桐生悟は見守りたい   作:仮面大佐

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第4話 藤原ちゃんは出かけたい

 ある日の生徒会。

 藤原はくしゃみをする。

 

「へっくち!今日は寒いですねー。早く夏来ないかなぁ」

 

 藤原はくしゃみをすると、スマホを見ながらそう言う。

 それを聞いた悟と白銀は口を開く。

 

「少し、気が早くないか?」

「桐生の言う通りだ。まだまだ春は続くぞ」

「いいえ!時間なんてあっという間に過ぎるんです!うかうかしてたらなーんにもないまま卒業ですよー?」

「まあ、それは確かに」

 

 悟と白銀がそう突っ込むと、藤原はそう言う。

 悟が納得する中、かぐやと白銀は、心にダメージを負った。

 すると、藤原はある提案をする。

 

「あっ、そうです!夏休みになったら、生徒会のみんなで旅行に行きましょうよ!」

「それはいいですね。親睦も兼ねて、どこかに行きましょうか」

「確かに。それも良いな。親睦を深める事が出来たら良いからな」

 

 藤原は、夏休みにどこかに行くことを提案する。

 それを聞いて、かぐやと悟も同意する。

 白銀はというと。

 

(旅行か……………悪くない。そうだな……………行くなら山が良い。コテージでも借りてバーベキュー。そして、夜には……………)

 

 白銀はそんな風に考える。

 白銀の脳裏には。

 

『見ろ。アルタイル、ベガ、デネブ。夏の大三角形だ。ベガとアルタイルは、織姫と彦星の事だな』

『まるで私たちの様ですね…………近い様で、とても遠い……………嫌です!私は会長のケンタウロスα星Bbになりたいです!会長と公転させてください!』

『やれやれ。甘えん坊な一等星ちゃんだ…………』

 

 白銀は星座を見て、かぐやが告白する光景を思い浮かべていた。

 

(星空の魔法にかけられて、告白してくる四宮!これだ!山!山以外あり得ない!)

 

 そんなビジョンを思い浮かべた結果、山に行く事に決める。

 すると、悟が口を開く。

 

「親睦を兼ねて、どこかに行く事は良いんですが、どこに行きましょうか?」

「そうだな。行くならやっぱり山…………」

「海ですね。海以外あり得ません」

 

 悟がそう聞くと、白銀はそう答えようとするが、食い気味にかぐやはそう言う。

 海VS山!!

 古来より争われていた絶対的対立!

 人間性の色濃く出る思想戦争である!

 かぐやが海と言った理由は。

 

(海……………海は生命の原初。そして、降り注ぐ太陽が……………人間を都会のルールから解き放ち、本能的な生物へと戻すでしょう)

 

 かぐやはそう思う。

 要は、海に行くと開放的になると言いたいのだ。

 

(すかさず、私の水着で会長を悩殺!海の魔法にかけられた会長は夕焼けの中、告白してくる!完璧!海以外あり得ない!)

 

 かぐやも、アプローチこそ違えど、白銀とほぼ同じことを考えていた。

 

「山より海の方が近いですし、あまり移動時間も取られません」

「距離などを気にしてどうする。近場で済ませるならなんのための旅行だ。山はいいぞ。涼しいし、自然で溢れている」

「海の潮騒は最高の子守唄です。潮風が夏の火照りを吹き消すでしょう」

 

 2人はそんな風に言う。

 何故、白銀は山に固執するのかというと。

 

(海……………海だけはダメだ……………!俺は泳げない!!)

 

 備考、白銀はカナヅチである。

 そのカナヅチっぷりは、お風呂で溺れた事があるレベルである。

 その為、海にしたら恥を晒すと思っているのだ。

 すると、白銀は悟に話しかける。

 

「なあ、桐生。お前は山と海、どっちが良いんだ?」

「え?俺?」

「そうですね。どちらが良いのか、聞かせてもらいましょう」

 

 白銀は、悟を味方につけるべく、話題を振る。

 話題を振られると思っていなかった悟がそう反応すると、かぐやもそう聞く。

 

(山だよな?お前は山が良いよな?)

(海ですよね?)

 

 白銀とかぐやは、そんな風に思う。

 悟は少し考えると、口を開く。

 

「そうだな……………。俺はどっちでも良いかな」

「「っ!?」」

 

 悟はそう答え、2人は驚く。

 どっちでも良い!

 それは、対立する構造の中で、場が白ける発言である。

 悟としては、余計な事を言わない様に、2人の意見を尊重するという姿勢をとる。

 だが、白銀とかぐやからしたら、責任を丸投げした様に感じる。

 

『ふざけんな、馬鹿野郎!なんでそんな無責任なんだよ!』

『無責任ですね……………。私を怒らせて、あなたが無事に生きていられるとでも思わないことね……………』

 

 2人はそんな風に思う。

 だが、悟としても、なんの考えもなしにその発言をしたわけではない。

 

「そりゃあ、甲乙つけ難いだからですよ。山には山の、海には海の魅力があるわけですし。山だとトレッキングや森林浴、川釣りとか出来る訳ですし、海だと海水浴、ビーチバレー、海で釣りとかも出来ますし。俺からしたら、どれも魅力的で、甲乙つけ難いですよ」

(確かに……………。ちゃんと考えていてくれたのか……………)

(まあ、魅力があるのは確かですね)

 

 悟はそんな風に説明する。

 それを聞いた白銀とかぐやも納得する。

 悟はどうでも良いという意味で言ったのではなく、甲乙つけ難いからそう言ったのだと。

 すると、白銀は方針を変えて、海でのデメリットを挙げていく。

 こういう時、敵陣のデメリットを論う方が効果的であるからだ。

 

「海は人が多いし、身体がベタついてしまうだろう」

「問題ありません。四宮家の所有するプライベートビーチを用意しましょう。勿論私達以外に人はいませんし、徒歩30秒の位置に温水シャワーの設備もありますので、ベタつきの心配はありません」

「…………日に焼けるぞ。日焼けは乙女の大敵じゃないのか?」

「最高級の日焼け止めクリームを用意しましょう。一流のエステティシャンも呼んでおきますので、肌のアフターケアも万全です」

「…………サメが出るかも」

「フロリダから一流のハンターを呼んでおきましょう。ディナーはフカヒレですね」

 

 白銀は、海のデメリットを挙げていくが、悉くかぐやによって潰されていく。

 

(くそっ!この金持ちめ!)

(甘いですよ、会長。藤原さんがこんな事を言い出すのは想定の範囲内!会長が攻撃してきたとしても、無力化してみせます!)

 

 白銀がそんな風に毒づく中、かぐやはそう言う。

 藤原がそう言い出すのは分かりきっていた。

 その為、白銀の反対意見を封殺する為の準備をしてきたのだ。

 すると、かぐやは口を開く。

 

「山は夏じゃなくてもいいじゃないですか。海は夏しか行けないのですし。それに、山は天気が荒れやすいですよね。折角の旅行なのに、もし雨が降ったとなればずっと室内ってこともあり得ます」

「ぐッ…………!」

「それに虫も多いですよ。蚊がいれば、蛾や毛虫、ムカデなども生息しているでしょう」

 

 かぐやはそう言う。

 虫が出るという言葉を聞いた瞬間、白銀は震えだす。

 

(し、失念していた!虫だけは……………虫だけはダメなんだ!!)

 

 備考、白銀は虫も苦手である。

 どういう事かと言うと、小学校の高学年の時、林間学校の夜、白銀は自販機でジュースを買おうとした。

 だが、山の中の自販機には、大体虫が集まっているもの。

 それを見た白銀は、虫が苦手になった。

 そのレベルは、カブトムシですら失神の対象となり、Gを目撃した際には、立ったまま失神する。

 白銀は苦悩する。

 海に行けば泳げない、山に行けば虫に遭遇する。

 苦悩の末、出した答えは。

 

「……水着買っておくか」

 

 海に行く事にした。

 虫に関しては、どうする事も出来ないが、カナヅチに関しては、練習すれば泳げる様になる。

 その為、海に行く事にしたのだ。

 すると、悟と藤原が口を開く。

 

「海か…………父さんが使ってた釣竿も持っていくか」

「あ、そうですねー。私も去年のサイズ合わなくなっちゃって。新しいの買わなきゃ」

 

 悟がそう言う中、藤原はそう言う。

 それを聞いたかぐやは、藤原の胸と自分の胸を比べる。

 藤原は胸が大きいが、かぐやは絶壁と言える様な形状だった。

 ボディラインには自信のあるかぐや。

 だが、それを差し引いても、かぐやの攻撃力は、豆鉄砲程度である。

 それに引き換え、藤原の攻撃力は戦車級!

 戦力差は絶望的。

 比較されるのは必然!

 すると、かぐやは口を開く。

 

「……山にしましょう」

「ええ!?」

「海はベタつくし、人も多いし、サメも出ます。山にしましょう」

「さっきと違くないですか!?」

「いや海だ!山は雨が降るし虫も出る!海にしよう!」

「会長もか」

 

 かぐやは山にする事にした。

 だが、それと同時に白銀も海に行くと言う。

 話し合いは、振り出しに戻る。

 すると、白銀は口を開く。

 

「なら、藤原書記に決めてもらおうじゃないか!」

「えっ、私ですか!?」

「ええ、そうしましょう」

「桐生君には聞かないんですか!?」

「どうせさっきと同じ答えが出る!当てにならん!」

「……………確かにそう言ったけど、酷くない?」

 

 白銀とかぐやは、藤原に意見を求める。

 藤原は悟に意見を聞かないのかと聞くが、白銀はそう言う。

 それを聞いた悟は、少し傷ついた。

 藤原は考える。

 

「え、えっと〜……どちらかというと……山?」

 

 藤原は、山を選択した。

 それを聞いたかぐやはガッツポーズを取り、白銀は悔しがる。

 だが、この時、2人は失念していた。

 藤原千花というのが、どういう人物であるのかという事を。

 

「あっ、山は山でも……恐山に行きたいです〜」

(((恐山…………)))

 

 藤原はそう言うと、3人は唖然となる。

 恐山。

 それは、青森県にある活火山の一種であり、宇曽利湖の湖畔には、日本三大霊場である恐山菩提寺がある。

 

「賽の河原に血の池地獄。輪廻を回す風車がいーっぱい!それに、八葉蓮華の山並みっ!折角だから、イタコさんに死者の霊を口寄せしてもらいましょう!誰がいいかなぁ〜…………キリスト?ブッダ?聖徳太子とかもいいですよね〜」

 

 藤原は、そんな事を笑顔で言う。

 それを聞いた白銀たちは。

 

「……………まぁ。夏が来たら、考えるか」

「…………そうですね」

「…………了解です」

 

 三人は、藤原に恐怖しながら、そう話す。

 

本日の勝敗 計画白紙(おじゃん)

 

理由 藤原がちょっと怖かった為。




今回はここまでです。
今回は、夏休みにどこに出かけるかの話です。
藤原は、恐山に行きたいと言い出す。
悟は、中立の立場を取りました。
次回は、田沼翼が相談しにくる話になる予定です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
次回でアンケートは締め切ろうと思います。
その為、ヒロインは早坂になりそうですが、どんな風にくっつけて欲しいとかがあれば、お願いします。

悟のヒロインはどうするか

  • 早坂愛
  • 柏木渚
  • 四条眞妃
  • オリキャラ
  • その他
  • 必要ない
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