ブルアカF   作:あまいろ+

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狐とおねだり

「ねぇねぇ先生おねが~い!!」

 

ある日モモイと連れたって、家電量販店に出かけたところ。

 

ノンフライヤーの調理器具を小脇に抱えた私に、モモイがねだるような声でお願いしてきた。

 

「このゲームレアものなんだけどぉ…今手持ちが無くって~」

 

「手持ちって、それゲーム開発部で遊ぶんでしょ?予算で買いなよ」

 

「予算なんてもうないよ」

 

「早く帰ってゲーム開発してなさい」

 

「今、皆私のシナリオ待ちだから、私が作らない限り何もできないよ」

 

「早く帰ってゲーム開発にいそしみなさい。そんなんじゃユウ」

 

「もうユウカには怒られたよ」

 

「先回りの天才かな?」

 

モモイの目を見るとどこかを見つめるような、達観した目をしていた。

 

…いや何達観してんの。本当に帰ってゲーム作りなさい。

 

「だからゲーム買うお金がないの…」

 

「ゲーム買うっていうか、買ってもゲーム出来ないでしょ。ゲームしてる場合じゃないでしょ」

 

「違うの!!アイディアが出ないの!!だからこのゲームを買ってゲーム開発の参考にしたいの!!」

 

先生お願い!と手を合わせておねだりするモモイ。

 

「まったく…買ったら帰りなさいね?」

 

「いいの!?ありがとう先生!大好きーー!!」

 

喜びのあまり抱きついてくるモモイをなだめつつ、モモイの欲しかったゲームを手に持つ。

 

「しょうがないなぁ」

 

「帰ったらゲーム起動だー!」

 

「ちゃんと参考にするん……」

 

「どうしたの先生?」

 

「モモイ、楽しそうだね?シナリオはもう出来たんだよね?」

 

「……ユズ!?」

 

「モモイ…ゲームできるといいね!」

 

「やめて先生!フラグにか聞こえな…ユズ戻るから!戻るから引きずらないで!!あーーーー!!!」

 

グッバイモモイ。また会える日まで。

 

 

 

 

 

「………ふむ」

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

次の日、外回りの帰り道、今日の護衛を務めてくれたオトギと共にエンジェル24に立ち寄った。

 

半端な時間のせいか、客は私たちしかいなかったのでゆっくりと商品を吟味しながら買いたい物を籠に入れ、商品をレジに持っていく。

 

その時。

 

「せ~んせ♥私アレ食べたいなぁ~」

 

オトギが私の右腕に抱きつき、甘えるような声でおねだりしてきた。

 

「うおっ!急にどうしたのオトギ?」

 

「アレ新商品なんだって!私アレ気になるな~」

 

オトギが指さしたのはレジ横に、置いてあるホットスナック。

 

お店が売り出したいのか、ショーケースには新商品!!と大きく書いてあった。

 

「え~あともう少しでご飯じゃないの?」

 

「大丈夫だよ。きちんと食べれるから~。だからお願い~!それに…」

 

「それに?」

 

「ゲーム代よりは安いでしょ?」

 

「…見てたのオトギ?」

 

「見てたよ~。先生が猫耳を付けた小さい女の子におねだりされて、財布を開く姿」

 

「なんかやらしいように言わないの!てゆうかモモイのこと知ってるでしょ!?」

 

「ゲームよりも私のおねだりの方が安いでしょ~?おねが~い!」

 

おねだりしながら身体をグイグイと押し付けるオトギ。

 

「わかったわかった。も~買ってあげるから」

 

「きゃー!先生大好き~!」

 

「あ、ソラ。新商品のソレもよろしく」

 

「私はレジ前で何を見せられているんでしょうか?(わかりました。新商品のこちらが1点ですね)」

 

 

 

 

 

「………へぇ」

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

「先生、お願いがあるんだけどいいかしら?」

 

「なに、クルミ…?」

 

次の日、私がシャーレで仕事をしていると、突然クルミが正面から私の腰に手を回すように抱きついてきた。

 

とりあえず行き場のない私の手はクルミの頭を撫でておく。

 

「行きたいところがあるんだけど、私そこの生徒と面識なくて…一緒についてきてくれないかしら」

 

「お安い御用だよクルミ」

 

「本当?ありがとう先生…」

 

珍しくしおらしい姿のクルミはそう言って嬉しそうに顔をほころばせる。

 

それにしても、こんなにまで行きたいところってどこなのだろう?

 

そう考えていると、クルミは抱きつく腕の力を少し強める。

 

「それで、さ…先生も良かったら一緒に参加しない?よければでいいんだけど…」

 

「…そうだね。クルミからのお誘いだからね。私も参加しようかな」

 

「…そう!ふふっ楽しみになってきたわ」

 

「それで行きたいところってどこ?」

 

「それは………トレーニング部ってとこなんだけど」

 

「ごめんクルミ。この先予定が詰まってて行けそうにないわ」

 

普段からRabbit小隊の稽古やSRTの訓練、果てや私への筋トレの面倒など、自他ともにポイントマンとしての身体づくりに余念ないクルミ。

 

そんな彼女とトレーニング部が繋がったら大変なことになる。私が。

 

絶対にトレーニングさせられる!?

 

私は適当な理由をつけて逃げようとするが、クルミの腕の力は抜けない。

 

「バカね。なんで私が先生にこうして抱きついたと思ってんの?」

 

「……何でなの?」

 

「あんたを逃がさないためよ」

 

「クソっ!!罠だったか!!」

 

「ミレニアムで噂を聞いてからずっと気になっていたのよね。完走してみたいって」

 

「どんな噂を聞いたのか知らないけど、それを聞いて参加したいっていうクルミがナンバーワンだよ。ナンバーワンだから1人で行ってらっしゃい。紹介はしとくから」

 

「前に先生の面倒は私が見るって言ったでしょ。大丈夫、絶対に見捨てたりはしないわ」

 

「今回だけは捨てて行ってくれない?ポイ捨て感覚で路上に捨てていっていいから」

 

「こんなにお世話になったあんたを置いていけるわけないじゃない…。心配しないでどこまでも一緒よ」

 

「いや本当に置いていってくれていいから!?反抗期を迎えて親と旅行に行きたくない息子ぐらい置いていってくれていいから!!」

 

「そんな反抗的なこと言ってないで行くわよ!」

 

「助けてー!筋肉痛になるー!」

 

 

 

 

「………ほぅ」

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

「先生、少しいいでしょうか?」

 

「どうしたのユキノ?」

 

次の日。案の定筋肉痛動けなくなった私は、シャーレの仮眠室のベッドの上で横になっていた。

 

そんな様子の私をクルミが先ほどまで面倒見てくれたのだが、湿布など買いに行ってくると言って、その間ユキノと私の面倒を交代した。

 

そのユキノが今私の左腕の袖口を小さくつまみ、話し出した。

 

「先生に相談してから、カメラでいろんな物を撮りました。景色や、植物。FOX小隊の皆も快く写真を撮らせてくれました。」

 

「そっか。良かったね、楽しんでる?」

 

「はい。あたりまえの事ですが、自分の見た物を切り取り、見返すはとても楽しいです。今ではきちんと自分の趣味だといえるでしょう」

 

「悩んでたもんね。ユキノが喜んでくれたのなら、勧めてみたかいがあったよ」

 

「はい、ありがとうございます先生。……それでなのですが、お願いがあって…。今度またFOX小隊全員で記念写真を撮ることになったんです」

 

「おぉ全員仲いいね」

 

「そこでなのですが…その時には先生もご一緒にいかがでしょうか…というお願いで」

 

「いいね。ユキノたちが良かったら、その時はぜひ一緒に混ぜてもらおうかな」

 

「はい!一緒に撮りましょう。先生と、皆と一緒に撮れる日が楽しみです…」

 

そう言ってユキノは本当に嬉しそうな笑顔を見せた。

 

最近のユキノはシャーレに来た時よりもずっといい顔を見せてくれる。

 

私もカメラを持っていたら1枚撮ってみたいぐらいだ。

 

「あの、それで…小隊の皆を撮るために必要なものがあって…」

 

「必要なもの?」

 

「はい。あの…申し訳ないのですが…出来れば先生に都合してもらえたらと」

 

ユキノは携帯端末を動かしあるページを見せてくる。

 

カメラレンズ/ズームレンズ (108000円)

 

「ちょっ!?おねだりするにしてはマジのやつでは!?」

 

「お願いです!先生これを…どうにか!」

 

「おねだりでしていい範疇流石に超えてるよ!?」

 

「これで満足しますから!!」

 

「満足って何!?でいうかカメラに合わないんじゃない?買ってたのデジカメだったよね?ちょっと古いタイプの?」

 

「……」ドン

 

ユキノは懐からカメラを出して先生の傍らに置いた。

 

「ゴ…ゴツくなってる…」

 

ユキノが取り出したのはゴツい1眼レフカメラだった。

 

「もうこの子と、その付属品を買ったことで今月のお金がなくなってしまい…」

 

「まだ月半ばだけど大丈夫?」

 

あれでもこれ…。

 

「これレンズついてるよね?すこしいいやつ」

 

「そうなんです!しかし先ほどのやつならもっといい写真が撮れるんです!」

 

その後もユキノはカメラのレンズの違いについて語った。

 

これが…カメラ沼か……。

 

ユキノが趣味に夢中になっているのは嬉しいがなんか申し訳なくなった。

 

この先大変だろう。

 

「ふぅ…。これで先生にも魅力が伝わったはずでしょう。再度お願いなのですが先ほどのレンズを…」

 

「ダメ♪」

 

「なんでですか!?」

 

その後もクルミが帰ってくる間、延々とカメラ語りが続いた。

 

 

 

 

 

「………………」

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

次の日まだ筋肉痛が痛む中、シャーレで事務仕事に勤しむ。

 

パソコンにカタカタと打ち込んでいると、音もなく背後から誰かに抱きしめられた。

 

「ふ~…先生♥」

 

「びっくりした!…ニコ?」

 

「はい私ですよ先生♥」

 

突然現れたニコ。そんな彼女に耳を吹きかけられ驚く。

 

「どうしたのいきなり…」

 

「実は先生におねだりしにきちゃいました♥」

 

「おねだり?」

 

そう言うとニコは後ろからパサッっと、作業机の上にカタログのようなもの出し。

 

「私、これ欲しいな?先生♥」

 

そしてそのうちの1つを指さしながらおねだりを始めた。

 

「これ買ってくれたら私何でもしちゃいますよ?文字通り、な・ん・で・も♥」

 

ニコはさらにギュッと優しく私を抱きしめささやく。

 

「私にしたいことないんですか?あんなことや…こんなこととか…先生の想像してること私にぶつけていいんですよ?」

 

続けてニコは私の耳元に口を近づけ蠱惑的に誘う。

 

「ね?先生♥」

 

最後に私の顔を動かし頬をさすりながら、ジッと目を見つめた。

 

「お・ね・が・い♥」

 

魅力的な生徒からのおねだり。

 

何も考えずに従いそうになる甘い声に私は、

 

「ダメに決まってるでしょ」

 

と答えた。

 

「……………」

 

「……………」

 

「……………」

 

「ねぇ先生♥」

 

「ダメって言ったじゃん!?なんで続けたの!?」

 

「押せばいけるかなって…」

 

「いけねぇよ」

 

「何でですか!!こんなに可愛い生徒が頼んでるのに!!」

 

「ニコは可愛いけどねだってる物が可愛くないんだよ!自分で何をおねだりしたか言いなさい!今すぐ!」

 

「えーっと『厳選された機能満載!30馬力トラクター!』」

 

「値段も」

 

「………6412900円」

 

「よくこの値段でおねだりって言えたね?よくて恐喝だからね?」

 

「だってユキノちゃんがおねだりしてたから私もいけるかなって」

 

「ユキノのレンズも買ってないよ!?」

 

「でもどうするんですか!?先生が買ってくれないと…。もう畑も借りちゃってるんですよ!?」

 

「本当に何やってるの!?」

 

「Rabbit小隊の皆も畑を協力してくれるのに…」

 

「畑仕事に精を出すのもいいけど、SRTの復興は?」

 

「アツコちゃん経由でアリウススクワッドの子達も手伝ってくれるのに…!」

 

「思った以上に大がかりな計画だった!?」

 

「先生お願いします!!」

 

「頭下げてもダメ」

 

「オネシャース!!」

 

「急に野球部のノリ出すんじゃありません」

 

「先生酷い!じゃぁどうやって畑を耕せばいいんですか!?」

 

「手作業でやりなよ。なんか体力有り余ってそうだし」

 

「私を脳筋みたいに言わないでください!もう知りません先生のバカ!畑で作った作物あげませんからね!!」

 

「あ!こら逃げるな!話し終わってないぞ!」

 

 

 

 

 

「……………おねだりですか」

 

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

 

次の日

 

「先生、あなたのうさぎからのおねだりです。実印をください」

 

「うさぎには必要ないでしょミヤコ」

 

「では私としてならくれるんですね!?さあ!!」

 

「ダメ」

 




ブルアカF作品7作目
節目の1年
配信とかしたい、イベントに参加したいと何かと挑戦したい欲にあふれている!
ジェアッ!!
拙き作品ですがよろしくお願いいたします
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