ブルアカF   作:あまいろ+

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狐と調査

「先生、今日もお疲れ様です!」

 

「お疲れ様アロナ。アロナも手伝ってくれてありがとう」

 

「ふふん!もっと頼ってもいいんですよ!」

 

業務も終わり、日付をまたいだ頃。

 

私はようやく終わった書類の束を、デスクの端によけて一息ついた。

 

普段はありがたいことに、FOX小隊の誰かや当番の生徒が手伝ってくれるが、今日は予定外の仕事が多く舞い込んで来たため、通常の業務を後回しにしていたのだ。

 

当番の生徒はもちろん、シャーレに住込みで私の警護をしてくれるFOX小隊を、こんな夜遅くまで付き合わせるわけにはいかないので、一人で仕事をこなすことにした。

 

幸いシッテムの箱のOSである、アロナとプラナが手伝ってくれたおかげで、こんな早い時間で仕事を終えることができた。

 

「今日の報酬はイチゴミルクでいいですよ!」

 

「はいはい、あとで買ってあげるね。あれ?プラナちゃんは?」

 

「プラナちゃんは今向こうで別の作業をしていますよ。メンテナンスの準備でしょうか?」

 

「あぁ19時までのやつね」

 

その後も仕事が終えた余韻で、アロナとなんてことない雑談を続ける。

 

そんな彼女と話しているとふと頭に疑問が浮かんだ。

 

「そういえば…アロナやプラナの声って私以外には聞こえないんだよね」

 

「そうですね、私たちの声は先生…シッテムの箱の所持者以外には聞こえません」

 

「へ~、なんで聞こえないの?」

 

「一番の理由は機密保持の為ですね。いろんな所にアクセスしたり、動かしたりとやりようによってはいろいろなことができる私たちですが、それと同時に誰にでも使えてしまっては混乱を招いてしまうのです。なのでシッテムの箱所持者の人にのみ、認識できるようにしてなるべく私たちの存在を知らせないようにするんです」

 

確かに、と改めて理由を聞き納得する。

 

高性能の一言では到底表せないぐらい有能なシッテムの箱。

 

そんなものが誰にでもほいほいと使えてしまっては、世が世なら血が流れてでも欲しい代物だ。

 

アロナの声が周りに聞こえないのは、そんなシッテムの箱の秘匿性を守る手段の一つなのだろう。

 

ほえーっと関心していると、画面の向こうのアロナが何やら思いついたような顔をする。

 

するとアロナはこちらに指をピっとさして言った。

 

「だから先生も私たちがシッテムのメインOSだってバラしちゃダメですよ!」

 

「言わないって…」

 

「もしバレたら先生はオコジョになっちゃいますからね!」

 

「え?ネギまと同じ設定なの?流石に嘘だよね?」

 

いたずら好きの彼女のことだ。冗談だろうと思っていると、奥から工具類を持ったプラナちゃんが現れた。

 

「何が嘘なのですか…?」

 

「プラナちゃん、実は---」

 

「先輩、それは…」

 

「プラナちゃんちょっといいですか!」

 

プラナちゃんにもろもろを説明し、答えを聞こうとするとアロナがプラナちゃんの腕をつかんで教室の隅に行ってしまった。

 

 

『…何ですか先輩。それよりも今の冗談は』

 

『い、いいじゃないですか!実際私たちの存在をあんまり他の生徒さんにバレるとよくないんです!』

 

『それはそうですが…。ですが特に私たちの存在を知られても特にシッテムの箱の所持者にはペナルティはないはずですが』

 

『そうですけど…でもこれで私たちと先生は秘密の関係になることができるんですよ!』

 

『…秘密の関係』

 

『はい!秘密を共有し合う大人の関係になるというわけです!先生と秘密の関係…憧れませんかプラナちゃん!』

 

 

アロナとプラナが教室の隅で話し合っているのを手持無沙汰で眺めていると、どうやら話し合いが解決したようでとてとてとこちらに近づいてきた。

 

「ただいま戻りました!」

 

「おーおかえり。で、どうなの?」

 

笑顔で戻ってきたアロナと、心なしか顔を赤らめたプラナに、さっき聞いた答えを再びたずねてみる。

 

「はい、先輩が言っていたことは本当です。シッテムの箱の所持者以外にメインOSである私たちの存在がバレてしまうと、先生の頭蓋が爆発します」

 

「さっきと言ってること違ってるんだけど…。GANTZの設定とも同じなの?」

 

明らかに嘘っぽい。でも、

 

「プラナちゃんが言うなら本当か」

 

「何で私の時は疑うんですか!?と、ともかく!これは私たちだけの秘密ですからね!!」

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

「先生がおかしい…」

 

「「「………???」」」

 

FOX小隊定例会議。

 

今ではシャーレの一室を借りて行い、任務の状況や反省を皆で話し合い、改善を目的とした会議だ。

 

いつもなら初めに各隊員の成果を報告しあうが、私はそんな過程を吹っ飛ばして、議題を投げ入れる。

 

「何がおかしいのよニコ。先生がおかしいのはいつものことでしょ?」

 

私の議題にクルミちゃんは何事もないように返答を返す。

 

その返答にオトギちゃんは苦笑いをしていて、ユキノちゃんは無言で私に続きを促してくる。

 

「昨日先生が誰もいない部屋で、誰かと話している所を目撃しちゃったの…」

 

昨晩徹夜で仕事を頑張る先生の為に、夜食を持っていく最中。

 

執務室の前で扉をノックしようとした時、執務室の中から楽しそうな談笑のような声が聞こえた。

 

慌てて耳を扉に近づけ聞き耳をたてても、先生の声は聞こえるが、いるはずの相手の声が聞こえなかったのだ。

 

「誰かと電話中だったんじゃないの~?」

 

「いや、全部はっきり聞こえたわけじゃないけど、雰囲気的に誰かが目の前にいるような話し方だったわ」

 

オトギちゃんの疑問に私はすぐさま否定する。

 

否定されたオトギちゃんは、うーんと唸って別の可能性を考え始める。

 

「つまり誰か見えない相手と話してたってことかしら?」

 

「え~?嫌だなぁ。シャーレってお化けとか出るの?」

 

「もしもの話よ、もしものね」

 

相手の姿もわからないまま煮詰まっていると、ずっと静かだったユキノちゃんが口を開いた

 

「名前…、先生はその人の名前は言ってなかったのか?」

 

「それはそうね。聞こえなかったのニコ?」

 

「えっと…確か名前は…」

 

壁越しではっきりしない声とはいえ、それなりの声量で話していた先生。

 

何度かその人の名前らしきものを呼んでいた気がする。

 

名前は……、

 

「…アロナ」

 

「アロナ……あのアロナか?」

 

「ユキノ知ってるの?」

 

「ああ、前にそれこそニコと同じように、部屋で同じように一人でいる先生を見つけたから声をかけようとしたら」

 

『アロナァァァァァアアァァア許さんぞ!!土壇場の土壇場で最低保証なんて出しやがってぇぇぇぇぇええええええ!!!』

 

「……と言ってむせび泣いていたのを見たことあったから」

 

「……先生(それ)、どうしたの?」

 

「怖かったからそっとしておいた」

 

「私でもそうするわ」

 

やっとわかった相手の影。

 

それをもとに私は推理をする。

 

先生 夜間 最低保証 アロナ お稲荷さん 見えない人物

 

「つまり……浮気!?」

 

「あんたのすぐ浮気を疑う癖本っ当にどうにかした方がいいわよ?」

 

「どんな推理したらその結果を導き出せるの?」

 

「大人しくネクストコナンズヒントを待ったらどうだ?」

 

仲間からたとえボロカスに言われようが私はめげない!

 

「FOX小隊、出撃!」

 

我らFOX小隊。邪魔するもの(先生のプライバシーとか含む)を無視して任務を遂行するために今、戦うのだ!!

 

「で、どうすんのユキノ?」

 

「実際私たちの知らないうちに、誰か入り込んでいる可能性もあるからな。正体を知っておくに、こしたことはないだろう」

 

「じゃぁ任務開始か~」

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

「それは浮気ですね」

 

定例会議後、私たちは二手に分かれて調査することにした。ユキノとオトギは隠れて先生の動向を観察、私とニコは先生の謎の行動を、他の生徒も知っていないかの聞き込みを開始した。

 

まず訪れたのは私たちに最も関係のある子ウサギ公園だ。

 

ここには公園を占拠している、可愛い後輩たちがいる。

 

公園での施設だけでは生活に不便があるため、よくRabbit小隊の隊員たちはシャワーや洗濯などで頻繁にシャーレを訪れている。

 

そのため先生と関わる機会が多いので、何か知っていないかと考えたのだ。

 

そして子ウサギ公園にいた後輩にもろもろを話、月雪ミヤコから出た結論が浮気である。

 

「なわけないでしょ馬鹿」

 

「ミヤコ、お前先生とそんな関係じゃないだろ」

 

私が呆れてため息をつくそばで、空井サキも同じように呆れたように言う。

 

私の横では自分の意見の賛同者が現れたためか、ニコが『ほらごらん?』の表情でこちらを見てくる。

 

確か副小隊長っても殴ってよかったかしら…。

 

「にしても先生の異変か…、私は見たことないな。先輩たちの力になれなくてすまない」

 

「謝らないでサキちゃん。私たちもまだ手当たり次第で調べてるだけだから」

 

「私もわかりません……。私以外の女の影は大体わかるのですが」

 

「何でそっちの方がわかるのよ」

 

「あはは…ごめんね時間とっちゃって?」

 

Rabbit小隊の他の隊員は不在。子ウサギ公園での収穫を諦めようとしたところ。

 

「待ってください先輩方。ここは私に任せてください」

 

「どうしたのあんた?」

 

「皆さん私の特技を知っていますね?」

 

「突飛な妄想?」

 

「卑しい行動?」

 

「弁当の値切り?」

 

「潜入、です」

 

「「「初めて聞いた」」」

 

「Rabbit小隊のモットーは即行動。なので私がこれからシャーレに潜入して先生の秘密を暴いてきます!」

 

そう言うとミヤコは装備を携え、シャーレへと走り去ってしまった。

 

「行っちゃったな…」

 

「何が行っちゃったの……?」

 

「うお!?ミユ帰ってたのか!?」

 

「うん…ただいま。あ、先輩たち来てたんだ…」

 

「丁度良かったわミユ。最近先生に変わったことあった?」

 

「えっと…変わったこと…とくには。あ、でもこないだシャワー上がりに先生に髪をブラッシングしてもらったんですけど…その時すごく疲れた声で…」

 

『ミユはいいなぁ……配布だし……』

 

「って言ってました…」

 

「それは別の闇を抱えてそうね…」

 

~~~♪

 

ミユの話を聞いているとその時、サキの携帯から着信の音声が鳴った。

 

「ん、誰からだ?先生!?」

 

意図しないターゲットからの着信。

 

思わず全員身を構えてしまう。

 

「もしもし、先生か?」

 

『あ、サキよかった出てくれて。今さミヤコが突然来てさ』

 

「あ、ああミヤコがどうしたんだ?」

 

『すごい勢いで婚姻届けを押し付けてくるんだけど』

 

「はぁ!?」

 

『大丈夫です先生。名前を半分くれるだけでいいんです。ほらペンと実印も用意してますよ』

 

『くれるっていうか奪ってくる勢いじゃん!?湯屋で働かせる気か!?』

 

『いいですね将来は二人で旅館でも営みましょうか?そのために早くこの書類に署名と捺印をしてください』

 

『ちょっ!?勢い良すぎて壁際まで追いつめられる!?』

 

「………先生の状況はわかった。今行くからその馬鹿を止めておいてくれ」

 

 

「Rabbit1、ただいま戻りました」

 

サキがミヤコをシャーレから連れて帰って来た。

 

ミヤコはいつものようなポーカーフェイスだが、頭にはでかいたんこぶができており、若干涙目であった。

 

「ミヤコちゃん何しに行ったのか覚えてる?」

 

「まったくだ…婚姻届けを渡して何がわかるつもりだったんだ?」

 

ニコとサキにに問い詰められられると、ミヤコはなんでもなさそうに答えた。

 

「?いえ……ただ婚姻届けを渡したかっただけですが」

 

「うわ…!?ゾっとした…。本当の狂人ってこんな身近のいるのね…」

 

「何でこんな澄んだ目で狂った行動できるの?」

 

「私のコンビニ弁当に変な薬入れてないよな?入れるなら自分の弁当にだけにしてくれよ?」

 

「魑魅魍魎の類…」

 

「薬物検査を推奨するレベル」

 

「指定管理害獣に追加するべき」

 

「本能で動く獣」

 

「卑しさが服を着て喋ってる…」

 

「なんっで…そこまで…いうんですかぁ…」ボロボロ

 

「泣いている所悪いけど10:0であんたが悪いわよ」

 

反省するそぶりを見せない彼女に、皆思い思いの罵倒を浴びせる。

 

罵倒によって泣いてしまったが流石に擁護できない。

 

「ミヤコちゃん…」

 

「ミユ…」

 

「泣き止んで…、ミヤコちゃんが泣いているところ…見たくないよ…」

 

「ミユ……。いや、あなたも言ってましたよね…?」

 

「ミヤコちゃん…」

 

「はい…なんでしょうか…?」

 

「ただいま…」

 

「…絶対に今言うことでないと思います。………おかえりなさい」

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

同日。

 

シャーレ向かいの建物の屋上で私は自分の愛銃の準備をする。

 

ニコとクルミは情報収集の為に聞き込み。

 

私とユキノはシャーレの執務室が見やすい場所に移動して直接先生の動向を探るための監視だ。

 

「いや~まさか私がこっち側になるとはなぁ」

 

以前は自発的なアルソックの連中にいろいろと言っていたが、任務のためとはいえ自分が先生を見張る立場になるなんて思わなかった。

 

しかし任務は任務。自分に任務のためだからしょうがないと言い聞かす。

 

そうして最後にスコープの倍率を調整し準備完了。

 

「FOX1、そっちの準備終わった?」

 

「ああ、こっちも完了した」

 

私が振り返りユキノの方を見ると、ユキノも双眼鏡を片手に準備を終えていた。

 

「早速任務に取り掛かるか」

 

「うん、そうだね」

 

ユキノの言葉に頷き、二人で先生の様子を監視する。

 

先生はいつものように執務室で書類の塔と格闘していた。

 

「いつも思うがやはりシャーレの仕事量は異常じゃないか…?」

 

「ギヴォトス中の学校の書類が集まるからね…」

 

先生の日ごろの苦労を思いながら監視を続けていると、後ろから、

 

「もし」

 

と声をかけられる。

 

急な後ろからの声掛けに、警戒して後ろを振り返るとそこには狐面の少女。

 

「災厄の狐……!?」

 

「おや…?わたくしのことを知っている方でしたか?」

 

「ずいぶんなご挨拶だね…」

 

私たちとは初対面のようにふるまうが、ある意味間違えではない。

 

多分当の本人はFOX小隊に捕まえられたことなど、もう忘れているのだ。

 

「それで何の用だ…!?」

 

「何の用…とは、面白いことをおっしゃいますねぇ。ただわたくしは伝えに来ただけです」

 

「伝えに来ただと?」

 

「そうです。ここのルールを」

 

「何を言ってるのかな…?」

 

当然の疑問をぶつけると、災厄の狐はスッと腕をあげ、このビルよりもっと遠くのビル、よりシャーレから離れたビルを指さす。

 

「新人はもっと後ろでしょう?」

 

「本当に何を言っているのかな…?」

 

「あなた方説明聞いてなかったのですか?」

 

そう言うと災厄の狐は小さくため息をつきながら、手を叩いて音を鳴らす。

 

「どうしたんですかワカモさん?」

 

「何かご用命ですかワカモ殿!」

 

その音に反応して現れたのは望遠鏡を担いだ少女と忍者の姿をした少女だった。

 

突然の来訪者にユキノは驚いていたけど私は驚かない。ほとんど気配もなく現れたけど私は驚かない!

 

「誰ですか?こちらの生徒に説明した方は?」

 

「こちらの…?新人さんですか?」

 

「すみません…イズナもよく」

 

「ではまだフリーの新入生というわけですねぇ。そしたらノドカさん、この方々に説明をお願いしてもよろしいでしょうか?」

 

「はいお任せください!」

 

以外にも統率のとれた動きに面を食らっていると、さっきの望遠鏡を担いだ少女がこちらに近づいてきた。

 

「えへへ、まずは先生見守委員会へようこそ!歓迎いたします!」

 

それってストーカーでは?という言葉をグッと抑える。

 

ついでにユキノがボソっと「そんな委員会があるのか」という言葉に突っ込みたい気持ちもグッと抑える。

 

あるわけないだろ!!!

 

「ここでは日々先生の暮らしの安全を見守り、時には陰ながらサポートすることを目的に設立された委員会です。まぁシャーレの当番制みたいなものですね」

 

「絶対違う」

 

我慢できずに声に出ちゃった。

 

「その他にもいざという時に先生をお守りできるように自己研鑽に励んだりとか、先生に危機が迫らないようにスキルを磨くなんてこともしています」

 

すごい、はたから見るとちょっとしたスポコンだ。

 

「ここから大事な話です!まずは、お二人にこの会員証をお渡ししますね」

 

「え!?いや私たちまだ入るなんて……あの…」

 

まぶしい笑顔に断り切れず、つい会員証を受取ってしまう。銅色のカードだ。

 

「入ったばかりのあなた達は、最初はブロンズクラスからスタートです!立派な活動をしたり、成果をあげることによって、シルバー、ゴールド、プラチナへとランクアップしていきます!」

 

「ちなみにここにいるイズナさんはゴールドクラスでしてよ」

 

「えへへ…!」

 

紹介されて嬉しそうに照れる忍者少女。

 

「イズナさんはすごいんですよ!先生に仇名す敵を陰ながら暗殺…もといお掃除して、その功績を手に入れたんです!あ、そういう意味ではC&Cとも似た活動とも言えますね」

 

「さっきからいろんな所への激しい風量被害やめて?」

 

「ブロンズの時には厳しい規則もありますが…一緒にランクアップを目指しましょう!ランクアップすると嬉しい特典もありますよ!」

 

パチパチ パチパチ

 

「ノドカさん…いい説明でした…」

 

「ノドカ殿…」

 

「みなさん…」

 

ノドカの説明に感動して拍手する二人。

 

頭痛くなってきた。

 

「ふむ、郷に入っては郷に従え…」

 

「ユキノ?」

 

「私達もランクアップを目指そうオトギ」

 

「ごめん、頭痛くなってきたから早退していい?」

 

「ふふふっ元気があって結構。このプラチナクラスのわたくしのとこまで駆け上がってきなさい」

 

「待ってるんだな。すぐに超えて見せるさ…」

 

「いい新人が入ってきましたね…」

 

「成長が楽しみでござるな」

 

「そうゆう熱い流れは少年ジャンプでやってくれない?ここギヴォトスなんだよ?ゴッサムシティなんだよ?」

 

 

「ふむブロンズクラスは距離が決められているのか。やはり制約が多いな」

 

規則が書かれた紙を見ながらぶつぶつ言うユキノの後を、追いながら階段を上る。

 

どうやらブロンズクラスでは見守る際の距離が決められているようで、最初にいたビルでは規則違反になるらしい。

 

なので指示されたビルに二人で登っているのだが、

 

『向こうのビルにも、こないだ入ったばかりの新人さんがいるので仲良くしてくださいね!』

 

と、ゴールドクラスのノドカさんに言われたが、どんなトンチキな人なんだろうか?

 

ビルの屋上につき、扉を開くとノドカさんの言っていた通り先客の影。

 

一応の礼儀として近づき挨拶をしておく。

 

「活動中にすまない。本日からこの委員会に在籍することになったユキノとオトギだ。よろしく頼む」

 

「よろしく………」

 

「あら新人さん?こちらこそよろしく」

 

こちらに振り返った人物は、

 

「新人の空崎ヒナです」

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

二手に分かれて調査した結果、わかったことが二つ。

 

思った以上に自分たちの小隊長、小副隊長が役に立たないこと。

 

そしてもう一つ、もうめんどくさいから直接聞いた方が早いんじゃね?

 

ということだ。

 

この結論をオトギに話してみると、いつもは喧嘩し合ってる仲だが今回は即効で「私もそう思う」と同意を得た。

 

なので、その日 中に先生の所へ突撃し、今回の疑問を先生にぶつけたのだ。

 

「で?アロナって女はどこの女なのよ?」

 

「なにいきなり?浮気を問い詰める妻みたいな口調で?」

 

「もう浮気はいいわよ!もうおなかいっぱいなの!」

 

「爛れた発言…最近の学生ってこうなの?」

 

「そのまんまの意味じゃないと思うけどね。それより早く答えて先生?じゃないと先生の私物を会員達に売り飛ばすよ?」

 

「こっちはマルチっぽい…」

 

「最近あんたがよく一人で喋ってるって通報があったのよ」

 

「で、その人が聞いた女の名前がアロナ」

 

「証拠は上がってんのよ。早く答えなさい」

 

普段と違う私たちの態度に恐れつつも、眉根を寄せて口をつぐむ先生。

 

それに対して私たちは無言の圧力で早く言えとせかす。

 

するとチラッと傍らにあるシッテムの箱を見ると先生は口を開き始めた。

 

「実は…」

 

「実は??」

 

「私は邪神アロナを信じる『演出中にタスク全消去教』の教徒なんだ…」

 

「「あ?」」

 

「演出中の封筒が出る前に、タスクを全削除することによって星が出やすくなるんだ…」

 

「オトギ357の弾ある?」

 

「あるよー」

 

「それマグナムの弾だよね!?穴が空いちゃう!!尋問にしては威力が高すぎるよ!?」

 

「じゃあなに?アロナっていう神の声を聞いてたってこと?」

 

「いや邪神」

 

その瞬間まるで否定するかの用にシッテムの箱が震える。

 

「そうだ!このシッテムの箱で邪神アロナと交信ができるんだ!」

 

「交信?」

 

「そう、シッテムの箱の前でお供え物を供える。そして『セダデイテクカトイセンサシホヤチガプッアクッピ』と呪文を唱えると」

 

『………………』

 

「アロナ?アロナさん?何で返事してくれないの?」

 

『(邪神なんて言う先生のことなんて知りません!)』

 

「そんな嘘をつくなんてよっぽど後ろめたいことがあるのかしら、先生?」

 

「でもそんな隠されると意地でも聞きたくなっちゃうよね?」

 

「さて」「先生」

 

「ちょっとお時間いただくね?」

 

「……あめふるのかなぁ」

 

この後二人でねっちょりと尋問した。




ブルアカF作品6作目
待ちに待っての全員集合会
クリスマスから精神的になんか不調で色々と反応できませんでしたが、
やっと全快時の30%程回復しました
もっと癒しがほしい 癒しいっ…癒しいぃ~!って感じ
では拙き作品ですがよろしくお願いいたします
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