「サーヴァント、アヴェンジャー。召喚に応じ参上しました。…どうしました。その顔は。さ、契約書です。………え?本当に何なんですかその顔は?」
「お…おぉ」
毎度のことながら召喚ルーム。
俺は星5確定ピックアップという運営の甘い言葉によって、召喚ルームを訪れ、虹色の光を見たくて召喚装置に石(有償)をぶち込み召喚を開始した。
召喚が開始されると虹色の光(有償)が装置から発生し、部屋を包み込むと光(有償)の奥から人影が見える。
現れたサーヴァントはフランス特異点で聖杯の力によって生まれたもう一人のジャンヌダルクその人だった。
つまりジャンヌダルクオルタが我がカルデアに来たのだ。…来てしまったのだ。
勘のいい人ならわかるだろう。すなわちガチャ(有償)の重罪、SURINUKEである。
すり抜けとは?
ピックアップ外のレアキャラが出てしまうことであり、キャラによっては画面を殴ってしまいたくなるほどの重罪である。
例文:すり抜けとはなんですか?
マーリンピックアップなのに武則天が4枚も出ることです
そんなわけで我がカルデアには、武則天が8人いるわけなのだが、
……はて?なんの話をしていただろうか?
そうだそうだ、アベノッブが欲しかったのだがジャンヌオルタが来たということだった。
けれど聞いてほしい。ジャンヌオルタが来ても凄い嬉しい。とても嬉しい。
けれどアベノッブも欲しかった。
そんな喜びと悲しさが入り混じった顔をしてしまった為の冒頭のセリフだろう。
「あぁごめん、ちょっと世の中の成り立ちについて考えてた」
「何で今そんな話が出るのよ…」
「とにかく来てくれてありがとうジャンヌオルタ」
「感謝しなさい」
「で、契約書?だっけ?」
「そうよ、貴方私の召喚者なんでしょう?なら当然のことよ」
「契約ねぇ」
グイッと突き出された契約書を受け取り内容を見てみる。
「確認できました?」
「確認は…できた…」
「では契約を」
「読めないという確認ができた」
「はぁ!?貴方バカにしてんの!?」
「いや本当に読めないんだって」
「…貴方出身は?」
「やきたて」
「……日本ね。それフランス語で書いてあるからわからないんだわ」
良く分かったな今ので俺の出身を。
「それもあるけど、これ文字?ミミズの死体をプリントアウトした物じゃなくて?」
「失礼ね!フランス語はこうゆうもんなの!!」
「ちょっとシャルロット呼んでくるか…」
「もういますよ?」
「あぁいたんだね」
「ちょっと待って、今何もいないところから急に現れたんだけど」
「今日からそれがお前の日常だ」
カルデアの洗礼をきしくも与えたところでシャルロットに契約書を見せる。
「シャルロットこれなんだけど」
「アスファルトで干からびたミミズの死体をプリントアウトした物ですか?」
「より現場が詳しくなってる…、これフランス語の契約書らしいんだけど」
「……え…あ…」
マスターである俺はフランス語なんて書かない、しかし俺の手には自称フランス語の書面。
ならおのずと書いた人物が目の前で顔を赤くしながらうつむいている人物だというのは誰でも気づくことだ。
その真実に気づきシャルロットは持ち前の優しさで一生懸命フォローの言葉を探す。
「…えっとー、産まれた時代がちょっと違かったのかなー……なんて」
結論から申し上げますとジャンヌオルタは荒れた。
それはものすごい荒れた。
マシュと天草四郎の助けによって難を逃れたが、歓迎会にも参加しようとせずそのままマシュの案内で部屋に閉じこもってしまったのである。
▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼
ジャンヌオルタが部屋に閉じこもって1週間。
時々部屋に様子を伺いに行くも
「邪魔すんじゃないわよ!」「うるさいわね、帰りなさい!」
と、取り次ぐ暇もなく追い返されてしまう。
流石にいつまでもそうしとくわけにはいかないので、対策を部屋で考える。
ジャンヌオルタが来たことをジャンヌに伝えると、
「ついに妹が来たんですね!!」
と、大興奮していた為、ジャンヌが部屋に突撃をしないうちに対策を考えねばならない。
一応ジャンヌマスターのジルドレェにも意見を聞いたところ、
『時間が解決してくれます』
とジャンヌが今何をしているのか完璧にわかってますという態度であった。
キモかった。
時間が解決すると言われても何もしないわけにはいかず、解決策を考えるのだが突然自分に部屋にコンコンと扉を叩く音が響く。
「はーい」
「私です先輩、今お時間大丈夫でしょうか?」
俺が許可を出すとマシュが失礼します、と言って部屋に入ってくる。
「すいません先輩何かなさってましたか?」
「ジャンヌオルタのことを考えてただけだから大丈夫だよ」
「ジャンヌさんですか、確かにあれから部屋の外で姿をみませんね」
「部屋の中で何かやってる様子ではあったんだけどね」
「そうなんですね」
「で、どうしたのマシュ?出撃かなんか?」
「い…いえ、そうゆうわけでは」
「?」
言いづらそうに言葉に詰まりながら、あっちこっちに視線を動かす。
すると覚悟が決まったのか意を決して、自分の持っていた紙を俺に渡してくる。
「け、契約書です!!」
マシュが渡してきたのはまさかの契約書。
「契約書?」
「そうです!契約書です!私ファーストサーヴァントですから!書い…ていただけますか?」
つまりジャンヌオルタの契約書うんぬんがマシュに伝わり自分もやってみたくなったのだろう。
俺のサーヴァント可愛くないか?
「いや可愛すぎる」
「せ、先輩!?」
「ごめん本音が漏れた」
あふれ出るマシュへの気持ちを抑えながら、マシュの書いた契約書を受け取り内容を確認する。
その1.週に1度は二人でお茶会をすること
「天使か」
他にも色々と、このようなゆるふわなことが規約で書いてあり、とてもキュンとなってしまう。
「か…確認出来たらここに名前を書いてください!」
ペンを渡され、紙の上部に名前を書くように促される。
言い方は悪いが幼稚園や小学生の娘を持つとこんな感じなのだろうかという勝手な父性を感じつつ、名前を記入しようとする。
「ん、あれ?2枚目があるのか」
どうやら紙がくっついていて確認できなかったようだ。
「あ…」
特にこっちもそれほどのものではないだろうが確認すると、
『婚 姻 届』
「………」
「………」
改めて1枚目の紙を調べると、
「カーボン紙じゃねぇか…」
無言でマシュを見ると同時に、向こうもさっと明後日の方を向き目をそらす。
「誰だ!?こんな悪知恵を教えたのは!!」
「お…教えません!!」
「怒らないからお父さんに言いなさい!」
「先輩はお父さんじゃありません!」
これはカルデアの会議にかけるしかないな。
「わかった、言いたくないなら問い詰めないよ」
「わかってくれましたか先輩!」
「その代わり後でランスロット卿と4者面談です」
「嫌です!!しかもバーサーカーの方のランスロット卿も呼ぶんですか!?」
「円卓全員呼んで面談してもいいんだぞ?」
「くっ!覚えて置いてくださいね先輩!」
捨て台詞を言いながら部屋から出ていくマシュ。
「後でひよこクラブでも買うか…」
面談はブーディカさんも呼んで子育てのアドバイスを貰おう。
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「マスター今いい?」
「エリセ」
彼女の名前は宇津見エリセ。
こことは違う世界で戦う女の子であり、今は疑似サーヴァントとしてカルデアに力を貸してくれている。
向こうでは死神と言われ恐れられている中二少女だ。
「どうしたの?」
「こ…これ!」
「お前もか」
エリセが突き出してきたのは契約書だ。
「なによ、ダメなの?」
「ダメと言われたら、すこぶるダメだけど。珍しいね、こういう遊びに混ざるなんて」
「いいでしょ?丁度暇してたし、私だってそういう気分の時もあるの」
「そうですかっと、はいはい受け取りますよ」
エリセの契約書を受け取るが、
「…何でここ四角く穴空いてんの?」
「あ、そこに名前書いてね」
「…何でこの契約書封筒に書かれてんの?」
「個性を持たせたくて」
エリセが持ってきたのは、封筒自体に契約内容が書いてあり、名前を書くところは四角く穴が空いてある。名前を記入しようとすると中の紙に名前を書くことになるつくりであった。
「いやレイ・ペンバーか」
「あなた見てたらレイ・ペンバー思い出しちゃって」
「遠回しに無能って言ってる?」
丁度暇してるやつが、作る仕掛けかこれ?
「デスノートなんてどこで読んだのさ」
「黒髭さんが貸してくれたの…」
黒髭、お前はデスノートなんて読む柄じゃないだろ。
流されて藍蘭島読む奴だろ。
「で、中身は婚姻届っと」
「…うん」
「ふぅー…」
「………」
「お帰りください」
「何で!?」
「何ではこっちが言いたいわ。何でデスノートのトリックで書かせようとするやつの婚姻届け書かなきゃいけないんだよ」
「それは…」
「あとデスノートはない」
「だって…」
「ていうか数ある中でその方法選んじゃったの?死神が出るラブストーリーとかほとんど見たこと……」
「?」
「え…マジで?…もしかして『死神』だから?」
「!?」
「恥ずかしくなっちゃった?恥ずかしくなってこんな方法にしたの?」
「……」
「そっかーエリセちゃん恥ずかしくって自分と同じ死神が出てくる方法選んじゃったのかー」
「…そ……上……辛…………」
「え?なんて?死神のエリセちゃんはなんて言ったの?」
「…それ以上言ったら、食堂の当番全部私が担当する」
「謝るからやめてください」
根っからの辛党であるエリセに食堂を担当されてしまっては、カルデアの今後に響きかねない。
「今日はもう帰る。また出直すから」
「エリセ」
恥ずかしくなったエリセは早々と部屋を後にするが、俺はその背中に声をかける。
「エリセ…」
「何…?」
「…デスノートだけはない」
▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼
「いってぇ」
誰もいなくなった部屋でビンタされた左頬を擦る。
あの後、俺にビンタをし、エリセはプリプリと怒りながら出て行った。
「何も殴ることはないと思う」
そんなボヤキをしていると、
「マスター少しいいかい?」
「どうぞー」
今日はこれがずっと続くのかと思い、辟易しながらも返答を返す。
「おーいたいたマスターちゃん」
「おーうマスター」
「一ちゃんに燕青」
彼らが来たということは、
「今除湿器つけるね」
「おいおい!必要ねぇだろ!」
本人たちに言えないが絶対湿度高くなるでしょ。
部屋の隅からズルズルと除湿器を持ってくる。
「今日はどうしたの?宴会?」
「マスター、ジッと俺を見て宴会を想像するもんじゃねぇぜ?」
「だって基本飲んでて荊軻に絡まれてるでしょ?」
「あれは何とかして欲しいが今日はそれじゃないんだ」
「これだよマスターちゃん」
一ちゃんが出したのは契約書。
「男のサーヴァントっていつもそうですよね…!マスターのことなんだと思ってるんですか!?」
「違う違う!!」
「そうじゃねぇって!!」
「ごめん、先に来てた客がそうだったから」
「違うってマスター。それに…」
「わたくしもいます」
その声に合わせて扉からひょこっと顔を出すのは、
「清姫」
「はい、ますたぁ」
「清姫も来てたんだね」ピッ
「なぜわたくしが来たら除湿機のスイッチを?」
「君たち揃ったら絶対湿度高くなるでしょ」
「なりません!!」
絶対高くなる。
「こう見るとなかなかに珍しい組み合わせだね」
「そうだねぇ任務では結構一緒になるけど」
「で契約書だっけ?」
「わたくしたちが丹精込めて作ったんですよ!どうぞ確認してください!」
「へーそうなんだ!」
「………」
「「「………」」」」
「早く確認してくださいまし?」
「ヤダ!!!絶対面倒なことになるもん!!!」
「まぁ!わたくし達を見て何でそう思うんですか!?」
「お前らだからだよ!!」
激重勢が何言ってるんだ!!
「嫌だよう、怖いよう」
泣き言を言っても多分解放してくれないので、嫌すぎるが契約書の中身を確認していく。
えーなになに?
其之一:本当にどうにもならなくなったら必ず言うこと
其之二:従者の忠告にはしっかりと従うこと
其之三:嘘を絶対につかないこと
「ほら…もうこれ…ほらぁ!!」
結末がわかっていただけにどうしようもない気持ちが膨れ上がる。
「もうエゴ丸出しじゃん!」
「エゴ丸出しだってよぉ気を付けた方がいいんじゃない?」
「僕じゃないでしょマスターちゃん?僕はマスターちゃんのことを思っての言葉だからさ」
「わたくしだって違います!わたくしのマスターなら当然のことを記したまでです!」
「お前ら全員だよ!戯けども!」
みんな「えぇ」って顔してるがまったく可愛くない内容である。
「どんだけマスターを縛れば気が済むんだお前らは」
「「「縛ってないと不安で」」」
「もしもし医務室ですか?はい急患で3名。至急ナイチンゲールの手配をよろしくお願いします」
「ちょっそれはないってマスター!?」
「酷いですますたぁ!!」
「ちょっとサインすればいいだけだから!」
「うるせぇ!全員医務室送りだ!」
▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼
「あぁ疲れた……」
あの後3人まとめてナイチンゲールに突き出しこの部屋は平和を迎えた。
「ちょっといいかね」
「はい!どうぞ!」
「機嫌が悪そうだな」
「孔明先生ですか、先生も機嫌が悪そうな顔してますよ」
「あいにく元からだ」
現れたのは諸葛孔明。諸事情でこちらも疑似サーヴァントでの現界だがカルデアに力を貸してくれる一人だ。魔術のことを色々と教えてくれる教師役の一人でもある。現在12連勤中。
「孔明先生も契約書ですか?」
「あぁもう私の他に先客がいたのか、なら話が早い」
そう言うと孔明先生は持っていた書類を渡してきた。
「私のは契約書と少し違うのだが」
孔明先生が渡してきたのは、ちょっと材質の変わった紙。
「労働契約書」
「あぁ労働契約書だ、早いとこサインを頼むよ」
雇用形態:正社員
雇用期間:人理を修正するまで
勤務場所:カルデア(出張有)
所定外労働:無
休日労働:無
年次有給休暇:6ヵ月継続勤務で10日
勤務時間:週4日勤務の不定休
雇用保険の適用:有
「認められません」
「なぜだ!?」
「俺たちの若いころはなぁ!休日も使って会社に貢献するのは当たり前なんだよ!」
「どこのブラック企業だ!?しかも私より若いだろう!!」
「俺もめったに休めないのに週休3日って舐めてんのか!」
「そんなもの知るか!私はとにかく休みたいんだよ!いいからサインするんだ!」
「そっちは休めるだけいいだろ!こっちはせっかくの休みもトラブルに巻き込まれて消えるんだよ!」
「楽しそうでいいじゃないか!どうせ女子に囲まれて困ったなーって態度でいるんだろうが!早くサインしたまえ!」
「内弟子に日々の世話をしてもらって、仕事場では愛人候補や美人な教え子と戯れ、時に義妹とちちくりってるやつが生言ってんじゃねぇぞ!?」
「誰が義妹とちちくりあってるだ!あんな疫病神こっちから願い下げだ!いいからサインをするんだ!」
「いや否定するところ義妹のとこだけかい!……さっきからやたらとサインさせたがってない?」
「っ当たり前だ!私の平穏の為だからな!」
一抹の怪しさを感じ契約書を改めて確認する。
先生が持って来たにしてはなんかオシャレだな。
なんかちょっとした賞状みたいだし、魔法陣みたいな物も書いてあるし。
てゆうかこれ見たことあるなしょっちゅう。
「いやセルフギアススクロールやんけコレ!!」
「S-H-I-T クソッバレてしまったか」
カス礼そ…あまり使わない礼装だったから忘れていた。
「働かないにどんだけ本気なんだこの人」
「本気も本気だ!!私を何連勤させるつもりだ!?」
「なんだいい大人が!お前の後輩、マーリンさんは文句も言わず働いているぞ!」
「彼、王の話をしたくないからか、ラジカセに録音していたぞ」
「それで発動するならまぁいいか」
死んでも連れまわすけど。
「とにかくこちらは上に掛け合ってから判断をします」
「それはしないパターンじゃないか!上はいつもそうだ!現場の声に耳を傾けない!」
「残念ながらお前も俺も永遠に現場だ。あ、もしもしグレイ?君のとこの師匠が俺のとこで暴れてるから回収に来てくれない?」
数分後「もう帰りますよ」と声とともに孔明先生は引きずられていった。
▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼
「さて、そろそろかな」
孔明先生が帰った後も、何組か来客が来たが、契約すること無く追い返した。
「立夏さーんシャルロットですよー」
「やっと来たな」
「え?私を待ってたんですか!?なんか照れちゃいますねぇ」
「こちとら元凶を待ってたんだよ」
「あ~その様子じゃ気づいちゃってますか」
「当たり前だ。だいたいあの日あの部屋にいて、契約書の言葉を聞いたのはシャルロットだけだろ」
「アハハ…ですよねぇ」
「それでどっちがいい?」
「…?どっちとは?」
「アイアンクローかソル・デ・レイ・ケブラータか選ばせてやるって言ってんだ」
「どっちも嫌です!?それにわざと広めたんじゃないです!」
「ほう?」
「ジャンヌオルタさんが帰ったあとアストルフォさんと出会いましてぇ」
「あぁわかりました、もういいです」
あんな動く拡声器に話をしたんじゃぁ広まるのも当然だ。
「悪気のないことはわかったよ」
「良かったです!では私も…」
「え?出すの?怒られた後に?」
「はい!出します!」
「まじか」
「じゃーん!これにサインお願いします!」
「うわぁもろの婚姻届やんけ、火の玉ストレートか」
「正直が私のモットーですからね!」
「今だけは失くしていいのよ、そのモットー」
「ほら!お願いします、名前だけでいいですから!」
「ええい!うっとおしい!大体名前だけじゃ提出できんぞ!」
「ハンコと保証人はこっちで何とかしますから!」
「それ犯罪だって知ってる?」
「知りません!だって私フランス出身ですから!」
「全世界共通だバカ野郎」
「藤の一文字だけでもいいですから!後は完璧に字の癖を捕らえて書いておきますからぁ!」
「それが犯罪だって言ってんだよ!」
「でも私サーヴァントだから法律の対象外ですよ」
「急に落ち着いて怖いこと言うじゃん。じゃぁ社会には怖くて出せませんねさようなら」
「あー将来受肉する予定だから法律適用しそうだなー!」
「こっちは今ジャンヌオルタを部屋から出すアイディア考えてるんだから、少し静かにしてなさい!」
「ジャンヌさんでしたらジルドレェさんの言う通りそっとしておけば大丈夫ですよ?」
「え?シャルロット、ジャンヌが何してるか知ってるの?」
「はい、それこそ時間が解決してくれる内容です」
「そうか…」
不安も残るがジルドレェとシャルロットが言うなら問題ないのか?
「ならもう少し待ってみるか」
「それがいいと思います」
「そうだな。……なぁシャルロット」
ジャンヌの問題も不安はあるが大丈夫そうであることがわかった。
たとえ何かあってもジルドレェや白ジャンヌなど気にかけてくれる人がいるから大丈夫だろう。
俺もマスターとして微力ながらジャンヌオルタの様子を見ていこうと思った。
それはそれとして俺はシャルロットに伝えなければいけないことがあった。大事な話だ。
「現代では人をつけまわすことも犯罪なんだぞ」
何でお前は俺とジルドレェの二人の会話を知っていたかということだ。
▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼
「ここにいたのねマスター」
「おぉジャンヌオルタ!」
ジャンヌオルタ16日ぶりの外出である。
「久しぶりに見たわ」
「ふふふ寂しかった」
「そんなに」
「……今契約の時の汚名返上をするわ!受け取りなさい!」
「どれどれ…え!?しかも日本語じゃん!?」
契約書では以前と違い綺麗な字でしかも日本語で書かれていた。
「驚いたようね」
「いつの間にこんな…」
「私にかかれば貴方のとこの言語くらいすぐに習得できるのよ」
「頑張ったんだねぇ…」
「ちょっ子供扱いしないでくれる!?」
契約書の中身は、マシュの内容と同じようなものであった。
お茶をするとか編成がどうとかそんな感じだ。
「さ!確認したら名前を書きなさい!」
「ちょっと待ってね。えーっとまず、カーボン紙ではない、変な仕掛けはついてない、変な書類も入ってない、契約内容に重い内容は入ってない、魔術的反応もなしオールグリーン」
「ちょっと、たかが紙一枚に厳重過ぎない?」
「戦場では油断した奴から死ぬんだよ」
「何で今そんな話が出るのよ…」
「うん、じゃサインしちゃおうか……はい!これでOKかな」
「…よろしいでしょう」
ジャンヌオルタは満足そうにうなずいた。
「せっかく外に出たんだしカルデア案内しようか?」
「いや、いいわ。なんかあったら自分で探すから」
「でも戦場は良く知っておいた方がいいでしょ?」
「え?今戦場って言った?ねぇ?」
返事をせずに歩き始める俺を、元来根が良い彼女は慌てて追いかけ、その数時間後彼女は、自分のマスターが言ったことの意味を知るのだった。
FGO作品20作目……20!?
ここまで続けられたのは驚きです
皆様ありがとうございます
では拙き作品ですが宜しくお願いいたします