〜ホロサマー・ザ・ナイト〜   作:坩堝の騎士王

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[大聖剣の恩寵+3]
大聖剣を象った特別な恩寵の護り
体力・精神力・持久力の全てを
とても大きく上昇させる。

大聖剣は告げる
孤高こそ勇者に在らず
互いに手を取り合う事の素晴らしさを説く




〜少女達と勇者と〜

 

〜IS学園・保健室side〜

 

『お邪魔します……元気そうだな……』

 

保健室の扉を開けて入って来た甲冑が、こちらの安否を気にするような発言を取った。

 

「…あれ?織斑君?……違うよね?」

 

『……ウヌゥ…存外に似てる?のは否定しないが…()()と間違われたくない………何故、警戒してるんだ?』

 

声で判別できる当たりは流石だと思うが、それよりも警戒している事に気付かれた。一応の防衛術は習っているが、目の前の人に勝てるとは思っていなかった。

私は、警戒していた理由を話すと……兜の中の表情が分かるくらいに、怒っていることが分かりその怒気は、今迄相対したどの強敵よりも上澄みだと分かるくらいだった。

 

『…今度あったら、エオヒドの剣舞(ドリドリ) やろうか……』

 

「…怒ってくれてありがと……」

 

互いの素性は知らない……だけどここまでの怒りを向けてくれたことには、ほんの少しだけ嬉しかった。

すると、保健室の扉を開けて[クーリェ]達が入って来た。私のお見舞いに来たと言っていたのか保健室の先生も[鎧の人]同様、入室許可を出したらしい。

 

「…乱お姉ちゃん…大…丈夫?」

 

「うん…ありがとう!クーリェちゃん♪」

 

『おや?君は、確か……』

 

「……|'ヮ')……( ..)"…クーリェ…ルククシェフカ……」

 

『………ふむ…××××××(こんにちは)??…』

 

「!!!……×××、××××××××(なんで、ロシア語話せるの)???」

 

×××××××(たばねさんに)×××××××、×××××(教わったのと、向こうでね)♪』

 

唐突にロシア語で繰り広げられる会話。だが効果はあったらしく、私達でさえ時間がかかった[クーリェ]と瞬く間に打ち解けていた。人との接し方には問題が無さすぎると言うより、彼のいた世界には【人ならざる者】や【幻獣種】…果てには【神】さえいるのだ…そのような者達とも対話をしたのだろうと推測ができる。最も、初期は目と目が合う=殺し合い(迫真)見たいな状況だったというのだから笑えない話である。

 

「君という男は…ほんとに途方も無い旅路を歩んだみたいだね…おっと、私の名をまだ言ってなかったようだ。[ロランツィーネ・ローランディフィルネィ]…オランダの代表候補生さ!」

 

と、お芝居主役の様な身振りで自分の名を名乗ったのは、オランダの代表候補生だと言うでは無いか。

 

ー『(中々…個性的だな…【牢獄組】に似たタイプかな?)』

 

そう思ったイチカは【建国祭】の日に会わせてみるのも悪くは無いと思っていた。

 

「?何故、こちらを見て少しだけ笑ってるんだい?」

 

『いや…君と似た様な子達が居てさ……その子と会ってみたら意気投合しそうだな〜なんて…』

 

「なんだい其れは!!凄く面白そうじゃないか!是非とも行ってみたいな!」

 

劇団繋がりという事なのか興味津々なロランだが、自分も高貴な立ち振る舞いはある程度、そちらで習ったのが多い。

 

(実際に教えるのは凄く上手だからな……)

 

すると、鎧篭手を握る白く綺麗な手が目に付いた。其の手の主は[クーリェ]であり、何を言おうか迷った仕草の後意を決して口を開いた。

 

「わ…私も、行って…見たい…な……」

 

『…【割符】、人数分作んないとな…侵入者が友人でしたとかシャレにならん…』

 

「【割符】?…」

 

『通行手形…というより、[1日無料フリーパス]みたいな物……」

 

【割符】……外側の世界から来る客人用であり……ぶっちゃけると、本当にフリーパスのような働きをする。それでも立ち入り禁止の箇所は、存在するが……

 

「何処か、名所はあるのかい?」

 

『セレスの世界樹と枯れぬ泉は名所!』

 

[ホロアース]には現在、修繕中とはいえ名所とも言えるべき場所が数多存在している。

 

海の底の海底都市(アトランティス)や、白上神社を戴く古都:ハクザンの大結界を突破してきた、ネフィリム:IRySの戟槍を筆頭に、大聖剣の麓にある戦場跡…鬼神の山嶺…時の狭間の遺跡郡…強者犇めく魔界…、ほぼ自然の産物である。ここの地球に無い絶対的な自然の畏敬を見られるのが特筆すべき点だ。

 

「「うわーー、私達も行きたい!!…」」

 

『君ら来るといちばん厄介な事になりそうだが…(¯―¯٥)』

 

「そこをお願〜い✧︎*。」

 

「私からも〜✧︎*。」

 

『……解った。同行を許可するよ。だけど、離れるなよ?』

 

コメット姉妹も当然の如く行きたいと言い出したが、一夏としてはとんでもないことになりそうだから連れて行けないと言ったものの…

…コメット姉妹の必殺【純粋な眼差し】にやられたのか知らぬが…自分か、護衛も付けるから成る可く遠くに行かないようにと制約を結ばせる事で姉妹も同行することが出来た。

 

双子だと十中八九、幹部が来るし…言い方悪いがロリ体型なのが更にカンフル剤になりかねないからだ。

すると、ロランが一夏に今行っている書類整理の仕事に就いて聞いてきた。

 

「そういえば、その書類はなんだい?」

 

『一応、秘密結社?とやらにいるので、業務の手伝い……あと、色々…』

 

『…良くも悪くも、【ホロアース】の皆さんは、俺想いの良い人だらけですから……ちゃんとしねぇと暴走する。』

 

(それもそうか、千冬さんから聞いたが………彼は、この世界では蔑まれていたと言うじゃないか。矢張り、優先順位は【ホロアース】という場所で、こちらの世界には唯、用事があるだけなのか……)

 

信頼が格別に重く、仕事をこなさねば反動が大きい。なまじ、イチカが何回も世界を繰り返して救っているという話を知っているならば彼が次に何をやるか、気が気でないもの達も居ると思われる。そういう時のイチカの行動力には隠蔽工作に詳しい者達ーー全知の悪魔(ラプラス)蒼空輪廻転生(ときのそら)以外はお手上げとなってしまう。

 

『過保護だと思うがね?』

 

(貴方のせいじゃ?……無自覚か?)

 

無論、無自覚である。

虹石人ぶっ殺ルートに突入した時、【ときのそら】達を筆頭に、【hloX】のメンバー、【五大神】とそれに忠義する者たちに死ぬ程(物理)怒られた理由を理解していないらしい。

 

しばらくは談笑しながら過ごしていたが、辺りがすっかり夜になっていたことに気付いたと同時に、保健室の扉が開いて[織斑千冬]が入って来た。その後に続いて、[箒]が入って来た。

 

「…[乱音]代表候補生。無事…な様だな。なぁ一夏?…束からの伝言だ…明日の昼に体育館で、ある程度、誤魔化して伝えるらしい…そしてお前は、兜の下の顔を見られている。

その顔に覚えのあるもの達がお前の正体に気付くかもしれないから束の護衛をしていたと言うらしい。…それでいいな?」

 

『その後に束さんは何か言う気だろ?衆目の興味を集める様な、特大の釣り餌でも引っ下げるだろうな?』

 

束さんは、ある程度、バラしてしまおうと言うが、其れは身の回りを嗅ぎ回るネズミに対する牽制でもあると同時に、それを吹き飛ばすような事を言うつもりらしい束さんの計略だった。それに気を取られてる内に、色々済ませる気でもあるらしい。

ラプラスが聞いたら絶賛した後に爆笑するだろう。

 

『構わないよ…姉さん……』

 

「!!…一夏…未だ私を…姉と呼んでくれるんだな…」

 

『…皮肉にも姉上が教えてくれた"剣術"や、[篠ノ乃流]が、俺が生きる為の力になってくれたからな……サバイバル術は独学でほんと良かったと思ってる。』

 

皮肉だが、[織斑千冬]が教えた"剣術"は、多少なりとも【ホロアース】での戦い方の基盤になっていたらしい。それを歯牙に掛けぬ脅威がポコじゃかと湧いてきた序盤で、誉も流儀も、彼方へ飛んで行ったが…

 

「…そうだな…今付けてる鎧の他にあと三つ選んでくれ…なに、束曰く、換装型ISだと言えばいいよ〜…だそうだ…」

 

「もう遅いから、早めに就寝するんだぞ…そうだ、[乱音]以外に言っておくが、[寮長]には、事情があり遅れる…とは言ってあるからな?」

 

「「!!!(゜Д゜)アッ!?…乱((さん))((お姉ちゃん))…それじゃあまた明日!!」」

 

ロラン達は蜘蛛の子を散らすように保健室から出ていった。

[乱音]は、こんな時に来るべきだった[義姉]が来ていないことに少ししょげていた。

一夏は、そんな[乱音]の様子に気付いたが為、向こうでの流れのように傍に居てやるという選択肢を取った。

すると、一夏に縋り付いて泣き始めた。

 

「…お姉ちゃん、何でかな…日本に行って帰ってきて、なんかムキになったかのようにISに乗り始めて、代表候補生になったその背中に憧れて私も、操縦者になろうと決めたのに………心配すらしてくれなかった、うぅっ…ぐすっ( ̄^ ̄゜)…」

 

暫く泣き腫らした後に寝静まってしまった[乱音]の頭を撫でてからシーツを体にかけた後……保健室を出て扉を閉じると、外にある木の傍でトレントを召喚。

そしてそのトレントを枕に就寝し始めた。

 

暫くして寝息を立て始めたのを見計らい、勝手に[霊呼びの鈴]を介して出て来た[黒き刃:ティシー]もイチカに寄り添う形で横になったのは気にしちゃいけない。

 

 

 

 

〜朝〜

 

「…」ユサユサ…

 

『ん?おはょ…』

 

翌朝、ティシーに揺さぶられて目が覚めたイチカ。

夜明けの中、身体を伸ばす。

世界を修復してからは外で眠るのは久々である…癖なのか警戒心バリバリで眠っていたので、眠りは浅い。ー遺灰はそんな主の為なのか夜中に見張ってくれているのだ。

イチカは暫く柔軟体操を興味深そうに見ていて途中参加してきたティシーも交えて行う。その後は、遺灰に手伝ってもらいながら、食材を使い簡単なご飯を作る。

 

遺灰に関しては……魔力ちょっと与えるだけで動けるとかなんなん?…かつて聞いたその疑問は陰陽師の遣う式神と同じじゃないかと総帥には言われた。

 

朝飯を食べ終えた後、トレントとティシーは引っ込んでもらい[鳳・乱音]の元に向かうその道中で、身に纏う鎧を[狼の戦鬼]から群青色の鎧に姿を変えると結晶で出来た細剣を腰に帯剣し準備を整えた。

 

 

……続くよ!……

 

 

 




[モラクスの咆哮]
俗に熊餐と呼ばれる祈祷
雪民:モラクスの力を振るう祈祷

己が姿を大白熊と成し、激しく咆哮する。
タメ使用で強化される

竜餐よりも巫覡の神降ろしに近い技
偉大なる野生との死闘、その先にこそ
己だけの神を見い出すのだ
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