魔法科高校に多次元宇宙の神の弟子が入学しました 作:ビリオネア
目立ちたくないと思っている人ほど、目立ってしまうジレンマ
〜三人称side〜
「着いたーっと、よしこの時間なら余裕で間に合うな。まぁ仮に間に合わなかったとしてショートカット使えばいいんだけどね。」
コミューターを降りて、時間を確認しながら制服を身に纏った歩利矢は『国立魔法科大学付属第一高校』へと向かう。その肩には、第一高校のエンブレムの刺繍があしらえてあった。
(色々調べてみたけど、やっぱこのシステム欠陥がすぎると思うんだよね〜)
歩きながら彼はそんな事を思う。『このシステム』というのは、現在彼が向かっている『国立魔法科大学付属第一高校』通称『一高』で実施されている『一科二科制度』のことだ。
入試試験で受かった上位100位以内を一科生、それ以下を二科生としたものだ。基本、この二つに違いはないがただ一つ決定的な違いは、教師がつくかつかないかの違いだ。それ以外はほとんど変わらないのだが、この制度のせいで、一科生を「花冠」二科生を「雑草」と呼び、学校内で差別が起きているというのだ。
「なんか、前世で似たようなことがあった漫画見たことあるな…成績不良者を『E組』ってところに送って、そいつらを『エンドのE組』って呼んで差別の対象にしてたやつ。*1高校生なんて特に、色々感じる時期なんだからそんな時期から差別意識を持たせるようなことしちゃだめだろ…」
そうこうしている内に、目的の一高が見えてきた。
「相変わらずデケェ校舎だな。とりあえず、入学式の会場に向かうか…。」
そう言い、歩利矢は一高の門をくぐって行った。
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〜歩利矢side〜
学校に入ると、上級生らしき人に案内され俺は入学式の会場である講堂へと向かった。その間、ちらほら視線を感じた。…なんかこれにももう慣れて来たな…。
「えーっと、ここが会場だな。ってうわぁ…。」
講堂に入って、俺はつい声を漏らした。なぜなら、一科生と二科生が気持ち悪いくらい綺麗に別れていたからだ。
(もう一年の、それも入学の頃から意識が芽生え始めてるってことかよ…。やっぱ制度変えたほうがいいって。)
そう思いながら、俺は空いている席を探してそこへ座った。
もういっそ、二科生の中にまじって座ってやろうか?と思ったが、それしたら俺が変に目立つかもしれないのでやめにした。席に座って入学式が始まるまで待っていると、横から誰かに話しかけられた。
「すごい髪型だね。」
「ちょ、ちょっと雫!失礼だよ、初対面の人に!」
「ああ、気にしなくていいよ。といっても、この髪型は遺伝だからどうしようもねぇんだ。」
俺はそう返事をした。まぁ、ほんとはerror404との特訓での過程でそうなったんだけどこれは黙っておこう。
「あ、俺夢骸歩利矢よろしく。」
「むがい…なんか名前もすごい変わってるね。あ、私は北山雫よろしくね。ほら、ほのかも。」
「え、ああ!私は光井ほのかです!よろしくお願いします!」
「雫にほのかだな。よろしく。」
その後、三人で色々話していると入学式が始まった。そっから式がある程度進むと、講堂の前から誰かが現れた。どうやら、今から新入生総代による答辞が始まるそうだ。新入生総代の名前は司波深雪と言うらしい。なるほど、あれが俗に言う絶世の美女ってやつか。周りを見ても、ほとんどが彼女に見惚れてて全然彼女の話は聞いていない様子だった。にしても…
(あいつスゲェな。「みんな等しく」とか「平等」とかなかなか際どい言葉使ってる。多分誰も気付いて無いだろうけど…)
そう思っていると、スピーチが終わり彼女が裏へ戻って行った。
○*○*○*○*○*○*
あの後、入学式が終わり俺は雫とほのかと一緒にIDカードを取りに行った。二人とたわいもない事を話しながら、列に並びいよいよ俺の番になった。
「えーっと、俺はA組だな。二人は?」
「私もA組だった。」
「あ、私も!」
「三人とも一緒か。良かったな。二人ともホームルームは行くのか?」
「私達は行くつもりだよ?もしかして歩利矢くんも?」
IDカードをとって、三人とも一緒のクラスだった事に喜びながら、A組の教室に向かう。が、その道中かなりの人混みに巻き込まれた。
(なんだなんだ…?ってありゃ新入生総代の…えっと司波深雪だっけ?隣は…えっと、確か生徒会長の七草真由美だっけ?どの道、二人とも美人だな。そりゃこんな人も集まるわけだ。)
「あ、あなたは!」
「え?」
「そこの貴方も来てくれる!?」
そう思っていると、その七草真由美のほうが突如こっちを向いたいなやそういった。俺は誰のことだ?と思って後ろを向くと、雫とほのかを含めた生徒が俺を見ていた。俺は自分を指差して「俺?」というジェスチャーを向けると、雫がこくこくと頷く。そして元の方向を向くと、さっきまで二人を囲んでいた生徒達が俺を見ていたからここで俺のことを呼んでいるんだなと確信がついたので、大人しく前に出た。
「えぇと…。なんのようで…?」
「あぁ、申し遅れましたね。私、生徒会長の七草真由美と申します。よろしくお願いします。貴方が夢骸歩利矢くんですね?」
「あぁ、はい。そうですけど…」
「貴方とも話をしておきたかったんです。あ、深雪さん。かれは入学試験で
「え…。」
(あ。そうなんだ。)
彼女がそう言うと、周りの生徒達がざわつき始める。え、俺トップだったんだ。
「それで本来、彼も総代として二人でスピーチをしてもらう予定だったのですが…彼が総代を断ったんですよ。」
(え、断った?俺がいつ?まさかあの時の電話?…!思い出した!やべぇ、寝起きで寝ぼけてたから曖昧な返事して断っちまった…!)
ここで俺はある出来事を思い出す。試験の合格通知が届いたその次の日に、電話が届いたのだが俺はその時寝起きでかなり頭が回らなかったので電話の内容をよく聞いていなかった。だからその時俺はなんかの勧誘かなと思って、そのまま断りの意を示して電話を切ったのだ。
「成績については、理論の方は彼はいくつか落としていたのですが、実技では深雪さんを優に超える成績を出して合計で貴方の成績と並んだのですよ。」
真由美会長がそう言うと、さらに周りの生徒達が騒ぎ出す。まぁ、そりゃそうだろな。こんな白髪のよく分からんやつが総代の絶世の美女を超える魔法力を持っているんだから。ていうか人の成績勝手に喋るなよ。プライバシー皆無じゃん。
「あーえっとー、司波深雪さんだっけ?改めて夢骸歩利矢です。よろしく。」
「え、あ、はい。よろしくお願いします。」
場が変な空気になったので、とりあえずこの状況を打破するために俺は深雪に挨拶をした。すると彼女の方も、丁寧にお辞儀をして返してくれた。
「んで、隣にいるのは…」
「彼は私の兄です。」
「あぁ、お兄さんね。えーっと名前は…?」
「司波達也だ。よろしく頼む。」
「あぁ、よろしくな。」
コイツは強い。俺は達也を見てそう思った。なんかこう、雰囲気が周りの生徒よりも抜きん出ている。ふと彼の肩に目を向けると、エンブレムがついていなかった。まさか、コイツが二科生?有り得ねえだろ。やっぱテストってのは当てにならないな。
「挨拶は済んだようですね。それでは私はこれで失礼いたします。」
そう言って真由美会長は、後ろにいた男子生徒に耳打ちをしてその場を去った。そん時にその男子生徒からなんか睨まれたような気がするけど…。なんかしたんかな俺。
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〜達也side〜
「お兄様…。」
「あぁ、わかっている。」
生徒会長と別れ、家に帰る途中俺はある一人の生徒の事を思い出していた。それは「夢骸歩利矢」のことだ。深雪と同じ首席、そして実技ではその深雪を超える成績を叩き出した人物。だが、俺が印象に残ったのはそこでは無い。
「彼のあの白髪と青のメッシュが入った姿は沖縄でお母様達を助けてくれた少年と一致していました。」
そう、沖縄で深雪と母さん、そして穂波さんをすんでのところで助け、何も言わずに去っていったという男。背丈は当時の深雪より少し大きいぐらいだったというが…。
「あぁ、だがまだ判断材料が少ない。だから明日、師匠に調べてもらおうと思う。」
「九重先生に、ですか…」
「ああ、あの人なら何かあいつについて掴めるかもしれない。」
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〜三人称side〜
「はぁ〜。流石にあんな目立った後じゃホームルーム行きずれぇよ…」
一方の歩利矢は生徒会長との挨拶の後、雫とほのかに事情を話して逃げるように帰路に着いた。
「にしても、あの深雪と達也だったっけ?なーんか見たことあるんだよな〜。まぁいつか思い出すだろ」
そう呟きながら彼は、自宅であるマンションへと向かった。
ここからが本編です。いやーすごい時間がかかった気がする(笑)。