それいけ! 東光学園IF~高坂あおいルート~   作:赤月暁人

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第6話 文化祭

 二年目の文化祭は野球部も参加できることになり、夜月たちは文化祭の準備に入る。

 

 そして夜月とあおいは恋人となり、二人で出かけることも多くなってきた。

 

 榊と園田からは熱烈な応援を受け、夜月は少し恥ずかしくなったが慣れてきたのかあしらうようになる。

 

 文化祭の準備をしている時に夜月とあおいは天童から伝言をもらう。

 

「夜月と高坂、急だけど監督が呼んでたぞ。二人で一緒に来てほしいってさ」

 

「本当に急だな。でも呼んでるなら行くしかないか」

 

「そうだね。一緒に行こう」

 

「ああ」

 

 夜月とあおいは不思議そうに監督の元へ向かい、それを天童が見送る。

 

 しかし天童はこっそりニヤニヤしていて、独り言をつぶやいた。

 

「付き合ってるって本当なんだな……。キャプテンとマネージャー、お似合いのカップルじゃんか。俺がリハビリをしている間にあいつらがなあ……頑張ってもらうために俺もサポートすっか」

 

 天童はかつて自分にはじめての彼女ができたことを思い出しながら夜月とあおいカップルを陰ながら応援していた。

 

 その応援を背に夜月とあおいは監督のいる部室に着く。

 

「監督、夜月晃一郎です。高坂あおいも一緒にいます」

 

「どうぞー」

 

「「失礼します!」」

 

「そこまで固くならんでいいぞ。まあ入りなさい」

 

 夜月とあおいは緊張しながら部室に入る。

 

 石黒監督はパイプ椅子に座って腕を組んでいたので、機嫌が悪いのではないか、怒られるのではないかと緊張していた。

 

 しかし石黒監督の顔を見ると、どうもニヤニヤしていて夜月は怒ってるわけではないと感じた。

 

 そして石黒監督はついに口を開く。

 

「さて、どうして君たちが呼ばれたかをこれから教えよう。君たち二人……ようやく付き合ったんだなぁ~! というか遅いくらいだぞ!」

 

「え……!?」

 

「あの、監督……私たちが付き合ったって、いつ気付いたんですか?」

 

「君たちがお互い顔を合わせる度に甘い空気を出すからバレバレだぞ? それに君たちが両想いなのにいつまで経っても進展しないから見ていてずっとハラハラしてたんだからな?」

 

「俺たちが臆病なのはみんな知ってて見てたのか……」

 

「なんか恥ずかしい……」

 

「それに榊と園田という圧倒的に手強い恋のライバルに勝ったんだから、夜月は高坂と結婚するまで簡単に別れるんじゃないぞ?」

 

「結婚って……俺たちまだ高校生ですよ? でもあおいと結婚かあ、実感はわかないけどしたい気持ちはあります」

 

「ええっ!?」

 

「あ……」

 

 夜月の遠回しなプロポーズにあおいは驚き、結婚を意識させる目的とはいえ予想外の答えに石黒監督もさすがに言葉を失う。

 

 夜月も自分の言った発言に気が付き、気まずい空気が出てしまったことに恥ずかしくなり下を向いた。

 

 しかし石黒監督は嬉しそうに夜月の肩を強く叩く。

 

「よく言った夜月! それでこそ男だ! 結婚するとまで言ったんだから責任を取って一緒に幸せになりなさいな! その前に一緒に甲子園に行こう!」

 

「「はい!」」

 

「そっかぁ~、主将とマネージャーがお付き合いかあ~。野球部では結構ありがちだし、過去にも同じようなカップルを見てきたけど、君たちほど相性がピッタリな主将とマネージャーのカップルは初めてだよ」

 

「あんまりからかわないでくださいよ。あおいはまだ慣れてないんですから」

 

「しかも今まで高坂呼びだったが、今は下の名前呼びだもんな~。父さんは嬉しいよ!」

 

「誰が父さんですか、話はそれですか?」

 

「まあそんなところだ! 野球部公認カップルだから簡単に分かれることは俺も許さんぞ。もしそうなったら今後野球部はマネージャーとの恋愛は禁止というルールがある。まあ君たち二人はその心配はなさそうだけどな。末永く幸せになりなさい!」

 

「「はい!」」

 

 夜月とあおいは野球部公認カップルとなり、監督からもお墨付きをもらった。

 

 翌日にはチームメイトからも最初はからかわれたが、さらに翌日にはいつも通りの空気で練習に励み、からかう者は誰もいなかった。

 

 そして文化祭のリハーサルで夜月とあおいは店番をやりながらいろいろ回り、学園デートを果たした。

 

 文化祭当日は全員スタッフに徹するために回ることができないが、それでも文化祭の満足度は100パーセントと例年通りの結果となった。

 

 そして文化祭の後夜祭で夜月とあおいは二人きりになる。

 

 二人が回った場所はフォークダンスだった。

 

「フォークダンスって結構古いよな」

 

「確かに今時フォークダンスってあんまりしないかも」

 

「キャンプファイヤーを囲って人気の部活のマスコットがパレードショーをした後にフォークダンスだもんな」

 

「変わってるよね、この学校も」

 

「だな。それにうちの野球部のマスコット、結構可愛かったな」

 

「ゴールデンレトリバーのライト君だね。可愛いよね」

 

「パレードショーの声は声優部が当ててるからな。毎年変わるとはいえすごいわ」

 

「だね」

 

「さてと……フォークダンスもそろそろ終盤か。あおい、俺と一緒に踊らないか? リードは頼りないかもしれないが、精いっぱい頑張るからさ」

 

「晃一郎くん……うん! 手を取り合って、一緒に踊ろう!」

 

 夜月は慣れてないとはいえ、あおいをリードするために手を引っ張った。

 

 二人で恥ずかしがりながらも手を取り合ってフォークダンスを踊り、野球部のチームメイトたちからも指笛など歓声が沸いた。

 

 あおいは恥ずかしくなるも、夜月はそれを無視してあおいとのフォークダンスを楽しんだ。

 

 後夜祭を終えて片付けしていると、意外な人物が夜月に声をかける。

 

「夜月さん、こんばんは!」

 

「こんばんは……って、何でネットアイドルのすーみんがここに!?」

 

「えっ!? すーみんって晃一郎くんが推してるアイドルの!? 私もファンなんです!」

 

「推していただいて嬉しいです! やはり合同遠足の時から真っ直ぐな目は変わってないですね♪」

 

「合同遠足……? それって小学校の時だよな?」

 

「はい! 思い出せますか? 水野澄香です」

 

「水野澄香……! 確か俺とペアだった子か。大きくなったな」

 

「思い出してもらえて嬉しいです! お二人が部内恋愛を成就させたって本当だったのですね!」

 

「実はそうなんだ。澄香ちゃんはどうしてここに?」

 

「実は私はここの野球部の動画や配信を見ていまして、夜月さんのファンなんですよ」

 

「俺にもアイドルのファンがいるんだな……」

 

「それと高坂あおいさんの真剣にサポートする姿にも惹かれてまして、夜月さんとはお似合いだろうなあっていつも妄想してました。あおいさんに会えて嬉しいです」

 

「こちらこそアイドルに応援されて光栄です」

 

「こんな私も応援してますから、川﨑国際にも負けず、甲子園に行ってくださいね! アイドルをしながら応援しています! ではまた会いましょう♪」

 

 ネットアイドルで夜月が推しているすーみんこと、水野澄香が後夜祭の終わり頃に会いに来てくれて、それもあおいと付き合い始めて応援されていることに二人はモチベーションが上がった。

 

 推しのアイドルに甲子園に行ってほしい、そんなことを言われたのだから夜月は川崎国際に負けていられないと燃える。

 

 あおいも夜月の隣で熱くなり、よりマネージャーとして頑張ろうと誓った。

 

 文化祭も終えてクリスマスシーズンに入り、学校も冬休みシーズンとなった。

 

 つづく!

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