シュミレータールーム
自然や地形サーヴァントなどのデータを打ち込むことによって、本物と遜色のない空間を作り出せる部屋である。
ある者は鍛錬に、ある者は自分のいた世界の街並みを作り懐かしさに浸ったりするなど使い方は千差万別である。
そんな便利なシュミレータールームなため、基本使用するサーヴァントは緊急性がない限り、完全予約制だったりする。
では今回利用する方は?
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「銃の撃ち方を教えてほしい?」
「そう」
ある日マスターにシュミレータールームに呼ばれると、こんなお願いをされた。
「いやいや銃なんて持たなくてもサーヴァントのみんなが守ってくれるだろ?その為の僕らだし」
「サーヴァントが周りにいない時もあるでしょ?ちょっとした自衛方法だよ」
確かにそんな時もあるだろう。しかし困った。
「教えるって言ってもなぁ、弾をこめる、撃鉄を起こす、引き金を引く、これぐらいしか教えることがないなぁ」
「めっさざつ」
「しょうがないじゃないか、これだけで誰でも扱えるようになってるんだ」
だがそれはそれだけマスターが死に近づくというころだ。
「なんかもっと心得とかあると思ってたんだけど」
「アウトローなんかにあると思ったのかい?」
「あったほうがかっこいいでしょ?」
「はっはっは!!かっこいいときたか!うん、確かにかっこいいね、今度考えておこうか」
こうしてマスターと笑いあう。けれどマスターが聞きたいことはきっとこれじゃない。
銃の撃ち方、自衛の方法。銃の撃ち方ならまだしも自衛の方法なんて、別の奴の分野だ。
少なくても僕じゃない。
「…それでさビリー」
ほらきた。普段はふざけているマスターだけどこういう顔をするときは誰よりも真剣だ。
「なんだいマスター」
多分これは僕にしかできないことなんだ。
「弾ってどうやって曲げて撃つことができるの?」
「弾を曲げるか…それは銃口を……いや曲がらないよ?」
「曲がるよ?」
「あぁ跳弾のやりかたってことかい?」
「いや弾道そのものを曲げる。カーブさせる」
「マスター、小学生で習うと思うが銃弾ってのはまっすぐにしか飛ばないんだぜ?」
「小学校ってそんな物騒だったっけ?」
「つまり誰でも知ってるってことさ」
「曲がるもん!円の軌道を描いて飛ぶもん!」
「アウトローの生活長いけど、打ち出された弾を曲げたやつ見たことないよ!?」
「それは皆弾は曲がらないと信じているから」
「マスターには現実を知ってもらいたいけどね」
「そっか…できないか…」
「なんでそんなことしたいのさ」
「理由は1つ」
「……それは?」
「かっこいいからだ」
「馬鹿な理由だなぁ…だが気に入った」
実はマスターとの、この高校生みたいなノリは嫌いじゃない。
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「そもそもな話マスター、自分の銃は持ってるのかい?」
「持ってるよ。季節外れのサンタさんが毎年届けてくれるからね」
「それあってる?本当にサンタさんであってる?」
「シーズン的にはあってる」
「で、どんな銃なんだい?」
「これ」(短機関銃)
「重!!2kgくらいあるんだけど!?」
「サンタの愛だよ」
「サンタがこんな合法的に所持するのは難しいプレゼントあげちゃダメだろ」
「それはそう」
「それで、弾を曲げる方法はわかっているのかい?」
「こう腕を振って、手首のスナップを利かせて銃を横に振り抜きながら撃つ」
「それだけ?」
「それが難しいんだ、でも成功すれば発射した弾丸の軌道を曲げることができるんだ」
「要するに銃を振り回して撃てば曲がるってことか………いや待って?」
「どしたの?」
「この際撃てることを仮定して聞くけど、仮にそれで撃てるとして……キミ短機関銃(2kg)を振り回しながら撃つのかい?」
「…………………………そうだ!!!」
「勢いでごまかすんじゃない、肩がいかれるぜ?」
「その前に成功させればいい話だ!!!」
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「…ただいま」
「…あぁおかえりマスター」
「全治3日だって…」
「うん…」
マスターの腕には今包帯がまかれている。骨折スタイルだ。
あの後マスターと一緒に練習した。僕はサンダラーで、マスターは例の短機関銃で。
そのおかげで無事に腕を痛めたマスターは即刻病院(直喩)送りにされたのだ。
「あーどうだった?診察室は」
「走る病院のお世話になったよ。経緯を説明したらそんなことをする腕と頭はいりませんねって言われて切除されるところだった」
「それは災難だったね」
5章出身のビリーは走る病院ことナイチンゲールの恐ろしさは、文字通り怖いぐらいに知っている。
「練習はどうする?」
「ビリーにお願いしようかな、できるだけのサポートはするよ」
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それから特訓の日々が始まった。
ある日はミスクレーンの元に行き、機織機で練習をする。
「これって必要なのマスター!?」
「必要だ!集中力を養うんだ!」
「あの私の機織機で練習はやめてください…」
ある日はジェロニモの元に行きナイフの練習をする。
「これって必要なのマスター!?」
「必要だ!なんかこう必要なんだ!!」
「何に必要なのか説明してみろやオラァ!!」
「私は何に付き合っているんだ…?」
ある日は
「おーっすおたくら二人で何かやってるんですって?え?弾を曲げる?何言ってんだw曲がるわけないだろw?」
ロビンに協力してもらって弾の曲がる練習をする。
「ちょっと!馬鹿にしたのは悪かったですって!だから縛るのやめてくださいよ!」
「成功したら弾はロビンから外れ的に当たる。だが曲がらなかったらロビンに直撃だ。それでもやるかい?」
「上等だよ僕を誰だと思ってんのさ?ちゃんとロビン…じゃなかった、的に当てて見せるさ」
「悪かった!俺が悪かったからこれほどいてくれ!」
「予言するよ…この『
「待てやめろ!!宝具はやめろ!!」
「マスタースキル発動『瞬間強化』!」
「さぁ…喰らいな!」
「グァアアアアアアアア!!!」
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そしてついに。
「曲がったよ…ついに成功したんだ!」
「あぁ成功だ!流石だよビリー!」
僕たちはついに弾丸を曲げて撃つことに成功した。
途中で何人かロビンが犠牲になったが覚えていない。
「ビリーならできると信じていた!」
「ははは!ありがとうマスター!」
久しぶりの感覚だ、サーヴァントになってからこんな熱中したことはあっただろうか?
サーヴァントになっても成長できるなんてマスターに感謝かな?
「次は超長距離狙撃だ!」
「ははは!もちろん断るさ!」
まぁこんなに熱くなるのはしばらくはいいかな。
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「マスター、僕のあげた銃を使ったと聞いたが何に使ったんだ?」
「男のロマン」
「何に使ってるんだキミは?」
「だってどのように扱うかは、あなた次第だって言ってたから…」
「キミが無事ならそれでいいんだが…」
次からお返しは別のものにしようと思うエミヤ(サンタ)だった。
FGO作品15作目
今回はある映画を参考にしたのでなんのこっちゃと思う人もいると思います
拙き作品ですが宜しくお願いいたします