人を弄るのが好きなマスターの話   作:あまいろ+

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人間讃歌って話

「先輩!急いで食堂に来てくださいますか!」

 

マイルームでくつろいでいるといきなり扉が開き、愛しい後輩マシュが部屋に飛び込んできた。

 

「……今日はどうしたの?」

 

実は今日は完全なオフだったりする。レイシフトを使った特異点の探索や解決はマスターの仕事だが、特異点がない時も素材や種火の周回やサーヴァントの頼みを聞いて異変を解決したりと、カルデアの技術者やスタッフではなくても、それなりに忙しい毎日を過ごしているのだ。

 

その為かマスターの休日は結構貴重だったりする。

 

清姫もいつもの労を労ってくれているのか休日はベッドの下からではなく、扉から出入りしてくれる。

 

「実は今、サーヴァントが食堂で暴れていて……」

 

「あぁ…了解、今いくよ」

 

人類最後のマスターは慌てないと言いたいが、カルデアではオールウェイズ騒動なので慣れてしまっている。といった方が正しい。

 

グッナイ我が休日。

 

心の中でそう呟き食堂に向かうのだった。

 

「で、今日は誰が問題起こしたの?」

 

「実はまたディオスクロイさんが…」

 

「ディオスクロイというよりカストロだね?」

 

「…はい」

 

ディオスクロイ

 

つい最近召喚に応じてくれたサーヴァントだ。双子座の元になった兄と妹の2人組という珍しいサーヴァントであり、現カルデアの問題児筆頭サーヴァントでもある。

 

妹のポルクスの方は、穏やかで友好的な性格であり、マスターや他のサーヴァントに対してもきちんとコミュニケーションが取れていて、我の強いカルデアのサーヴァントの中でも優等生な子だ。

 

しかし兄カストロは人間を恨んでおり、さらに人間自体を下に見ているためか暴力的な発言が多い。カストロの本来の霊気はアベンジャーらしくそれにふさわしく苛烈な性格をしている。

 

その為か誰かれ問わず攻撃的な態度をとっており、問題が絶えないのだ。

 

「今回で何度目の騒動だっけ?」

 

「多すぎて覚えていませんが、もう10回は超えているかと…」

 

「そっか…」

 

カストロが問題を起こすときは決まって妹がらみだ。

 

妹に近づいたとか、妹と会話したとか、妹妹妹妹妹………

 

冠位(グランド)シスコンの名を欲しいままにしてきたカストロだ。

 

気に入らないとか腕試しでカルデアを破壊する連中と違ってまともな理由だったから、これまでは穏便に済ませてやったが。

 

こっちは大事な休日を邪魔されたのだ。

 

もういいよね?もうお灸を据えてもいいよね?

 

人間を見下している奴に敗北を味わわせてくれるわ!

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

「人間!人間人間人間!」

 

現場に到着するとそこでは暴れまわるカストロと、それを抑えるべく奮闘するキッチンの守護者たちが戦っていた。

 

そのおかげか食堂の崩壊がほとんどなく、こないだ崩壊したマイルーム(2日前)よりは全然姿形は綺麗に保たれていた。

 

「マスター!」

 

「ポルクス、今度はなんの騒ぎ?」

 

「いつも兄様がすみません…」

 

流石にこうも身内が頻繁に問題を起こしている事実に頭が上がらないようで、必死で頭を下げている。

 

「実は今日のお昼ご飯にお魚を頼んだのですが…」

 

確かに今日のお昼ご飯は、

 

Aランチ:焼き魚定食

Bランチ:ミートソースパスタ

Cランチ:キュケオーン

 

だった気がする。

 

「その時に不覚にも魚の骨で口の中をケガしてしまいまして…」

 

「ふんふん、それで?」

 

「そしたら兄様が『妹に怪我させおって人間!!』と暴れだしまして…。え?はい…ごめんなさいそれだけです、はい…すみません…」

 

マシュの目指しているマスターとの関係はアイコンタクトだけで戦闘や談話ができる関係だと前に聞いたが、そしたら俺とポルクスは今理想の関係に近いだろう。

 

俺のえ?まさかそれだけでこんなガチギレしたの?マジっすか?本当に?というアイコンタクトに気づき、ひたすらに平謝りを繰り返している。

 

しかしこんなに平謝りをしている妹に、どんなにキレていても気づかないカストロ(シスコン)ではない。きっと…。

 

「人間!貴様!なぜ妹に頭を下げさせている!!」

 

ほらきた。

 

そのセリフとともに食堂にいた誰もがマスター、藤丸立香に姿を見る。

 

「マスター!よく来てくれた!」

 

「ありがとうエミヤ」

 

「貴様!人間のくせに俺を止めにきたのか?舐められたものだな!」

 

「止めに来た?違うな、俺は勝負をしに来たんだ」

 

そう言うと食堂内が騒がしくなる。

 

「!?人間の貴様が俺にだと!」

 

「そうだ!サーヴァント相手にキミが勝てるわけない!」

 

「まぁ確かに純粋な殴り合いじゃ勝ち目はないだろうし、それで勝ってもカストロは勝った気がしないだろ?」

 

「フン!当たり前だ人間の貴様を殺すぐらい楽にできる」

 

「だから勝負は俺が決める」

 

「いいだろう、どんな勝負でも人間に負けはしないがな」

 

「よーし、じゃぁ勝負は…」

 

そう言いつつ俺は自分のポケットに手を入れる。

 

「勝負は…」

 

次に尻ポケットに手を入れる。

 

「勝負はぁ…」

 

続いて内ポケットに手を入れる。

 

「まさか貴様何も考えずに俺に勝負を挑んできたわけではないよな?」

 

「まっさかーそんなわけないじゃないか。…お、いいのあった」

 

そして立香が取り出したのは、

 

「…コイン?」

 

立夏が取り出したのは片方に桐の花が描かれており、もう片方には500と描かれている。

 

「今回の勝負はコイントスだ」

 

立夏はカストロに表裏のデザインが分かるようにコインを見せる。

 

「…ッハハハハハハ!!サーヴァントに実力で勝てぬから運でなら勝てると!?人間にしては笑わせてくれる!!」

 

「…最初に言っておくが」

 

「ほぉ?なんだ?」

 

「あんまり人間をナ メ る な よ ?」

 

立夏の圧にされてカストロだけでなく食堂内のサーヴァント達も気押される。

 

「ただの人間の俺がどれだけの特異点を踏破してきていると思っているんだ?運も実力の内。幸運Cが調子にのるなよ?」

 

幸運、悪運の強さで俺の右に出るものはいないと思っている。

 

「人間が吼えたな。神にわざわざ勝負を挑んだんだ、もちろん勝ったら何かしらの条件は出していいんだろう?」

 

「そっちから言ってくれるのは助かるね、俺もそれを言おうとしてたんだ」

 

「減らず口を…、俺が勝ったら我らが誰にも邪魔されない空間をこのカルデアに作ってやる!!」

 

「いいよ、…勝てたらね」

 

「で、貴様が勝ったら何を俺にさせたいんだ?我らに隷属でもさせるか?」

 

「いやそんなことはしない、令呪での強制もしない」

 

「ではなんだ?」

 

女神の視線(アイ·オブ·ザ·エウリュアレ)

 

「え?」

 

女神の視線(アイ·オブ·ザ·エウリュアレ)をお前にぶつけてやる」

 

「き、貴様!?」

 

「安心しろ、きちんと蘭陵王とキャストリアで強化してやる」

 

立香のセリフを聞いてあまたの男性サーヴァントが震えあがる。

 

女神の視線(アイ·オブ·ザ·エウリュアレ)、それは男なら相性不利やルーラークラスでも関係ない絶対男殺す(男性特攻)宝具である。カルデアに来て間もないカストロでも、その絶大さは十分に把握しており、なおかつ男というだけで畏怖の対象には変わりない。

 

「し、しかし我らは二者で一個の英霊…、男性特攻など……」

 

「そうだねディオスクロイには効かないよね」

 

「そうだ!我らには…」

 

「でもカストロには効くかもしれないよね?」

 

「ッ!!」

 

「やっと気づいたようだな、自分のやってしまった重大さに」

 

ここでカストロは気づく。今まで問題を起こしても重い処分に処さなかったこの人間のことを。

 

「おっ、青ざめたな…」

 

そんな人間の怒りに触れてしまったことに。

 

「ズバリ、当たってしまったか………なァーーッ!?」

 

「しかし…所詮は運勝負、神である俺が逃げるわけには…」ゴクリッ!!

 

「兄様!もうやめて!」

 

「ポルクス!?」

 

「兄様があの宝具をくらったらどうなるかわかるでしょう!」

 

「しかし俺は…我らは男性特攻では…」

 

「効いてしまったらどうするんですか!兄様も見ましたでしょう!?太陽の騎士ガウェインの最後を!!」

 

カストロは思い出す。ある時カルデアではメモリアルクエストなるものがやっていて、たまたま通信越しに見学したのだった。

 

対戦相手はあの太陽の騎士ガウェイン。第六特異点ではあの騎士に大変苦労したと聞いた。

 

これはあの人間の苦戦する姿が見れるだろうと見ていたが、あの女神が宝具の名前を口にした瞬間、

 

ジュッッ!!!

 

消えた。

 

奴は断末魔をあげる間もなく消えた。

 

いまだにあのクエストを見学していた男サーヴァントはあの音がいまだに忘れられないのだ。

 

「兄様もああなりたくないでしょう!?」

 

「それは…」

 

「さぁマスターに謝りましょう?」

 

「俺が…?」

 

俺が謝る?俺が人間に頭を下げると?

 

否!否否!それは断じてありえない!!神が人間に頭を下げるなど!!断じてありえぬ!!

 

「妹よ…俺は謝らぬ!俺が人間に頭を下げるなどあり得ぬのだ!」

 

「兄様……、兄様のわからずや!!」

 

そう言うとポルクスは食堂の端に行ってしまい兄を恨みがましく睨んでいる。

 

「…すまないポルクス、神には、俺には譲れないものがあるのだ」

 

「…話し合いは終わったかな?」

 

「あぁ」

 

「こっちは準備が終わったよ」

 

「では始めようか人間」

 

「グッド」

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

「3回先に言い当てた方の勝ち、どっちも同じ絵柄を言ったら表だろうが裏だろうが引き分け無得点だ、さっき見たように500の文字が描かれている方が表、花が描かれている方が裏だ。ルールはこんなとこか、これでいいかな?」

 

「わかった、ではコインを飛ばすがいい」

 

「了解だ、…再度言っておくが、人間をあまりナメないほうがいいぞ?」

 

「フン!人間に神が負けるものか!」

 

「そうか、じゃぁ1回目だ」

 

ピンッ!

 

コインが宙を舞い、その様子を全員が見守る。そして、

 

パン!

 

「さーてどっちだ?」

 

「…貴様は?」

 

「俺?俺は裏かな」

 

「では俺は表だ」

 

「いいのそんな決め方で?」

 

「所詮貴様と同じ方を言い当ててもそれは点数扱いにならん」

 

「そう?じゃぁ答えは」

 

立夏が左手の甲から、右手をあげる。

 

そして現れたのは、桐の花。

 

「クソ!!」

 

「まずは俺の1ポイントだね」

 

「次だ!早く次を用意しろ!!」

 

「慌ててもいいことないぜ?」

 

「うるさいぞ人間!!」

 

「…2回目だ」

 

ピンッ!

 

そして再びコインが宙を舞い、またその様子を全員が見守る。

 

パン!

 

「次はどっちだ?」

 

「表だ」

 

「じゃ今度は俺が逆を言ってみようかな、裏で」

 

立夏が手をあげると、

 

「またか!?」

 

「また俺の勝ちだね」

 

現れたのは桐の花、またしても裏である。

 

「神の俺が人間に負けるなど!?」

 

「降参する?」

 

「誰がするか!!」

 

「これで、3回目だ」

 

「この俺が人間に負けるわけには…!」

 

「これが最後にならないといいね?」

 

「貴様…!」

 

「じゃぁ行くよ?()()()()()()()()()()()()()

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

ピンッ!

 

クソ!忌々しい人間め!

 

勝って余裕なせいか神に助言だと!?

 

大体これはコイントス、表裏を当てる純粋な運の勝負だ!

 

コインなどよく見ても結果など変わらぬ!!

 

今も飛びながら、文字と花の面を交互に見せて…、

 

見せ…て

 

まさか、

 

クソッッ!人間!人間ンンンンンンンッッッ!!!!!

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

パン!

 

「さぁどっちだ?」

 

「裏だ」

 

「俺も裏で」

 

立香が手をあげると、

 

「だろうな」

 

桐の花

 

「貴様ァァ!!そのコインを見せろ!!!」

 

「…いいよ、やっと気づいたようだね」

 

カストロがコインを確認するとそれは、

 

両方とも桐の花が描かれたコイン。

 

「貴様ァァ!!この俺を愚弄するか人間!!!」

 

「誰が愚弄するか、これは真剣勝負だ」

 

「ではなぜ細工などした人間!!」

 

「むしろなぜ疑わなかった」

 

「なんだと!?」

 

「俺は言ったはずだ調子に乗るなと、そしてこうも言ったはずだ人間をナメるなよ」

 

「人間はな2千年という年月でコツコツと進歩してきたということだ……」

 

「人間が進歩だと…?」

 

「つまんないことだが18世紀から19世紀にかけて手品や奇術もずいぶんなエンターテイメントとして発展したんだ……」

 

「ッ!!」

 

「俺ヒジョーに好きなのよ、騙しの手品がッ!」

 

「人間が神である俺を騙すなど!!」

 

「だがお前はその見下している人間の進歩に今負けそうになってるじゃねぇか!!」

 

「クソッッ人間ガァァ!!」

 

「カストロ、お前が人間を恨んでいる気持ちも分かる、でも人間を見下している限り俺には勝てないと思いな!」

 

「グゥゥゥゥゥ!!」

 

「さぁまだ勝負したいならこのコインを飛ばしな、正真正銘何も細工をされていないコインだ」

 

俺はカストロにコインを投げ渡す。

 

「…確かに俺は人間を甘く見ていた、人間は時にして神を超えるのかもしれない」

 

「カストロ…」

 

「だが認識を改めるのは俺が完全に負けた時だ!!勝負だ人間!!」

 

「いいだろう!勝負だ神様!!」

 

「負かしてやるぞ人間!!行くぞ!!」

 

ピンッ!

 

たかがコイントスの勝負で食堂内は静まり返っていた。

 

あまりにも規模は小さいが、これはもう立派な神対人間の構図である。

 

立香がこのまま勝ち神を超えられるか、カストロが勝負に勝ち自分を乗り越えられるか。

 

全てはコインの行方にゆだねられている。

 

パン!

 

「……さぁどっちだ?」

 

「…カストロは?」

 

「俺か…俺は表だ」

 

「では俺は裏だ」

 

「いいのかそんな決め方で?」

 

「カストロと同じ方を言い当てても点数扱いにならないでしょ?」

 

「そうか、答えは…」

 

カストロが左手の甲から、右手をあげる。

 

ついに運命の時。現れたのは、

 

(オレ)の負けか……」

 

「そうだな、人間(オレ)の勝ちだ」

 

カストロの手には桐の花の柄が見えるコイン、つまりは裏の絵柄だ。

 

その瞬間食堂が歓声で沸いた。

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

「やったなマスター!」

 

「流石だわマスター!」

 

「やっぱりマスターは汚いね!!」

 

「マスター汚い!」

 

『汚い!』『汚い!』『汚い!』

 

「はっはっは!お前ら覚えとけよ?」

 

胴上げされながらも汚いと言ったサーヴァントを根こそぎ覚える。

 

「…兄様、大丈夫ですか?」

 

「あぁ問題ない、なぁポルクス」

 

「なんですか兄様」

 

「人間はこんなに醜くも愚かで、そしてたくましいものなのだろうか…」

 

「そのうちわかりますよ、このマスターについていけば」

 

「気は進まないがな」

 

そして兄妹は胴上げから解放された立夏のもとに行く。

 

「おい人間」

 

「なにカストロ」

 

「今回は俺の負けだ、これまでの罰だ。貴様の言った通り宝具の試し打ちでもなんでもするがいい」

 

「兄様!?」

 

「そんな達観してる奴弄っても面白くないんだけど…」

 

「なんでもいい好きにしろ」

 

「なんでもって言われてもなぁ」

 

「じゃぁ第2ラウンドの審判になってもらいましょう!」

 

突然意図しない人物から声がかかりそちらを向くと、

 

「シャルロット!?いたっけ?」

 

「えぇ、ずっと!」

 

「で、第2ラウンドって?」

 

「サーヴァントとマスターとのコイントスの勝負ですよ?」

 

「いやもう結構疲れたんですけど」

 

「やりましょうよぉ」

 

「えー?だって………勝った方が相手に言うこと聞かせられるんですよね…?」

 

「さらばだ!」

 

「逃がしませんよぉ」ガシッ

 

「だって絶対ろくなことにならないもん!」

 

「私怒ってるんですよ?」

 

「何に?心当たりしかないけど?」

 

「前回せっかくメイド服着たのに全然マスターかまってくれなかったじゃないですか」

 

「だってあれは仕方ないじゃん!作者が途中でリタイアしたんだから!!」

 

「静謐さんに良いとことられるし」

 

「あれ本当はシャルロット落ちだったんだけどね」

 

「絶対許しません」

 

「くそう、分かったから、するからコイントス!」

 

「やったー!じゃぁディオスクロイのお2方、審判をお願いしますね!」

 

「あぁ…」「えぇ…」

 

「ルールは先ほどと同じで3回先に言い当てた方の勝ち、どっちも同じ絵柄を言ったら無得点、そしてコインがトスできなかったら負けでいいですね」

 

「いいよそれで。シャルロットが勝ったらどうするの?」

 

「私が幸せになります」

 

「…じゃぁ俺が勝ったらー」

 

「マスターが勝っても私が幸せになります」

 

あら嫌だこの子話通じない。

 

「じゃぁコイン貸してください」

 

「…はいどうぞ」

 

「いきますよー?それ!」

 

ピンッ!

 

コインが宙を舞い、その様子を追って上を向きコインの様子を確認する。その時、

 

故国に愛を、溺れるような夢を(ラ・レーヴ・アンソレイエ)

 

「グアバっ!!」

 

シャルロットが宝具という名の右ストレートを立香の鳩尾に叩きこむ。

 

「やりぃ!」

 

「ちょっとコルデーさん!?それは反則じゃ!?」

 

「でもルールには相手への身体的攻撃を含まれていませんよね?」

 

ハイライトがなくなったシャルロットにそう言われると、ディオスクロイは気おされ何も言えなくなってしまう。

 

シャルロットはそんなディオスクロイを気にせず転がっていった立夏の元へ向かう。

 

「さぁマスターその調子じゃコインはもう投げられませんよね?」

 

「シャ…ルロッ…ト」

 

「つまり私の勝ちです。マスター…今日はたしか休暇の日でしたよね…?」

 

そう言うとマスターを優しく担いでいく。

 

「せっかくの休暇ですからゆっくり休みましょうか?……私の部屋で」

 

マシュの目指しているマスターとの関係はアイコンタクトだけで戦闘や談話ができる関係だと前に聞いたが、そしたら俺とディオスクロイは今理想の関係に近いだろう。

 

俺の助けてというアイコンタクトに気づき、可哀そうなものを見る目で返してきやがる。

 

ちくしょう。

 

「さぁ行きましょうか、…立香さん?」

 

立夏の姿が見えなくなると食堂にいたサーヴァントはみんないそいそと食堂内を片付け出した。

 

「人間とはたくましいものだな妹よ」

 

「そうですね兄様」

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

立香と勝負をした日からカストロは少しだけおとなしくなった。

 

少しだけ人間を認め歩み寄ったのかも知れない。

 

それと同時にマスターである藤丸立香を見る目も変わった。

 

憎むべき数多いる人間を見る目から、一人の人間を見る目に変化した。

 

それと同時に憐みの視線も増えた。




FGO作品14作目
双子に人間讃歌を知ってもらうお話です
拙き作品ですが宜しくお願いいたします
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