

 世はまさにIT時代!

 スマホ不要論を唱えていたド堅物の白銀も近頃の通信料の低価格化もあり、ようやく重たい腰を上げた!

 高校生活に於いてスマホの重要さは今更語るまでもない。

 遊びの約束や雑談をケータイで行いどんな口調で送るか一つでドギマギし 送信が中々来ない事に一喜一憂。

 一説によると告白すらメールで済ませる事もあるとか…………。

 そう、この無駄な半年間はラインをやっていなかったのが原因!

 IDの交換は現代式恋愛のチケットなのである!

 

(さぁ!いつでもIDを聞いてこい!四宮!)

 

 白銀は、かぐやがIDを聞いてくるのを待った。

 

「わ〜!ID貰っちゃった!」

 

 藤原と悟は、白銀のIDを確認していた。

 だが、かぐやは紅茶を飲むだけで、何もしなかった。

 

(なぜ訊いて来ない!俺の個人情報だぞ!?一体どれほどの価値があると思っているんだ!物の価値が判らない女め………仕方ないこっちから訊くか………?だがそれは………!)

 

 白銀はかぐやが連絡先を聞いてこない事にそう思ったが、思いとどまる。

 異性に連絡先を訊く!

 その行為には、多少の必死さや下心が読み取れ特別な『意味』が生まれてしまう!

 意味………すなわち『LOVE』!

 素人がなんでもない時に異性とアドレス交換しようものなら………『好き認定』!!

 恋愛関係を於いて『好きになった方が負け』は絶対のルール‼︎

 すなわち敗北を意味する無駄にプライドの高い両者はそれはあってはならない!

 異性の連絡先を訊くなどもはや告白同然!

 『好き認定』されれば女子会やラインのグループなどで拡散され瞬く間にクラス……いや学校中の常識と化す!

 つまり連絡先を聞けば死ぬ!

 

(絶対に駄目だ!俺から聞く事はありえない!四宮!貴様から訊いてこい!)

 

 白銀は、それを分かっている為、かぐやの方から聞いてくるのを待つ事にした。

 一方、かぐやは。

 

(会長……私から聞いて来るのを待っているのでしょうか……全くの無駄です。私からは絶対に訊いたりしません。異性の私が会長に恥ずかしながらも訊いてくる事に意味があるのではないですか…………!!)

 

 かぐやはそう思っていた。

 争い!それは世界の必定!

 勝者と敗者、殺るか殺されるか!

 (連絡先を)訊くか、訊かれるか!

 人間の優劣はそこで決まると言っても過言ではない!!

 

(全く……………会長に携帯を持たせる為だけに、私がどれだけ手を焼いたと思っているのですか?)

 

 かぐやはそう思っていた。

 実は、白銀が帰る際、四宮家のコックに近侍(早坂愛)、庭師などを駆使して、白銀にスマホを買う様に誘導したのだ。

 

(これでやっと、会長と学校以外で連絡が取れる…………。計画は概ね成功したと言えるでしょう……………。ですが、この状況は最大限利用させて頂きます!さあ、会長はどんな顔で連絡先交換をお願いしに来るのかしら…………!)

 

 かぐやはそう思いながらクスッと笑う。

 それを見た白銀は。

 

(お前は自分から訊きに来るつもりはなくあくまで俺から訊きに来させたいのか………だったら!)

 

 白銀はかぐやの意図を読み、動く。

 すると、藤原と悟が口を開く。

 

「あれ!会長 このプロフィール画像って……?」

「あぁ。俺が子供の頃の写真だ」

「会長って、この頃から目つき悪いんですね」

「ハハハっ、目付きに関しては結構なコンプレックスだから、触れてくれるな」

 

 藤原がそう聞くと、白銀はそう答える。

 悟と白銀がそんな風に話す中。

 

(会長が子供の頃の写真…………?べ…………別にそんなの……………)

「だがこれはちょっと恥ずかしいな。やっぱり別の写真に変えておこう。………そうだな、3分後に変えるとしよう」

(今じゃなくて3分後?……………そういう事か)

 

 かぐやがそんな風に思う中、白銀は制限時間を提示する。

 悟は首を傾げるが、すぐに納得がいく。

 時間制限を設ける事で、聞きに来させるという事を。

 

(そんな!時間制限をかけるなんて卑怯な……!会長がプロフィール画像を変えてしまえば、その写真を見る事は出来ない!)

 

 かぐやはそんな風に思う。

 時間制限を設けられた事で、その写真を見る為には、かぐやの方から聞きに行かなければならなくなった。

 しかし、それは即ち、藤原と悟の2人の前で自分が白銀の事を好きだと認める様なもの。

 

(かくなる上は…………!)

 

 かぐやはそう思うと、ある行動に出る。

 かぐやは立ち上がる。

 

「ぐすっ…………!」

「かぐやさん?」

「ど、どうしたんですか?」

「会長は…………酷い人です」

 

 すると、かぐやは泣き出す。

 スキル、乙女の涙(インチキ)、発動。

 実際に泣いているのではなく、右手に隠し持った目薬を使って、涙を流している様に見せたのだ。

 

「会長は酷いです…………。どうして、こんな事するんですか…………?」

 

 かぐやはそんな風に言う。

 この言葉自体に意味はない。 

 だが、『酷い』と言われたら、何か酷い事をした気がする物!

 生きていれば、何かしらの思い当たる節があるのが人間!

 心理学で言うところのバーナム効果である。

 

(えっ?俺、なんかやらかしたか?)

 

 状況を分かっている筈の悟でさえも、何か悪い事をしてしまったのではないかと思考を巡らせる。

 一方、白銀は。

 

「わ、悪い!四宮を仲間はずれにするつもりはなかったんだ!ほら、四宮にも見せるから、元気出し…………(はっ!?これは罠…………!)」

(遅い!!)

 

 白銀は謝りながら、プロフィール画像をかぐやに見せる。

 だが、罠だと気づいて戻そうとしたが、時すでに遅し。

 絶対記憶!  

 一瞬のうちに、白銀のプロフィール画像はかぐやの海馬に保存(インプット)

 白銀は唯一の切り札を失う!

 かぐやは、圧倒的優位に返り咲く!

 

(さあ、会長…………!これで私が会長のIDを訊く理由は無くなりました!どうぞ、そちらからお訊きになられて下さい!)

(こういうのは時間が経過すればする程、訊きづらくなる。どうする……………!今訊いてしまった方がダメージは少ないかっ!?)

 

 2人はそんな風に思考を巡らせる。

 藤原は慌てていて、悟は考えていた。

 逆転の目を探す白銀!

 

(使うしかないのか、あれを…………!!)

 

 それを封殺すべく、思考を巡らせるかぐや!

 

(殺った!!)

 

 決着は目前!!

 すると、藤原と悟が口を開く。

 

「あっ!そうですよね!ガラケーだから、ライン出来ないかぐやさんの前でこんな話…………酷いですよね!ごめんなさい!」

「確かに……………ガラケーはラインが出来ないんですよね。配慮が足りませんでした。すいません」

 

 2人はそう言いながら謝る。

 そう、ガラケーはラインが出来ない。

 それを聞いた2人は。

 

「「出来ないの!?」」

「金持ちだろ、買い換えろ!」

「幼稚園から使ってる携帯で愛着があるんです!今更変えられません!」

 

 2人は間を開けるとそう叫び、そんな風に言い合う。

 この物語は、空回りし続ける頭脳と恋の物語である。

 そして、それを見守る1人の男の物語でもある。

 

(そういえば、ガラケーはライン出来ないな。少し、悪い事をしてしまったかな……………)

 

 悟は、マジな罪悪感を抱いた。

 

本日の勝敗 両者敗北




今回はここまでです。
今回は、スマホ関連の話です。
悟に関しては、察しやすいものの、酷いとか言われると、自分が何かをやらかしたのかと考える性格です。
ガラケーであるが故に、失敗に終わる。
次は、夏休みの旅行の話し合い関連です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ヒロインのアンケートは、もう少し続けます。
早坂が独走状態ですが。
早坂の場合、どんな感じにくっつけて欲しいとかがあれば、受け付けています。
今後の展開も、活動報告から受け付けています。

悟のヒロインはどうするか

  • 早坂愛
  • 柏木渚
  • 四条眞妃
  • オリキャラ
  • その他
  • 必要ない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。