あんまりメジャーじゃないかも知れないですけど、いつかは艦これで実装してほしいと思っている海外艦です。
夏
蝉がよく泣く季節。
そんな日に宿毛湾泊地の上空では複数の航空機が飛行訓練をしていた。
ここに所属している空母は加賀のみなので当然、練習をしているのも加賀だ。
そして次に聞こえる砲声。この大きさの音ならばおそらくは足柄達の主砲だろう。
「たいい!」
「ん?どうした?」
工廠で装備品の点検をしていた黒岩は妖精さんから声をかけられる。
「このそうびはどうしますか?」
「ん?ああ、これか……」
それは今までの開発などで完成された
「どうしたものか……」
少し考えると、そこで黒岩はポンと手を軽く叩いてあることが浮かんだ。
「そうだ、これを使ってオリジナル装備品でも作ってみようかしら」
「?なにをするんです?」
「ん?ちょっとした工作」
彼女はそう答えると工廠の設備を使ってその中の一つの電探を持ち出していた。
同じ頃、洋上では足柄や不知火が掛けて砲撃を受けていた。
「ほらほら!」
「当たっていませんよ」
染色弾が洋上を彩り、反対側には羽黒や加賀達が攻撃を加えていた。
「魚雷発射!」
「撃っ!」
そこで秋月達は新たに装備された61cm五連装魚雷発射管から五本の魚雷を発射すると十本の魚雷は足柄達に飛んでいく。
この宿毛湾泊地でも随一の戦闘力を誇る足柄達はその攻撃を軽々と避ける。
その直後に上空から加賀の流星改の攻撃が飛んでくる。
「「っ!!」」
「お疲れ様ね」
足元に注意を取られた隙に上空から爆弾を受けた足柄達はもろに全身がインクで濡れると、そこで訓練は終了した。
「やれやれ」
「酷い目にあった……」
「あら、涼しくて良いかと思っていたけれど?」
その時、少しだけ楽しげにしている様子の加賀。その横で色々な部分が赤や青に塗られた様子の足柄達。
「帰ったらシャワー浴びないと……」
「ですね、酷い目に遭いました……」
羽黒と秋月はそう言うと、六人はそのまま夏の宿毛湾泊地に帰還する。
「このまま海にドボンは……」
「提督に叱られたいのであればどうぞ」
付いたインクは海に流しても大丈夫なやつだが、浜辺以外で許可なく泳ぐなと山郷に叱られる事間違いなしなので不知火達もインクまみれのまま妖精さんの持ち出したホースで水浸しになっていた。
「冷たっ!?」
「あついですから、めいっぱいひやしておきました!」
妖精さんはそう答えると、そのままインクまみれの彼女達は洗われて行き。そしてそのまま工廠に入ると、そこでは何やら作業をしている黒岩や妖精さん達を見た。
「何をしているの?」
「ん?ああ、お帰りみんな」
そこでレンチ片手に何やら分解している彼女の横で妖精さんも同様に装備の分解をしていた。
「本当に何してんの?」
「ああ、ここに積み上がってた装備品の整頓をね……」
彼女はそう答えると、そこで二一号対空電探を分解していた。
「こう言う部品を流用して、既存の装備を改造するんですよ」
「へぇ……」
そう言い、分解し切ったパーツを一瞥すると。そこで彼女は秋月に付けていた既存の対空電探を外すとそのまま改造をしていた。
「そんなことができるのね」
「ええ、明石さんに教わった技ですよ」
艤装技師として彼女は改造を加えると、二十分ほどで改造が終了した。
「一人一人の質を上げていかないといけませんからね。こう言う細々とした改造も……大切にしていかないと」
彼女はそう言うと、改造の終わった対空電探を元に戻し。次に他の艤装にも色々と手を出していた。
他の妖精さん達も工廠に積み上がり、せいぜい次の開発資材に回されるはずのその装備品を次々と分解していた。
その光景に興味津々で見ていると、そこで声が掛かった。
「おい!黒岩!!」
振り向くと、そこには山郷が立って彼女を呼び出していた。そして彼は黒岩を見ながら言う。
「そろそろ講義の時間だぞ」
「はいっ!少し待ってください!!」
彼女はそう答え、全ての作業を中断した後。山郷の元に走って行った。それを見て足柄達も忙しそうな彼女に少しだけ憐れんだ目をしていた。
そして山郷に呼ばれた彼女は、そこで戦闘教義の講習を彼から直接受けていた。その内容は至ってシンプル。
カチカチッ
パソコンを使い、画面同士で試合をする二人。そう、ネット上での兵棋演習だ。
戦闘教義を教えながら山郷は実践あるのみと言う事で彼の手解きを受けながら兵棋演習を行なっていた。
そして今、最後の主力艦である戦艦が山郷の重巡の魚雷攻撃で撃破された。
「あぁ……」
「ふむ、まだまだだな」
「ははは…少将には敵いませんってば……」
山郷は戦艦のないハンデ戦だったにも関わらず黒岩率いる艦隊を撃破せしめた。
「なに、前よりも筋は良くなっている。二ヶ月くらいしたら、俺がいない間の軽度の戦闘ほどならできるかもしれんな」
「そんなことできます?そもそも私技術員なんですけど」
「ここは常に人手不足だ。設備しか整っていないからな」
そう答えると、山郷はケラケラと笑う。
「笑い事じゃないですよ。ここが突破されたらどうするんですか?」
そんな山郷に思わず黒岩は反論すると、山郷は軽い様子で答える。
「その時は、レーダーサイトがすでに状況を把握するから。呉から艦隊が飛んでくるだろうな」
そう言うと、ちょうどそこに大淀が入って来た。
「提督、本部から連絡です」
「?」
本部からの連絡と聞き、少し首を傾げる山郷はその通信を読むとそこで軽くため息をついた。
「はぁ……また練習か」
「?どことです?」
「佐伯湾だ。前は呉の艦隊だったが……」
「佐伯湾……結構近いですね」
場所を思い出しながら黒岩はそう言うと、山郷も頷きながらそこの提督の噂を思い出す。
「ああ、優秀な奴が収めていると聞いている。まあ、俺も軍人派の人選はわからんがな」
「……」
そこで黒岩は今度の模擬戦の相手の情報を見ていると、そこで大淀が呆れたように山郷に言う。
「しっかりしてくださいよ。一応提督は軍人派の有名人なんですから……」
「分かってはいるがな……どうもやる気になれんのだよ」
「まあ、勝手に祀り上げられるのは確かに癪ですけど……」
彼女はそう答えると、山郷も少しだけ笑って大淀に答えた。
「佐伯湾の提督に伝えてくれ。一週間後に来てくれと」
「分かりました」
大淀はそう答えると、山郷は次に黒岩を見て言った。
「聞いての通りだ。一週間後に演習を行う。それまでにアイツらの事を完璧に仕上げてくれ」
「はい!お任せください!」
黒岩はそう答えると、そこで山郷は少し申し訳ない様子を浮かべながら言う。
「すまんな、そっちも仕事が溜まっているだろうが……」
「いえ!これが私の仕事ですので」
彼女はそう答えると、そのまま今日の講義を終えて司令官室を後にしていた。
その日の夜、いつものように夕食を摂り終え。あとは自由時間となっている宿毛湾泊地では艦娘達も重い思いの時間を過ごしていた。
夜間の警備は妖精さん達が熱心に行なっており、そしてそんな妖精さん達が集まる場所があった。
それは宿毛湾泊地の士官用宿舎だ。本来ここは客人や勤めている士官が寝泊まりする場所であるが、元々山郷も使わなかった為に廃墟同然となっており、黒岩が来る前までは埃マルケだったような場所だっが。今は全く違っていた。
「たいい、このやくひんはどうしますか?」
「そこの上から二つ目の棚に置いてちょうだい」
「はーい」
エバポレーターを動かしながら黒岩はそう答えると、白衣を着た妖精さん達は言われた通りに薬瓶を片付けていた。
四宮からヤオビクニの解毒剤の開発を命ぜられた黒岩は研究所より持ち出した原液を使って様々な研究を行なっていた。その為に資材を少し使って寮舎の改造を行い、レベル2程度の実験室が完成していた。どう言う技術なんだろうと首を傾げてしまうが、これで最低限の実験空間は完成していた。
すでに実験機材も多く運び込まれており、この一ヶ月で宿舎の部屋は大規模魔改造を受けていた。
「でもやっぱり、レベル3くらいの実験室の方がいいかもしれないわね」
彼女はそう溢すと、横で妖精さん達が言う。
「しざいをさらにくれればわたしたちがつくりますよ?」
「え?いやいや、そこまでしなくても……でかできるの?」
「ねんにはねんをです!このくすり、わたしたちにとってみればおそろしいどくになかんじがします!」
そう言い、化学防護服のような服装をした妖精さん達が慎重にヤオビクニの原液の入った瓶を指差す。
それを見て改めて黒岩は危険度を上げると共に今の状態での研究の限界をすでに感じ始めていた。
「くっ……!!」
日本から遠く離れた南の海。そこで一人の艦娘が身体中から血を流しており、大破していた。
『トンブリ!?』
「分かっている!」
僚艦であるメクロンが問いかけると、トンブリは目の前に立つ一隻の重巡棲姫を見る。遠くに映るその影はこちらを静かに見つめていた。
深夜の海に浮かぶその青い目は不気味さを増長させていた。
「他の子は?」
トンブリが聞くと、メクロンは詳しく答えた。
『ターチンとエトナも撤退したわ。マッチャーヌもシンサムッタも予定位置まで撤退した。残るは貴方だけよ』
「分かった……撤退するわ」
そう答えると、トンブリはボロボロの艤装を応急修理しながら進路を反転させる。その重巡棲姫は奇妙な事に一隻しかおらず、部下を従えている様子もなかった。
「単艦の重巡棲姫であんな火力?戦艦に匹敵しているなんて馬鹿みたい……」
撤退中のトンブリはそこで追撃をかけてこないその深海棲姫に余計に疑念と恐怖を煽られる。
「追撃すらしてこないなんて……」
そこでさらにトンブリは首を傾げていると、視線の先に知り合いのスコタがトラッドとチャンタブリーの水雷艇や駆逐艦のへミンジャーなどを引き連れて大破したトンブリの救援に駆けつけていた。
「大丈夫か?!」
スコタが駆け寄ってトンブリを見ると、彼女は後ろに居たはずの重巡棲姫が居ない事に少し安堵を覚えた。
その重巡棲姫は今までのアーカイブに残されていた重巡棲姫と違い、頭にアズマギクの赤いヘアピンを差していたのはよく覚えていた。
今後の展開、読んだらどれかに投票してほしいです。
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ハッピーエンド
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微ハッピーエンド
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モヤモヤエンド(?)
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全部書け。