人を弄るのが好きなマスターの話   作:あまいろ+

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お泊まり会(パジャマパーリー)な話 Part1

 

「マスターくん、ちょっといいかな?」

 

「どうしたんですか?」

 

カルデアの廊下を歩いていると、ふいに天才ことダヴィンチちゃんに声を掛けられた。

 

「実は君の部屋なんだが……」

 

「?」

 

「爆発した」

 

「展開早くない?」

 

「いや、もう慣れっこだろう?あんまり話が長くなるのもあれだしね」

 

「せめて心の準備をしたかったよ」

 

流石は人類最後のマスター藤丸立夏。

 

どんな状況でも冷静である……わけではない。

 

「8日連続かぁ……」

 

カルデア内で争い事は日常茶飯事である。

 

やれ直流と交流どちらがいいとか、溶岩水泳部+αによるマスター争奪戦とか、ぐだぐだメンバーのいざこざとか様々である。

 

そういった争いをシミュレーションルームでやってくれればいいのだが、いかんせんほとんどの英霊が己の武で功績を成し遂げた血気盛んな英雄達だ。

 

するとどうなるか?

 

正解は部屋がなくなる。

 

とりあえずダヴィンチちゃんと優秀なキャスター達に修理を手伝って貰っているしだいだ。

 

「それで原因は?」

 

一応マスターとして、原因の理解とお仕置きをしなくてはならない。

 

ほんの一例ではあるが、

 

軽度の罰は口頭による注意と周回への強制連行。

 

中度の罰はスパルタクスによる愛の抱擁。

 

重度の罰はフェルグスによる愛の(意味深)抱擁(男性のみ)。

 

となっている。

 

「それで原因なんだけど……」

 

とダヴィンチちゃんは言いづらそうにこたえた。

 

「なんか爆発した」

 

「What's?」

 

「なんか、爆発した」

 

「そっか……」

 

あの天才ですらわからないのだ。そっかとしか言うしかない。

 

ちくしょう

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

『寝泊まりするところがないと困るだろう?君のサーヴァント達に数日泊まれるか話してみてはどうだい?なぁに君の頼みなら喜んでこたえてくれるさ!……別に私のところにきてもいいんだぜ?』

 

『今回の選考についてですが、チームで慎重に検討した結果、ご希望に添いかねることとなりました。大変恐縮ですが、どうかご理解頂けるようによろしくお願い致します』

 

『なんで企業のお祈りメールみたいに言うんだい?』

 

ということになった。

 

「やっぱりどうせ泊まるなら娯楽があるところがいいよね」

 

そう言いながら、目的の部屋をノックする。

 

「おっきーいるー?」

 

目的の部屋の主は白鷺城、今では姫路城と呼ばれている城を根城にしていたベテラン妖怪、刑部姫である。

 

「合言葉は?」

 

はて?合言葉など決めた覚えがないが、ここで聞いてないよ、と言うほど遊び心がないわけじゃない。

 

ちょっとだけ付き合ってあげるか……

 

「合言葉はー?」

 

「はいはい、合言葉ね。合言葉は…」

 

『らせん階段』『カブト虫』『廃墟の街』『イチジクのタルト』『カブト虫』『ドロローサへの道』『カブト虫』『特異点』『ジョット』『天使』『紫陽花』『カブト虫』『特異点』『秘密の皇帝』

 

バンッ!!

 

「なんで一巡した世界を作ろうとしてるの!?」

 

「おぉ開いた」

 

どうやら合言葉は合っていたようだ。

 

「いや、間違ってるからね?」

 

「だって聞いてないもん」

 

「そ、そこは…おっきー可愛いとか、おっきー愛してるとか言うところでしょ…?」

 

「はっはっはっ、しゃらくせぇ」

 

「酷い!?」

 

 

 

 

「……それで今日はどうしたの?」

 

おっきーの質問を部屋に備え付けてある炬燵に入り、床に投げ捨ててあった妙に薄い本を読みながら答える。

 

「んー?なんか部屋が爆発した」

 

「また爆発したの?なんで?」

 

「こっちが聞きたいわ!なんで爆発してんだ!」

 

「ちょ!?姫にキレないでよ!?」

 

「今日泊めて!」

 

「だから何でキレてるの!?……え?泊めるの?まーちゃんを?無理無理!?

 

「無理なの?」

 

「いや無理じゃないけど!?ほら部屋散らかってるし!?」

 

「いつもでしょ?」

 

「そうだけど!?」

 

「大丈夫だよ、炬燵もあるし、漫画もいっぱいあるし」

 

「そういう問題じゃない!だってほら男女で2人きりになっちゃうでしょ!」

 

「……そっか、おっきーはそんなに俺と居たくないんだね」

 

「あっ……そうじゃないの…ただ恥ずかしかっただけで……」

 

「いいよ、気にしないで…別の人のところに行くね」

 

「まーちゃん!!」

 

「そして、明日からキャストリアと陳宮の編成におっきーを入れて周回します」

 

「脅迫じゃん!?」

 

「さぁ俺を炬燵に泊めるか、明日綺麗な花火になるか」

 

「外に出るのも嫌だし、花火になるのも嫌!まーちゃん姫をいじめて楽しい!?」

 

「刑部姫」

 

「なっ、なによ…」

 

「俺は刑部姫、君のことは嫌いじゃないよ」

 

「そう…なの?そっか…///」

 

「そうだよ、俺がなんでこんなことをするかだったね。そうこれは、おばあちゃんが言っていた…」

 

「おばあちゃんが?」

 

「人の嫌がることは進んでしなさいと」

 

「それ絶対意味違う!!」

 

「さぁ選びなさい、炬燵の領土を今日1日占拠されるか、明日から必要な犠牲になるか」

 

「そんなに炬燵気に入ったの?」

 

「日本人だからね」

 

「もう……ちゃんと頼んでくれれば姫だって断ったりしないわよ……私だってまーちゃんと居れるのは嬉しいし……」

 

「おっきー……」

 

「……///」

 

 

 

 

 

 

 

 

「しゃらくせぇ」

 

「酷い!!!???」




FGO作品7作目
Part2はいつ出るのか…
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