〜ホロサマー・ザ・ナイト〜   作:坩堝の騎士王

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【流浪剣士の装束】
流浪の戦士達の装束。丈夫な皮を紐で結び付けたもの
銅板で補強されておりせめてものと防御力を上げている

流浪の戦士達は各々が得物を極める道中にある。
"業"の研鑽が為、強大な敵に挑むは彼らの誉れなのだ。




〜歓迎…そして篝火よ!〜

 

〜食堂ホール〜

 

[[\\祝//バルグラム・カーリア歓迎会]]

 

「それでは〜私達の新しい仲間の歓迎を祝して〜「「「かんぱ〜〜い!!」」」

 

「か…かんぱ〜い!」

 

急遽食堂の一角を貸し切って行われたこの歓迎会は、バルグラム・カーリアのクラス入りを祝おうと提案・計画・実行されたものである。そしてちゃんと許可も取っていると来た。手腕とフットワークがすごく上手いなと思いながら、バルグラムも楽しむ事にした。

 

「?…処で…アレは何だ?」

 

「あぁ、カーリア君あれはね……コメット姉妹のプチライブ何だって!」

 

「ほーう…"歌"は俺も好きだな…」

 

「じゃあ、行ってみたら?」

 

ジュースを飲んでいた子に尋ねてみると、コメット姉妹は時々ここでミニライブをしているのだという。プライバシー大丈夫か?という疑問はさておいて、カーリアは嘗て一夏だった時に、あの頃は、4人でこうやってバカやってたなぁと思い返していた。思い出したかのように自分のクラスの所に行こうと人集りを抜けようとした時……

 

『あ!?"お兄ちゃ〜ん"♪』

 

「「!!お兄ちゃん?!……」」」

 

『…ちょっとオニール…ごめんなさい"カーリア君"…』

 

「…いや、君たち以上に"破天荒"な人のとこにいたからこういうのは馴れてる……」

 

『…それって…"兎のお姉ちゃん"?』

 

『所で何でここに?』

 

と、いう質問にカーリアは暫く思案したあと、部屋の隅にピアノを見付けるとそれ指差し、1曲くらいなら弾けると答えた後ピアノを弾く為に指を解し始める。

 

『何弾くの?』

 

「…弾き語りでいいかな?…」

 

『え?!!!Σ(゚ロ゚!(゚ペ?)???』

 

『出来るんだ。良いよー…』

 

そういうとコメット姉妹がグランドピアノにマイクをセットするとカーリアは、少しだけ鍵盤を弾いてウォームアップを済ませ……弾き始める。が、タイミングがいいのか悪いのか……

 

「…「すいませ〜ん、[IS学園新聞]で〜す!少しお時間よろしいでしょうか〜?良いですね?それでは失礼しま〜す」…( ¬_¬ )チッ…」

 

そこに現れたのは眼鏡をかけた生徒だった。制服のリボンから、上級生だと伺い知れる。その生徒は、こちらに名刺を出し自己紹介を始めた。

 

「え〜と、それじゃあ貴方のことを教えて欲しいな☆」

 

「…名はバルグラム・カーリア…座右の銘は…以上でも以下でも無い…」

 

「…もっと他にないかな?•́ω•̀)?」

 

「…|傾聴せよ!我らは煌めく流れ星!!…とか?」

 

「ん〜捻りがないなぁ…適当に捏造しておこう♪」

 

「…ザリガニの餌にするぞテメェ(#゚Д゚)…」

 

[黛薫子]が言葉を捏造しちゃおうと言った瞬間、"ちょっと待て捏造ってなんだコラ"と1年3組の心がひとつになった瞬間である。

カーリアの文句も独特すぎたが……。

 

「うーん他には…あっ!鳳・乱音ちゃんに質問があるんだけど良いかな?」

 

「え…えぇ…良いけど…」

 

「ズバリ……()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

黛の質問を聞いた瞬間に、鳳・乱音は顔を俯かせてしまった。それと同時に、先程まで、騒いでいた3組の子達やコメット姉妹の周りにいた子達までが静まり返った。

 

「あれ?乱ちゃん?どうしたの?」

 

「おい!」

 

「えっと…な…にか…な?…」

 

振り向くとそこには、絶対零度と思しき視線を向けるバルグラム・カーリアの姿があった。

 

「おい文屋ぁ゛?…アンタはなんの権利があってそれを聞く?それが乱音さんにとって嫌な記憶だということは理解しているはずだろ?」

 

態度でも分かる怒りを剥き出しにしたカーリアはそれでも冷静に言葉を紡ぐ。

 

「うっ…それは……」

 

「カーリア君…」

 

「土足で他人の嫌な思い出を漁った挙句()()()()()()()とでも言う気か?そこまで来たら"責任転嫁"も相当上手いと見える…それとも報道に関わる奴らは皆が皆"腐肉漁り"の様なもの達ばかりか?」

 

「ちっ…違うの…そんなつもりじゃ……」

 

「違う?なら先程の俺の言葉を捏造するという言葉は何だ?"煽動"のような真似もするとは驚きだな…」

 

「うぐっ…」

 

「別段、あの程度の言葉…捏造されても別に痛くは無いからどうでもいいが、乱音さんにした質問は、人としての在り方を疑うような行為だ。俺が所属する事になった1年3組の子達は、その辺の気配りがちゃんとできていて、ここに居る他の生徒達にも、其の忠告ができていた。その辺見習うべきと思うが?」

 

「……はい…ごめんなさい……」

 

「…謝る相手は俺じゃない!…彼女だ!…」

 

「はい!…乱音さん…ゴメンなさい……」

 

「いえ、気にしないで……ね?」

 

鳳・乱音は気にしてないとは言っているが、誰が見ても分かるように無理をしているようだった。

そして、乱音さんが落ち込んだ原因となった黛薫子は、三組の生徒達から、かなり冷めた目で見られていた。

 

「上級生さん…俺はさっきまで歓迎会とやらを受けていて、皆も楽しそうにしていた。俺もIS学園に対しての意識を改めようと思ってた所だった。……"言葉は自制の聞かない暴力装置"なんて言葉もあるが…今のアンタは正にそれだ。悪い事は言わんがここから立ち去ってくれ……」

 

「……はい…皆さん…申し訳ありませんでした。…」

 

そう言うと、黛薫子は食堂ホールを足早に去っていった。

その足取りは、初めの頃の意気揚々とした雰囲気ではなく、とても重い足取りだった。

 

「ねぇ?ネロ君…ありがと♪…皆?続けよ?カーリア君のためのパーティー何でしょ?」

 

「「「はーい♪」」」

 

乱音のお礼と呼び掛けにより歓迎会は再開された。

因みに件の上級生は自分の部屋で記者としてのプライドをグシャグシャにされた事と、発言の不用意さにひたすら泣いていたという。

 

 

楽しんでいる途中に壮年の男性が此方目掛けて歩いて来た。その正体は学園長であるが、用務員としての格好をしていた為、誰も気付かなかった。

 

「カーリア君…先程…螺旋剣の様な物を見つけたのですが…アレはカーリアくんの物でしょうか?」

 

「学園長…ソレ何処で?見付けになったのですか?」

 

「貴方が設置した"転送門"?の近くですよ…良ければ見にゆかれますか?」

 

「ソレは…明日にしておきます…お伝え有難う御座いますm(_ _)m」

 

「いえいえ…それでは、ゆるりとお楽しみください。」

 

そうして学園長(用務員)は立ち去っていき、ネロは歓迎会のムードに再び入っていった。勿論コメット姉妹のお願いで"ピアノ伴奏"によるライブも執り行ったのだが……最高に盛りあがったということだけを伝えておこう。

・・・・

翌朝、転送門周辺にて……

 

「あったあった……コレだな……」

 

ソコには地面に突き刺さった焼け焦げた螺旋状の剣があった。その剣に手を翳すと、炎が揺らめき、辺りには、柔らかな光が宿る。ソレはこの世界で篝火が使える様になった…という証である。

"篝火"……一夏が"褪せ人"としての使命を持った時から見えている不思議な炎。"導き"と言うが、大概…碌な目に遭った事がなく、"呪い"じゃね?と思う。が、いつの間にか、困難=強くなるチャンスと捉えるようになったのは流石、褪せ人と言うべきか。

本日からGWである為、生徒のほとんどは外へと外出している。そして、一応人数分の"割符"は作ってある為、後は来るのを待つのみとなった。

その間、"とある遺灰"を呼び出し自身が振るう武器の試しを手伝ってもらうことにした。

「確か……ここら辺…?おい、ロラン…何を見てい……る……」

 

「シー……織斑先生…アレ……ふむ!矢張り素晴らしいな…」

 

「何だあの剣術は、あのような動きなど見た事がないぞ?!」

 

[ホロアース]一時帰宅するネロに着いて行くもの達の引率がてら問題児(主に束)を見張るためとやって来た織斑千冬とその後ろから鳳・乱音に手を引かれてやってきたクーリェは、茂みに隠れているロランと箒を見つけ声を掛ける。声をかけられた二人はそのまま、転送門の近くを見てと指を指されその近辺を見ると、鳥の頭を模した兜と鞭を持った女性らしき人型を相手に青色の狩衣を纏い両手に戦槍を持ち相対していた。

 

己が身体能力をフルに活かしながら動き、槍で護り、生じた隙に躊躇いなく一撃を叩き込むという戦法。

 

「なんだアレは?……鳥の様な剣士と…カーリアか!戯れとはいえ本物の()()を見てるようだ……」

 

「あの神秘的な槍を持ちながらも縦横無尽に動いて、着実にダメージを与えるとは……凄いな……」

 

「あの鳥の方も華麗だが荒々しい。先程から見ているが羽根の散弾を飛ばして牽制。鞭に注意が剥けば脚先の爪による蹴り、蹴りに警戒して距離を取れば音速に近い鞭の一振がダメージを与える……やりにくい手合いだな……」

 

やがて鳥の剣士に回転しながら白き炎の連撃を叩き込み霊体が消える。終わりの一礼をして兜を外した一夏は、顔の汗を拭いながらフゥ…っと息を吐く。それと同時に瑠璃色の瞳がコッチの茂みを見た事で見られていると分かった千冬達は、大人しく茂みから顔を出した。

 

「一夏…凄いな今のは…一体何だ?」

 

「エ……リズから教わった…とでも言えばいいのかな?…」

 

「…その槍の主かい?…凄いのに教わってるんだね…君は…」

 

「…凄い…(*゚∀゚)…」

 

一夏の脳裏には火が溢れ出る大剣を振り回すある美女の顔がよぎっていた。とある異変の時に、御世話になった縁故、同じ力を使える"青火の幻視"を習得した。本人?が余りにもワイルド過ぎる闘い方だったのはビビったが……何やねんアレ…神造兵器ぶった斬るとかアタマオカシイ。

何より渾名で呼んで欲しいと言われて以降、謎の視線が凄い。

 

「じゃ、行くのはこの五人…(上向き)…あと二人か……」

 

\\\ドォォォォォン///

 

「ッッッ……ち〜〜〜チャ「(っ・д・)≡⊃)3゚)∵プゲラッッ!!……相変わらず、愛が重いね〜〜」

 

「束様…」

 

「一夏…どうやって行くんだ?」

 

「…はい('ω')スッコレが"割符"です…一応、首から提げれる様にしてるけど、無くしたらダメだよ?"近衛"がカッ飛んで来るから…」

 

と、割符を、千冬・ロラン・束・クーリェ・箒・乱音…そしてクロエに渡して行く。

マドカ達はどうやら留守番らしい、世界中に散った亡国企業のメンバー達を束が起業する時の会社員として雇うため探しに行くらしい。因みに、マドカは最後まで駄々を捏ねたというらしい。最終的にスコールに当身で気絶させられ、連れていかれたが……

 

「じゃ、お先に.ᐟ .ᐟ」\\ブォン//

 

転送門を起動させた一夏は、銀色の波紋の中に消えていった。

千冬達が恐る恐る見ていると、銀の鎧篭手がニュっと出てきて自分の手を取れとジェスチャーを取った。各々は、暫く考えた後…最年少のクーリェから先に行かせることにした。そしてクーリェが銀の篭手にそっと自分の手を置くと、鎧篭手が優しくその手を取る。そしてクーリェが波紋の中に飛び込んだのを確認した一行は、暫くしてから1人ずつ飛び込んで行く。そして最後に、千冬が波紋をくぐった直後に銀の波紋は立ち消え、周囲はいつもの景色に戻っていった。

・〜[ホロアース]・[ワールドポータル前]〜

千冬が目を開けるとそこは信じられないような空間だった。

自分達が居るのは、大きな転送門がいくつか並ぶ広大な広場だった。道行く人々は、皆、耳の長い美女、神話に出てくる異種族、更には妖怪ばかりだが、元の世界と違うのは、どこも活気に満ち溢れているということだ。

 

「む?()()殿()のお友達かな…」

 

「あ…( 'ㅂ')ヒッ…」

 

「むッ……済まない」

 

クーリェがその声の主に振り向いた瞬間…固まったのも無理は無い。

その声の主は後脚で器用に立つ"白熊"だったのだ。

但しグリズリーより一回り大きめのサイズだ。

 

 

「く……熊さん?」

 

「熊さん?!…」

 

「…おっ"モラクス"じゃん。俺の客人達だ…そして言ったろ?姉が居ると…」

 

「!では、この凛々しい"戦女"がそうか!我が名を"モラクス"という!"客人"達よ!この地は貴公らを試すぞ?」

 

雪民・モラクス……この地最強の雪民であり、今回の龍王祭の優勝候補の1人である。その性格は、基本はおおらかであるが、迸る闘志は、"鬼"に引けを取らない。まだ見ぬ猛者を求め各世界を渡り歩いている。

 

「では、健闘を祈るとしよう!次は闘技場の上で会おう!」

 

「あぁ!"モラクス"も頑張れよ!」

 

"モラクス"はそう言うと【古都:ハクザン】へと続くポータルに入っていった。

この場にいる妖や亜人の多くは【ハクザン】で行われる神前儀式[封龍演技]を一目見るために、訪れる客も多く存在した。

大概は【宴】が目当てだが……

 

そして一夏達もポータルを潜り、【古都:ハクザン】へと足を踏み入れていく。

続く!!!

 




【熾炎の戦槍】
【エリザベス・ローズ・ブラッドフレイム】のもう一つの得物
焔のように波打つ穂先を携えた戦槍
振るう度に白炎が尾を引き光と共に敵を焼き尽くす。

[専用戦技:絢爛遊行]
戦槍に爆ぜ散る白炎を宿し溜めた後振り回す戦技
戦槍から引かれた炎の線は滞留し、広がりやがて爆ぜる
広範囲・大多数の敵に対する切り札ともいえる
継続して最高、四回転することが可能

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