キヴォトスの若鷲(エグロン) 作:シャーレフュージリア連隊員
─ペテロ
カルネアデスの
何をどうしようとろくなことにならない、全てが破滅へ進む。
SRTを創設した、そうしたら既存の法執行機関と官僚的争いを起こして瞬く間に自浄作用の欠いた連中となった。
ヴァルキューレ警察学校に手を入れようとした、汚職と腐敗が多すぎて直ぐに何も出来なくなった。
アビドス砂漠の問題が出て来た、環境破壊と難民流出と経済悪化を止めねばスラム化が進むと言うがどうすれば砂漠化が止まるんだ。
トリニティの内部対立と不和は深刻化を深めている、ゲヘナはまだマシだが段々中央を信じないという風潮が出て来た。
ミレニアムに至っては「名目上の上位組織と言う点では疑いませんが能力に関しては審議の余地がある」と無能力化を警戒しだした。
なにも良い事がない、世間じゃ自分を超人と言う。
誰も私が私であることを見ようとしない。私を呼ぶときは皆名前ではなく会長、連邦生徒会会長、超人。
誰も隣に立とうとしない、理解もしない、リンちゃんはあれなりに努力してるんだろうけどそれくらいだ。
ありのままを誰も見ようとしない。
相談出来る大人が居れば変わるのか?
カイザーがちょっかいをかけて来て、変な事してるバカ共の秘密結社がのさばり、無規制な資本主義経済を弄ぶ腐ったバカな大人がのさばるキヴォトスが。
草原の中堂々と立っていた大人が居た、藁にも縋る様に頼ってみる事にしたあの大人。
また私の選択のミスかと思いました。
あの日の出会い、現れたのは尊大で悪い大人の権化みたいな男性。普通はもう少しこう、人選とかあるものじゃないの?
ほらなんか、眼鏡掛けてたり、筋トレが趣味だったり、鼠色のスーツとかで、甘えたらそのまま褒めてくれるような大人が良かったのに。
電子端末どころかあれこれにすら慣れてない様子で、私の説明を半信半疑で聞きながら別の事を考えていたと思います。
情報を集めたところ、大暴動を砲撃と衝撃を持って終わらせたらしく、そのまま慣れないながらも記者会見を行い聞いてるだけで嵐を起こすなぁと思いました。
リンちゃんその人に変なこと言わないで!暇な組織とか言ったせいで余計闘争心に火が付いてる。
そのまま街に繰り出し家電やら本を興味深げに見た後、子供が新しいおもちゃを買ってもらったような目で届け先を書いて、片端から買い込んでいきました。
帰った後ビルを歩き回りマッピングして「改めて見るとスゲェ高さだな、砲撃からの脆弱性は……」と物騒な事言っている。
オフィスルームが完成した後、数日私が教えながら、家電の使い方などを習得した後は寝食を忘れたようにひたすら本を読み続け「蝋燭要らないんだな」と呟く始末。
数日後セミナーの会計さんのお陰で漸く行動が変わりました、板切れのクソガキと言ったことは聞いてますよ。
開示要求とかその他の行動がやたら手馴れてるんですよね。この手のシステムを使って居たような手際の良さ、間違いなく普通の大人どころではない。
でも本局と連携しようとか一切考えて無いんですね、物騒なこと呟いてるのはまぁいいでしょう。
「前任が全部中途半端でぶん投げたせいだな、その分俺が苦労する」
「前任の人も頑張ってたと思いますよ」
「良いか、公安局長が仕事してんのかと詰めて来てもお前の倍は働いていると返せるぐらいには動かねばならん」
「はぁ」
「あー、権力も予算も足りねぇ」
委任状と私を保有して置いて良く言いますね!
その後、装備と人員の確保だと言って、セミナーの会計さんを引き連れて飛び出して行きました、強引ですねぇ。
180名の人員と装備を確保し、インテリアを整えた後丁度あの手紙が届きました。”アビドス”運命の分かれ道、私の……。貴方はこの理想を焼き尽くし夢さえ枯れた、滅びと死しか残っていない砂漠で何を起こすのですか?
とか思っていたら、現状のアビドスの人数と平均使用弾薬量の統計を計算し出した。統計記録見ながら具体的に必要な数を割り出し、挙句しまいにゃ面の皮厚く輸送車集る。
会戦基数?何時の時代の用語ですかそれは。
こうして支援作戦<サン・バースト>は開始されちゃった、まさかコンボイを組むなんて……。
「本局は我々を首都方面から引き離したいようだなァ。
そして我々がかの砂漠地帯で干物になるか、心折れて逃げ戻って来るのを待っているというあたりか。帳面合わせが得意の日和見官僚のやりそうなことだ」
なんでそんな実感ある感想なんですか、なんかやらかしたでしょ貴方。
「まあ良い、俺を自由な辺境に送ると何するか分からんと見せつけてやるか。
我々は行きは宅配屋、帰りは地元の支持を積んで帰らなきゃいかん。」
「はァ、それだけですか?」
「今言ったのは誰だ」
指揮車のMRAPの後ろから声がした。
銀髪のアホそうな眼と口元をした隊員、確かSRT将校課程の生徒だった。
「よく言ってくれるねぇ、何が欲しんだ?金か?」
「そりゃ給料も上がってちゃんと入れば倍は頑張れますよ。でもその前にどういう仕事か、なんのためかを聴きたいんです」
眼には多少の小狡さと、真剣な疑問が出ていた。
”何故戦うのか”を明白にして欲しい、という事だ。単純な話「てめえの都合なら知らんよ」というわけだ。
言いにくい事平然と言うなアイツ……。
「言ったな、給料も上げてちゃんと払ってやる。その為にも成功と勝利が必要なんだ。
結局この先も考えると勝ってみせるって大事なんだよ、勝利は勝利を生む最大の要素だ。
……いまの先生ぽかったな」
たまに子供みたいな純粋な顔するの中々変わり者ですね……。
「極論言ってしまえば今のキヴォトス、連邦は半死人だよ、地方に権威を及ぼせない中央政府が何も出来てない。
俺達のやるべき事とは要するに、何処かの誰かの未来の為の仕事なんだ、本来大人のやる事なんだがねえ。
今後どのような敵が現れようが、どの様な平原でも山岳でも凍土でも街頭でも、これから向かう砂漠でもやる事とはそれなんだよ」
「はァ、なにせ自分らはヘータイでごぜえますから、いわれりゃブーツも履きますよ」
その隊員の声に言外に皮肉が含まれてるのを大人は聞き逃さなかった、怒るのではなく、些か楽し気に言う。
「まあ、詳しくは見て良く考えればいい」
先生はすんと冷めた目に変わる。
「だが一つ言う。君達は砂まみれになりクソみたいな目に遭い、炎に焼かれて煙にむせかえるような目に遭う。
だが帰るころには砂の量に見合う栄光や誇りを手に入れて帰る」
連邦生徒会長はシャーレにそう言うの求めて無いと思うんですよ、絶対に!
残念ながら、もう組織は動いているのだが。
【砂漠へGO!】
ヘルメット団の襲撃よくあること、と言うには些か耳が良すぎる。
わざわざMRAPを待ち伏せするのは不良学生にしては変です、当然先生も疑いをかけていますが、先生は何か思う所があるようですね。
ヘルメット団に対して色々聞いて「ベドウィンもコサックも自分達に被害が出る規模の部隊に簡単に喧嘩は売らんのだが」とか言いながら、不良生徒の武器を見ています。
やけに機関部がちゃんとした銃器類でした。
誰かがヘルメット団に情報を渡しそれを元に奇襲準備を整えたと知ると、やっぱりと返す。
理屈を説明してくれましたが、それ以上に私には先生が喧嘩相手を見つけたような楽しそうな顔をしてると思ったんです。
この砂漠の砂嵐が錆びた名刀を磨き上げる鑢に見えてきました。
アビドスに着いて早々再襲撃。ホシノさんは強いですねえと思ってたらいつの間にかこの大人、退路を叩き潰してる。
私のデータリンクとかを説明したのに忘れてませんか?
「このバカ!アホ!イチゴミルク中毒!何で黙ってやがった!頭までバナナミルクが回ったか?」
「生き急ぎ過ぎの悪人面の悪い大人様が聞きもせず聞こうともしなかったからですぅ~!」
「出てこい!決闘だ、馬鹿野郎!」
「野郎じゃありませんし、ここから出れませんし見えませんもんね―!」
この独裁者はあろうことか人の機能も聞かず、勝手に怒りだしました
後、暁のホルスの二つ名で有名な小鳥遊ホシノを煽るとか馬鹿じゃないんですか?
勝利への一番の近道で必要な事ってやっぱり人選ミスしたかなぁ
狂ってると言うのは同意します。
とかやってたらこの大人半ば八つ当たり、というか示威行動兼ねて夜襲するとか言い出しましたよ。
こんなふざけた早解きあります?私がもし同じことされたらボールペンへし折っちゃいますね。
今日のイチゴミルクは格別に美味しい、カイザーの動かぬ不正の証拠です。
とかなんかやって大騒ぎしたせいでカイザーの人たちどんちゃん騒ぎ。
挙句にゃ機械化大隊けしかける、ついに怒らせちゃったとあわあわしてたらあの大人悪い笑みし出すんだからこりゃ参る。
翌朝、そこには急な出撃で突かれた間隙により崩壊した部隊が!
勝っちゃいました……。私の力と向こうの制約も有るとは言え、歴史的勝利。でも彼にはそれが当たり前と言う顔で、この勝利で次はどう勝つかと考えてる。
政治的手打ちするならここら辺なんじゃ……、そろそろ相手さんも対等な交渉相手と……。提案したら「潰す!まだ潰す!」と怒鳴られました。理不尽。
それはそうとして、えへへ理事今日はいい夢見てくださいねー!
人の証拠品焼いて無罪になりやがってアイツ……。
代わりに本社や支社のリンクをぐしゃぐしゃにしてやりました、これでチャラにしてあげますよ。
後はこの大人の概算請求次第です。
トリニティの生徒さんと遭遇、マイナーグッズ好きで普通な感じは確かに特務の隊長みたいですよね。
実際フィリウス派とパテル派の工作員が監視してますし……、とか考えてたらとうとう強盗を始めました。
奴はとんでもないものを盗んでいきました、会社の不正と腐敗の切れ端です。
あの店長と審査官来月迎えられるんですかね?
カイザーの金庫を焼ける匂いを感じつつ食べるカステラは最高ですね!
後、あの熊手が急に禍々しくなったんですけど、生徒さんに渡すし共鳴現象起きてる……。
不安定なキヴォトスに外から一人連れて来てこうなる訳が無いから、多分ゲマトリアだかのせいでしょうか。
ついにボス交と言いたげに敵地に乗り込むこの大人、拉致されるとかは考えない辺り清々しい。
敵ながら哀れですね。このイカレポンチの狂人にあのクソ爺のお情けで辛うじて生き残った只のしくじった営業マン崩れが勝てるわけ無いじゃないですか!
ただ、この砂嵐は錆びを磨く効果があると思うと、「アイツに勝ちたい」と聞こえたのは私の聴音機能のエラーですよね?
ホシノさん失踪、えっ!??
先生が一瞬水筒とシッテムの箱を間違えそうになってました、動揺してますね。
錆び玉の汚れた大人が化けた……。
ですが、飛べなくてもイーグルは嘴と爪だけでもスズメバチは毒針と大顎で十分同格以上の相手は仕留めれるんですよ?
ヘリボーン強襲撃退で事実上カイザーの現戦力は使い果たしています、末端部隊なのと平時編成だから当然ですけど。
ただ予備戦力といえども、彼らは強大ですが……。
ゲマ公の野郎、負けが込んできたからネフティス嗾けて三極状態に持ち込んで増援とか言うつもりでしたね?
散々っぱら人様の土地で好き勝手して大人が出て来た途端に言い負かされてやんの、ぺっ!
この狂人がそんな隙作るほど遅い訳ないじゃないですかー!
それならゲヘナでも嗾けて乱戦にした方が良かったですよ。
そしてこの大人がバカ勝ちしてるせいで他校が利権に一枚嚙もうとし出したんですけど。
事実上これ現地勢力を他の勢力が軍事支援してるじゃないですか、代理戦争染みてきましたね……。
不良生徒までかき集めて動員とか確かに「全ての生徒を編入・編成する権利を持つ」ってリンちゃんが言いましたけども!そういう手段使うんですか?!
あーほら!そんなことするからカンナ局長が信じられないものを見てる目してますよ!
覗いてるワカモですら困惑してるじゃないですか!
あーやっちゃったやっちゃった、ほんとーに戦争だ。
なんでこの人普通に「あれは最悪犠牲になる」とか考えて作戦指揮してるんですかね、押しつぶされそうになる重責とか感じてないのかな?
初手である程度の犠牲を容認して囮のライフルマン達を平押しさせて潰しにかかるとか教職のやる事じゃないでしょ。
どうするんですか、本当に。誰もが捨てたこの砂漠に奇跡と足跡を刻みつけちゃいました……。
勝っちゃったよ……。
終わってすぐに復興計画プラン制作とかやることが節操ないですねこの大人……。
あ、やべ、上からゲーム機が……。
【なんでこの子たちが重要になるんですか?】
あの大人に最初に致命的打撃かましかけるのがカイザーでも誰でも無くて、ミレニアムのガキンチョって何ですか一体!
監視してたミレニアムのエージェントが困惑してますよ!
ゲーム開発部でしたか。聞いたことはありますが……。いい噂は聞いた事が無いんですよね。
しかもこの大人にはいま、エデン条約参加命令が出てるんですよ!
カイザーの撤退の交渉もされているのに……。
廃部です廃部!私は毎日ロクな目に遭わないのに!うわーん!
……なんで連邦指定の禁域に立ち入るんだこの馬鹿は?
なんで?
うわーん!危険だから隔離してたのに無名の司祭の遺産と不意遭遇だああ!おしまいだあああ!
しかもこの大人それより書記のが恐いと考えてます!イノシシ武者ー!!
起動したは良いけど絶対にこれロクなもんじゃ……。
おわーっ!
やめなよ先生何考えてるんですか!モモイ達をけしかけて不始末の隠ぺいを図るのは良くない事なんですよー!
それでも大人かー!恥をしれー!
なにリオ会長とヒマリ部長は楽しそうにしてるんですか!勘違いです!先生何も考えてないんです!
リオ会長ー!その大人貴女の考えてるほど情報無いし私の計画とかじゃ無いんですよー!
そりゃ連邦指定の禁域に会長の代理人みたいな権限がある大人が入って生徒が一人増えてたら何か陰謀とか感じますけど!
違うんですよォオオ!
うう、ゲーム開発監視しながらあの大人は合同警備計画考えてます。
なんかいつの間にかパンデモニウムの次官と関係深めてますね。
完全に中央に依存しない組織にしようとしてますよ、車両なんて百花繚乱の遺産とかじゃないですか。
というかなんですかその連装106㎜とかって、うちに無い筈ですよそれ。
あー!チセちゃん!かすれかけてるそこの”陸上自衛隊”とかの文字消さないで!洗い流したら出元が分からなくなる!あー!
というか本当に何処の奴なんですか!
まあチセちゃんのオイ車も見つけたからって登録を……あれ?チセちゃんもしかして、なんかヤバいのを見つけてる?
そうこうしてたら、リオ会長の誤解はもうフルスロットルですよ。
あの大人だから無理もない気がしますけど……。
レーザー盗聴してるトキも何か言ってあげてくださいよ!
いや確かに傍から見たら完全に陰謀論のが正しいんですけど……。
インテリの病気ですよね、この世には考えなしがいると想定しないのは。
【
遂に来ちゃったエデン条約……。
そもそもこの先生は「んだよこの対雷帝用とかいう奴は。意味が最初から死んでナンセンスだよボケ」とボロクソに貶してる。
リンちゃん……。幾ら何でも、私たちが言い出したとはいえ、連邦生徒会は知りませんとかは駄目だよ……。
完全に有力な地方軍閥に何も言えない中央政権になっちゃうよ……。
幸い先生のおかげで一応連邦生徒会が絡んでると言えなくはないけど、これまでの支援があれなのと完全に信用が終わってるから、シャーレと連邦生徒会を=で考えてくれなくなり出してるよ。
うわーん!これじゃイェニチェリとか良くある親衛隊叛乱です!
先生は補習授業部顧問として強引に”トリニティにおける身内としての地位”を預けられましたが、ナギサさんから全権委任状がめていきましたよコイツ……。
素直に話せばそこの先生、荒事では多分ここ最強ですから大丈夫な気がしますが……。
いやでもそれはそれで難しいですね。
目を離してたらあの先生、パテルのボスとなんか青春してた……。
なんでえ?
情景はなんかロマンティックだけど会話の節々が恐い、政治的シャドーボクシングずーっとしてる、何考えてるの?
「アズサを連れてきたのは自分、まあ、つまりナギちゃん的に言えば裏切り者は私ってことになる」
なにしてくれてんだアンタ!
なんでつべこべつべこべと素直に言わないんですかあんたら……。
「まぁ! 先生は法を破る生徒は嫌いなのかと「腹の色と真逆の色の制服を着た皆さん」の責任者ですから」
浦和ハナコも爆弾じゃないですか!なんなんですかこれ!爆発物まみれじゃないですか!
そりゃ私の時に上手く行かないわけですよ!導火線も油も不審火も散らばりすぎてるじゃないですか!
キレそ~!ずかずか進むと誤解されるのにこの大人上手く行ってるのムカつく~!!!!
じゃあなんですか、関係ない部外者の意見なら聞けるんですか、あったまきた。
「つまり交戦状態に置かれて危険地帯に残る市民救護は正義の範疇で正義実現委員会でなくてもいけるよなあ」
うわあああ!誘爆したらヤバい奴に誘爆したああああ!
この大人がそういう事すると大騒動になるんですよ!
「おいアロナ。地下配線から有線接続すっから空中機動中隊を緊急展開だ」
「え、正当性は?」
「来る頃には交戦開始されてるからモウマンタイ」
「きったねえ……」
「なんか言ったか」
なんで事態が硝煙の匂いしてくると動きがそんな良くなるんですか?
ワクワクした顔で憂さ晴らしだ、好き勝手やるぞお!とワクワクしてるし……。
「連邦大権をバックに学園を翻弄せんとする奸賊だ!撃てェ!」
ほらァ‼やっぱりィ‼
というかパテル分派が私の時と違うんですけど!動きが違う、やっぱこの大人のせいで世界線変わり始めてますよコレ!
うわーんアリウス派の破壊工作員巻き込んで大げんかです!
「現時刻をもって連邦捜査部シャーレは超法規的権限及び合同警備本部の職分に基づきトリニティ地域での作戦活動を宣言します」
この大人きったねえ。
火を付けさせて爆発に目が向いてる隙に、こいつ自身が主導権握りやがった。
なんですこの大人の責任と義務解釈バトル、主導権を途中で切り替えさせるのは酷くないですか。
しかも”合同警備本部の双方の合意”と私の手紙と、一応中央政府の権威の三軸で正当性を確保するとかなんですこの汚さ。
ひっでえ!ズルだズル!他人に火中の栗拾わせて殻割らせて喰うのは自分かよ!
「なにってまあ、クーデター指揮官の登場って感じかなあ、今は”テロ対策の”非常戒厳保安司令官みたいなもんかな」
うわあああああ!聖園ミカが先生と融合反応起こしてクーデター起こしてるうう!
なんでそう変な方向にばかり思い切りが良いんだ!
内部改革やる為に偽旗と戒厳まで筋道考えてるのなんじゃあコイツ!
貴女そういうキャラだっけ?!
【
エデン条約が締結される、現場は事実上厳戒態勢。
私に珍しく真剣な顔で「良く休んでシールドを高めておけ」と告げた、確かにそれは正しい。
でもいやな予感がする、何もかもが私の知るそれと変わりつつある。
もし、何かが違えば……。
私の疑問は積み重なる、合同警備本部のお陰でゲヘナ・トリニティの将校・士官はシャーレとのデータリンクがされている。
即ちそのすべてが私の視界の中にある。
≪連邦の事前備蓄基地が爆破されました、西部トリニティ弾薬庫は壊滅した模様≫
≪正義実現委員会と公安局の火器集積所は現在1個小隊規模の不明部隊と交戦中≫
≪古聖堂外周で不審者三名を拘束しました≫
おかしい。
何かが違う、テロ攻撃ならこういう物で済ませないはずだ。
「ともかく、予備兵力はまだ動かすな。古聖堂から半径25キロ圏に非常事態を宣言しろ。」
有事になると途端普段の数百倍はあてになる、普段は会計と馬鹿話してるような大人なのに。
無論先生の疑問は私と同じだ、この大人はそういう読み合いが強い。
だからこそ、排除の為にマダムは禁忌に手を触れた。
古聖堂上空18M地点で巡航ミサイルはサーモバリック弾頭を空中炸裂させた。
普通ならショックで呆然とするなりするはずが、私の防壁で無事なのを確認すると指揮本部の状況を確認しだした。
あの爆発はおそらく一切の躊躇と躊躇いを吹き飛ばしてしまった。
彼はデータリンクを確認しながら使える無線機を確認させ、手近な連中を集め始めた。
予定外が拡大し始めている、あの時と何もかもが変わり出した。
ゲヘナとトリニティが臨時で指揮管制を引き継いだユウカと、事前連絡と協力を進めた公安局と生活安全局と共に非常事態の封じ込めにかかっている。
「そうだ!構わないから風紀委員会の大隊は敵増援遮断に向かわせろ!こっちじゃない!分断を最優先!」
この大人危険の意味を理解してるのに恐れていない、心の底から自分が特別な人間と信じている。
諦めを知らない天命の存在を信じる運命論者、なんてことだ、自分はもしやして非常にまずい人間を解き放ったんじゃないだろうか。
「立てェ!俺に続け!陣前逆襲に入る!前へェ!」
一気に包囲の環を喰い破りにかかる。
喊声と包囲突破の勢いに相手が怯んだ。
世界の何もかもに蹴り入れてやると、咆えた虎が翼を生やしてる。
【
やりやがった、あの大人やりやがった。
必要なら街一つがなんだとやりやがった。
普通は撃たない、やらないだろ!やっても火力計画がぐしゃぐしゃになるだけ、火力は集中されず無計画な垂れ流しで終わる。
統制された火力、無慈悲な鉄槌、神の鞭。
雷神の槌……。
≪敵の空中部隊が崩壊≫
≪戦線が崩れます≫
完全にアリウスの部隊が組織的戦闘力を喪失して瓦解した。
お見事、全くもってお見事、兵力を、無限の兵力であるミメシスを指揮統制を崩して虚数へ変えてしまった。
そうなったらもう全てが意味を失う、もとよりマダムが何の為に戦うのかと理解させてないとはいえ、これまでの行いで完全に彼は示した。
危険と栄光と勝利を保証。
「我々は、武装解除と投降の用意がある」
「……! アロナ!空洞にシールド全開!壊れても構わん!」
そら来た無茶ぶりだ!もう知らないぞ!
『スーパーAI無敵バリアー!』
全体は覆えないから爆轟と衝撃波を天頂にだけ向くようにシールド展開!
ふっふーん、盾ではなく逸らす事こそ防壁の有用な使い方です。
どうでしたかぁ先生!
「あいかわらずわけわかんねえなこいつ……」
命の恩人になんて言い分だ!いいもん!アロナちゃん拗ねますよ!
とか思ったらこの大人「追撃戦だ!あのクソババアぶっ殺す!」と追撃戦決定した。
え?本気?マジなんですか、普通なんかここら辺で「今回の更新はここまで」じゃないの?ぶっ通し!?嘘!?
「え、通しで追撃するんです?」
「戦果の大半は追撃から生まれる!」
「ほあーッ」
アロナちゃん休みなしですか?!残業!?そんな!リンちゃんにすら言われたこと無いのに!
うわーん!この大人全く疲れ知らずで他人をぶん回してます!
「今日からここの標語は自由!平等!博愛!に変更だ、お前より強い俺が今決めた」
この大人があまりに完封勝ちしたせいでマダムの政権が崩壊した、まあそれは良い、とっとと死ね。
この大人、冗談抜きでアリウスまで救って見せたらあ!とのたもうている、本気?いやそうなのは分かりますよ、もう見て来たもん。
「私の武器は寛容だ。アリウスに必要なのは平和だ、君は孤立し、見捨てられる。」
この大人は覇道を進撃し続けるつもりだ。
人の形をしたブラックホールが何もかもを吸い込んでいる、台風の目が進む。
全て道連れにしてあの男が突き進んでいる。
「斯くして悪い魔女はサイコーにイかす正義の味方に負けて、お姫様は救われたとさ」
バルバラに203㎜弾着させて言わなきゃ多分生徒を何人か惚れさせてそうなんですけど、先生それ似合わないですよ。
とりあえず
各所で叛乱部隊が再合流したり、バックレて隠れてた部隊が投降し始めた裏で、先生は地元生徒の内何人か集めて根こそぎに”教官”を狩り始めた。
アリウスに居る大人はその大半がろくでもない連中だ、所業の証拠が偵察総局の局長金庫から何故か大量発見されて、逃げ隠れしてた連中を追いかけまわっている。
「意欲的、というか先生普段より怒ってますよね」
「当たり前だ!子供を無理矢理に戦わせて自分は責任から逃げ、自分は偉いなどと抜かし、無責任にこのアリウスを放置した屑どもだ!ぶっ殺す方が世の為人の為だ!」
「わ……」
否定はしない、シンプルストレート殺意にはビビるけど……。
大半の連中は逃げ隠れしてたところをかつて虐げていた子供に売られた。
何人かは子供からも追われてミメシスに異端認定されてぶち殺されたとか、毒煽って死んだとか、死の天使にぶち殺されたとか言う。
徹底的な戦犯狩りにもう一つ意味がある事を理解したのは数日後、連邦生徒会向けの報告書を見た時だ。
自主決定権も無い子供を無理矢理指名手配犯扱いするような暴挙を、屑の大人たちをぶちのめして阻止した。
民衆に分かりやすい悪い敵、その破滅は大人が起こしたのだから大人の責任だ。
「よーし次は人口統計確認して病院建設してインフラ再建して、やる事は多いぞぉぐふふ」
「先生復興計画とかで物を建ててる時楽しそうですよね」
「当たり前だ!男のどうしようもないサガだ、覚えておくと役立つぞ」
子供みたいな顔するんだからこの人は……。
SRT閉校が決まり、人員の引継ぎが始まった。
実のところシャーレと言う組織は、SRTの問題点を解決しようとした組織だった。
ある意味、理想は実現された。
ただゲマトリアの連中、そしてカイザーも静かすぎて変だ。
彼らが「自分が間違ってましたごめんちゃーい」と言えるくらい面の皮が厚い組織かと言うと違う。
後者は最悪それをしそうだが前者は絶対に違う、見えるものも見えない衒学的詐欺集団又はイきりオタクサークルだ。
自分が間違ってると言われて認めれないのが寄り集まっているだけ。破壊兵器撒き散らしてるマエストロがまとも寄りと言う時点でどうしようもない。
逆を言うと生徒のやらかしについてはこの大人は寛容な部類だ。
防衛室長、悪い事言わないから「ごめんちゃーい、許してにゃん」と素直に言えば楽になれるのに。
多分拳骨で勘弁される。
『連邦会長命令により小官はその大権を下賜されています、連邦生徒会会長の朝臣たる大人として必要な権力を行使しているにすぎません』
『だが捜査部には司法権や警察権はないはずだ!』
『あんたらの無策が生んだ混乱なんだよ!エデン条約だってあんたらが押し付けたんだ!宿題やってもらって文句たれるとか良い性格してるね』
……なんであの大人毎回討論会や審議会をリングにしちゃうんですかね。
弾劾決議は却下され、アリウスの包括的平和維持の為の諸予算請求は可決した。
「なーんでこう大人しく出来ないかなあ」
うう、私によしよししてくれる大人の人は居ないんですか。
アロナは悲しいです。
本作では連邦生徒会長=アロナと言う事にしています。
最終編のラストでプラナちゃんが言ってたし。
感想評価お待ちしてます。
毎度誤字脱字などの報告本当に助かっております、この場を借りて心の底からお礼申し上げます。