〜ホロサマー・ザ・ナイト〜   作:坩堝の騎士王

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…【ブロードソード】…
【ホロアース】の騎士達の間ではありふれた獲物。
鋭利な銀の刃は【ホロアース】の脅威に対抗する為の手段のひとつだ。

【戦技・回転斬り】
体を捻り回転する事で遠心力の乗った強力な一撃を見舞う。
追加でもう1回回転して攻撃を加える。


〜この先絶望を焚べよ〜

 

クラス対抗戦一年の部の最中、[鳳・乱音]のISが黒泥の様に溶けて、()()()の様に変じるが、それを打ち砕いた鎧騎士……

省くが、更に現れた【白い人型】も倒してくれたということには感謝しているが、私達は、その兜の下を見てしまった時にどうしても確認したい事があったので、理事長室まで同行してもらうことにしたのだが、あっさりと向こうの承諾を得たことに驚いている。

 

「(まぁ、束と、つるんでいたのは以外だったが……だがあの薄紫のISを纏った者から感じた視線の正体は一体?……)

 

と思いながら、会議室に入室した私は驚愕した。なんと、先程の鎧騎士が兜を取った状態で束の奴と談笑しているではないか。その瞳は暗い青色の双眸と頬に大きな十字傷があったのが気になるが……

 

「(??…いかん、友人のありえない光景を脳が拒否しているな)」

 

「おっ!、やっほーちーちゃん、ほーきちゃん( *ˊᵕˋ)ノお久〜♪」

 

「失礼ですが、束博士。積もるお話は後でお願いします。……織斑先生…箒さんもこちらにおかけください。」

 

と、私達に声を掛けた壮年の男性の名は、[轡木重蔵]この学園の理事長であるが、表向きは彼の妻が務めている。何せ、男が上に立つなど言語道断と吐かす委員会共による茶々を入れられたくないと、彼自身が選択したのだ。そして会議が始まり、理事長は早速切り出した。

 

「ソレでは……なんと呼べばよろしいのでしょうか?」

 

『ふふ…さぁな?"バルグラム"か、"何某(ナニガシ)"とでもお好きな様に…』

 

「では、バルグラムさんとお呼び致します。早速ですが……我が学園の生徒及び、教員方の危機を救って頂き有難う御座います。それを踏まえてお話致しますが、貴方は一体何者ですか?織斑先生の表情から察するに、縁のあるものと察しますが、ご返答を……」

 

『……唯の"世捨て人"だよ…』

 

[轡木重蔵]の質問にバルグラムはただ一言、"世捨て人"だと答えた。

 

「なぁ…イチカ兄さん……話だけでも言ってあげたらどうだ?」

 

『……確かに、マドカの言う通りだな…そうだよ、爺さんの言う通り俺は、"織斑一夏"その人物さ…最も結構な用事(異物の破壊)があるから帰ってきただけ何だけどね?』

 

「(そうか……一夏……何だな……生きててくれたのか、良かった)」

 

「済まないが、一夏?……[異物]とは、どう云うモノなんだ?まさか"絶対天敵(イマージュ・オリジス)"という奴なのか?」

 

「織斑先生…先ずは、なにゆえ、"彼"が此処に居るのかを聞かなければなりません。宜しいですか?"バルグラム君"?」

 

 

 

 

そうして、イチカは、この世界から消えてからの事柄を話し始めた。

 

 

 

…[ホロアース]に初めて流れ着いた一夏は、それはもうパニックになっていた。唯、非常識には束さんのお陰で慣れっこだったので、それ程慌てなかった。

 

「いやぁ……最初はヤバかったなぁ…」

 

…狂ってるはずなのにこっちを見据えてぶっ殺しに来る騎士の大群…百鬼組(覚悟ガンギマリ)の鬼達…喋る白熊こと[雪民]…最後の天使と原初の龍王…精神的にくるタコ共(異星の眷属)…地球の生物を模しているのにやたらとクソ硬いゴーレムの群れ……壮絶にも程がある別れ…一夏は[ホロアース]での出来事を思い出してしんみりとしていた。

 

「…技術は(多少)あるけど、物資は無い仲間も居ない…武器は、使った事の無いブロードソードとバックラー位で……無い無い尽くしの中で出会ったのが…そういやあの時は…【ゆきのそら】なんて名乗ってたな……」

 

「…その、【ゆきのそら】と呼ぶ子が一夏の助けになってくれたのか?」

 

コクリと頷いた一夏は、とあるタリスマンを見つめ微笑んでいた。

 

「俺が自分の意思で選んだ、伴侶だ…最初から最後までやること全てを見守ってくれた。喧嘩もしたけどな…」

 

「中々、恵まれていたんだな…一夏…」

 

「一時期、火継ぎの火を継いだ時はマジで殺されると思った(-_-;)」

 

とあるループの時に、何をとち狂ったか火継ぎの王となった時、それを聞き付けた【ラプラス】が決起した【Hlox】のメンバー達から放たれた殺気には、全力で警鐘を鳴らすくらいにはヤバかったと苦笑する。

 

「其の、火継ぎの火というのは一体?」

 

「何と言うか…俺自身が【薪になる】としか…学者組が絶賛研究中ですし……」

 

…【火継ぎの火】に関しては、【ホロアース】の科学者組が共同で研究している。そして確実に、なにか知ってそうな[虹石人(汚物)]共は、バルグラム達の手により総て殺害されている。何より質問をしても迂遠な態度しか取らないために遅かれ早かれ、殺害していたが……今回は、その欠片が異変を引き起こしているためこの世界に来た。

そんな厄ネタが満載なのが、【ホロアース】なのだと一夏は告げた。じゃあ、何をしていたのかと聞かれると……こう応えた。

 

「まぁ、それは一旦置いといて、何をしていたのかと言うことを色々端折りますと、世界を相手にした殴り合いです。」

 

「ん?……殴り合い?」

 

「もっと優しく言いますと、()()()()()+()a()()()()です。」

 

(((((…( ゚д゚)…( ゚д゚)…大戦争…)))))

 

一夏の口から出てきた、"大戦争"と云うワードに顔をグッと引き締める教職員や生徒会らしき面々達。

 

「…織斑君…よく、正気でいられましたね…」

 

「まともじゃいられなかったんですよ。狂ったやつが一周まわってマトモに見えるだけです…心は幻想の狭間で捨てました。」

 

「それはさて置いて…俺は俺の事を話しました。次はこの世界のことを話してください。俺だけ話してそちらが話さないのは、筋が通らないでしょう……」

 

「分かりました、お話致しましょう。」

 

そして、[轡木重蔵]は、この世界のことを事細やかに話し始める、途中に他の教員や、生徒会の面々による主観の話も交えながら、一夏に説明していく。

 

「……と、言うわけなんです。」

 

「……よくよく考えたら十年も持っただけ奇跡だろ…(´д`)もっと速いと思ってたし【火継ぎの火】が発現するならコッチだろ…」

 

ソレは、ド直球な一夏の感想であった。

が、その評価に誰も、言い返せないのが事の重大さを物語っていた。

後……【終末装置】ポン置きされるのがもっと酷い。

 

「こんなんじゃ、ホントに滅ぶぞ?星海からの脅威とかじゃなくて、人類同士のみっともない内ゲバで……」

 

「その通りです…この世界は、【神】に祈りたくなるほどに腐り果てています。」

 

「その【神】に祈っても無駄かも…この世界、その【神】から見捨てられてるからなぁ……」

 

「「「!!??」」」

 

「な、何故なんですか!?」

 

「…【ホロアース】は今…覇空戦争の弊害でボッコボコ何ですよ。【半神】も関係無く修復に乗り出してる位で……割と()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!と、【五大神】迄キレてまして(^^;…」

 

「そ…そんな事って……」

 

「違う世界の【神】とはいえ、この世界は【神】に見捨てられているんだ。

そしてそんな世界にしたのは、この世界にいるお前達なんだ。」

 

「…その通りですね…ここまで腐らせてしまったのは、この世界に生きる私達です……」

 

暫く、会議室内を沈黙が包んだが、なんとか復活した理事長が質問を続けた。

 

「それで、長いので略しましょう。グラムさんは、今後、どうされるおつもりで?」

 

「暫く…と云うよりこの学園に腰を据えようと思う。今後、乱音に取り憑いてた【異竜】の様に他にも【異物】を宿している奴が来るかもしれんからな……」

 

「他にもいるんですか!?」

 

「その可能性があるという事だけだがな…と言うか、一番の問題がある。」

 

「「問題?」」

 

「乱音さんのISが変化したんだろ?しかも、クラス対抗戦だった故に、衆目の目の前で変化したわけだが……どう釈明する気なんだ?」

 

「「「あっ!?」」」

 

一夏の言う通り……今の乱音は、誰がどう見ても化物としてしか捉えている。たとえ、本人が違うと言っても、周囲は信じてくれやしないだろう。事情を知っているこの場の教員一同は、打開策を考えるが、そう簡単に思いつかなかった。

 

「じゃ、束さんが言うよ。アレってウイルスみたいなもので、操縦者を取り込んで…死ぬ迄暴れ続けるタイプと言ったら良いかな•́ω•̀)?そしたら、グラム君のISは、アレを打ち倒す能力を持っていると言えばいいんだよ!」

 

「束博士…それで行きましょう…では、バルグラム君、貴方の転入を歓迎致します。」

 

「…では、お言葉に甘えまして……宜しく御願いします!」

 

こうして、一応の拠点と味方を獲得した一夏。戦いの場に置いて帰る場所があるというのは、自身を奮起させる為の導でもある。

 

「えっと、理事長…【転送門】の設置とかは、出来ますか?時々戻らなきゃいけないんです……」

 

「あぁ!…確か、向こうでお祭りある時は帰るって言ってたね♪束さん達は、それに招待して貰うんだ♪」

 

「ちょうどゴールデンウィークですので、外泊?の許可は出しましょう。」

 

「ちーちゃんも、ほーきちゃんも来る?」

 

「ならば、是非とも招待して頂こうか?…丁度、一夏の伴侶とやらにも、挨拶をしておきたいからな……」

 

…【ホロアース】の一角にある【古都:ハクザン】にて、行われる【建国祭】…神、人、妖、が集うその過程で行われる【龍王祭】…今年は、バルグラムも参加するからだ。

 

外部に見せるとして【ジェネラルフェスタ】は刺激が強い為、タイミング良く行われる【建国祭】の方がいい塩梅だと考えたからである。

 

「じゃあ、俺はあの子の様子診て来ないと…其れでは……」

 

と言い、バルグラムは、理事長室を出ていった。

そして静寂に包まれた室内で[轡木重蔵]は、会議室に居た面々に改めて問う。

 

「さて…皆さんは彼のことをどう思いましたか?…」

 

すると、オランダ代表候補生[ロランツィーネ・ローランディフィルネィ]がその問いに、お芝居の様な振る舞いで答えた。

 

「私は彼の話をもっと聞いてみたいと思ったのさ。…彼の紡いだ冒険譚は神話に匹敵するよ!巨人殺し…ダビデのゴリアテ退治☆*。。」

 

……ロランの言う巨人殺しだが、北欧神話レベルの巨人を殺す功績を成し遂げているので当たってると言えば当たってる。

カナダの代表候補生にして世界的に有名なアイドルの[ファニール・コメット]と[オニール・コメット]は、ロランと同じく、グラムのいた場所やその冒険譚について、興味津々であった。

 

「…凄かった…格の違いというか…彼の話を聞く限り、私達がやってる[戦い]は何だったんだろ?と思い知らされたと言いますか……」

 

「お姉ちゃんと同じかな?……唯、彼が居る所に行ってみたいな〜なんて考えちゃったな( ˊᵕˋ*)…」

 

「クーリエは……羨ましいな…って思った……」

 

ロシアの代表候補生である[クーリエ・ルククシェフカ]はバルグラムの生き様を羨んでいた。自分の運命に抗い、ひっくり返し、自身が仕える主の運命すら覆して見せた…正しく[神話]の英雄そのものの生き様に。

 

「クーちゃん?それはどうして?……」

 

「……………」|ω・`) ))ススッ

 

「…言えないんですか?」

 

「ごめんね…こんな事言っておいて……」

 

「構いませんよ…誰にだって言いたくないことの一つや二つ有りますからね、ですが、クーリエさんはそれが原因でグラム君の生き様が羨ましいんですね?……私からは、小言かも知れませんが、勇気を出して言ってみたらいかがでしょうか?……応えてくれると、思いますよ?」

 

「クーリエちゃん、私達でも何か力になれるかな?」

 

「……あ…ありがと……」

 

クーリエは、理事長や周りの代表候補生達の気遣いに心から感謝をしていた。

その後、[轡木重蔵]は千冬や他の教職員、代表候補生達に、束博士からの説明が明日あるということを伝えて欲しいということだけを伝えた。

 

 

 

 





…【龍王祭】…
世界が修復される以前から行われてきた【原初の龍王ココ】に捧ぐ【奉闘の儀】…
【古龍】や【古竜人】達と闘い、己を示す絶好の機会でもある。

【仙雷龍オウガ】との闘いに認められると【龍王】への挑戦権が得られる。最近じゃ【古竜人】なる【竜餐】の正しき道を進んだ者達とも闘える。

一方で普通の闘技も行われる。
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