ブルアカT   作:あまいろ+

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寝具を新調する先生

 

11月某日。

 

夏の残暑もすっかりなりをひそめ、肌寒くなってきたこの頃。

 

シャーレの主である先生は、朝一での外回りを終え、フラフラしながらも、シャーレへの帰路を歩いていた。

 

本来なら生徒たちの模範となる先生だが、連日の徹夜作業で体力の限界も近く、積み重なった眠気と疲れの前では、ダラダラと歩いてしまうこともどうしようもないのだ。

 

幸い、今日は午前中の外回りで外での業務は終わり、あとはシャーレ内での書類仕事のみとなっている。

 

「急をようする書類もないし、シャーレに戻ったら少し仮眠を取ろう…」

 

そう呟きながら、仮眠室のベッドに思いをはせながらシャーレに歩を進めていくのであった。

 

 

「ただいまー」

 

「あ、先生…。おかえり」

 

「ヒナ?…あ、今日当番だったっけ?」

 

「そうよ。先生が朝一から外回りだったことは知ってたから、勝手に上がって当番の仕事をしてたわ」

 

「おぉ…ごめんね。おもてなしもできず」

 

「気にしないで。先生が忙しいのはわかっているから。書類仕事は私にできるところはほとんど終わったから先生はゆっくりしてて」

 

「ありがとうヒナ…。まるでギヴォトスに舞い降りた天使」

 

「もぅ…調子のいいこと言って…。先生疲れてるの?」

 

「あぁ…そうだね。連日の徹夜で少し疲れているかも」

 

「なら仮眠室で休んできたら?」

 

「いや、ヒナが仕事しているのに休むわけには…」

 

「ダメ。無理して休める時に休まないと、身体を壊してしまうわ」

 

「ヒナ、鏡って知ってる?自分の姿が見える日用品なんだけど」

 

「先生、気絶って知ってる?一瞬で意識が途切れる睡眠法らしいわ」

 

「ごめんなさい。悪かったから気絶させることを睡眠法って言わないで」

 

「わかればいいのよ」

 

「じゃぁお言葉に甘えて少し仮眠取ってくるね」

 

「えぇ行ってらっしゃい」

 

ヒナの言うことは正しく、身体を壊してしまってはどうしようもない。

 

ヒナのお言葉に甘えて休憩させてもらおう。

 

そうして私は、執務室のソファーにあった赤い毛布を小脇に抱え、仮眠室に向かう。

 

「おやすみヒナ」

 

「おやすみ先…え?」

 

「……?どうしたの?」

 

「あ、いや何でもないわ。おやすみなさい」

 

「うん、お休み」

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

「あー眠い」

 

シャーレの廊下を歩き、いざ念願の自分の寝室より見慣れた仮眠室へ。

 

有志達のおかげで今日の仮眠室の布団もふかふかだ。

 

上着を脱ぎ、布団を自分好みに調整し寝転がる。

 

そして、執務室から持ってきた毛布(イロハ)を自分の上にかけ、眠る体制に入る。

 

日頃の疲れもあってすぐに眠れそうだ。

 

「……………」

 

「じゃぁおやすみなさーい」

 

「……………」

 

「……………」

 

「……………先生」

 

「……………」

 

「………先生」

 

「なぁに…?」

 

「なんで私は先生の上にかけられているのでしょうか?」

 

「え?だって頑張って仕事しているヒナを尻目に、ソファーでポテトチップスを開けてグースカ寝てる毛布がいたから」

 

「それに対しては事実なので何も言いませんが一つ、私は毛布ではありません」

 

「違うキミは毛布だ」

 

「毛布じゃありません」

 

「何を言ってるんだ!?ボリューミーでふわふわの髪!抱き心地も良く加えて良い匂い!まさに至高の毛布!商品名はゲヘナアカモウフにしよう」

 

「先生。留置所って知ってます?」

 

「無料で泊まれてカツ丼が出てくるところでしょ?」

 

「留置所をホテル扱いしてるんですか?」

 

「はぁ仕方ない。これだけはしたくなかったが…」

 

「な、なんですか」

 

「はいイロハこれ見て」

 

「糸に繋がれたコイン?」

 

「イロハはこれから毛布になーる」

 

「催眠術?」

 

「毛布になーる」

 

「………」

 

「なーる」

 

「ふん!」ブチ!

 

「あ!コインが」

 

「何やってんですか先生。催眠術なんてかかるわけないじゃないですか。馬鹿じゃないんですから」

 

「キミの上司かかってなかったっけ?」

 

「そうですよ?マコト先輩は馬鹿だからかかるに決まってるじゃないですか」

 

「辛辣。じゃぁどうすれば寝具になってくれるの?」

 

「とりあえず人扱いするところからですかね。……それにもうちょっと頼み方があるじゃないですか」

 

「そっか頼み方…ね」

 

確かに頼み方は大事だ。

 

そう思い私はイロハに気持ちを伝えるために、布団の上に座らせ、両手でイロハの両肩を掴む。

 

布団の上で私とイロハで向き合う感じだ。

 

「…何ですか先生」

 

「今日1日でいい。私だけの物になってくれ」

 

「……先生!」

 

「羽毛布団」

 

「ふん!!」

 

「ボディ…!?」

 

「My name is Natsume Iroha. Repeat after me Natsume Iroha.」

 

「OK。ナツメ イロハ」

 

「はぁ…今日だけですよ」

 

「え?いいの?」

 

「いいです。どうやら先生は疲れと眠気でうちの生徒会長のように馬鹿になってるみたいですから」

 

「マコトと同じ…」

 

「だから…さっき私に言った言葉は、先生がまともになったらまた伝えてください」

 

「イロハ…」

 

「ほら!そしたらもう寝ますよ!私も眠たいんですから!」

 

「イロハさっきまで寝てなかったっけ?」

 

「私も昨日徹夜したんですよ。それで朝早く当番でシャーレに来て仮眠を取ろうとして寝ていたら、風紀委員長が来たんです。それからずっと気まずくて寝たふりですよ。ずっと同じ姿勢でいたせいで身体が痛いです」

 

「大変?だったね?」

 

「大変でした!おやすみなさい!」

 

これ以上の会話は恥ずかしいのか、ばっと私に背を向けて寝転がるイロハ。

 

そんなイロハの髪に顔をうずめるように私も寝転がる。

 

「おやすみイロハ」

 

「おやすみなさい先生」

 

コンコンッ!

 

「先生?仕事が終わったからきたんだけど、イロハ持って仮眠室に言ったのが気になっちゃって…」

 

「「あ」」

 

「な、なんでイロハと先生が一緒に寝てるの!?」

 

「あーこれはですね風紀委員長」

 

「ボーナスタイム来た!ヒナカモン!今日からキミは私の物だ!おいでゲヘナシロモウフ!!」

 

「え!?私が先生の物に!?」

 

「ふん!!!」

 

「脇腹!?」

 

このあとひと悶着した後に3人で寝た。

 

その後たっぷりと寝てるところを生徒に見つかり、先生は行きつけのホテルに連行された。




ブルアカT 3作目
最近ストーリーではアヤネ(メガネ)が頑張ってますね!良いことだ。とても良き。
拙き作品ですが宜しくお願いいたします
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