〜ホロサマー・ザ・ナイト〜   作:坩堝の騎士王

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【カーリアの魔術剣】
青く光る蒼銀の細剣
魔術を行使することが出来る触媒武器。

その昔月と人は共にあった。

【戦技・乱れ突き】
前方の敵に六連の牙突を繰り出す。
追加で三連撃と最後に強烈な突きを繰り出し相手を吹き飛ばす。
流麗かつ苛烈な技は喪われた流派の中の一つである


〜説明会と歓迎〜

 

 

ー翌朝、全校生徒は体育館に集められ昨日の事態についての説明がなされる。それと同時に、昨日の鎧騎士についても話さねばならないために、バルグラムは、鳳・乱音と共に、体育館に向かう事にした。

向かってる間、乱音はバルグラムの鎧姿に目を輝かせていた。今の姿は、昨日の鎧姿ではなく[星詠衆の鎧]と呼ばれる装備に身を包んでいたのだ。

 

[星詠衆]…一夏を強敵(とも)と認めた戦士達であり、[星の姫]に仕え、彼女を護っていた者達だ。一夏に見えた運命の壮絶さに涙しながら、その道を進むことを選んだ一夏を応援してくれた……

 

余談だが星詠み衆には、後の[剣聖・風間いろは]が存在しており、彼女の流派には、[彗星剣技]の一部が盛り込まれている。だが[龍閃]と[風真一文字]は、彼女が編み出した、音速を越えた抜刀術だと言うのだから恐ろしい。

 

「あの…一夏さんって向こうではほぼ独りで闘ってたんですか?」

 

「いやぁ…一応、仲間とか友は出来たよ?…もれなく狂ったり、目的半ばで果てたりとかだけど…( ´ ཫ ` )…」

 

「ご……ごめんなさい…」

 

勧善懲悪など、存在しなかった【ホロアース】……僅かながら理性を保っていた者達は、主の為…己の誇りの為に、その命を全賭けして生き抜いた者達も多かった。

 

「その仲間達の事が凄く誇り何だよ…とんでもなくいい人達だった…その分、別れがエグかった……一部の人は生きてたけど…」

 

話しながら体育館へと歩みを進める一行。

 

そして体育館に着いた時、既に集まってた生徒達は扉からヌッと現れた狼面で顔を隠し、群青色の軽鎧を纏うバルグラムにビクッとなったが、その後ろに居る[鳳・乱音]の姿を見掛けると、小声で何かを話していた。

 

ヒソヒソ……

 

『……』

 

「………………」

 

何も言わずに片隅の方にいる教師陣の方に歩く。

体育館はヒソヒソと話す声とカチャカチャと鳴る足音のみが木霊していた。生徒達の並んだ方向を過ぎると、山田先生?と呼ばれていた教師の元へ並ぶ。

バルグラムは雪の結晶を模した刺突盾を取り出すと[鳳・乱音]を生徒達の目から隠すように、隔てた。

舞台にはテレビモニターがいくつか並んでおり、これは各国首脳陣への説明に用いられるらしい。昨日学園が各国に代表戦で起きた出来事を詳しく報告した後に各国たっての希望で、こうしてオンラインで話を聞く事になった。これに関しては、特に台湾の首相達が気が気でなかったという。自国の代表候補生が巻き込まれたのだが、助けてくれた恩人も紹介すると言われたので心配と感謝が両方存在していた。

すると壇上に織斑千冬がでてきた。

 

「静まれ!!これより昨日の事態についての説明をする!!無駄口は叩くなよ!ここから放り出すぞ!!」

 

その激砲にも等しい声は、館内に集った生徒たちや教師陣の目を壇上に向けるには充分過ぎた。

 

「では、この事態について、私より詳しい者に説明をして貰う!」

 

「はいは〜い!!ハロハロ〜?私が稀代の天災・束さんで〜す……ちーちゃん、お願いだからその木刀しまって(震え声)…束さん弾けとんじゃう…(怖気)…」

 

「「「ぇぇぇぇええぇぇえ????????」」」

 

「静まれぇぇぇぇ!!!」

 

天災の登場により、生徒達は騒ぎかけるが、木刀を立木打ちのように構えて束の真横に立つ、千冬の一括によって鎮静化した。そして束さん主導による話が始まった。

 

「じゃ、1回しか言わないから耳の穴かっぽじって聞けよ!質問は受けないからな!昨日、そこに居る台湾の代表候補生ちゃんのISが怪物に変化しちゃったのは、皆も知ってるよね?」

 

それと同時に[鳳・乱音]の方を一斉に見つめる視線。

その視線に、堪らずシールドの後ろに隠れる[乱音]を視認したのかバルグラムは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「お〜い…バルく〜ん?威嚇したらダメだよ〜?彼女達は弱過ぎるから君の威圧には耐えることが出来ないんだからさ〜」

 

『……善処しよう…』

 

束さんの言い方にカチンと来た生徒達は多いが、実際ネロの威圧にビクって目を背けてしまったのだから、そこは仕方ない。

 

「で、本題のあの怪物の正体何だけど〜アレは、ISに感染して操縦者ごと変化した後に〜死ぬ迄、憎悪のまま暴れ続けるタイプのウイルス何だよ…で、問題なのがどの機体に感染してるのか分からないんだ〜。発症してようやくわかる部類何だよ〜。因みに、アレ作った奴はバル君と束さんの手で始末してるから安心してね☆」

 

「(篠ノ之博士…有難う御座います…)」

 

[鳳・乱音]は束に心の中で感謝していた。

 

「あと、言っておくけどその子を責めるのはお門違いだよ?何せ、

どの機体にどんなウイルスを載せたのかはソイツさえ吐かなかったんだよね〜ほんとムカつくよねぇ?バル君……じゃなかった、バルグラム・カーリアのIS、

[全武装換装型IS:エルデンリング]だけが、あのウイルスをぶち破ることができるようになってるんだよ!」

 

体育館に集まった生徒達や教員達は鎧姿の人物を驚愕の目で見つめる。

それに対してバルグラムのとった行動は…実にシンプル。

其の儘手を振って会釈した…それだけである!

 

「バル君はね…束さんの所で研究のお手伝いをさせているんだ〜…それに!束さんに余裕で着いてこれるフィジカルを持ってるから、史上初の[換装型IS]を託したんだ!まぁ、厄介事に対応させることになったのは本当にゴメンなんだけどね……」

 

「「「?!?!!??!!??!?」」」

 

「(フンっ!)だから、束さんはバル君のサポートを最大限するつもりだし、その邪魔をすることはたとえ大統領だろうと皇帝だろうとぶっ飛ばす!!()()()()()()()()()()()()!!覚えとけよっ!」

 

「束っ??お前がそこまで言うとはな……」

 

[織斑千冬]は今の束の発言に底知れぬ決意を感じ取ることが出来た。

そして束は、其の儘、千冬を静かに見つめた。

その目は、(私は償うよ?…ちーちゃんはどうするの?)

という意思を雄弁に物語っていた

 

「(私も…覚悟を決めろとそう言ってるんだな……)」

 

そして、束の意思を理解した千冬は己の未練にも決着をつけねばならないと思っていた。

 

 

「…さ〜て、コレで本題は終わり♪…次は…束さん個人が君たちに聞きたい事と言いたい事があるんだけどな〜」

 

「「!??!」」

 

「君達さぁ……ISをなんだと思ってるの?(半ギレ)…」

 

『(あっ…キレてるな束さん…)』

 

「確かに、束さんは、ISを創った。世に広めた。だけど、戦争の道具にしろなんて言ってないし、[女性の象徴]なんて唾棄する様な使い方される謂れは無いんだけど?」

 

その発言に集まった生徒達は、ざわめきが隠せなくなっていた。

 

「別に束さんはISを…あの子達と一緒に歩んで行けたらな〜って思ってたの……ソレをあんな下らないコト(白騎士事件)のせいで………束さんは純粋に【宇宙に行く為】に創ったんだ!そんな下らない事の為に作ったんじゃないんだよっっ!!!!」

 

束が目に涙を浮かべ、泣き喚きながら段々と声を荒らげていく其れは、ほぼ慟哭に等しかった。

織斑千冬は、親友のそんな様子を見て、ギョッとした顔をしていた。

何時も縹渺としていたアノ篠ノ之束がである。

 

「……だから、束さんは、最高の仕返しを思いついたんだ♪……ISが女性にしか動かせないなら、男性にも動かせるようにしたらいいんだと…ねぇ?(冷笑)」

 

「待っ……待って下さい!!」

 

「そんなもの作られたら!!」

 

「…待て?そんなものって何?…」

 

泣き腫らして充血した目をギラギラさせながら、件の発言をした生徒を見る束。ー話しどころかホラー映画に早変わりしそうな光景である。

 

「……束さんはこれでも科学者何だよ?…まぁ十年もほったらかしていたのは束さん何だけど……ISは完成させる!誰がなんと言おうと!それが私のやる事!!…そして君達も!画面の向こうに居るテメェらも!これを機にISについて考え直す事だね!!」

 

束は、泣き腫らした目を拭いた後、急ぎ足で壇上から去っていった。

生徒達は束のその態度に唖然としたり、束さんの慟哭に項垂れるものの2種類に別れた。

 

『……織斑先生…鳳お嬢を頼んだ……博士の所に行ってくる…』

 

バルグラムは、束博士の元に駆けて行った。

 

「…私も行こう…[鳳・乱音]…お前も来るか?…済まないが山田君、生徒全員を戻して置いてくれ!」

 

「分かりました!」

 

そして織斑千冬一行は、束の元へと向かった。

 

其の場所では束と一夏…否、バルグラムが先程の雰囲気はどこへ行ったのか仲良く談笑していた。私達の前で泣いたアレは嘘だったのかと思いたいがあの時の慟哭は紛れも無く本物だ。

 

「…束、一夏、私達にも協力させてくれないか?……」

 

「…いっくん…束さん、…出来るかなぁ?あの子達を宇宙へ飛ばせられるかなぁ?」

 

『…束さん…やるんだよ。やらなきゃこの世界は最低な()()()()を迎える事になる。俺は自分の運命を殺して新しく始めた。貴女も出来るはず。』

 

「いっくん…うん!がんばるっ!!」

 

一夏は自分の経験より数段楽だといい、束さんに激を飛ばした。其れは効果があったらしく、束さんはいっそう自分のホントの夢に向かって進む決意をした。

 

「さ〜て、乱ちゃん?…君のIS[神龍・紫煙(ズィーエ)]がどうなっているのかをチェックしたいから渡して貰えるかな?」

 

「はっ…はい!……束さん…私のパートナーをよろしくお願いします!」

 

其の言葉に束の顔はキョトンとしたが直ぐに満面の笑みで返答した。

 

「うん!任せて!!それじゃ(o・・o)/ちーちゃん!ほーちゃん!ばいび〜!」

 

其の儘篠ノ之束は人参型ロケットに乗り込むと轟音を立ててアジトへと向かって飛んで行った。

 

「さて…私達も戻るが、その前に一夏……いや、"バルグラム・カーリア"!私達はお前をここの生徒として迎える!構わないな?」

 

『あぁ宜しく…"姉さん"!』

 

「お前が向こうに居場所があるということは知っている…だから帰るまではここを家だと思っていて欲しい…"私"の…"織斑"としての最後のワガママだ…聞いてはくれないだろうか?」

 

一夏は千冬の差し出した手をそっと掴み、もう片方の手で包み込む。

 

『姉貴…顔を上げてくれ……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……姉貴の頼みは、出来るだけ聞こう…それでいいか?』

 

「一夏……有難う……そして今まで…済まな…かった……」

 

一夏と千冬は改めて姉弟としての再会を果たし、家族としての繋がりを取り戻した。だが、その会話を聞いていた篠ノ乃箒は、ほんの少しだけその歪さに気付いていたがそれを言うのは無粋だと思っており、[鳳・乱音]と共に温かく見守っていた。暫く後に門限が迫っていることを知り、大慌てで寮に戻ることになったが……

 

その後は、この静寂のみが物語る。

 

 

◆◆◆

 

〜翌朝・IS学園にて〜

 

朝のHRを進めている1年3組の教室に思いがけない人物がやって来た。

 

「失礼する。」

 

「お、織斑先生?…一体なんの用ですか?」

 

「いや、何、此処に"転入生を編入させると"学園長に言われたのでな…連れてきたのだ。」

 

\\ザワっ!!//

 

教室に居た生徒達は一斉にざわめきたった。

それもそのハズ昨日今日で入ってくる編入生など1人しか居らず、オマケに2人目の男性操縦者であり、尚且つその編入生はこの1年3組のクラス代表である"鳳・乱音"の命の恩人であるからだ。クラスの子達は乱音の方を見るが当の本人も面食らったかの様な顔をしている為知らなかったと見受けられた。そして織斑千冬の背後から、少年が顔を出す。

 

「(๑ơ ᴗơ)੭"今日は、編入生の"バルグラム・カーリア"です…取り敢えずはカーリアと呼んでくれ。よろ…

 

\\\\\\\キャァァァァァァァァァ!!!!///////

 

その声に対して届けられたのは、"嬉しさによる絶叫"だった。

 

「やったぁぁぁぁ!!!」

 

「私はやったんだぁぁぁぁぁ!!!」

 

「お母さん!ありがとぉぉぉぉ!!!!!!」

 

此方を見て方々に歓喜にも似た悲鳴をあげる女性陣を前に、

 

ー「("淫魔の森"の彼女達がもっとお淑やかだったぞ?)」

 

と、一瞬思ってしまった一夏であった。

ここで1年3組の教員がここに編入させる理由を尋ねた。

 

「あの…何故?此方にしたのですか?」

 

「実は、彼の事情を加味した結果なんだ……彼の仕事を邪魔しないようにと、[束]の奴から…カーリアに当たり前の学校生活をおくらせてあげて?だそうだ。済まないが、頼めるだろうか?」

 

「…織斑先生……分かりました!彼はこのクラスで預かります。皆さんも、宜しいですか?」

 

と、生徒にその旨を伝えるが、返ってきた返答は、みんな一緒の答えだった。

 

「「「「そんなの当たり前っっ!!宜しく!"カーリア"君!」」」」

 

其れは満場一致の肯定…織斑千冬はその答えに満面の笑みをうかべた後に教室棟を後にした。

 

「皆さん…宜しくお願い致します。」(騎士の一礼)<(_ _*)>

 

ネロはこのクラスの歓迎の言葉に最上級の礼儀で持って返した。

この日からバルグラム・カーリアの学園生活が始まった。

 

 

……to be continued>>>





[星詠衆の鎧]※モチーフはガロンXシリーズ
群青色に輝く軽装の鎧装束。
星界を模した鎧は特殊な隕鉄を用いて造られ星詠衆に贈られたと云う。

彼等は少ないながらも一騎当千の戦士達だ。
礼節を重んじてるのか[舐められたら殺す]をモットーにしている
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