ある日の生徒会。
藤原はくしゃみをする。
「へっくち!今日は寒いですねー。早く夏来ないかなぁ」
藤原はくしゃみをすると、スマホを見ながらそう言う。
それを聞いた悟と白銀は口を開く。
「少し、気が早くないか?」
「桐生の言う通りだ。まだまだ春は続くぞ」
「いいえ!時間なんてあっという間に過ぎるんです!うかうかしてたらなーんにもないまま卒業ですよー?」
「まあ、それは確かに」
悟と白銀がそう突っ込むと、藤原はそう言う。
悟が納得する中、かぐやと白銀は、心にダメージを負った。
すると、藤原はある提案をする。
「あっ、そうです!夏休みになったら、生徒会のみんなで旅行に行きましょうよ!」
「それはいいですね。親睦も兼ねて、どこかに行きましょうか」
「確かに。それも良いな。親睦を深める事が出来たら良いからな」
藤原は、夏休みにどこかに行くことを提案する。
それを聞いて、かぐやと悟も同意する。
白銀はというと。
(旅行か……………悪くない。そうだな……………行くなら山が良い。コテージでも借りてバーベキュー。そして、夜には……………)
白銀はそんな風に考える。
白銀の脳裏には。
『見ろ。アルタイル、ベガ、デネブ。夏の大三角形だ。ベガとアルタイルは、織姫と彦星の事だな』
『まるで私たちの様ですね…………近い様で、とても遠い……………嫌です!私は会長のケンタウロスα星Bbになりたいです!会長と公転させてください!』
『やれやれ。甘えん坊な一等星ちゃんだ…………』
白銀は星座を見て、かぐやが告白する光景を思い浮かべていた。
(星空の魔法にかけられて、告白してくる四宮!これだ!山!山以外あり得ない!)
そんなビジョンを思い浮かべた結果、山に行く事に決める。
すると、悟が口を開く。
「親睦を兼ねて、どこかに行く事は良いんですが、どこに行きましょうか?」
「そうだな。行くならやっぱり山…………」
「海ですね。海以外あり得ません」
悟がそう聞くと、白銀はそう答えようとするが、食い気味にかぐやはそう言う。
海VS山!!
古来より争われていた絶対的対立!
人間性の色濃く出る思想戦争である!
かぐやが海と言った理由は。
(海……………海は生命の原初。そして、降り注ぐ太陽が……………人間を都会のルールから解き放ち、本能的な生物へと戻すでしょう)
かぐやはそう思う。
要は、海に行くと開放的になると言いたいのだ。
(すかさず、私の水着で会長を悩殺!海の魔法にかけられた会長は夕焼けの中、告白してくる!完璧!海以外あり得ない!)
かぐやも、アプローチこそ違えど、白銀とほぼ同じことを考えていた。
「山より海の方が近いですし、あまり移動時間も取られません」
「距離などを気にしてどうする。近場で済ませるならなんのための旅行だ。山はいいぞ。涼しいし、自然で溢れている」
「海の潮騒は最高の子守唄です。潮風が夏の火照りを吹き消すでしょう」
2人はそんな風に言う。
何故、白銀は山に固執するのかというと。
(海……………海だけはダメだ……………!俺は泳げない!!)
備考、白銀はカナヅチである。
そのカナヅチっぷりは、お風呂で溺れた事があるレベルである。
その為、海にしたら恥を晒すと思っているのだ。
すると、白銀は悟に話しかける。
「なあ、桐生。お前は山と海、どっちが良いんだ?」
「え?俺?」
「そうですね。どちらが良いのか、聞かせてもらいましょう」
白銀は、悟を味方につけるべく、話題を振る。
話題を振られると思っていなかった悟がそう反応すると、かぐやもそう聞く。
(山だよな?お前は山が良いよな?)
(海ですよね?)
白銀とかぐやは、そんな風に思う。
悟は少し考えると、口を開く。
「そうだな……………。俺はどっちでも良いかな」
「「っ!?」」
悟はそう答え、2人は驚く。
どっちでも良い!
それは、対立する構造の中で、場が白ける発言である。
悟としては、余計な事を言わない様に、2人の意見を尊重するという姿勢をとる。
だが、白銀とかぐやからしたら、責任を丸投げした様に感じる。
『ふざけんな、馬鹿野郎!なんでそんな無責任なんだよ!』
『無責任ですね……………。私を怒らせて、あなたが無事に生きていられるとでも思わないことね……………』
2人はそんな風に思う。
だが、悟としても、なんの考えもなしにその発言をしたわけではない。
「そりゃあ、甲乙つけ難いだからですよ。山には山の、海には海の魅力があるわけですし。山だとトレッキングや森林浴、川釣りとか出来る訳ですし、海だと海水浴、ビーチバレー、海で釣りとかも出来ますし。俺からしたら、どれも魅力的で、甲乙つけ難いですよ」
(確かに……………。ちゃんと考えていてくれたのか……………)
(まあ、魅力があるのは確かですね)
悟はそんな風に説明する。
それを聞いた白銀とかぐやも納得する。
悟はどうでも良いという意味で言ったのではなく、甲乙つけ難いからそう言ったのだと。
すると、白銀は方針を変えて、海でのデメリットを挙げていく。
こういう時、敵陣のデメリットを論う方が効果的であるからだ。
「海は人が多いし、身体がベタついてしまうだろう」
「問題ありません。四宮家の所有するプライベートビーチを用意しましょう。勿論私達以外に人はいませんし、徒歩30秒の位置に温水シャワーの設備もありますので、ベタつきの心配はありません」
「…………日に焼けるぞ。日焼けは乙女の大敵じゃないのか?」
「最高級の日焼け止めクリームを用意しましょう。一流のエステティシャンも呼んでおきますので、肌のアフターケアも万全です」
「…………サメが出るかも」
「フロリダから一流のハンターを呼んでおきましょう。ディナーはフカヒレですね」
白銀は、海のデメリットを挙げていくが、悉くかぐやによって潰されていく。
(くそっ!この金持ちめ!)
(甘いですよ、会長。藤原さんがこんな事を言い出すのは想定の範囲内!会長が攻撃してきたとしても、無力化してみせます!)
白銀がそんな風に毒づく中、かぐやはそう言う。
藤原がそう言い出すのは分かりきっていた。
その為、白銀の反対意見を封殺する為の準備をしてきたのだ。
すると、かぐやは口を開く。
「山は夏じゃなくてもいいじゃないですか。海は夏しか行けないのですし。それに、山は天気が荒れやすいですよね。折角の旅行なのに、もし雨が降ったとなればずっと室内ってこともあり得ます」
「ぐッ…………!」
「それに虫も多いですよ。蚊がいれば、蛾や毛虫、ムカデなども生息しているでしょう」
かぐやはそう言う。
虫が出るという言葉を聞いた瞬間、白銀は震えだす。
(し、失念していた!虫だけは……………虫だけはダメなんだ!!)
備考、白銀は虫も苦手である。
どういう事かと言うと、小学校の高学年の時、林間学校の夜、白銀は自販機でジュースを買おうとした。
だが、山の中の自販機には、大体虫が集まっているもの。
それを見た白銀は、虫が苦手になった。
そのレベルは、カブトムシですら失神の対象となり、Gを目撃した際には、立ったまま失神する。
白銀は苦悩する。
海に行けば泳げない、山に行けば虫に遭遇する。
苦悩の末、出した答えは。
「……水着買っておくか」
海に行く事にした。
虫に関しては、どうする事も出来ないが、カナヅチに関しては、練習すれば泳げる様になる。
その為、海に行く事にしたのだ。
すると、悟と藤原が口を開く。
「海か…………父さんが使ってた釣竿も持っていくか」
「あ、そうですねー。私も去年のサイズ合わなくなっちゃって。新しいの買わなきゃ」
悟がそう言う中、藤原はそう言う。
それを聞いたかぐやは、藤原の胸と自分の胸を比べる。
藤原は胸が大きいが、かぐやは絶壁と言える様な形状だった。
ボディラインには自信のあるかぐや。
だが、それを差し引いても、かぐやの攻撃力は、豆鉄砲程度である。
それに引き換え、藤原の攻撃力は戦車級!
戦力差は絶望的。
比較されるのは必然!
すると、かぐやは口を開く。
「……山にしましょう」
「ええ!?」
「海はベタつくし、人も多いし、サメも出ます。山にしましょう」
「さっきと違くないですか!?」
「いや海だ!山は雨が降るし虫も出る!海にしよう!」
「会長もか」
かぐやは山にする事にした。
だが、それと同時に白銀も海に行くと言う。
話し合いは、振り出しに戻る。
すると、白銀は口を開く。
「なら、藤原書記に決めてもらおうじゃないか!」
「えっ、私ですか!?」
「ええ、そうしましょう」
「桐生君には聞かないんですか!?」
「どうせさっきと同じ答えが出る!当てにならん!」
「……………確かにそう言ったけど、酷くない?」
白銀とかぐやは、藤原に意見を求める。
藤原は悟に意見を聞かないのかと聞くが、白銀はそう言う。
それを聞いた悟は、少し傷ついた。
藤原は考える。
「え、えっと〜……どちらかというと……山?」
藤原は、山を選択した。
それを聞いたかぐやはガッツポーズを取り、白銀は悔しがる。
だが、この時、2人は失念していた。
藤原千花というのが、どういう人物であるのかという事を。
「あっ、山は山でも……恐山に行きたいです〜」
(((恐山…………)))
藤原はそう言うと、3人は唖然となる。
恐山。
それは、青森県にある活火山の一種であり、宇曽利湖の湖畔には、日本三大霊場である恐山菩提寺がある。
「賽の河原に血の池地獄。輪廻を回す風車がいーっぱい!それに、八葉蓮華の山並みっ!折角だから、イタコさんに死者の霊を口寄せしてもらいましょう!誰がいいかなぁ〜…………キリスト?ブッダ?聖徳太子とかもいいですよね〜」
藤原は、そんな事を笑顔で言う。
それを聞いた白銀たちは。
「……………まぁ。夏が来たら、考えるか」
「…………そうですね」
「…………了解です」
三人は、藤原に恐怖しながら、そう話す。
本日の勝敗
理由 藤原がちょっと怖かった為。
今回はここまでです。
今回は、夏休みにどこに出かけるかの話です。
藤原は、恐山に行きたいと言い出す。
悟は、中立の立場を取りました。
次回は、田沼翼が相談しにくる話になる予定です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
次回でアンケートは締め切ろうと思います。
その為、ヒロインは早坂になりそうですが、どんな風にくっつけて欲しいとかがあれば、お願いします。
悟のヒロインはどうするか
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早坂愛
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柏木渚
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四条眞妃
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オリキャラ
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その他
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必要ない