「彼女たち」の微笑みに包まれて人類滅亡   作:歩(ホ)

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マスコミの反応

 総理大臣の記者会見が終わると、すぐにマスコミ各社はその内容を報道し始めた。

 テレビニュースは特別番組を編成し、または放送中のニュース番組で速報として詳細な解説と共に最新情報を伝えた。

 

「速報です」

 

 ニュースキャスターが放送中の内容を切り上げ、新たに用意された原稿を読み上げる。

 

「先ほど、内閣総理大臣が緊急記者会見を開き、地球外からの生命体である『彼女たち』との接触について発表しました。総理大臣によれば、彼女たちは友好的な意図を持ち、驚異的な速度で日本語を習得したとのことです。現在、政府は安全性を確認するための詳細な調査を進めており、国民の皆様には冷静な対応を呼びかけています」

 

 また別の番組では総理大臣の記者会見の映像が流れ、その後、スタジオに戻って司会者が解説を始めていた。

 

「今回の発表により、国民の間で様々な憶測が飛び交っています。『彼女たち』がどのような存在であり、何を求めているのかについてはまだ明らかになっていません。また、当番組では『彼女たち』の姿を目撃した人々の情報を募っています。もし、目撃情報があれば、ぜひお知らせください」

 

 翌日の朝、各種雑誌も特集記事を組み、「彼女たち」に関する情報を伝えるた。

 週刊誌の表紙には、大きな見出しで「異星からの訪問者『彼女たち』の正体とは?」と書かれていた。

 情報の出所が政府からしかない状態であり、総理大臣の記者会見しか詳しいものがないために、書かれていることはテレビ番組とほぼ同じ内容である。

 

「総理大臣が緊急記者会見を開き、『彼女たち』と呼ばれる異星からの訪問者の存在を発表しました。『彼女たち』は友好的であり、日本語を習得したとされていますが、具体的な姿や目的についてはまだ明らかにされていません。政府は引き続き調査を進めており、国民の安全を確保するための対策を講じています」

 

「また、『彼女たち』の姿を目撃したという情報も募っています。『彼女たち』が地球に到着した瞬間を目撃した人がいれば、その情報が非常に重要となります。異星の訪問者がもたらす未来について、我々は慎重に見守る必要があります」

 

 宇宙からの来訪者という特大の情報をマスコミたちは競い合うように追い求め、国民の関心を引き続ける。

 総理大臣の記者会見だけではすぐにネタも尽きてしまう。

 ゆえに総理大臣の言葉の端々を拾い上げ、予想や予測を行うのは当たり前とすら言えただろう。

 次の日のゴールデンタイムで放送された番組では、「彼女たち」の目的よりも、どのような姿をしているかに焦点を当てていた。

 

「皆さん、こんにちは!」

 

 と、明るい司会者がカメラに向かって笑顔を見せた。

 

「今日は特別企画として、地球外からの訪問者『彼女たち』について話してみたいと思います。政府が『彼女たち』と呼んでいることから、宇宙人が女性の姿をしているのではないかという噂もありますが、皆さんはどう思いますか?」

 

スタジオには、著名な芸能人や専門家が集まっていた。

 

「そうですね」と、一人の芸能人が答えた。

 

「もし『彼女たち』が女性の姿をしているなら、どんな姿なんでしょうね。やっぱり美しい宇宙人を想像しちゃいますよね!」

 

「確かに」と、司会者が同意する。

 

「彼女たちがどんな姿をしているのか、国民の皆さんの意見も聞いてみましょう」

 

 画面が切り替わり、街頭インタビューの様子が映し出された。リポーターが道行く人々にマイクを向けて質問していた。

 

「もし『彼女たち』が女性の姿をしているとしたら、どんな姿を想像しますか?」

 

「私は、優しくて知的な雰囲気の女性を想像します。彼女たちが日本語を習得するのが早いって聞いたので、すごく頭が良さそうです」

 

 一人の若い女性が答える。

 次にインタビューを受けた中年の男性はこう言った。

 

「私はもっとSF映画みたいな、未来的なファッションをしているんじゃないかと思います。やっぱり宇宙人って聞くと、どうしてもそういうイメージが湧いてきますね」

 

 次々と老若男女が「彼女たち」について予想を口にする。

 番組が意図的に省いているのかは不明だが、それでも殆どの国民が「彼女たち」を自分たちと近しい姿をした友好的な生物であろうことを予測していた。

 

 スタジオに戻り、司会者がコメントした。

 

「いろんな意見がありますね。彼女たちがどんな姿をしているのか、早く明らかになるといいですね。政府の迅速な対応を期待したいです」

 

 番組はさらに続き、「彼女たち」に関する様々な情報や噂を取り上げながら、視聴者の関心を引き続けた。

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