「潜入捜査?」
「そうとも、こないだ新宿の特異点を踏破しただろ?そこにまたちょっとした微小特異点が発生してね」
急遽ダヴィンチちゃんに呼ばれると、どうやら新宿に微小特異点が発生したから調査して欲しいとのことだった。
「いいけど何で潜入捜査なの?」
「いや別にどこかに忍び込めってわけじゃないさ、ただ今回その時代にいた魔術師がやらかしたらしくてね。そこに思いっきりサーヴァントを連れたキミがいたら目立つだろう?」
「要するにその魔術師のバレないように変装して調査してってこと?」
「その通りさ!話が早くて助かるね。サーヴァントの選出はキミに任せるよ」
「わかったよ」
でも現代の新宿に合うサーヴァントか……。
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ここで一つ大事なことなのだが、サーヴァントの多くは奇抜な服装の英霊が多い。
着物だったり鎧だったりならまだいいが、えげつないほど露出度が高かったり、逆にえ?そこの部分に布いりますか?ってサーヴァントもたくさんいる。
その為か現代に合う服装のサーヴァントが割と少ないのだ。
連れてくサーヴァントを選ぶのに、強さや能力でなく服装で選ぶってあんまりないな。
「とりあえず全員まともな服着てほしいな」
そういいつつも頭の中で霊基一覧に登録され「ギルガメッシュ王おはようございます」「うむ」ているサーヴァントを思い浮かべる。
「潜入捜査だからアサシンは欲しいよなぁ」
そう思いつつ居住スペースに足を進めた。
・・・「おい」
「どうしましたギルガメッシュ王(弓)?」
「なぜ貴様、我を無視する?」
「いや挨拶したじゃないですか」
「これから特異点に向かうのだろう?なぜ我を誘わぬ」
「え?ギルガメッシュ王(弓)行きたいんですか?」
「特に火急な用事もないしな、退屈しのぎに連れていくがいい」
…これはまずいことになった。
このギルガメッシュ王(弓)、鎧・金ぴか・私服がダサいの三拍子揃ったサーヴァントなのだ。この際言動には目をつむるとしても、さすがに連れていくことはできない。
「今回は連れていけません」
「……ほぅ?なぜだ?言ってみるがいい雑種」
「俺は…」
新宿に連れて行ったギルガメッシュが笑われる姿を想像する。
「俺は…」
「俺は?」
「俺は…オシャレな街、新宿にギルガメッシュを連れて行って、ダッサイ私服をめっちゃ笑われて涙目になるギルガメッシュを見たくないんだぁーーーーー!!!」ダダダ
「貴様!?ダサいとはなんだ雑種!!」
俺は趣味が悪くてダッサイ私服を着て自信満々で街を練り歩いた挙句、街の人に爆笑&失笑されるギルガメッシュを見たくなんだ!
そんな気持ちでギルガメッシュの元を走り去る。
「待て雑種!そんなに酷いか!?」
「災難だったな」
「誰だ!?」
「いや…まぁこういうことも…あるだろうな」今にも笑いそうな顔を必死に抑えるギルガメッシュ(術)(夏仕様)
そういうとギルガメッシュ(クソダサ)の肩を叩くギルガメッシュ(オシャレ)
「我だけオシャレで悪かったな…フフッ…」
当然その後は
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「というわけで来ました新宿」
「というわけで、がわからんがこれからは目立たないように慎重に行動すべきということだな」
「そうだねぇ、面倒な仕事はとっとと終わらせてそばでも食いに行くか」
「いいねぇぱぱっと終わらせて飯にすっかぁ、当然酒もだろ?」
俺が招集したサーヴァントは台所の守護者エミヤ、新選組三番隊激重担当一ちゃん、負けずにこちらも激重枠燕青、
「エミヤは夏の霊衣で一ちゃんはスーツだね」
「夏のお兄さん再びというやつだ」
「ほら僕と言ったらスーツみたいなとこあるし?しかも現代ではほとんどの人が着てるんでしょ?」
「そうだね…、ほとんどの人がスーツだよ」
この新宿では悪スタイルが主流なのかスーツの人は少ないけど、これでまぎれることはできるだろう。
「で、燕青だけど」
「おう、どうしたマスター」
「…服着れたんだね」
「そりゃどういうことだ!?マスター!」
燕青が着ているのは牡丹の花がプリントされている白いシャツ、黒の上着、そして黒いズボンだ。黄色いベルトもオシャレでかっこいい。
「普段からああいう服装をしていればな」
「あの服、服としての機能性皆無だよね」
「でも燕青のあの入れ墨好きなんだけどなぁ」
「今ご覧に見せましょう主」
「おい!?服を破こうとするな!」
「こんな所で脱いだら通報されちゃうでしょ!」
「だって主が、俺の入れ墨見たいって」
「後にしろ!!」
うん、気軽に言って悪かった。
「それよりもマスターちゃん?」
「あ、俺の服装も見てよ!ちょっと古いけどその時代のオシャレに挑戦してみたんだぁ」
俺が着ているのは青いズボンに、胴の部分が白く、袖の部分が黒くなっているラグランのアウターである。
「へぇそんな服装がはやってたの?」
「少しシンプルだけど似合ってるよぉマスター」
二人が感想を言ってくれる中、エミヤだけが凄く渋い顔をしている。
「マスター」
「なに?エミヤ似合ってる?」
「えっあっいや、似合っているとも」
「ありがとうエミヤ、ちなみにオシャレポイントは」
と言って、アウターを脱ぎ、中に着ていたシャツを見せる。
「ラグランの上にラグラ…グハァ!!」
「料理長が倒れた!!なにしたのマスターちゃん!?」
「グッ!私は平気だ…。マスター今回の特異点では絶対に上着は脱がないでくれ」
「何がアンタをそこまでさせるんだ?」
「こっちの話さ、そんなことよりもだ、先ほどから」
「燕青と最初にあったのは新宿だったね!」
「マスターそろそろ俺も聞きてえなぁ」
「……何を?」
「何って先ほどからぱっつんぱっつんのスーツを着て立っているヘラクレスに対しての質問だ」
「…やっぱり?」
そう、今回はエミヤ、一ちゃん、燕青の三人ではなく、ヘラクレスを含めた四人でのレイシフトなのだ。
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「あらマスター?どこかへお出かけかしら?」
「シトナイ、新宿に微小だけど特異点が発生してね、それを解決しに行くんだけど、今まともな服装のサーヴァントを探しているんだ」
「そうなの?……ならヘラクレスを連れて行けばいいわ!」
「え?でも彼って上半身裸だよね?」
「大丈夫よ、だって世界で一番強いんだから!」
「いや、いま求めているのは強さじゃ」
「大丈夫よ、だって世界で一番強いんだから!」
「ね!」
「…そうだね!!」
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「あれは断れる雰囲気じゃなかった」
「だといってもだな…」
「だから違和感をなくすように一ちゃんと一緒でスーツを着せてみたんだけど」
「いや違和感しかないからね?この人がスーツ着てるせいで僕まで白い目で見られているからね?」
「というか俺らの周りだけ人が通らねぇなぁ」
まぁそうだよね、俺も通りたくないもん。
俺らをレイシフトで送り出すダヴィンチちゃんも驚きながら何も言わなかったもん。
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「じゃぁこれから指示を伝える!!」
俺の一言でみんなの顔が真剣になる。
「エミヤと一ちゃんは俺と一緒に行動して魔術師探し!」
「了解した」「はいはぁい」
「燕青は各地を跳び回り聞き込みと偵察!」
「いいよぉ」
「ヘラクレスは…!」
言葉につまり、ヘラクレスと目が合う。
「なんか像になりきって待機?」
「「「来た意味」」」
「だってしょうがないじゃん!絶対目立つもん!」
『先輩』
「マシュ!どうしたの?」
突然のカルデアからの通信に驚きながらも要件を聞く。
『あの…言いづらいのですが…シトナイさんがヘラクレスさんの活躍を見たいと、今管制室にいらっしゃっています』
「|見敵必殺!見的必殺!《サーチアンドデストロイ! サーチアンドデストロイ!》新宿の疑わしき所をしらみつぶしに潰せ!!我々の邪魔をするあらゆる勢力は叩いて潰せ!!」
俺がそういうとヘラクレスは叫び声をあげ新宿の街を突っ走りに行く。
『…いいんですか先輩?』
「いいわけないがそれよりも帰ってからヘラクレス単推しの二人の対処をしたくない」
さぁ調査開始だ!!不安だ!!
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「お帰り立香君」
「うん、ただいま」
「まさか、ね?」
「まさかね」
「本当にヘラクレスが潰しまわった所に魔術師がいたとはね」
「俺今回の首謀者の顔見てないんですけど」
「…よかったじゃないか!解決して!」
「……そうだね!!!」
FGO作品12作目