ハイパワーダンガンロンパ   作:ゲップ助かります

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第一章【友好喪失リトライロード】
第一章 (非)日常編①


 

 

意図せぬ悪意は振り解けぬ

 

意図せず罪を積み重ねる

 

意図した瞬間から芽生える

 

 

 

第一章

 

【友好喪失リトライロード】

 

 

 

突然現れて聞いた事のない名前の学校の学園長と教頭を名乗る謎の熊っぽいロボット二体に、俺達は驚き言葉を失って固まってしまう。

 

「全くオマエラときたらダラダラ自己紹介してボクは待ちくたびれたよ!」

「まあまあ学園長、読者…ではなく視聴者への登場人物紹介でもあるんですから仕方のなき事ですよ」

「まあそうなんだけどさ」

「それでは学園長、早速ですが訳が分からないミナサマに説明をお願い致します」

「な、ちょっと待てよおい!」

「何ですか砂糖クン?困りますよ学園長の説明を遮ってもらっては」

 

訳が分からねえ内に話を進められて勝手に説明するって言われて反射的に止めちまった。いきなり声を上げたせいで謎の熊っぽいロボ二体含めた皆からの視線が俺に集中されて緊張してくる。

 

「いやだってよ…状況説明って…それに殺し合いとか言ってたよな?大体何でお前ら喋って動くんだよ…誘拐犯が遠隔操作でもしてるのかよ?」

 

とりあえず口を開いてみたら次々と疑問が湧き出てきた。一番頭に残ったのが不穏な言葉の殺し合い学園生活って所だ。

 

「砂糖の言う通りぞ!我輩はそなたらの謎を解明したいので候!」

「ぬいぐるみって訳じゃあないよねえ?ロボットって事なら鈴木崎、あんた何か分かんないかい?」

「ん、見た所は高性能」

「ちょちょちょっとメカ子の言葉短すぎて理解ムズいよー!!」

 

あいつらの仕組みが気になって探究心を刺激された剣が鼻息を荒くしている。鈴木崎は口数少なく二体のロボットについて見解を述べた。

 

「ごめん、でもそれ以外は分からない」

「超高校級のメカニックの鈴木崎でも分かんねえのかよ!?」

「あのな瀬戸内、流石に見ただけじゃあ分かんねえ事が多いだろ?むしろメカニックなんだから触って分かっていくんだろ」

「お、おうそれはそうだな…しかし流石は希望ヶ峰学園大好きの砂糖だな」

 

いや瀬戸内の考えが短絡的なだけなんじゃねえかとは思ったが話が脱線しそうなんで言わないでおいた。でも鈴木崎が言うんならあいつらは高性能なロボットみてえだな。

 

「あのさあオマエラぬいぐるみとか高性能ロボットだとか…止めてくれない?教頭は置いといてボクはそんなやっすい物と一緒にしないでよ!」

「そうですそうで…って学園長!?」

「もうお茶目な学園長ジョークじゃないのー!」

「ま、全く学園長ったら!」

「おい!何をふざけてんだよお前ら!ロボット越しに話してんじゃねえよ本人がここに来て説明しやがれ!」

「おやおや砂糖クンは予備学科のくせに楯突くんですか?」

「んなの今は関係ねえだろ!」

 

ここは俺の憧れた希望ヶ峰学園じゃねえんだ。期待してたのに、いきなりこんな場所に拉致られて誘拐犯の馬鹿げた会話を聞かされるなんて我慢ならねえ!

 

「短気は損気って言うよ?まああまり時間を掛けるものじゃあないし…それではオマエラ!おはようございます!」

「おはようございます!」

「泊、挨拶返さなくて良いと思うよ」

「沢風君何を言うか!挨拶されたら返すのがマナーさ」

「いや状況が状況なんだし…」

 

真面目が過ぎる泊以外は誰も挨拶を返さずに次の言葉を待っていると、ガッカリしたって感じで溜め息を吐いた。

 

「泊クンしか挨拶してくれないなんて…ボクって人望ないの?」

「そんな事はありませんよ!ミナサマは入学式に緊張しているんですよ!」

「そう?そうだよね!?学園長であるボクに人望がないなんてあり得ないよね!」

「おい!いい加減説明を開始しろ!」

 

すぐに話を脱線させる二体に痺れを切らした詞述さんが怒号を飛ばした。

 

「やれやれ…詞述クンも短気だね。ではでは改めましてボクは屍ノ原学園の学園長であるモノグマだよ!オマエラがどんな絶望を見せてくれるのか楽しみにしてるよー!」

 

知らねえ学校の学園長を名乗ったモノグマ。全身真っ黒で不気味さが際立つ熊型のロボットは楽しそうにそう話した。

 

「それではワタクシめも改めて自己紹介としましょうか。学園長の補佐を務めます教頭のモノシロと申します」

 

モノグマとは真逆の真っ白な全身に丁寧な口調が特徴だ。

 

「ちなみになんだけどさ…」

「うん?何かな妻夫木サン言ってみてよ!」

「えっと…これって希望ヶ峰学園なりの歓迎会、みたいな冗談ではないの…?」

「ふぇ?冗談?冗談だって?」

 

顔を青くさせ不安げに聞いた妻夫木にモノグマは首をかしげて意味が分からなさそうにしていた。

 

「妻夫木さんの言ってる事も分かるよ。だって僕達希望ヶ峰学園の新入生に、警備員さんをプラスした大人数を気付かれずに誘拐するなんて現実的に考えて無理な話でしょ?ならこれは希望ヶ峰学園のドッキリだって感がてた方がまだ現実味あるよ」

 

百澤の言う通りだ。俺だけじゃなく龍野も他の皆もここに連れてこられる前の記憶が朧げなのはおかしい話だ。それこそ世界的に有名な希望ヶ峰学園が易々と新入生全員を誘拐するなんてあり得ねえ事だ。

 

「オマエラ的には残念なお知らせだけどボク達は希望ヶ峰学園関係者とかでもないし入学式ドッキリでもないよ。どうやってここに連れてきたかとかは企業秘密ね」

「ならお前らはァどんなモンが狙いなんだよォ?まさかマジでェ殺し合えッて言うんじャァねえだろうなァ」

「なんだ桃瀬クン分かってるじゃんか」

「あァ!?ならァ…まさかァ…?」

 

桃瀬の本気にはしてなかった言葉に否定をしなかった。驚いて顔を歪める桃瀬と同様に俺も嫌な予感が頭によぎりながら顔を恐怖で歪める。

 

「とりあえずオマエラにはここ屍ノ原学園で共同生活をしてもらいます」

「はあ!?ふざけてんのかよおい!」

「失礼だね瀬戸内クンは!ボク達は本気だよふざけてないよー!」

「ちなみにアタシらはいつ出られるんだい?」

「……出る?」

「ずっとここに閉じ込めるって訳じゃないだろう?身代金目的かどうか知らないがアタシらを縛り上げてもないんだし、そこまで長期的な考えじゃないんだろう?」

 

熱宮の言った俺達を縛ってなくて自由に動けるのは確かにずっと疑問に思っていた。誘拐犯が誘拐した相手を拘束せずにいるのがまずおかしいよな。

 

「いや期限とかないよ」

「……なんだって?」

「き、期限がないなんて事はあらへんやろ?」

「いやだからないんだって、永遠に共同生活なんだって」

「…理解できないよ」

 

本気で言ってそうなモノグマに俺達の思考は止まる。追い討ちをかける様にモノシロが口を開く。

 

「ミナサマは何を勘違いなさっているのですか?期限がない、つまりは屍ノ原学園でミナサマは一生暮らして頂く事になるという事ですよ」

 

あり得ない、それが俺の頭いっぱいに埋め尽くされる。こんなふざけた奴等に馬鹿げた場所で一生暮らせなんてあり得ねえ事だろ!我慢出来ずに気付けば俺は奴等に叫んでいた。

 

「ふざけんじゃねえ!俺達を希望ヶ峰学園に帰せ!元居た場所に帰せ!んな横暴がまかり通る訳がねえだろうが!」

「そ、そやそや!一生なんてライブもテレビも出れへんやないか!これから先のスケジュールも埋まっとるんやからな!?」

「アタシだって自分の作業場で作業したいんだけどねえ」

「ウチのゲリララジオを楽しみに待ってる皆が沢山居るんですけどー!!!」

「ん~マイ枕でやっぱり~寝たいな~」

 

各々がここから出たい理由を口々に喋り、文句を言う。それを煩わしそうにモノグマとモノシロはしていたが何も言わずに立ったままだ。

 

「おい!何とか言えよ!」

「こんな場所に居たら体がなまっちまうじゃねえか!」

「動画撮らねえとなんすけどー」

「何でお前ら被害者面して黙ってんねん!」

「ワターシは大好きなキボーガミネ学園にやっと入学出来たんだからネ!これは酷い仕打ちネ!」

「私が帰らなきゃ家族が心配するじゃない!帰らせてよ!」

 

何も反応しないモノグマらに溜まった鬱憤を全て吐き出す俺達。やがて少しずつ静かになっていき、完全に全員が口を閉ざすとモノグマがやっと口を開いた。

 

「えー…オマエラが黙るまで2分掛かりました。ボクは悲しいよ!?オマエラが2分も勝手に文句を言い続けるなんて…社会に出たら通用しなくて泣くのはオマエラなんだよってボクなりの優しさだよ。て言うかここが既にオマエラの学校であり家であり社会になるんだけどね!うぷぷぷぷ」

 

へらへらと気持ち悪い笑みを浮かべやがって何が優しさだ…煽ってきてるだけだろ!今すぐに近寄ってあのふざけたにやけ面をぶん殴りに行きたかったが、俺の雰囲気を察した沢風が手で制止してきていた。

 

「モノグマ学園長…本当に俺達をここへ永遠に閉じ込めて生活させる気なんですか?」

「うぷぷ、流石だね沢風クン。その冷静に周りを見れてる視野の広さもボクへ敬う気持ちがあるのも!」

「沢風クンも他のミナサマもご安心を!ワタクシ共の言葉に偽りは一切ございませんよ」

「…と言う事は本気で僕達を誘拐してそれを成功させたって訳だね」

「一応言っておくけど救助に来てくれるとか期待はしない方が良いよ?希望を持ち過ぎると後でくる絶望に踏み潰されちゃうから」

「しかし個性豊かなミナサマは一つ一つで良いリアクションをなさいますが、これでは話が進みませんし今から学園長が説明を終えるまでは質問も疑問の声も無視しますよ」

 

なっ!?こっちは疑問が多すぎで色々問い質してえのにそれを一切無視するってなんだよ!耐えきれず俺はモノグマが喋ってるのも構わずに叫んだ。

 

「それじゃあ今からここで暮らす『勝手に話を進めてんじゃねえ!希望ヶ峰学園の入学式は終わったのか!?どうなったんだよ!』……暮らす事になると必要不可欠な必需品を配るからねー!教頭お願い!」

「はいお任せを!と言う訳でミナサマこちら"モノフォン"ですよ!失くさない様にしてくださいよ?」

 

完全無視をされてモノシロが素早く動き、いつの間にか俺の手には見知らぬ電子機器…形が携帯っぽい物を手渡された。ご丁寧に裏側には屍ノ原学園ってロゴがあって腹立つな。それにモノフォンって名前がいけ好かねえし、今すぐブッ壊してやりたい衝動に駆られるが一先ず我慢しておこう。

 

「…これは携帯?」

「流石に龍野も携帯は知ってるか」

「…あ、当たり前だよ!」

「悪い悪い」

 

もしかしたらって思っちまったがそこら辺は知ってるよな。

 

「そちら一人一個の代えがない特別な物ですからね?言っておきますけどお値段は最高級なんですよ?」

「どうせ電話機能はねえとかだろ?」

「桜花クン鋭いですね!当然外部への連絡は出来ませんし通話機能はございません。こちらモノフォンはですね、ロックが掛かった部屋…例えばミナサマがこれから寝泊まりする個室等はロックが掛かってますが、お手持ちのモノフォンを扉の横にある機械にかざせば入れますし、学園のマップを見れたりと便利な機能が沢山付いてるんですよ」

 

個室は用意されてんのか…。そんな機能が付いてんのかとモノフォンをジロジロ見ていたら電源ボタンっぽいのがあったので押してみる。

 

「うお!?つ、点いてもうた!!」

「本当だー!!なんかウチの名前と超高校級の放送部って文字が出てきたんですけどー!!!?」

 

他の皆も電源ボタンを押して画面が点いた事に驚いていた。嶋野の言う通り画面が点くとすぐに"砂糖 太郎"と"予備学科"の文字が浮かんできた。

 

文字が消えるとホーム画面が現れたがパッと見は普通のスマホっぽいな。既にインストールされていたアプリ何個かあった。

 

「色々とアプリがあるけど後で確認しといてねー。ここのルールとか守ってもらう校則も載ってるから破らない様にね!」

 

何で教師面で釘を刺されなきゃいけねえんだ。イライラが増していくがまだ我慢する。

 

「モノフォンの説明はこの位かなーって言うかオマエラはそんなにここから出たいの?」

「当たり前だろ!」

 

何でそんなマジで言ってんのかよって顔で言うんだよ!俺も他の皆だって楽しみにしてた希望ヶ峰学園の入学式だってのに!

 

「実はだけど、一つだけここから出られる方法があるんだよ?ボク達も鬼じゃないからさ」

「ほ、ほんまか!?」

「どうせろくでもない」

「メカニックに同意だな。無理難題を突き付ける上げて落とすやり口だろうな」

「あらららー鈴木崎サンは冷静だし湯上クンは冷酷だねえ」

「褒め言葉として受け取っておく」

 

湯上は堂々とした態度で言った。一歩も引かずに大胆不敵な態度には流石だと思った。

 

「…それでその方法ってなんなの?」

「うぷぷぷぷぷ」

「うっぷっぷっぷっぷー!」

 

龍野が静かに、だが全員にハッキリと聞こえる力強い声で聞くとモノグマもモノシロも楽しそうに笑った。そして心底楽しそうに俺達にとって恐ろしい言葉を放った。

 

「ではではオマエラお待ちかね!屍ノ原学園から出る唯一の方法とは~…………」

「学園長?」

「な、なに急に黙ってんだよ!」

「いや教頭がドラムロールやんないからじゃん」

「おええええええ!!?ワタクシのせいですかあぁぁ!?」

「当たり前でしょう!ボクのサポート役に徹するのが教頭であるキミの役目なんだからほら早く早く!」

「ええ……ど、ドコドコドコドコ~」

 

くだらねえやり取りをしてモノシロが渋々とドラムロールをし始めた。それにご満悦そうなモノグマはウキウキと喋る。

 

「うぷぷぷぷぷ、それではずばり言っちゃうけどここから出るには屍ノ原学園の秩序を乱す行為をする…簡単に言っとくと誰か殺せばいいよ」

 

……………。

 

………………………………?

 

……………………………………………え?

 

…………………………………………………はあ!!?

 

こ、こいつ今何を言いやがった?俺の聞き間違いじゃなさそうなのは周りの皆の様子を見れば分かる事だけど…。

 

「うっぷっぷー!良い具合に驚いてますが至極簡単で単純明快ではないですか!人を殺す、つまりは殺人ですよ」

 

何を平然と言ってやがるんだ…そう言う事じゃねえんだよ…駄目だ頭が痛くなってくる…。

 

「ちなみにだけど殺害方法は問わないから刺殺でも絞殺でも毒殺も撲殺銃殺焼殺斬殺自殺殴殺溺殺餓死に爆殺凍殺だってモチのロンだし轢殺やら虐殺だって良いんだよ!やっさしいでしょー?」

 

モノグマが嬉々と様々な殺害方法を述べていくのを俺は恐怖を抱きながら黙って聞くしかなかった。他の奴等だって顔を真っ青にしてたけど中には詞述さんや湯上や藤なんかは冷静にモノグマ達を見ていた。

 

「ふ、ふざけないでくれ!」

 

そんな中、沢風がモノグマに噛み付いた。

 

「え?何を言ってるの沢風クン、ボクは至って大真面目に話してるんだけど…心外だな~」

「な、何が大真面目なんだ!ここを出るには殺人なんて…そんな事許される訳がない!」

「そ、そそそそうやぞぉ!?ええぞ沢風もっと言ったれぇぇぇぇ!」

「俺達がァンな卑劣な事をする訳がァねえだろうがァ!」

「わ、私もそんな事絶対にしないよ」

「むむむ、沢風を発端にミナサマ吠え始めましたね」

「流石は皆のカリスマ、超高校級のリア充だ」

 

モノグマ達は馬鹿にした様に笑ってるが、沢風が立ち上がって反抗してくれたから他の皆も…俺も反抗する事が出来る。

 

「お前らの最低で下衆な思惑に俺達が従うかよ!絶対にんな事しねえでここから出てやる!」

「良く言った砂糖、俺も手を汚さねえぜ!仏さんに顔向け出来ねえしバチ当たるからな!」

「でも瀬戸内君のその格好とか見てるともう呪われてたりしてそう」

「いやこんな状況でも百澤辛辣ぅー!?」

「うぷぷぷ、まあオマエラが殺人をしないって言うんならそれで構わないよ。でもそうなると一生をここで過ごしてもらうけどね!」

「うるせえ!」

 

こいつらの言う通りにするかよ!へらへら笑って腹立つ顔しやがってとことん人を馬鹿にしてやがる!一生をここで過ごすなんて俺も他の奴等も許容する筈がねえだろ!事実、他の皆も口々に文句を言い始める。

 

「ウチも絶対的に拒否るー!!ここじゃあラジオ放送出来なさそうじゃんかー!!ウチの放送待ってる人沢山居るんですけどー!!?」

 

嶋野の不定期ラジオ放送は色んな人達へ元気を与えてくれる。

 

「お、俺やってレギュラー番組にお笑いライブとか仕事が沢山あるんやぞ!」

「私もバイトあるし弟妹の世話と家の事だってあるんだけど…」

 

和良井は超売れっ子で多忙だ。希望ヶ峰学園に入学するが仕事の予定はたっぷりあるんだ。妻夫木だって同様で家の家事までもしてるんだ。

 

「ここ嫌いネ!ワターシはキボーガミネで沢山頑張るノ!」

「腕が鈍る」

「こんな所に居ては体が鈍る」

 

シャベルは念願の希望ヶ峰学園に入学出来たんだ。鈴木崎も湯上も磨き上げた自身の誇れる事を伸ばす為に入学したんだ。こいつらの理不尽な要求のせいで希望の象徴たる皆の才能を無駄にさせたくねえ!何とかしてここから出ねえと…きっと簡単には出れねえ様に出口は厳重にしてるんだろうけどよ。

 

「全くピーチクパーチクと喧しいですね」

「そ、そんな言い方しなくても」

「だって事実じゃん」

「うっ……」

「やだな木枯さんそんな怖がらなくても良いじゃん」

「ちょっと木枯を苛めるの止めとくれよ!」

「まだ知り合ったばかりなのに熱宮さんは庇う事が出来るんだね!流石は姉御肌だ!」

「木枯、アタシの後ろに居な」

「あ、うん…ありがとう」

 

怖がりながらも木枯が反論するもモノグマが更に大きな恐怖で押さえ付けてきた。熱宮のお陰で木枯は守られた。

 

「あのさーボク言ったよね?ここを出たいなら方法は一つだけって…好き勝手に文句言うのは良いけどこれがゆとり世代?それよりも上のゆりかご世代なの?赤子?」

「誰が赤ちゃんだ!」

「赤ちゃんでしょ?ギャーギャー喚いてボク達の話を聞かないでさ~。仕方ないなあと一回だけ言ってあげるよ?ここを出たいなら…」

 

そう言った瞬間モノグマの先程までの気の抜けた雰囲気が一気に変わり、重苦しい空気を纏わせ俺達を圧迫する。

 

「殺せば良い…たったそれだけだよ?」

 

その言葉に俺達は気圧されてさっきまで騒いでいたのが嘘の様に黙りこくってしまう。それでも理不尽な要求に苛立ちは増していく。

 

「素晴らしい!流石は学園長、お見事な手腕です!」

「でっしょー?仕方ないから迷える赤ちゃん達に救いの手を差し伸べてるんだよ!うぷぷぷぷ、ボクって正に教師の鏡じゃない?」

「その通りでございますね!」

 

奴等の耳障りな茶番に俺の我慢は限界を超えて奴等に詰め寄ろうとした…瞬間別の奴が物凄いスピードで駆けていった。

 

「黙ッて聞いてたらァ!俺達をォ馬鹿にしやがッてェ!もう許さねえぞォ!一発ブン殴ッて分からせてやンよォォォォォ!!!」

「そうだそうだ!散々馬鹿にしてきて俺の堪忍袋の緒が切れちまったぞ!」

「おい君達待て!」

「ちょちょちょ先輩どうします!?あいつらヤバいっすよ!」

「分かってる!良いから止めるぞ!」

「わ、分かりましたけど…あいつの足速すぎる!」

 

俺よりも遥かに苛立っていた桃瀬と瀬戸内の二人が一直線にモノグマ達の元まで走り、モノグマより手前に居たモノシロを硬い機械も構わず二人の拳がモノシロの顔面を貫いて吹っ飛ばした。

詞述さんと桜花さんが焦った様子で止めに追い掛けるが桃瀬と瀬戸内の速さに追い付けず止める事は叶わなかった。

 

「うぎゃあーーーー!!!」

「あーーーー!!教頭がーーってまあ教頭ならいっか!」

「俺達を舐めるとこうなんだよぉ!」

「ウラァ!オメーもだァ!」

 

モノシロの次はお前だと怒りながら桃瀬がモノグマを掴むと二人は殴る体制に入る。

 

「バカ野郎!止めとけってのに!」

「クソ!間に合わなかったか…」

「あァ!?何だァあんたらァ!」

「止めねえでくれお二人さん!」

 

顔をしかめて悔しそうな詞述さんと桜花さんに桃瀬は訝しげにしている。すると詞述さんがモノグマを掴んでいる桃瀬の腕を力強く掴む。

 

「何をすンだよォ!」

「黙りなさい!早くそいつを離すんだ!」

「な、何でそんなこいつらを庇うんだよ!?」

「庇ってんじゃねえよ!自分の命が大切なら先輩に従えっての!」

「命が大切ならって…どういう事だよ!」

 

訳が分からないといった様子の桃瀬と瀬戸内。俺達もヤバそうだって雰囲気は伝わるけど何をそんな必死に止めるのか分かっておらず疑問だらけだ。

 

「イタタタ…これだから最近の若者はすぐに手を出すんですから…」

「あ、教頭生きてたんだ!」

「いやそりゃあそうですよ!?て言うか学園長さっきワタクシ殴られたのにまあいっかとか言いませんでした!?」

「うぷぷぷぷ、桃瀬クンも瀬戸内クンも教頭を殴るなんてイケナイ子だね~?」

「あァ?」

「ワタクシ無視された!?」

 

今から極上の餌の時間の様に無邪気で楽しそうなモノグマの怪しい笑みを見て嫌な予感しかしない。

 

「うぷ、うぷぷぷぷぷぷ!言っておくけど屍ノ原学園ではボク達への暴力行為は校則違反になるんだよ」

「だからなんだッてんだァゴラァ!!」

「つ、ま、り~罰を受けてもらうって事だよー!」

「罰だぁ?何だよ罰って聞いてねえぞ!」

「今初めて言ったんだもーん」

「ま、まずい事になった!」

 

詞述さんが青ざめながら叫んだ瞬間、桃瀬が掴むモノグマからピピピピピッ!と電子音が聞こえてきた。

 

「ンだよォこの音はァ…?」

「え?え?え?何々これ何の音な訳!?ウチ怖いんですけど!」

「不吉なにおいしかせえへんで!?」

「何でござるかこの摩訶不思議な音は!儂は気になるぞよこの謎の音!」

「今そんな事を気にしてる状況ネ!?」

「我輩は謎や分からない事を知りたくなると止められない性分なのだぞ!」

「そんなの知らないネ!」

「も、桃瀬とりあえずモノグマを離して!」

「あのイケメンの言う通りだ!早くしろ!」

「うぷぷぷ」

「うっぷっぷ!」

 

俺達が慌てふためく姿を見てモノグマとモノシロは笑い続ける。

 

「…他の皆も危ないから離れて」

「ん~?何で~?」

「何があるか分からないから」

「そ、そうね!一応私達も離れておきましょう」

「俺は桃瀬達が心配だから行くよ!」

「ええ!?危ないよ沢風君!」

「俺も行く!」

「砂糖君まで!?」

 

龍野と鈴木崎の意見に従って俺達は距離を取る。沢風は桃瀬達の元へとんでもない速さで向かっていったのを見て俺も思わず沢風の後を追って走った。

 

「桃瀬ー!とにかく投げるんだ!出来るだけ遠くに!」

「桃瀬君早くするんだ!」

「チィッ!ウラァァァァァァ!!」

 

沢風と詞述さんの言葉の圧を受けて流石に桃瀬もその言葉に従い力強くモノグマを投げた。桃瀬の全力投球にモノグマはとんでもない速さで飛んでいき一番高い所までいった瞬間に…

 

 

 

ドカァァァァァァァン!!!!

 

 

 

と轟音を響かせて爆発した。熱気が体育館を纏い体から滝の様に汗が流れる。これが熱さからか恐怖からかは分からず俺は体を震わせながら立ち止まる。

 

「ば、爆発…し、た……」

「……やはりか」

「…………え?……そ、そんな!?」

「やっぱり爆弾の音」

「ふむふむそうか!鈴木崎はメカニックであるから分かったのであるな!」

「何を冷静に分析しとんねん!ば、爆発したんやぞ!?」

「そんな事言われなくても分かっておるぞ?」

「駄目やこいつ頭のネジ外れまくっとる!」

 

一番近くで爆発したモノグマを見ていた桃瀬と瀬戸内は顔面蒼白になっていた。詞述さん桜花さんも二人程ではないが青くさせていた。

 

「ンだよこりャァ!?」

「や、ヤベヤベヤバすぎねえか!?」

「一先ずは犠牲を出さずに済んだか…」

「ふん、保健委員と坊主は命拾いしたな」

 

湯上の言う通りだ。詞述さん達が止めなければ桃瀬と瀬戸内は確実に爆発の餌食になっていた。その事を思ったのか更に顔色を悪くさせた二人は詞述さん達に礼を言った。

 

「た、助かった…ありがとうございます…」

「助かりましたァ…」

「へ、へへ…似合わねえ敬語使ってしおらしくなってんじゃんか…」

「そう言いながらお前震えてるぞ?」

「いや流石に目の前であんな爆発見たら怖いっすよ!」

 

でもこれであのモノグマは居なくなった…んだよな?

 

「ヤッフゥゥゥ!!ド派手な花火は綺麗だったかな~?」

 

そう思ったのも束の間、モノグマが体育館の壇上から派手な演出と共に飛び出てきた。

 

「うぎゃああぁぁぁぁぁぁ!!おば、お化けがで、でででで出たぁぁぁぁ!!!!?」

「ショーヘイ!モノグマはロボットネ!お化けじゃないヨ!」

「そ、それでも何で平然と出てくんねん!」

「そんなの機械なんだから代え位あるに決まってるでしょう?そんな事も分からないの?」

「なんや藤その言い草は!今頭こんがらがっとんねんから冷静に考えれるかぁ!」

「喧しいわね…」

 

そ、そうか…そうだよな。ロボットなら代えの物もあるに決まってるわな。俺もパニクってて全然思い付かなかった…。

 

「さてさて、今回は初回だし特別に桃瀬クン瀬戸内クンを見逃してあげるから一安心だね!」

「チィッ!何が一安心だァ…」

「うぷぷぷ!これでボク達に暴力したらどうなるかっていう忠告は出来たね!それじゃあそろそろ煩わしい入学式は終わりにしてあげようか!」

「な、まだ聞きたい事は沢山あるのに!?」

「沢風クンは情緒がないですねえ。初日にあれこれ教えても面白くないではありませんか!こう言うのは後のお楽しみってヤツですよ?」

「てな訳で各自解散!各々部屋に戻って休んでも学園内を調べても良いし殺しの計画を立ててもいいからねー!」

「殺しなんて考えねえよ!」

「うぷぷ!それはどうだろうね!あ、ちなみに不純異性交遊とかはして良いけど監視カメラあるから気をつけてね!何か聞きたい事があれば呼び掛けたらすぐに行くよー!」

 

そう言い残してモノグマとモノシロは足元にパカッと開いた穴に飛び込み去っていってしまった。残されたのは重苦しい空気が漂う体育館に立ちすくむ俺達だけだ。

 

「…とりあえずここから出ない?」

 

何秒いや、何分こうしていたか分からないがシーンと静かな中、俺達に話し掛けたのは沢風だった。その言葉に続いて他の皆も口を開き始めた。

 

「そうだな…ここにいつまでも居る訳にはいかないし現状把握も兼ねて落ち着ける場所に行くか」

「落ち着ける場所って言われても…どこに行けば良いんですか?」

「それなら食堂があるってこれの地図に書いてあっし行ってみようぜ」

 

桜花さんが手に持つモノフォンを振りながら言った。確かに食堂なら一先ず話し合いが出来そうではある。

 

「それなら食堂に行ってみない?」

「ウチは賛成ー!」

「そうだなァ…そうするかァ」

「特に異論はござらん」

 

皆も意見はない様なので俺達はまだ恐怖感が体に残る中、不安を抱えて体育館を出ていく。目指すは食堂でこれからの事とかを話し合う。

 

果たしてモノグマ達は何が目的で俺達をここに連れてきたのか?本当に誰かを殺す以外の方法はないのか?希望ヶ峰学園の入学式はどうなったのかとか疑問は尽きないが今は皆と一緒に行くしかねえ。

 

…何でこんな事になったのか。あんなに希望で満ち溢れて期待いっぱいだったのに俺の気持ちは真逆の不安や恐怖、絶望で支配されていた。

 

だけど俺の周りには超高校級の皆が居るんだ。一緒に協力すればきっとここから出られる…大丈夫だとこの時の俺は信じていた。

 

モノグマ達からここから出る為には誰かを殺さないといけないコロシアイ生活を宣言されてから俺達は一旦落ち着いて話し合う為に、配られたモノフォンにある学園図を見ながら食堂へ歩く。

 

食堂へ歩く道中は誰も一言も発さずただ歩くのみだった。暗い空気のまま食堂に入る。

 

「結構広いんだね」

 

やっと口を開いたのは沢風のそんな呟きだった。確かに広さは十分にあり、俺達全員含めてもまだ余裕はある。

 

一番目立つ真ん中には大きな横長なテーブルがあり椅子が俺達の人数分置かれていた。他にも三人程が座れる大きさの丸いテーブルもあるけど明らかに多すぎねえか?

 

「ねえねえ!あの奥って調理する所っぽいよー!!」

「地図見たら確かに調理室と食料庫があるみたいだね」

 

嶋野の指差す方は食堂の奥にある扉。その先は百澤が言った様に大きな冷蔵庫に新鮮そうな野菜等が置かれている食料庫と多数の調理器具がある調理室があった。

 

「賞味期限等が気になるミナサマに朗報ですよ。食材は鮮度を失われると自動で補充されますのでご安心を、うっぷっぷ」

「突然現れたと思たら言うだけ言うて消えおったで!?」

 

モノシロが言う事を信じるなら食べ物には困らなさそうだな。軽く冷蔵庫を見たが肉や魚とか所狭しとあって色んな料理を作れそうだ。

 

「とりあえず話し合おうか」

「そうですね、それじゃあ皆座ろっか」

 

詞述さんが言った言葉に同意した沢風の言葉に従って横長いテーブルにほぼ全員が座った。中には湯上とか藤みたいな協調性皆無な奴等が丸いテーブルに一人で離れて座っていた。後は各々空いてる席に座り、龍野は俺の隣に着席した。

 

「いきなりの事ばかりで混乱しているのは当たり前だよ。俺だって訳が分からない…だけどこのまま黙ってここに居るつもりはない」

「それってつまり殺し合いましょうって話じゃないんだよね?」

「な、何を言ってんだよ百澤!?」

「落ち着いてよ砂糖君。僕だって沢風君がそんな事を言い出すって思ってないけどさ…ただの確認だよ」

 

鋭い目付きで沢風を見る百澤の放った言葉で俺達に緊張感が走った。落ち着けって言われても殺し合いだなんて物騒な言葉を言われたら焦りまくるに決まってるだろ!

 

「だからって百澤言っていい事と悪い事があるだろ!」

「だって…怖いんだもん!」

「百澤?」

「皆からは落ち着いてる風に見えてるかもだけど僕は怖くて堪らないんだ!あんな、目の前でロボットが爆発して……殺し合えだ、なんて言われてさ…確証もなにもないけど誰かの口から聞きたかったんだよ!」

 

百澤の悲痛な叫びに俺達全員黙ってしまう。今気付いたが百澤の体は恐怖からか震えていた。それを見てから自分の両手を見ると小刻みに震えていた。怖かったが今は少し回復したなんて思っていたが、百澤のお陰で俺は今も絶賛ガタガタ怖くて震えてる不安な奴だって気付けた。

 

「そ、そんなん希望ヶ峰の超ド派手級な歓迎ドッキリかもだしよ」

「呆れたわ…まだこれが希望ヶ峰学園のお遊戯だと思っているの?」

「だ、だってここには希望ヶ峰の警備員が二人も居るんだぜ?」

「瀬戸内君、君も不安なのは分かっているが焦ってはいけないよ。私達も君達と同じく気付けばここに拉致され監禁されているんだ」

「信じたくねー!安易な考えに逃げてーってのは恥ずかしがる事じゃねえ、それが人間なんだよ。でも今は命が懸かってんだ!真剣に考えやがれよ!」

 

桜花さんの言葉に瀬戸内は何か言いたそうにしていたが深呼吸をして無理矢理に気持ちを落ち着けた。そんな中沢風がスッと立ち上がって俺達の視線を集めた。

 

「……少しでも百澤が前を向けるなら何度でも言うよ?」

 

沢風は俺達全員をゆっくりと見ていき最後に百澤に向けて口を開いた。

 

「沢風…君」

「殺し合いなんて起きないよ。勿論俺もここに居る皆もそんな事はしない。もし不安になっても大丈夫だよ。俺が皆をここから出してみせる」

「そんな事言って騙してきたりー?」

「黙れ」

「…おいメカニック女耳を引っ張るな」

「黙る?」

「断るって今度は頬をつねるないてー」

「……」

「わーったよ黙るから離せ馬鹿力め」

「ん」

 

茶々を入れてきた鷹倉だが隣に座る鈴木崎による物理的な説得で渋々と黙った。寡黙で冷静な鈴木崎だけど意外と無理矢理な方法で黙らせるんだな。

 

…鈴木崎はあんま怒らせねえ様にしよう。

 

「まだ出会ったばかりで信用出来ないは分かってる。でも俺は誰も殺さないって誓うし皆に手を汚させはしないよ!」

 

固く握り締めた拳を胸の前に掲げ、真剣な表情で沢風はそう告げた。俺には嘘を言っている様には感じず本気なんだと伝わった。

 

「百澤の不安な気持ちが和らぐまで何度でも言うしここから出る為に全力を尽くしてみせるから」

「…ありがとね沢風君。それに皆もごめんね?空気悪くしちゃって」

 

百澤は暗い表情でしょぼんと落ち込みながら謝った。そんな百澤に向けて全く不安がってない猫屋敷がマイペースに話し掛けた。

 

「ん~まあ怖くて~心揺れちゃうのは~仕方ないよ~」

「お前は常に体が揺れてんだよ!それに百澤も謝んなよ俺だって情けねえ話だがビビってたんだぜ?」

「私もよ…我慢してたけどさ百澤のお陰でああ、私だけじゃなかったんだって思えたし沢風のお陰で気持ち軽くなったよ」

 

瀬戸内と妻夫木の言葉は俺も他の皆も同じ気持ちだった奴が多い様子だ。でも熱く真摯な沢風のお陰で多少の不安も和らいだ。

 

そして気を取り直して沢風が咳払いを一つして言った。

 

「それじゃあ話し合おうか」

「つっても何を話し合うんだよ?」

「一先ず現状の把握、今監禁されている場を知る事だな」

「詞述さんの言う通りですね。現状はモノグマ、モノシロと名乗るロボットに見知らぬ場所に監禁されて、永遠に暮らすか出る為に誰かを殺せと言われたって感じかな。でも俺達は殺しはしない」

「それとォ詞述さん桜花さんはァ希望ヶ峰学園の警備員だがァ他の面子はァ新入生なんだよなァ?」

「まあそこの野郎は予備学科なんだけどな」

 

にやにやしながら桜花さんが俺の方を向く。そんな事今言わなくても良いのにからかってんだろうなー。でも俺は特に不満はねえぞ!希望ヶ峰学園には入学出来てんだからな!

 

そんな事を思ってたら桜花さんはやれやれと呆れた顔をした。

 

「お前さんのその顔、憧れてた希望ヶ峰に入れて満足って面だな?だけどまだ本校への転入も諦めてねえ感じだろ?」

「いやそりゃあそうでしょう!可能性が低くてもあるなら諦めねえのが俺なんで!」

「お熱いこって…そんで少なくとも俺達全員は希望ヶ峰学園の関係者って訳だな」

 

何で予備学科の俺と超高校級の皆に警備員である詞述さんと桜花さんがここに拐われてるのかって気になるけど桜花さんの言う通り俺達の繋がりは希望ヶ峰学園って事だな。

 

「あ、どうやらモノグマさんモノシロさんは私達に直接危害は加えない様です」

「とりあえずは救出が来るか俺達自身でここを出るまではこの訳分かんねえ場所で過ごさなきゃなんねえんだよな?」

「寝泊まりはちゃんと出来るのかな?ウチ枕変わったら眠れないよー!!」

「一応食料は用意されてたし寝泊まり出来る場所もあるんだろうねえ」

「あの、すみません…私達の部屋はあるみたいですよ」

「しっかしここってなんなんやろうなー」

「…こんな場所を用意して僕達を誘拐するなんて相当緻密な計画を立ててたんだろうね」

「……」

 

誰一人影山の言葉に耳を貸さず話続けてるけどこれも影山の才能なんだよな?俺は気付いてっけど他の誰も気付いてないって事は…俺が言わねえとだよな?そうなんだよな?

 

「なあ影山、モノグマ達が俺達に危害を加えねえって何で分かるんだ?」

「…砂糖君?」

「何を急に言うとんのやボケたんか」

「砂糖さんは…聞こえてたのですか?」

「え?…は?いやマジでかよ!?影山が今言った気になる事を誰も聞いてなかったってのか!?」

「…残念だけど僕を含めて砂糖君以外は誰も聞こえてなかったかな」

「あ、あはは…大丈夫です慣れてますから」

 

いや明らかにガッカリした顔して俯かれるのは大丈夫そうとは見えねえんだが?

 

皆が急に影山に聞いた俺に対して不思議そうに見てくるけど嘘だろ!?こんな人数が近くで集まってるのに小声とかじゃなくて普通の声量で喋ってた影山の声すらも聞こえてねえって凄い才能じゃねえか!心の中では影山への尊敬する想いで一杯になるが、それを表に出さねえ様にしつつ驚く影山に向けて頷いた。

 

「いやさっき影山が言ってたんだよ。まあ影山の超高校級のモブとしての才能が発揮したんだろうけど俺は聞こえてたぜ!」

「…影山さんがモノグマ達から危害は加えられないって事だよね?」

「おうそうだぜ!じゃあ影山説明してくれるか?」

「わ、分かりました」

 

ようやく他の奴等も影山の方を向いて話を聞き出す。これからは影山の事をよく見てねえとだな。

 

「それってこれの事?」

 

影山が喋ろうとしたら鈴木崎がモノフォンを掲げて画面を影山に見せた。

 

「はいそうです。私も先程から詳しく調べていたら校則というアプリがありましてそこに書かれていたんです」

「私も今見付けた」

「流石は超高校級のメカニック!機械の事は調べずにはいられねえって訳だ!」

 

そう言いつつ二人が言っていた校則というアプリをタッチして起動させる。他の皆も自身のモノフォンを触って確認していた。

 

アプリを起動させると黒と白二色が真ん中縦線一つに分かれている背景から白の背景からモノグマが、黒の背景からはモノシロを象ったドット絵が出てきた。

 

『うぷぷぷ、校則アプリを開いたんだね!ここでは屍ノ原の絶対に守らないといけない校則が書かれてるんだよ』

『ちゃんと確認するとは殊勝な心構えですね!ルールを知らずな闇雲と殺すのでは味気ないですからねうっぷっぷ!』

 

ドット絵からあいつらの腹立つ音声が聞こえてくるのを無視してさっさと校則ってものを見ようとモノフォンに写し出される文字に目を落とす。どうせこいつらだけが楽しむ為のルールしか書いてねえんだろうけどな。

 

 

ーーーーー

 

 

【屍ノ原学園 校則】

 

一.オマエラ22名は屍ノ原学園で共同生活をして頂きます。共同生活終了の期限はありません。

 

ニ.22時から7時までを"夜時間"とします。夜時間の間は立ち入り禁止となる区域があるのでその区域に入らない様に注意しましょう。

 

三.就寝は寄宿エリアに設けられた各々の個室等の就寝する事を許された場所でのみ可能です。禁止されている場所での故意の就寝は居眠りとみなし校則違反です。

 

四.屍ノ原学園について調べる事は自由です。特に校則に定められた事を破らない限りは制限は課せられません。

 

五.学園長モノグマ、教頭モノシロへの暴力行為を禁じます。また学園内の重要な物(監視カメラ等の事)の破壊を禁じます。

 

六.学園長モノグマ、教頭モノシロは屍ノ原学園を過ごす22名へ直接的な危害を加える事を禁ずる。加えた場合、即刻この共同生活を解除し、22名を屍ノ原学園から解放し自らを校則違反で罰する事。

 

七.誰かを殺した者だけが"クロ"となり秩序を乱した者として屍ノ原学園から卒業となります。しかし自分が殺人を犯した"クロ"だと他の生存者に知られてはいけません。

 

 

校則は随時、追加されます。それではオマエラワクワクドキドキなコロシアイ共同生活をお過ごし下さいませ!

 

 

ーーーーー

 

 

読み終えてから俺は頭を抱えた。やっぱり碌なことしか書かれてなかった。読んでいる間はドット絵のモノグマとモノシロがペチャクチャ関係ねえ事を喋ってて耳障りだし気分が悪くなっただけだ。

 

でも一通り読んで俺が一番気になったのはあれだな…て言うか気になる所だらけだけどよ。とりあえず全員読めたのかを確認する為に俺は口を開いた。

 

「全員読んだか?」

 

俺の問い掛けに湯上等の数人を除いた奴が頷いた。それを確認した沢風が声を出す。

 

「あいつらが言っていた殺人を犯せば出られるって話だけど…なら校則の七が気にならないかい?」

 

その問いにも同じ奴等が頷いた。

 

「ふむふむ、どうやら無計画に殺せば良いのではない様子よな」

「誰かをォブッ殺すにャァ他の奴等にィ見付かんなッて事だなァ」

「…そもそも殺してすぐさまそこで卒業ってなるかな」

「あのふざけた奴等の事だから何かしら用意してそうだよなあ!」

「ん~確かにさ~こんな入念に~計画したであろ~誘拐殺し合わせ計画を~易々と~たった殺人一個程度で~終わるとは~思えないね~」

 

すると猫屋敷の言葉を聞いた詞述さんが目付きを鋭くさせ息苦しくなる様な重い空気を纏わせて猫屋敷を見た。

 

「猫屋敷君?言い方に気を付けたまえ」

「んにゃは~?失敬~失礼しました~」

「あ、あの先輩の威圧を物ともしてねえなんて!?」

 

詞述さんも猫屋敷の飄々とした態度にため息一つを吐いて黙ってしまった。俺も猫屋敷の言葉にはムッと嫌な気持ちしたから後で話す機会があれば注意しとこう。

 

「ふう…すまない話を止めてしまって」

「んなの猫屋敷が100パー悪いにきまってますって!」

「うわ~瀬戸内君の~敬語とか違和感でしかない~」

「お前は少しの間黙ってろ!?」

「まあ猫屋敷の事は一旦置いておいてアタシは故意の就寝って所も気になるねえ」

 

故意と言うが結局の所はモノグマ達の匙加減で罰せられそうで怖いな。自分達の不利はとことん認めなさそうな連中だから意地悪な事をやってくるのは分かりきってる事だ。

 

「校則違反って…つまり先程の体育館で起こった爆発ですよね?」

 

影山の言う通りだと俺は思う。故意に眠った瞬間遠慮も何もなくボカーン!とかあり得そうだ。俺達を無理矢理従わせる武器はそれこそ爆弾に限らず体力に用意してるであろう事は不気味な余裕な態度で分かる。

 

「でも一応影山の言った通りモノグマ達は俺達に危害を加える事を禁止する校則も書いてあるから一安心ってやつだな」

「馬鹿ね」

 

俺が言い終わると同時に藤が冷ややかな声音で言い放った。突然の罵倒に俺は呆気に取られつつ藤に話し掛けた。

 

「な、なんだよいきなり馬鹿って…」

「そこに危害は加えませんなんて書かれてたとして、簡単に信じるなんて馬鹿じゃないかしら」

「つっても…書いてあるんだからそう思うだろ?」

「呆れるわね。そんな愚直なお馬鹿さんには何を言っても無駄ね」

「いや、ここに書いてある事は本当だろう」

 

藤の紡がれる攻撃的な言葉に何も言えず黙ってしまうと詞述さんが異議を唱えてくれた。

 

「……それはどうしてか聞いても宜しいでしょうか」

「おやあんたちゃんと敬語使えたんだねえ」

 

熱宮の疑問に激しく同意だ。誰に対しても尊大な態度な藤だが流石に目上の人には敬語で話すんだなと思った。当の藤は自分の言葉が否定されて目元を細めて詞述さんを見つめていたけど、不服そうだな。

 

「奴等は校則を必ず守る…憎らしい程な」

「詞述さん?」

 

詞述さんの雰囲気が重苦しくなり思わず呼び掛けた。するとすぐにハッとした表情を浮かべると雰囲気が戻り咳払い一つした。

 

「すまない…だが奴等は俺達に殺し合いをさせる事が目的なんだ。自ら手を下す事はあり得ん」

「その言い方してっとー怪しくね?もろ関係してますって言ってる様なもんじゃん」

「鷹倉君の言う事は非常に理解出来る…だが今は俺の言葉を信じてほしい」

「そ、そう言われてもまだ出会ったばかりですし…」

「木枯ちゃん、今は一つだけ…あいつら学園長と教頭は直接殺して来たりはしねえって思ってたらいいぜ」

「……」

 

そりゃあ数十分前に会ったばかりでモノグマ達と知り合いそうだってなったら信用も出来ねえよな…でも俺は皆より少しだけ先に詞述さん桜花さんと出会って話したから、とても二人がモノグマ側だと思えねえ。

 

「桜花の言う通りだ。今はそれだけを信じてほしい」

「ちゃんと大人の俺達が引っ張って信頼得るからって事よ」

 

何か訳アリなのは丸分かりだが頼りがいのある大人の二人が居てくれて心強いな。俺としては今のところ信じるって方に気持ちは向いてるしな。

 

「そう言う訳で納得してもらえないかね藤君?」

「……一ミリ程度は…」

 

そう言いながら全く信じてない藤に苦笑する詞述さん桜花さん。

 

「て言うかそもそも助け来るよネ?」

「え?」

「だってキボーガミネ入学決まったならワターシ達メチャクソ有名人ネ。そんなお茶の間フェスティバルのワターシ達誘拐されて家族も警察も探してくれてると思うヨ」

「……なんか所々気になる箇所があるけど確かにそうよね。世界的に有名な希望ヶ峰学園から新入生が誘拐されてるなんて警察が動かないわけないわよね」

「確かにそうやろうな。なら見つけてもらえんのも時間の問題やろ」

「なら安心かな…?」

 

妻夫木の言葉に和良井も賛成の意見を言い、不安がっていた木枯も小さくホッと息を吐いて安心した様子だ。

 

「でも助けを待つだけってそれで良いんかねー?」

「な、なんやねん纏まりかけとった士気を下げる様言いよってからに」

「楽観的に考えるのも良いけど、相手は現にこうして注目されてる俺達を誘拐して色んな設備を整えられてる場所まで用意してんだぞ?仮に警察が探してても簡単には見つかんねえだろー?」

 

水を差す言葉だが鷹倉の言ってる事は納得出来る。

 

「ふんっ!そこの配信者の言う通りだな」

「あ、ちょっと湯上!あんたどこに行こうとしてんのよ!」

 

心底不機嫌そうに湯上も同意したと思ったら立ち上がって食堂から出ようとスタスタ歩き始めた。妻夫木が怒りながら聞くと一旦立ち止まり、こちらに顔は向けず言い放つ。

 

「話し合いなんか無駄だ。俺は俺でここの事を調べる」

「あんたねえ!勝手にも程があるでしょう!」

「むしろここまで時間の無駄に付き合ってやったんだから感謝してほしいものだな。校則とやらでここの事を調べるのは自由なのだろう?なら今自分がどういう場所に居るのか最低限は知っておくべきだろうが」

「だからって…ってまだ話は終わってないわよ!?」

 

言いたい事を言って今度こそ湯上は食堂を出ていってしまった。妻夫木の制止も無視して行ってしまい、更に憤慨する妻夫木は勢いよく立ち上がると、ズンズン力強い足取りで湯上と同じ道を行く。

 

「あの、妻夫木さんどちらに行かれるので?」

 

影山の声は当然の如く誰の耳にも届いてなかったので俺がすかさず妻夫木に声をかけた。

 

「妻夫木!影山がどこに行くんだって言ってるぞ!」

「え?あ、影山さんごめんね」

「あ、全然良いんです!砂糖さんが気付いてくれましたから。ありがとうございます砂糖さん」

「良いって事よ!それでどこに行く気だよ?」

「そんなの決まってるじゃない!湯上の馬鹿を追いかけるのよ!一人じゃ危ないし私は湯上とこの学園を調べて回るからそっちはそっちで上手い事やってね!」

「妻夫木さんちょっと待って!」

 

食堂をさっさと出ようとした妻夫木を沢風が止めた。

 

「な、なに?」

「ある程度調べたなら情報交換の為に食堂に一旦集まろうよ。そうだね…一時間経ったら一度食堂に来てくれないかな?」

「分かったわ。それじゃあお先にあの馬鹿怒ってくるわ!」

 

妻夫木は今度こそ湯上を追いかけに行き、次に沢風がスッと立ち上がると話し出す。

 

「始めから俺も提案しようとしてたんだけど湯上に先越されちゃったね。じゃあ俺達も人数を分けて調べに行こうか」

「ちゃんと全員で探せば脱出出来る抜け穴とか見つかるかもだしな!」

「お馬鹿さんね」

「なんだよ藤おいぃぃ!」

「お馬鹿なお坊さんには馬の耳に念仏ね」

「すげー貶されてる!?」

「あんたら言い争うんじゃないよ!」

 

熱宮の仲裁で藤は渋々だったが二人が黙ったので沢風が話を再開する。

 

「少なくとも助けが来るまではここで過ごさなきゃいけないわけだし調べよう」

「では湯上君、妻夫木君を除いた20人を4人ずつを5グループに分けて探索に出掛けよう」

「…どうやって分けるの?」

「それは組みたい人同士で組んだ方が良いのではないか?」

「ちょい待ち、俺らはさっき知り合ったばっかだから組みたい奴って居ないんじゃね?」

「大丈夫」

「あん?何が大丈夫なんだよ」

「鷹倉は私と行く」

「は?何でめんどくさそうなお前と行かねーといけねえんだ?」

「鷹倉、サボる」

「うげー……」

 

鈴木崎の言った通りサボるつもりだったみたいで鷹倉は顔を歪ませ嫌そうにしていた。

 

「あははは、じゃあ鷹倉は鈴木崎さんとで…後は二人だけど、どうするの?」

「拒否権なしに決まってんだけどー…」

「鷹倉のサボり止める人、泊、桃瀬」

「うん!僕を選んでくれてありがとう!期待に応えるべく鷹倉君をサボらせたりはしないよ!」

「まァ妥当だなァ」

「うへー…勘弁しちくれー……」

 

鷹倉の意見全無視で決まったな。サボりそうな鷹倉に注意して止める役として鈴木崎、泊、桃瀬の4人となった。

 

さて俺はどうするかと思っていたら、横に座っている龍野が俺の服の袖をくいっと引っ張るのでそちらを見ると何故か頬を赤く染めてる龍野が口をもにょもにょと動かしていた。なんだよ龍野の奴、なにか言いてえ事があんのか?

 

「えーっと、どうした?」

「…あ、さと…ぅくんは……誰と行くって、決めた?」

「いやまだだけど…そうだ良かったらだけど龍野、俺と行かねえか?」

 

まだ他の奴等とそんな話せてねえんだけど、とりあえずは今ん所一番話してる龍野ともっと仲良くなりてえしな!

 

「………え?僕と…行ってくれるの?」

「おう!龍野さえ良けりゃあだけどよ」

「…うん喜んで!…僕凄く嬉しいよ!」

 

何で固まってやがんだ?嫌とか思われてたらどうしようと不安に思うもすぐに笑顔を浮かべた龍野から了解の言葉が聞けた。

 

良かった…これで俺と龍野で決まったから後は2人か…と周りを見てみると他の奴等もそれぞれ話し合っていて続々と探索するメンバーが決まっていった。

 

「しゅんやくん一緒に行こー!」

「うん俺で良ければ喜んで!」

「何で沢風にはあだ名呼びちゃうねん」

「しゅんやくんはしゅんやくんって感じがあだ名として似合ってるでしょー!?」

「いや訳が分からへんけど!?」

「うふふふふ」

「木枯は何を呑気にわろてんねん!?」

「え?だって二人の掛け合いが面白くて」

 

一つは沢風、和良井、嶋野、木枯の四人だ。嶋野の怒涛の騒がしいボケに和良井がツッコミを入れてそれを沢風と木枯が笑ってるけど和良井の苦労が多そうだな。

 

「ねえねえシャベルさん僕と一緒に行かない?」

「ワターシ?別にモーマンタイネ!」

「やったー!ぐふふふ…」

「あ、百澤テメー抜け駆けすんなよ!シャベル俺も行っていいか?」

「あ~俺も俺も~」

「まあ良いけどヨ、視線がいやらしいナ」

「ど、どき~」

「んな棒読みでドキって言わねえよ」

「全くワターシ怒るヨ!」

「男の性ってやつだよ!」

「何を熱弁してるネ!?」

 

明らかシャベルのセクシーボディ目的な三人にさして気にしてないシャベルの四人となった。シャベルは怒っているがそこまで気にした様子ではないが他の女子は極寒の蔑んだ目で見ていた。

 

「藤は相手決まったのかい?」

「別に誰でも良いわ」

「ならアタシと行こうじゃないか」

「貴女と?」

「そうさ、藤の性格上誰かと衝突するかもで心配なのさ」

「貴女は私のなんなのよ…」

「まあまあ目覚めた場所が同じって仲じゃないかい」

「はあ…何を言っても無駄ね」

「むはははは!熱宮嬢の過保護っぷりには藤嬢もたじたじだのう!」

「仲がいいのは良い事だ」

「どこを見てたらそんな風に見えるのかしら…」

 

熱宮が藤を心配して一緒に組み、剣と詞述さんの二人が入ったメンバーとなった。詞述さんは熱宮、藤の掛け合いに暖かい優しい目を向けていた。

 

そして最後に俺の残りのメンバーはまず桜花さんが近付いてきて俺の事が気に入ったから着いていくわと言って決まり、影山は最後まで残りそうだと思い途中で俺が声を掛けて一緒に行く事が決まったので俺と龍野に桜花さん、影山の四人となった。

 

これで探索するメンバーが決まり、場所が被らない様に地図を見ながら話し合って決めてそれぞれの場所へ向かう。

 

「それじゃあ一時間後に食堂だからね」

「…時間はモノフォンにも表示されてるから忘れずに見とかないと」

「鈴木崎、鷹倉の事しっかりと見といてくれよ」

「任された」

「だりー」

「何が起こるか分からないし瀬戸内君先頭で歩いてね」

「おい百澤辛辣ぅ!!?」

「その時はワターシが守ってやるヨ」

「いやだシャベルったらイケメン!」

「瀬戸内君~口調気持ち悪いよ~」

「猫屋敷ぃぃぃ!!?」

「どうして無意味に騒ぐのかしら…」

「ふはははは!藤嬢は神経質だのう!」

「折り紙で指先切るわよ?」

「こらこら危険だからやめなさい」

 

流石は癖の強い面子だ!さっきまでの重い空気が嘘の様に霧散して明るく話してやがるぜ!

 

「そんじゃあ俺達も行くか」

「こ、怖いですが…皆さんが居て下さると心強いです」

「…砂糖君、行こ?」

「おう!」

 

俺も気合いを入れ直して何か発見してやると意気込んで龍野、影山、桜花さん達と探索する場所へと向かった。

 

 

ー続くー

 

 

 

ー登場人物ー

 

【予備学科】砂糖(サトウ) 太郎(タロウ)

 

【超高校級の???】龍野(タツノ) 竜斗(リュウト)

 

【超高校級の名探偵】(ツルギ) 星光(セイコウ)

 

【超高校級のリア充】沢風(サワカゼ) 俊也(シュンヤ)

 

【超高校級の芸人】和良井(ワライ) 笑平(ショウヘイ)

 

【超高校級の野球選手】湯上(ユカミ) (ケン)

 

【超高校級のゲーマー】百澤(ヒャクザワ) 成八(ナルハチ)

 

【超高校級の僧】瀬戸内(セトウチ) 太陽(タイヨウ)

 

【超高校級の交通委員】泊 進(トマリ ススム)

 

【超高校級の保健委員】桃瀬(モモセ) 一護(イチゴ)

 

【超高校級の???】猫屋敷(ネコヤシキ) 狛犬(コマイ)

 

【超高校級のネット配信者】鷹倉(タカクラ) ルゥ ヴィクトー

 

元"超高校級の審判" 詞述(シノベ) 真義(シンギ)

 

元"超高校級の占い師" 桜花(オウカ) 心咲(ミサ)

 

【超高校級の放送部】嶋野(シマノ) 恵子(エコ)

 

【超高校級の氷彫刻家】熱宮(ネツミヤ) 燐火(リンカ)

 

【超高校級の折り紙講師】(フジ) 織姫(オリヒメ)

 

【超高校級のアルバイター】妻夫木(ツマブキ) 弥生(ヤヨイ)

 

【超高校級の努力家】シャルロット・ド・ベルジック

 

【超高校級の幸運】木枯(コガラシ) (ナエ)

 

【超高校級のメカニック】鈴木崎(スズキザキ) 美佳子(ミカコ)

 

【超高校級のモブ】影山(カゲヤマ) 琥珀(コハク)

 

生存者 22人

 

屍ノ原学園 学園長 モノグマ

屍ノ原学園 教頭 モノシロ

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