ある日の秀知院。
かぐやと白銀が歩いている中、ある女子生徒が口を開く。
「ご覧になって!白銀会長とかぐや様ですわ!」
その女子生徒がそう言うと、もう片方の女子生徒も白銀とかぐやを見る。
彼女達は、マスメディア部に所属している巨瀬エリカと紀かれんである。
「いつ見ても凛々しい方々…………」
「ああ……………会長にだったら私…………」
「私はかぐや様でも……………」
エリカとかれんの二人はそう話す。
すると、背後からエリカが持っていた本を取り上げながら口を開く人がいた。
この秀知院の校長だ。
「これこれ。皆さん、煩悩が漏れていマスよ」
「校長!」
「慕情モ結構デスが、秀知院の生徒としての慎みモ必要デスよ。オ二人をご覧なサイ。彼らに煩悩などアルと思いマスか?あれが秀知院の生徒として、アルベキ姿デスよ」
校長は本を取り上げながらそう言う。
一方、二人が何を考えているのかと言うと。
(会長をオトしたらあんな事やこんな事を…………)
(四宮が告ってきたらドエロい事をしよう)
煩悩まみれだった。
その後、生徒会室には白銀、かぐや、藤原、悟の四人がいたが、かぐやは口を開く。
「あら?なんですこれ」
「あぁ、さっき校長が生徒から没収したんだと。教育上良くない本だから処分しとけってさ。全く、自分でやれって話だ」
「あの人、時折仕事を押し付けるよな」
かぐやがそう聞くと、白銀はそう答える。
悟がそうぼやく中、藤原が雑誌を手に取り、読みだす。
「教育上良くない本?」
藤原がそう言いながら見ると、突然叫びだす。
「ひゃ、ひゃああぁー!!」
「どうしたんだ?」
藤原はそんな声を出しながら奇声を出して、雑誌を手放す。
かぐやがキャッチして、悟がそう聞くと、藤原は口を開く。
「乱れ…………いや、淫れてます!この国は淫れてますーっ!!」
「何言ってるんだ?」
(何だ…………?あの慌てよう…………どんな本だったんだ?はっ!?もしかしてヘアヌード!?ヘアヌードがあったのか!?)
藤原がそう叫ぶ中、悟は困惑して、白銀はそう思う。
白銀が強い関心を示す中、かぐやは本を開く。
「………….どれどれ。……………初体験はいつだったアンケート。"高校生までに"が、34パーセント」
「ああ、そういう系か」
「嘘です!みんなそんなにしてるはずありません!」
かぐやがそう言うと、悟は納得して、藤原はそう叫ぶ。
34%。
つまり、3割強が経験済み。
そして、この生徒会室に居る四人のうち、一人は既に経験済みの可能性が高い!!
「まあ、こういう本のアンケートは、こういう本を読んでいる人が答えてるから、高いだけだと思うけどな」
「ああ…………サンプルセレクションバイアスってやつだ。実際、そんなに多く無いはずだぞ」
「ですよね〜!」
「「「アハハハハ!」」」
悟がそう言うと、白銀も同意し、藤原がそう言うと、3人は笑いだす。
すると、かぐやが口を開く。
「そうですか?私は適切な割合だと思います。むしろ少ないんじゃ?」
「「「っ!?」」」
かぐやは平然とそう言い、3人は唖然となる。
藤原は、かぐやに聞く。
「あの、まさかとは思うのですが…………かぐやさんはその………経験あるんですか…………?」
「はい。だいぶ前に」
「ええええぇぇぇッ!!?」
「嘘だろ……………!?」
「へえ…………青森の市外局番って017なのか…………。いがーい…………」
藤原はかぐやにそう聞くと、かぐやは顔色ひとつ変えずにそう言う。
それを聞いた藤原と悟が驚く中、白銀は現実逃避をしていた。
「高校生にもなれば普通経験済みなのでは?皆さん、随分愛のない環境で育ったんですね」
「マジか……………」
「わ、私も彼氏とか作った方がいいのかな………?でもお父様許してくれないでしょうし……………」
「長万部の市外局番は……………」
かぐやはそんな風に言うと、悟、藤原、白銀はそう反応する。
かぐやはごく普通の意見を述べたつもりである。
だが、彼女は3人のリアクションの中に焦りがある事に気付いた。
人間は周囲と比較して、出遅れていると気づくと焦るものである。
そして、その焦りにより早く伴侶を作らねばという感情に駆られる。
かぐやは、白銀が告白してくると思い、本日の方針を決めた。
すると、白銀が口を開く。
「…………ったく、バカバカしい話だ」
「あら会長。大層おモテになると伺っていたのですが…………彼女いないんですか?」
白銀がそう言うと、かぐやは煽る様にそう言う。
それを聞いた白銀は口を開く。
「あー…………そうだな……………。特定の相手とそういう関係ってのはないな…………今は」
白銀はそう答える。
今は!!
昔は居たみたいな雰囲気を出せるが、今まで誰とも付き合ったことが無くても、嘘にはならない非常に便利な言葉!
老若男女問わずに、世界中で愛されている言葉だ。
白銀御行に、恋愛経験などない!
だが、白銀は決してモテない訳ではない。
どちらかといえばモテる方だが…………類は友を呼ぶというべきか、変人は変人と結ばれるケースが多い事実を鑑みるべきか、イロモノに好かれる為、交際に至った事はない!
バレンタインでチョコを貰ったが、中に謎の毛が入っていたり、煙が出てきたりするやばいチョコだった。
よって、白銀は経験が無いのにも関わらず、『俺はモテる』という非常に強い自信だけを得てしまった!
そう、この男こそ、底なしの自信と無垢な貞操を兼ね備える現代が産んだ歪み、モンスター童貞なのである!
「へぇ…………ということは、当然会長も経験済みなんですよね?」
「うっ……………」
かぐやは白銀にそう聞く。
モンスター童貞にも弱点はある。
童貞である事には変わりないということだ。
白銀は少し考えて口を開く。
「ま、まあその気になればいつだって…………」
「強がってんな」
「黙れ、桐生」
白銀は強がる発言をする。
悟がそう言うと、白銀はそう言う。
すると、かぐやはとんでもない発言をする。
「そうですか……………会長には妹がいるんですから、妹とガンガンしていると思ってました」
「ハハっ、それな」
かぐやはそんな風に言うと、白銀も同意する。
だが、一瞬の静寂の末、白銀は叫ぶ。
「………ってしねぇよ!何言ってんのお前!?」
「お前……………妹に手を出してんのか?」
「出してないわ!引くんじゃない!」
白銀がそう叫ぶと、悟はドン引きしていた。
白銀がそう弁解する中、かぐやは口を開く。
「家族ですもの。現に私は、生まれたばかりの甥っ子としましたよ。ビデオで撮られながら。…………懐かしいです」
「「狂気!!」」
かぐやは懐かしむ様にそう言うが、白銀と悟はそう叫び、藤原も唖然とする。
「いけませんね。人との接触を過度に恐れる。…………これも現代社会の闇ですかね」
「いやお前だろ!お前が貴族階級の闇だよ!」
「アンタ、とんでもない事を言っているのに気付いてないのか!?」
かぐやが嘆く様にそう言うと、二人はそう突っ込む。
すると、かぐやが口を開く。
「何が変なんですか?藤原さんだって、飼い犬のペスとしょっちゅうしているでしょう?」
「シてんの!?」
「マジで!?」
「シてませんよ!?巻き込まないでください!」
かぐやがそう言うと、二人は藤原にそう聞く。
藤原は顔を赤くしながら叫ぶ。
(いくら何でもヤバすぎる!!四宮家ってそういう所なのか!?世間知らずにも程が…………ん?世間知らず?)
悟はそんな風に思う。
すると、ある言葉が脳裏をよぎると、そんな風に思う。
悟と白銀は頷くと、かぐやに聞く。
「……………一応だけどさ、聞いてもいいか?」
「四宮、初体験がなにか理解しているか?」
「はぁ…………馬鹿にしないでください。淑女としてそれくらいの知識はあります。キッスの事でしょう?」
悟と白銀がそう聞くと、かぐやは呆れた様にため息を吐き、そう言う。
それを聞いた3人は、唖然となった。
四宮かぐや。
財閥の令嬢として、幼少より性的な情報は周囲により徹底的にガードされ続けていた。
彼女にとって、性のマックス情報はキス止まり!
それ以降の事は都市伝説レベルの認識!
超がつくほどの
当然、初体験の意味など、知る由もない!
「四宮…………」
「四宮さん…………」
「会長、桐生君。ここは私から……………」
白銀と悟がそう言おうとすると、藤原が遮る。
藤原はかぐやに話しかける。
「かぐやさん…………。ここでいう初体験というのは…………」
藤原はそう言うと、かぐやに耳打ちしていく。
初体験というのがどういう物なのかを。
その16分後………。
かぐやは目に涙を浮かべながら顔を赤くしていた。
自分がとんでもない発言をした事にも気付いたからだ。
「だ、だって……………!そういうことは結婚してからって法律で……………!!」
(あー…………!心臓止まるかと思ったァァァァァ!!)
(生徒会室で良かったな。教室でしてたら、とんでもない痴女認定される所だったからな)
かぐやがそんなふうに言う中、白銀と悟はそう思う。
本日の勝敗
性知識の壊滅的欠如により、かぐやの負け
今回はここまでです。
今回は、初体験に関してです。
かぐやの性知識の欠如っぷりが明らかになりました。
ちなみに、悟は人並みに性欲はあります。
あまり出さないだけで。
次回は、悟と早坂の話になる予定です。
生徒会室で白銀とかぐやが20の質問をやっている裏でのエピソードになる予定です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今後の展開などでリクエストがあれば、受け付けています。