キヴォトスの若鷲(エグロン) 作:シャーレフュージリア連隊員
感想があればペースを弄ったりします
俺達は別働部隊の通信遮断と逃走路の用意を確認し、都市の下の通信ケーブルを初手でアロナに制圧させた。
連中これで耳とお口が繋がらない、直接繋げてしまえばオフライン状態だろうとハッキング出来るのは怖いものだな。
初動の為の電力網の切断は作戦の成功率を変える。
突入の最終確認をしていると、掃除用具なのか熊手が転がっていたので、余計な奴を思い出したので、アロナを使いあの声に変えた。
そこまで羨ましいなら、心だけでも同道させてやる、あの世から奪ったものの香りを楽しめよ。
「突入時は先生ではなくマッセナと呼べ」
「ん、世紀の大強盗みたい! 知り合いなら今度紹介して」
「教育によくねえからダメ」
そんな事したら俺から奪いに来そうだからやだよ。
すると、銀行の液晶にミニアロナちゃんが大行進している、制圧したな。
突入用意ヨシ、そう片手を動かす。
「それじゃあファウスト様突入と行こうや、決めてくれよ!」
「そ、そういんとつにゅう!」
店内に突入、直ちに店内の警備員を殴打して制圧し袋をかぶせる。
なぜか最適な行動を思いつくのは、奴が強盗ってのはこうやんだ、皇帝! と案内されているようだ、悪いことはするもんじゃない、悪霊が付いて来た。
一瞬でマーケットガードを制圧したタイミングで、非常電源で明かりがつく、今頃別働隊は電力室と別の部屋の制圧に移っているだろう。
こっちは精々、”ドタバタ喜劇の警官隊”で目をそらしてやろうじゃないの。
「全員その場に伏せなさい! 持ってる武器は捨てて!」
「言う事を聞かないと、痛い目にあいますよ」
「あ、あはは……皆さん、怪我しちゃいけないので……伏せてくださいね……」
「親分、今回は随分優しいですな、何時もなら見せしめぐらい作るじゃねぇですか」
何かエミュができてしまっている、腹立たしい。
柱の陰でオートマタが警戒態勢を知らせようとするが、ホシノがショットガンの銃床で腹、そして喉を殴り制圧した。
まるでバレエのような軽やかさで、銀行の受付台に乗り、全員に忠告する。
「うへ~無駄無駄、外部通報の警備システムも落としたし警備室も制圧中だよー。みんなも帰してあげるから大人しくしててね」
「ほら、そこ!! そこ伏せてってば! 下手に動くとあの世行きだよ」
セリカはやけくそ気味でドスが入り切ってないが、命は惜しいのか伏せて悲鳴を上げる。
シロコは各自の携帯を花瓶に入れさせて端末を始末させている、実にスムーズ。
「皆さん、お願いだからじっとしててください……あうう……」
「うへ~ここまでは計画道り! 次のステップに進もうー! リーダーのファウスト様! 指示を願う!」
「えっ! えっ!? ファウストって、わ、私ですか? リーダーですか? 私が!?」
「おい! 親分の名前は禁句だろ、俺達まで消されちまう」
「許してリーダー」
ティーパーティーの顔に泥を塗るなど言ってるが、あそこは泥パックしてるようなもんだろ、開き直れ。
覆面水着団、もう少しエッジが欲しいな。
「覆面水着マッセナ団だ、覚えてろ」
「うわ、何それ! いつから覆面水着マッセナ団なんて名前になったの!? マッセナ団で良くない、凶悪度上がりそうだけど」
もはや狂言強盗だ、視界の端に便利屋が写る何してんだあいつ等は。
真面目にやってるのはシロコだけだ、警備室を占拠してる連中が見たらため息物だろう。
シロコが締め上げてる、審査官に詰め寄る。
「わっ、分かりました! 何でも差し上げます! 現金でも、債券でも」
「家のリーダーはそんな嵩張る物要らないんだ、気の利かねぇ奴だ、現金に関する帳簿と出納帳だ、後命令書と顧客リストが届けば、あんたの首は見逃してやるよ」
「ぞんなのわだしだらわだじごろざれるううう!」
「じゃあ今死ぬかァ!?」
喚く審査官の頭に熊手の石附で一撃食らわせるが、鞄に金ばかり詰めてきた上にアロナが小さく発信機入れてますよと教えてくれたので、もう一発食らわせて札束に火を付けてやった。
別のカバンがセリカに渡されたが、シロコが札束の一部を破いてみるとインクと発信機がこちらもあった、舐めてるのか。
別動隊が電源室でも上手くやったのか、非常灯だけになった店内に燃えた札束が映えるもっと燃えると良いや。
カイザーから奪ったテルミット手りゅう弾を取り出し、受付が役に立たないから店長の前に立つ。
「よし、科学の授業をしようか。―――オートマタは摂氏何度まで耐えるか―――をテーマにしてみよう、夏休みの賞も俺のもんだな」
テルミットを見て店長は顔面蒼白している、自社製品の信頼性は高いらしいな。
「要らねぇって言ってる物、出すんじゃねぇよ!次はテメェを焼くぞ」
「申し訳ありません、ご希望はこれでしょうか……?」
「分かってんなら、変な事すんじゃねぇ、気が利かねぇテメェに親分からご褒美だ!」
「アババー!!」
程よく種火になりそうな札束とテルミットを金庫に放り込むと、査察官は良い声を出してくれたので謹製のスタンバトンを首に食らわせてやった。
店舗側で手に入れれそうなもんは全部鞄に入れた、発信機の類も無い。
「それじゃあ、撤収~」
「……引き揚げましょう」
フランス語で「では失礼しました」と、完璧なコルシカ訛りで挨拶して出ていく、なるほど、成功するとこんな楽しいのか。
俺達が店を出たとたん、スプリンクラーが放水された、流石に異変に気付いたらしいガードが小隊単位で展開しようとしてる。
別動隊はそのまま別ルートの退避、軽く運動しよう。
黒いカラーのオートマトン達がMP5やM4を構えて「動くな!」と叫んでいる。
ノノミが制圧射撃している隙に予定通りの退却を開始した。
「予定通り下から逃げる」
地下抗に潜ったのを見て、ノノミも飛び込む。
当然奴らも追う訳だ、ではここでカイザーからやはり奪ったこのレーザー検知式の爆薬が輝く。
奪ったんじゃない、借りてるんだ、必要無くなるまでな。
俺はやはりマッセナより善人だな!
「目を閉じて口開けて耳塞げェ」
「えっ」
爆轟! 実に美しい、敵が吹っ飛ぶなら猶更良い。
猫耳で閉じるのが間に合わなかったセリカが涙目であるが多分問題ないだろう。
邪魔なく、マーケット外に出かける前に、皆が覆面を外すが、シロコが覆面を外さないのをホシノが解説する。
「天職を感じちゃったって言うかもう魂の一部みたいになっちゃって脱ぎたくないんじゃなーい?」
ふと、手に持ってた呪物になりかけてる熊手をシロコに渡すと
「ん、凄い親和性、何か天啓も降りてきそう」
「お前にやるよ、それ」
「祟られそう」
セリカの突っ込みに俺も心の底から同意した。
褒めてないぞシロコよ。
帰り道すごい勢いで追ってきた、アルちゃんに絡まれた時に設定を盛り始めたので、俺も奪った金は石鹸の香りがする、青春の香りだと付けてやったら俺の方の設定でアルちゃんが引き始めたので、そんな俺もファウスト様の悪の美学に感服を受けて彼女の下に下ったと付け加えるとアルちゃんは輝いたがヒフミはより成層圏より深いディープブルーに染まった。
マッセナよこっちにもお前の名は刻んでやったぞ。
アビドス校舎前でヒフミと別れたが、あいつ大丈夫か?
ティーパーティーからクレームが来たら、言い逃れの手は幾らかある。
ヒナも良い情報をくれた、次会う時は礼をしなければ、イロハには……アイツはどんな物で喜ぶのか分からん。
ノノミと廊下を雑談しながら、対策委員会の部室に向かって歩き今回の証拠と別動隊の証拠を持って、作戦会議の予定をノノミと話してると、大きく壁が殴られる音がしたので二人で音のした教室に入ると、シロコがホシノを詰めていた。
隠し事がバレたらしい、だがシロコを煙に巻くホシノの目には見覚えがある。
エスリンク会戦の前の晩にランヌが見せた目と近いものがあった、大きくは違うが永遠の別れを覚悟して何かを誤魔化そうとする目。
早ければ今晩にもホシノは此処から去るだろう、今俺が止めても聞くか分からねぇ、だが話しておかねば駄目だ。
「眠たいなら仕方ないよな、ノノミ、シロコ! ホシノ借りるぞ寝不足の解消法を教えてやる」
「いいよ~先生、そんなことしなくても、もしかして、おじさんとお昼寝でもしたいの?」
「冗談も大概にしろよなぁ、ちょっとこいって」
なぜか二人息の合ったちょっと待ってて(ろ)と言って廊下に出てで小声で話す。
「今日の証拠と情報によっては、明日にはカイザーのアビドスの最大の拠点の威力偵察を行う、その結果次第でこちらの再編と準備が完了する3日以内に決戦を決行する」
「勝ち目見えたんだ、やるねぇーどんなふうにやるの?」
やはり声がどこか遠くを見ている。
「早くても明日の夜にはな、……お互いもう少し隠し事を出し合おう、お前の先輩の話を聞かせてくれ、俺も俺の親友の話をしよう、良い人だったんだろ?」
「どうして、知ってるのさ?」
声のトーンが低くなった。
幸い手は机にかけたままだ、昔にこれ言ったら多分撃たれかねない。
「詳しくはその時教えてやる、俺の友人が死ぬ前に最後に見た時と同じ目をしてるんだよ、お前」
「……仕方ないなぁ、さっ、みんなが心配するよ早く戻ろう、明日の威力偵察の後の夜日付が変わる前にここでまた会おう」
「明日向こうにどんなに煽られても気にするな、それより俺がうっかり交渉中に向こうさんの頭吹き飛ばさないように見張っててくれ」
律儀に教室で待っててくれた二人に礼を言い対策委員会部室に進んでいると別動隊の車もたどり着いたようだ、ホシノとノノミが教室に入った後、シロコが熊手にメモを挟んで俺の顔の横にメモを突き出してきた。
放課後相談あり、徴用体育館取調室使いたい、これならバレにくい、カバーも居るだろう。
「いってぇ、シロコ何しやがる」
「ん、奪わないと行けない気がした」
「シロコちゃん、バシバシ叩かなくてもいいんじゃ」
「先生、この熊手もっと改造していい?」
「道具が欲しけりゃ職員室だ、痛ってぇなおい、取り上げるぞオイ」
「ん、奪うのは許さない」
──ーシャーレ制服と黒スーツの組み合わせでやたらかっこよくなったユウカのブリーフィングが始まった、お前形から入るタイプなのか? 一応コンソールや録画で次の作戦参加者は確認するらしいが。
2時間後出発する部隊がルート開拓を行い。
回復が終わった隊員は夜間の内に校舎で合流再編し戦闘力の回復を行いつつ戦闘準備を整えつつ待機
俺は対策委員と別ルートで移動(一応地図だとこれが正規ルートらしい)PMC基地に向かい、予想される捜査令状と言う名の最後通牒、戦闘が起きた場合遅滞戦闘を行い後退。主力は重機材を持って開拓ルートを使用し移動する
此処までの説明が終わると、一番大事なとこは先生が言えとばかりにユウカに投げられたので、作戦説明を行う、マジかよ、こいつ頭大丈夫か? と言う視線が増えたが完勝するにはこれが一番なんだなぁ……
だが、対策委員の方が心配だ。こいつ等の心が折れたら意味がない。ホシノの動きとこの後のシロコとの相談が肝だな。
「先生、時間作ってくれてありがとう、この後も動き回るんでしょ?」
「構わん、結局は君達の為だし先生とはそう言うものだろう」
放課後、取調室を使った、相談が始まった、ホシノの書類や動き、お前良く見てるんだな。
だが、熊手が本格的に見慣れたカッターに変身しかけている、此処の人間ならこれで殴られてもスプラッターにはならないだろうが……
「それ、重くないのか?」
「ん、大丈夫、一番馴染む長さと重さにしてる、素材も強化して装甲車を叩いても壊れないようにした、全長136cm重量39kg素材は……」
最近で一番の絵がかけた子供の様に自慢してくる、絵面は良いのだが説明してる物が物騒すぎる。
本物は2m近いマッセナに合わせたものだったので随分小さくなったが、将来の改造計画も聞くと末恐ろしい……
ちなみに、装甲車殴ったら手が痺れて落としたらしい、目標が色々増えたし、無限の可能性がある万能ツールにすると喜んでいたが。
ヤバい物が組み合わさったかもしれない。
さて、トリニティはヒフミに託した、さてヒナに邪魔が入らない様に、赤モップ様にホウレンソウしておこう。
最高の勝利と結果の為なら靴でも舐めれるが、その後訴訟される方が遥かに心配だ
だってシャーレはいちおう正義の味方だしな。
【次回予告】
理想を追う者は追えばいい。
正義を語る者は語ればいい。
目の前には登らねばならぬ階段がある。
欲望に道連れは不要だ。
一人でやるさ。
理想や正義など、暗闇で眠ればいい!
次回「 誰かにとっての負け戦 」
しかし、錆び弾にも信管はあるのだ。
6/28のお昼位を予定してます