人を弄るのが好きなマスターの話   作:あまいろ+

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捜査するって話

 

「カルデアの風紀が乱れています!」

 

「え?うん」

 

現在お昼の1時。カルデア内での食堂。

 

立香は午前の仕事が終わったため食堂で昼食を取っていた。

 

立香の頼んでいたカレーうどんを半分まで食べ終わったところで、源氏の棟梁、源頼光(槍:第二再臨)が「ご禁制です!」と言いながら突然向かいのテーブルに現れたのだ。

 

「風紀が乱れているって…何があったの?」

 

「よく聞いてくれました!…最近カルデア内でいかがわしい物が横行している気がするのです」

 

「いかがわしいものって?」

 

「破廉恥な雑誌やら危険な物などと色々です。母はそのような物に子供たちが触れ悪影響をになることを恐れているのです…」

 

あぁ確かに子供系サーヴァントが出入りする場所で博打していたバカ野郎もいたなぁ。

 

「なのでこれを機に、怪しい者には持ち物検査を行い、風紀を正していきたいのです!」

 

「で、それを手伝ってもらいたいと?」

 

「ええ、一緒に風紀を乱している輩を取り押さえましょう!」

 

「まぁ手伝うのはいいけど、風紀を乱している奴ねぇ…」

 

「はい!」

 

「頼光さん手出して」

 

「はい?」

 

頼光は立夏の言葉を疑わず両手を立夏に差し出す。

 

「はい、逮捕」

 

そして立夏は差し出された両手の手首を自分の両手でつかんで言った。

 

「…立夏?何を冗談を」

 

「いや…頼光さんが風紀を乱しているから…」

 

『言った!?ついに言いやがった!?』『誰もが言いたくても言えなかった事を!?』

 

静かにどよめく食堂の様子に頼光も慌て始める。

 

「は、母のどこが風紀を乱しているというのですか!?」

 

「どこがっていうか…」

 

「どこですか!?ハッキリと言ってください!」

 

「もう公式が風紀を乱してるって書いちゃってるっていうか…」

 

「公式が!?」

 

「……見る?」

 

「見ます!どこに書いてあるんですか!」

 

「…コレ」

 

立夏は持ち運び用の端末を頼光に渡し、マテリアルの項目を見せる。

 

『自分が一番風紀を乱してしまうという事態を引き起こす』(絆レベル2から一部抜粋)

 

「………」

 

「………」

 

「第3再臨では~って書いてあるけど、なんかほとんどのマテリアルで頼光はエッチだ!みたいな感じで書かれているから…」

 

「……立香」

 

「…はい」

 

「母は急用ができたので、持ち物検査の件任せてもいいですか?」

 

「あ、得意技ですね。わかりました」

 

「はい。母は運営に討ち入りに行ってまいります」

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

「ではこれから作戦を説明する」

 

「いいよ!おかあさん!」

 

「警察ごっこね!楽しみだわ!」

 

「わかったわマスター」

 

「まず部屋に突入したら、ジャックとナーサリーは被疑者のボディチェック。アビーは俺と部屋に違法な物を隠してないか探してくれ。証拠品を見つけたら素早く押収しろ」

 

「「「了解!」」」

 

「一応これを渡しておく」

 

「おかあさんこれは?」

 

「スモークグレネードだ。必要になったら使え」

 

「わかったわ!」

 

「…あの先輩」

 

「どうしたのマシュ?」

 

「持ち物検査ですよね?」

 

「それ以外の何に見えるのさ」

 

「特殊部隊の突入作戦にしか見えないです!」

 

「似たようなものだ」

 

「まったく違いますよ…」

 

「ちなみにマシュはみんなの補佐をよろしく。作戦はこんなもんでいいか。そうだな、後はコードネームでも決めるか」

 

「「「コードネーム!」」」

 

おぉ子供たちが目をキラキラさせてるよ。こういうの子供好きだよね。俺も好き。

 

「何にするか…じゃぁ俺からRabbit1、2、3と…」

 

「先輩、それはダメです。何かとは言えませんがダメです」

 

「じゃぁFox…」

 

「同じじゃないですか!」

 

「早く実装してくれ…」

 

「それは星の付く会社に言ってください…」

 

結局コードネームは2時間の白熱した話し合いが続いたが、決まらなかったのでいつもの呼び方で作戦を実行することとなった。

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

「クク…これは使えそうだ」

 

自分以外いない部屋で、彼、新宿のアーチャーこと、ジェームズ・モリアーティはデスクに向かい、今日も邪悪な計画にいそしんでいた。

 

「ホームズめ…次こそアイツが焦る様を見てやるネ」

 

フッフッフとあくどい笑みを浮かべていると、

 

「カルデア警察だ!!」ガン!

 

「ちょっ何事かネ!?」

 

突然ドアを蹴破りカルデア警察こと立香達が現れた。

 

「ジャック、ナーサリー、ボディチェック!」

 

「任せて!」「わかったわ!」バンバンバンバンバンバン!!!!!

 

「痛い痛い痛いヨ!?ボディチェックするにしてももっと優しくしてくれ!」

 

「俺はこっちの棚調べるから、アビーはあっちの棚を!」

 

「了解したわ!」

 

「あんまり乱暴にあさらないで!?何なのマジで!?」

 

「マスター!こっちの棚から怪しい紙袋が!?」

 

「よくやったアビー!手袋をつけて中身を確認するんだ!」

 

「あ、それはこないだ医務室で貰ったやつだネ…」

 

「な、中から白い粉が!?」

 

「腰の痛み止めだヨ!?」

 

「違法薬物かもしれないな…。マシュ、検査キットを」

 

「痛み止めだって言ってるでしょ!?信じておくれよマスター!?」

 

「痛み止めって見せかけて、どこでヤクやってるかわかんねぇからな…」

 

「薬中クソ探偵と一緒にしないでくれたまえ!?」

 

「反応なしです先輩」

 

「そうか、じゃぁしょっぴくか」

 

「なにがじゃぁなのかネ!?冤罪だヨ!?」

 

「いやだって、なんかしてるでしょ?」

 

「してないヨ!」

 

「はぁ…じゃぁ満足したから帰るか…」

 

「結局何しにきたノ!?」

 

「実は最近カルデア内で風紀が乱れていると頼光さんが…」

 

「ああそういうことね。まったく彼女も人騒がせだヨ」

 

「じゃあね教授」「失礼しました」

 

「「「バイバーイ」」」

 

「またネ。…にしても随分とあっさり帰るんだネ。さて、嵐も過ぎ去ったことだし、計画の続きでも…。アレ…ナイ!?他にもあった計画書や必要な道具がない!?」

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

「おかあさん!怪しいもの全部こっそり回収しておいたよ!」

 

「凄いなぁジャックの気配遮断は」

 

「マスターもおじ様の気のそらせ方が上手だったわ!」

 

「ありがとうナーサリー」

 

「続いてはアタランテオルタさんですか?」

 

「そうだね、あんまり関係はなさそうだけどね」

 

「アタランテは遊んでくれるから好きよ!」

 

「子供組はよく一緒に遊んでいるもんね」

 

「子供が好きな方ですからね」

 

「じゃぁ今度もフォーメーションKで」

 

「「「了解!!!」」」

 

「今回もそのやり方で行くんですか!?」

 

「行く」

 

「今回は流石に失礼なんじゃ…」

 

「むしろ喜ぶと思うけどね」

 

「そうですかね?」

 

「でも確かに今回は少し穏便に行くか」

 

「それがいいと思います」

 

「よし、じゃぁ行くぞ!準備はいいか!?」

 

「「「OK!」」」

 

 

「カルデア警察だ!」ガン!

 

「先輩!穏便って言葉忘れてます!!」

 

「おお!!びっくりした…。そなたらか」

 

「ジャック、ナーサリー、ボディチェック!」

 

「「了解!」」バンバンバンバンバン!!!!!

 

「はっはっはっ!じゃれるなじゃれるな」

 

「ほ…本当に喜んでる…」

 

「マシュもしかして引いてる?」

 

「マスター、こっちは一通り確認したけれど、怪しいものはなかったわ」

 

「ん?そっか。ありがとうアビー」

 

「アタランテさんですから、子供に危ないものは持ってませんね」

 

「念のための調査みたいなもんだしね」

 

「ねぇおかあさん」

 

「どうしたのジャック?」

 

「アタランテ動かなくなっちゃった」

 

「え?」

 

ジャックの言葉に全員がアタランテオルタに視線を向ける。

 

するとそこには床に突っ伏し動かなくなったアタランテオルタがいた。

 

「突然倒れて…」アサシン

 

「ボディチェックしてたら動かなくなってしまったの…」キャスター

 

「………(チーン)」バーサーカー

 

「Oh…クラス相性……」

 

敵にダメージを与えやすく、()()()()()バーサーカーのクラスであるアタランテオルタ。

 

ジャックとナーサリーの猛攻(ボディチェック)に耐えきれなくなったのだろう。

 

「先輩!アタランテさんからだんだんと光の粒子が!?」

 

「ヤバイヤバイ!令呪を1画使って……」

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

「危なかった…」

 

あの後アタランテオルタは令呪を使って無事に回復。

 

その後念のためにと、医務室に運ばれていった。

 

子供たちに不安を与えないためか、はたまた子供たちと遊べて嬉しかったのか、終始笑顔を浮かべていたがとにかくよかった。

 

「とにかく次だな」

 

「先輩…まだ続けるんですか?」

 

「次で最後かな」

 

「私たちはアタランテオルタさんを失っているんですよ!」

 

「そうよ!私たちアタランテが亡くなって悲しいわ!」

 

「まだ死んでないからね?わかったよ、次は本当に穏便に行くよ」

 

「本当に穏便にですよ?」

 

「わかったって。えっと最後は…」

 

最後は…うぉ!まじか!

 

「ランスロットか…」

 

「早く行きましょうか先輩。部屋にあるものを一切合切押収してやりましょう」

 

「差し押さえじゃねぇか。大丈夫私怨入ってない?あといつ武装したの?」

 

先ほどの態度はどこに行ったのか、今のマシュはいつの間にか私服から鎧に代わり、盾をもって殺る気に満ちている。

 

「ジャックさん、ナーサリーさん、これから本物のボディチェックを見せてあげます」

 

 

ドォーン!!!

 

「とぉわ!?」

 

「マシュ、穏便って言葉知ってる?」

 

「これが私の穏便です」

 

盾でドアを破壊し突入すること、穏便とは言わない。

 

「マシュとマスターでしたか…。これはどのような事態で…?」

 

「あぁ…あるサーヴァントが最近風紀が乱れてるって言っててね」

 

「そういうことでしたか(スパーーーン!)マシュ、人が話しているときに、後ろから勢いよく叩くのを止めなさい」

 

「で、今抜き打ちで何人かのサーヴァントがの持ち物検査を行ってるんだよね」

 

「遠慮せずにご自由に見て行ってください。マスターに見られて恥ずべきことなどありませ(ガッ!ガッ!)マシュ、人が話しているときに、軸足を的確に蹴り抜くのは止めなさい。」

 

「じゃぁちょっと見せてもらうけど…」

 

「どうぞどうぞ(グイグイ)マシュ、人が話しているときに、盾で壁際に押し込むのは止めなさい」

 

相変わらず親子仲は上手くいっていないようだ。

 

 

ランスロットからは特に変わったものは出なかったので早々に切り上げた。

 

調査している最中、マシュはずっとランスロットを部屋の隅に押し込んでいたが、無事に調査完了だ。

 

「ジャック、ナーサリー、アビー、今日は手伝ってくれてありがとう。助かったよ」

 

「また遊ぼうねおかあさん!」「今日は楽しかったわ!」「また私を頼ってね」

 

そう彼女達は返事するとどこかに遊びに行った。

 

「えーっとマシュ…はどうだった?今回の持ち物調査は?」

 

「そうですね……とっても満足しました!」

 

そうしてマシュは今日1番の笑顔を見せた。




FGO作品24作目
これが正真正銘…最後のFGO作品のストックだ…
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