遊戯王GX 戦場に立つ乙女   作:なおにぃ

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TARN 9  デュエルアカデミアからの制裁

廃寮での一件が終わった翌日、女子寮のみさとの部屋では怒鳴り声が響いていた

 

 

 

 

 

「何だってあたしまで制裁デュエルしなきゃいけないのよ!?」

 

『ふぅん…貴様が校則を破ったのが悪いんだろう?』

 

ノートパソコンのテレビ電話機能で、みさとは電話の相手 海馬と喧嘩していた

 

「アンタがあんなの送ってきたから、あたしは廃寮まで行ったのに!!」

 

『オレは貴様に調査しろと言ってはいないぞ?』

 

「ホンットにああ言えばこう言う奴よねアンタは!!」

 

『ふん、オレは貴様と違って忙しい

用件が無いなら切るぞ』

 

「ちょっと待てぇい!!

…見たでしょ、昨日出したあの追加の報告書」

 

それまで喧嘩腰だった2人の雰囲気が一気に変わった

 

『…本当にあった事なのか?』

 

「じゃなきゃ送ったりしないわよ

廃寮では間違いなく闇のデュエルの研究が行われていて、アカデミアの行方不明者は恐らく……」

 

『…早急に調査させる

貴様は下らん制裁デュエルを済ませてしまえ』

 

「言われなくても分かってるわよ」

 

そこで電話は切れ、パソコンのディスプレイは真っ黒になった

 

「闇のデュエル……」

 

無意識に左肩を押さえたみさとを、三騎士達は心配そうに見つめていた

 

 

 

 

 

 

 

 

…一方、電話を切った海馬は真剣な眼差しで社長机に両肘を立てていた

 

(みさとの報告に間違いが無いとするならば、アカデミアでアレと似たような事が起きていたという事だ……だが、何故今まで露見しなかった?)

 

考え込んだ海馬は、1つの結論に至り名前を呟いた

 

「…影丸か

磯野、至急影丸の最近の身辺情報を集めろ」

 

「はっ!!」

 

傍に控えていた秘書の磯野は、一礼して社長室を出て行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…それから数日が経ち、ついに制裁タッグデュエルの日がやって来た

 

「まったく、アンタあんな所に行ったりするからよー?」

 

「そうですわ

あんな所に行って、一体何が有ったと言うんですの?」

 

「仕方ないでしょ?

いろいろあったのよ」

 

朝食を終えたみさとは、準備を済ませて会場へ向かう途中ジュンコとももえと話していた

 

「要は勝てばいいのよ

十代がそう簡単に負けるとは思えないし、あたしも負けてあげるつもりも無いし、何の問題も無いわ」

 

「すごい自信ですわね…」

 

「まあね

それじゃ、あたしは先に行くわよ」

 

そう言い残し、みさとは女子寮から出て行った

 

会場へ向かう途中、みさとは見覚えのある金髪の後ろ姿を見つけた

 

「やほー明日香」

 

「…みさと」

 

「元気無いわね、何か有った?」

 

歩きながら話す明日香の表情は暗かった

 

「私のせいで、こんな事に……本当は、私がデュエルするべきなのに…」

 

「何だ、その事?

あたしは気にしてないわよ?」

 

「でも…」

 

「心配しなくて大丈夫よ

あたしも十代達も負けはしないから問題無しよ」

 

「…ありがとう」

 

少し元気を取り戻した明日香と2人、みさとは会場へ入って行った

 

会場は既に生徒達で満員になっていたが、最前列に見知った後ろ姿を見つけたみさとは、明日香を連れて歩き出した

 

「やほー三沢」

 

「みさとくん…と、君はオベリスクブルーの天上院 明日香…」

 

「確か以前に少し話したわね

…あなたも少なからず、十代と関わりがあるようね」

 

「彼は三沢っていって、十代達とは仲が良いのよ」

 

「そう…天上院 明日香よ、よろしく」

 

「こちらこそ」

 

「三沢、あたし達もここで見ていい?」

 

「ああ、もちろん」

 

三沢が空いていた2つ奥の席に移動すると、明日香とみさとは空いた席に座った

 

「…そういえば、君のパートナーは誰なんだ?」

 

三沢の視線に明日香もならって、みさとを見た

 

「それがさー、タッグなのかシングルなのかまだわかんないのよね」

 

「わからないって、もう本番よ!?」

 

「そうなのよねー、だから困ってるのよー」

 

みさとの大して困ってないと言わんばかりの口調に、明日香と三沢は不安感を感じていた

 

 

 

 

 

 

 

反対側の席、周りに人の少ない席で万丈目は腕を組みフィールドを見下ろしていた

 

やがて足音が響きゲートから十代と翔の姿が現れ、その姿を見ると万丈目は目の前の空席を蹴りつけた

 

「うおー集まってるな!!」

 

「こんなに大勢の前でデュエルするの~?」

 

「だから燃えるんだよ、うりゃ!」

 

翔の頭をかき回し、十代はフィールドへと上がって行く

 

それに呆れながらも、翔も後を付いて行った

 

「遊城 十代…貴様はオレが、この手で握り潰してやりたかったのに…!!」

 

拳を握り締め、万丈目はフィールドの十代を睨み続けていた

 

 

 

 

 

 

集まったギャラリーの中には隼人や亮の姿も有り、翔は兄に自分のデュエリストとしての姿を見せるために背を向けた

 

クロノスが十代と翔が来たことを確認すると、開始を宣言した

 

拍手と歓声が上がる中、観客席の最前列に座っている鮫島校長がクロノスに聞く

 

「それで対戦相手は?

教員かオベリスクブルーの生徒かね?

まさかまた君が、相手をするのかね?」

 

「いいえ

これは彼らが立入禁止区域に入った校則違反の罰則を審議する為ーノ、デュエルでスーノ

相手はそれ相応ーノ、デュエリストでなければ意味ありませンーノ」

 

会場のざわめきを聞きながら、クロノスは十代の鼻先に指を突き付けながら宣言した

 

「不届き者を退治するべく、伝説のデュエリストを…呼んでありまスーノデス!!」

 

「「─はあっ!!」」

 

その直後に何処からか、謎の二人組が空を舞って現れた

 

「な、なんだ?」

 

オレンジと緑の中国服を着たスキンヘッドの二人組が、中国舞踊で派手な登場をしてから背を向けあい、腕を組んで着地した

 

「─我ら流浪の番人!」

 

「─迷宮兄弟!」

 

そんな2人に十代ははしゃぎ、翔は対戦相手だと察した

 

 

 

 

 

 

「あれ…?」

 

「どうしたんだ?」

 

小首を傾げたみさとに、三沢は顔を向けた

 

「いや、アイツ等…どっかで見たような気が……」

 

[[[確かに]]]

 

みさとの真上に浮く三騎士達も揃って首を縦に振っていた

 

 

 

 

 

 

「彼らはあのデュエルキング、武藤 遊戯と対戦したことがあるという…伝説のデュエリストなのデスーノネ」

 

「デュエルキングとぉ!?」

 

翔は驚き、顔面蒼白になりながらももう一度二人を見た

 

十代も呆気にとられながらも、気を引き締め直す

 

「─あああーっ!!!

思い出したぁーっ!!!」

 

ガタッと席を立ったみさとは、会場に聞こえる程の大声で叫んでいた

 

「アンタ達、デュエリスト・キングダムにいたあの門番兄弟!!」

 

そんなみさとを5秒程凝視した迷宮兄弟は、盛大に跳び跳ねた

 

「「きっ…貴様はァー!?

あの男の弟子の小娘ェー!?」」

 

「何だってアンタ達がここにいるのよ!?

ちょっとクロノス!!

これ一体どういう事よ!?

あからさまにインチキじゃないのよ!!」

 

「ワ、ワタクシを呼び捨てにするんじゃありま「じゃかあしいわよ!!」

 

クロノスの文句はみさとにかき消された

 

「聞いたことがあるわ…その無敵のコンビネーションで、デュエルキングを苦しめたという兄弟デュエリスト」

 

「もォー!!

師匠ですら苦戦した相手を、アイツ等でどう倒せっていうのよォー!?」

 

発狂しかねない勢いで、みさとは盛大に頭を抱えた

 

「ちょっ、ちょっと待ってくれ!!」

 

「へ?」

 

その一声でみさとは頭を抱えるのを止めて、三沢の方を見た

 

「今、君はあの2人を「デュエリスト・キングダムにいた」と言ったな?」

 

「うん、あたしの師匠と師匠の親友が出たからね

…それがどうかした?」

 

「師匠っていうと、以前言っていたブラック・マジシャンのカードをみさとにあげたというあの…?」

 

「そうそう

正確にはガールも込みでね」

 

「─みさと…あなた、デュエリスト・キングダムへ行ったの!?」

 

明日香の大声に、みさとは思い出したような顔で頭に手をおいた

 

「ああ~…そういえば言ってなかったわね

うん、行ったわよ?」

 

《ええええーっ!!!?》

 

フィールドの十代や翔、そして会場中のほぼ全員が一斉に絶叫した

 

「…観客としてだけど」

 

惚けたような口調での一言に、十代や翔…三沢や明日香までもがドテェッと盛大に転んだ

 

[いいのかみさと?

正体がバレたらまずいんじゃなかったか?]

 

「(まあ、バレなきゃ大丈夫よ

それに一応、嘘もついてないし

そんな事より今は……)

十代・翔くん、気を付けて!!

そいつ等の切り札は「待った!!」

 

みさとの声を十代がかき消した

 

「せっかく伝説のデュエリストが来てくれてんだ!!

しかもあの遊戯さんと戦った事のあるデュエリストだぜ!?

こんな楽しそうなデュエルなんだ、ネタバレは止めてくれよ」

 

「アンタねぇ…」

 

呆れ果てたと言わんばかりの表情で、眼鏡をかけ直したみさとの口元には笑みが浮かんでいた

 

「(ホント、面白い奴…)

…わかったわ、言わないでおく

十代・翔くん、その変態兄弟をこてんぱんにしちゃいなさい!!」

 

「おうっ!!」

 

「は、はいっス!!」

 

親指を突き立てたみさとに、十代も親指を突き立て翔も緊張気味に親指を突き立てた

 

「タッグパートナーへの助言はダメなノーネ

パートナーのフィールドも、自分ーノフィールドとして扱えまスーノ

いいでスーノね?

各チーム、共通ライフポイント8000なノーネ!

では!!」

 

「「「「─決闘(デュエル)!!」」」」

 

こうして、十代&翔VS迷宮兄弟のタッグデュエルが始まった

 

 

 

 

 

 

……迷宮兄弟の連携は、一流の代物だった

 

息のあった連係で『ゲート・ガーディアン』を召喚し2人の前に立ちはだかり、翔の心が何度も折れかけた

 

だがその度に十代が翔を励まして立ち上がらせた

 

そして翔が兄 亮に封じられていた『パワー・ボンド』の封印を解き、見事迷宮兄弟に勝利した

 

 

 

 

 

 

 

「ぃよっしゃアー!!」

 

観客席の手摺に片足を乗せてガッツポーズをするみさとを、三沢と明日香が止めた

 

「お、落ち着けみさとくん!!」

 

「はしたないわよ、そんな体勢!!」

 

そんなみさと達を見て、フィールドの十代と翔が走り寄って来た

 

「おーい!!

みさとー!!

明日香ー!!」

 

「三沢くーん!!」

 

「あ、十代」

 

「翔くんも」

 

「どうだった?

オレ達のデュエルは?」

 

「よかったわよ」

 

「ああ、いいデュエルを見させてもらった」

 

明日香と三沢の言葉に、翔はやや俯いた

 

「僕、途中何回も挫けそうになったけど、何度もアニキに励ましてもらって…最後はすごく面白かったっス!!」

 

はしゃいだような興奮した声で話す翔に、みさとは優しく微笑んだ

 

「それがデュエルの在り方なんだもの

デュエルは楽しんだ者勝ちよ!」

 

「そーそー!!」

 

「はいっス!!」

 

親指を突き立てたみさとに、十代と翔も親指を突き立て返した

 

「ところでよ、次はみさとだろ?

パートナーは誰なんだ?」

 

「それがさ、あたしはシングルなのかタッグなのかまだわかんないのよね」

 

「…その事でスーガ」

 

十代達の後ろから、クロノスがやって来た

 

「相手側の都合により、シニョーラ みさともタッグデュエルをやってもらうノーネ」

 

「あたしも?」

 

「その通ーリ

ですから、今すぐタッグのパートナーを選ぶノーネ

ちなみに、シニョール 十代とシニョール 翔はもうデュエルを行ったノーデ、パートナーには出来ませンーノ」

 

「ええーっ!?

なんだよそれーっ!?」

 

「お黙りなサーイ!!

これは決定事項なノーネ!!」

 

「そういう事はもっと早く言いなさいよね、まったく……」

 

文句を言いながら辺りを見渡し始めたみさとを見て、クロノスは内心ニヤリと笑った

 

(シニョール 十代達は失敗しましターガ、今度はそうはいかないノーネ!!

オベリスクブルーの生徒にこんな事はしたくはありまセーンガ、こうなっては仕方がないノーネ!!)

 

辺りを見渡していたみさとの視線が、1人の男に止まった

 

「─…ねぇ、三沢くぅ~ん

あたしのお願い、聞いてくれるぅ?」

 

「え、っと……」

 

謎のブリッ子キャラでおねだりし始めたみさとに、三沢はたじたじになった

 

「勿論報酬も払うわよ?

ちょっと耳貸して」

 

手招きしたみさとがヒソヒソと話すと、三沢はカッと目を見開いて間髪入れずにみさとの手を握った

 

「のった!!」

 

「「早っ!!」」

 

「決まりね

じゃあ、行くわよ三沢」

 

「ああ」

 

「明日香、行って来るわね~」

 

「え、ええ

いってらっしゃい」

 

明日香に軽く手を振ったみさとは、自分のデュエルディスクを持った三沢を連れてフィールドへ降りて行った

 

 

 

 

 

 

フィールドにやって来たみさとと三沢に、十代と翔が駆け寄った

 

「三沢とみさとのタッグか、楽しみだぜ!!」

 

「三沢くん、意外とアッサリ引き受けたっスね

みさとさん、三沢くんに何を言ったんスか?」

 

「ああ、それね

デュエリスト・キングダムの限定DVDあげるって言ったのよ」

 

さらっと言ってのけたみさとに十代と翔は目を見開いた

 

「デュエリスト・キングダムの限定DVDって、超レア物じゃないっスか!!」

 

「もらったのはいいけど、内容全部知ってるからいらないのよね」

 

「ホントに何者なんスか、みさとさん…」

 

「翔くん、女に歳と体重と秘密を聞く事はタブーよ」

 

「りょ、了解っス…」

 

ギロリと睨まれた翔は、隠れるように十代の背中に隠れた

 

「シニョーラ みさとのパートナーは、シニョール 三沢でいいノーネ?」

 

「ええ」

 

「それでは、シニョーラ&シニョールの対戦相手を…『あー、あー…聞こえるかー?』何でスーノ!?」

 

(今の声は…!?)

 

会場のモニターから聞こえてきた声に、クロノスや生徒達が戸惑う中、みさとはモニターを見上げた

 

モニターに、十代後半の少年が映し出された

 

『─デュエルアカデミアの生徒達、オレは海馬コーポレーションの副社長の海馬 モクバだ

今から兄さ…社長がお前達に直々に話をしてもらうから、心して聞くんだぞ!!』

 

(何する気なのよ、アイツ等…)

 

モクバがモニターからいなくなり、1人の男がモニターに映った瞬間、会場からは歓声が沸き上がった

 

「海馬 瀬人だ!!」

 

「本物だぞ!!」

 

「キャー!!

海馬様ぁー!!」

 

『─デュエルアカデミアの諸君、オレは海馬コーポレーションの社長、海馬 瀬人だ!!』

 

(嫌な予感しかしない…)

 

堂々と話す海馬を、みさとはゲンナリとした顔で見ていた

 

海馬兄弟の突然の登場に会場は騒然となったが、校長の鮫島は落ち着きを持って1歩前に出てモニターの海馬と対峙した

 

「海馬社長、いきなりどうなされたのですかな?

このようなお話は聞いてはいませんが…」

 

『ふん、確かに貴様には何も話さなかったな

だが、貴様に話してしまっては意味がない』

 

「それはどういう意味ですか?」

 

首を傾げる鮫島に、モニターの海馬はモクバから渡された書類の束を手にした

 

『このデュエルアカデミアは優秀なデュエリストを育成する為に、我がKCが設立した学校だ

だがアカデミアから送られてくる現状報告書は、どれもあからさまに手を抜いたものばかり…これではデュエルアカデミアを作った意味が無い!!』

 

「な、何を言いまスーノ!?

デュエルアカデミアでは、毎年優秀なデュエリストを出していますノーニ、そのような言いがかりは止めて欲しいですノーネ!!」

 

鮫島の隣に立ったクロノスが、モニターの海馬兄弟に叫んだ

 

『出している数とその年の入学生徒の数に、とんでもねぇ差があるんだよ!!』

 

『これでは我がKCのメンツにも関わる

…そこでだ、貴様等には内密にオレは今年の新入生に1人、内部調査員を忍ばせた』

 

「な、内部調査員!?」

 

(何暴露しちゃってんのよ、あのバ海馬!!)

 

動揺する鮫島の声を聞きながら、みさとはヒヤヒヤしていた

 

『新学期が始まって一月と少し、既に1回目の報告書がここにある

8割程がオレの予想していた内容だった…モクバ』

 

『わかったぜ、兄さま』

 

書類を受け取ったモクバが書類を読み上げ始める

 

『今から読み上げるのは、報告書の一部だ

しっかり聞いとけよ…「結論から伝えると、デュエルアカデミアから送られてくる現状報告書はほぼ嘘である

「学力・実力、共に異常無し」…という報告にあった内容に沿う生徒はごく一部に限っての事であり、全ての生徒が自由に平等にデュエルを学べる環境とは現状ではとても言えない

その原因は、オシリスレッド寮とオベリスクブルー寮の格差意識であり、アカデミアの現状を生み出している元凶であると判断している」』

 

それを聞いたオベリスクブルーの生徒達は、まさかの言葉にざわめいた

 

『静かにしろ!!

続けるぞ…「オシリスレッド寮の生徒達は所謂「落ちこぼれ」意識が強く、逆にオベリスクブルー寮の生徒達は男女問わず「エリート」意識が強すぎる傾向が見られる

その為ブルー生はレッドやイエローの寮生を蔑む事を当たり前と思い込んでいる…ごく一部、例外の生徒もいる事が幸いだ

更に女子のデュエリストでは目立った生徒は少なく、ほぼ全員が嗜み程度の実力しか持っていない…真面目にデュエルに取り組んでいる女子は片手で数えられる程度の人数しかいないのが現状

オシリスレッドとオベリスクブルー…この2つの格差を無くさない限り、全生徒が平等にデュエルを学ぶ事は不可能である」

…以上が、調査員からのアカデミアの現状についての報告書だ』

 

『鮫島、貴様には失望したぞ

このオレに嘘をつき続けるとはな』

 

「そ、そんな…!!」

 

「それは誤解でスーノ!!

その報告書が記している事は、デタラメなノーネ!!」

 

『ほぅ、それでは調査員の人選を間違えたこのオレの目が曇っているという事か?』

 

「そ、それは……」

 

海馬に言いくるめられた鮫島とクロノスは口を閉ざした

 

『こちらでも対処はさせてもらう』

 

『次は新入生についての報告書だ

取り敢えず、優秀な上位3名だけ発表するぞ

1位……』

 

「オレ!!

オレだよな!?」

 

「…ふん、1位はこのオレ以外に誰がいる」

 

モクバを声を聞きながら十代は期待に胸を膨らませ、万丈目は偉そうに足を組んで不敵に笑っていた

 

『─…ラーイエロー寮 三沢 大地!!』

 

「オレか!?」

 

名前を呼ばれた本人は、目を見開いて立ち尽くした

 

「何だと!?」

 

「えーっ!?

三沢かよーっ!!」

 

「仕方ないっスよアニキ、三沢くんは優秀だもん」

 

酷く落ち込む十代を翔は慰めていた

 

『「頭脳明晰 品行方正 成績優秀…と、絵に書いたような優等生である

デュエルの実力もラーイエロー寮生内では上位に入り、オベリスクブルー生とも互角に渡り合える程

その博識さで、アカデミアで更なる成長を期待出来る逸材だ

よって、今回1位に置く事にする」』

 

「…ありがたいな」

 

嬉しそうに三沢は頬をかいていた

 

「ちぇー!!

まあ、いいや

次こそオレだ!!」

 

「アニキー、まだ懲りないんスかー?」

 

意気込む十代に翔は呆れていた

 

『─2位……オベリスクブルー寮 天上院 明日香!!』

 

「わ、私…!?」

 

観客席にいた明日香が、目を見開いて自分を指差していた

 

『「現状の報告書であげた通り、女子のデュエルは嗜み程度のもの…だが、そんな中でも彼女は真剣にデュエルに取り組み実力をつけている

女性デュエリスト界の期待の新星である」』

 

「キャー!!

流石ですわ、明日香様!!」

 

「誰か知らないけど、調査員もちゃんと見てるじゃない!!」

 

明日香の評価に、ジュンコとももえははしゃいでいた

 

「ちぇー、今度は明日香かよー」

 

「もう諦めようよ、アニキ…」

 

拗ねたような声を出す十代に、翔はため息をついた

 

『─3位……オシリスレッド寮 遊城 十代!!』

 

「なんだよー、今度はオレかよー……って、オレか!!

よっしゃー!!」

 

「やったっスね、アニキ!!」

 

「馬鹿な、何故このオレが上位3名に入っていない…!?」

 

跳び跳ねてはしゃぎ出した十代と翔を見ながら、万丈目は表情を険しくさせながらモニターを見ていた

 

『「成績優秀とはとても言えず、授業の態度も良好とは言えない」』

 

冒頭からいきなりのダメ出しに、十代と翔はドテェッと仲良く転んだ

 

『「だがデュエルのセンスは良く、実力はオベリスクブルーと互角以上である

なにより、デュエリストとしてもっとも大切なものも持ち合わせている

成績と授業態度を少しでも改められたら、次期 帝王(カイザー)に推薦出来る人材である」

…以上が新入生上位3名に対する評価だ』

 

「─ちょっと待て!!」

 

モクバが報告書を読み上げたタイミングで、万丈目が怒りの形相で立ち上がった

 

「何故この万丈目 準が上位3名に入っておらず、あんな落ちこぼれのオシリスレッドが入っているんだ!?」

 

『ふん、貴様よりそいつが優秀だったからだろう?

モクバ、奴の順位を調べてくれ』

 

『もう始めてるぜ、兄さま

万丈目 準、ねぇ…えーっと……ぅわ、酷ェ』

 

ノートパソコンをいじっていたモクバは、露骨に顔をしかめた

 

『どうした?』

 

『だって兄さま、これを見てよ』

 

モニターにノートパソコンのディスプレイを見た海馬が、嘲笑うかのような笑みを浮かべた

 

『ククク…モクバ、これを奴に見せてやれ』

 

『わかった』

 

キーボードを叩く音が終わると同時に、モニターに万丈目の評価が映った

 

「な、何だこれは!?」

 

「ま、万丈目様が……」

 

「最下位!?」

 

万丈目の成績は、断トツの最下位と記されていた

 

「ふざけるな!!

何だこれは!?」

 

『調査員によるお前の評価だってさ

えっと…「デュエルのタクティクスは問題無いが、それだけの人間

自分に酔い過ぎている傾向が著しく、ブルー寮とレッド寮の格差を助長させている人物の1人

デュエリストとしての最低限のマナーもなっておらず、他人を嘲笑うだけで自分の行いに対して反省の色を見せない

これ以上の成長は見込めないと判断し、最下位に置く事にする」、だってさ

まあ、アイツの人を見る目は確かだししょうがねぇんじゃないか?』

 

「お、おのれェ……誰だ!!

そのマヌケな調査員は!?

このオレとデュエルしろ!!

オレの強さを見せつけてやる!!」

 

(嫌に決まってんじゃないのよ

またあたしの勝ちで終わるだけだし)

 

万丈目の怒声を、みさとは聞き流していた

 

『ふん、そのような下らん事は後にしろ

モクバ、それで終わりか?』

 

『ううん、後1つあるぜ兄さま

最後は教師に対しての評価の報告書だ』

 

それを聞いた教師陣は生唾を飲み込んだ

 

「このアカデミアに、不届きな教師がいるというのでスーカ!?」

 

『そういう事だろうな…モクバ』

 

『うん…「アカデミア内での格差は、生徒達だけで済ませられればまだ改善も楽に済むハズだが、この格差を教師が助長させている傾向が見られる

よって、教師陣についても調べたが、時間等の影響で完全調査は出来なかった

調査出来た教師だけは今回の報告書に纏め、続きは次回の報告書に記す事とする」

えっと、まずは…』

 

報告書を捲り、モクバは数枚の書類を取り出した

 

『「…オベリスクブルー女子寮 寮長兼保健養護担当の鮎川 恵美」』

 

名指しされた鮎川は肩をビクつかせた

 

『「どの寮生にも対等に接し、丁寧な授業内容と説明…現調査段階では、アカデミア内でもっとも優良な教師である」』

 

その評価に鮎川はホッと一息ついた

 

『「強いて言うならば、デュエルをする機会を儲けて欲しい」だってさ』

 

「…わかりました、善処します」

 

『次に、オシリスレッド寮 寮長兼錬金術担当 大徳寺』

 

「わ、私ですかニャー!?」

 

驚く大徳寺を見て、クロノスは内心ニヤついていた

 

(このデュエルアカデミアに悪影響をもたらしているとすレーバ、やはりドロップアウトボーイのオシリスレッドの寮長である、シニョール 大徳寺しかいないノーネ!!

カンツォーネ!!)

 

『「教師としての覇気を感じないが、生徒達を癒すような独特な雰囲気を持つ人物

アカデミアの格差問題には全く無関係と判断する

鮎川教諭同様に、デュエルをする機会を儲けて欲しい」、だそうだぜ』

 

「わ、わかりましたニャー」

 

猫のファラオの首裏を撫でながら、大徳寺はニコニコしていた

 

「な、何でスート!?

このデュエルアカデミアの問題教師はシニョール 大徳寺では無いと言うノーネ!?

では一体誰なノーネ!?」

 

発狂しそうな勢いでクロノスは頭を抱えた

 

『─貴様だ、クロノス』

 

「ナン!?」

 

海馬の一言に、クロノスは凍り付いた

 

『「オベリスクブルー男子寮 寮長兼実技担当最高責任者 クロノス・デ・メディチ

デュエリストとしての腕前は上々だが、自身の信条から来る思想が問題

エリート育成の意識が強すぎる為、レッド寮生への当たりが強い事が目立つ」』

 

「うぐ……」

 

「確かに、そうっスね」

 

読み上げられる報告書にクロノスはぐうの音も出せず、翔は強く頷いていた

 

『「反対にオベリスクブルーの生徒にはあからさまな依怙贔屓を見せ、更に自身が気に入らない生徒への悪質な嫌がらせを影で繰り返し続けている

以上の事からデュエルアカデミアの教師として相応しく無いと判断し、懲戒免職処分にする事を提言する」

…これだけ言われちまったら、言い返せないんじゃねぇか?』

 

「な、ななな…?

(何でバレているノーネ?

一体、どこから漏れてしまったノーネ?)」

 

『これでもまだ内容を削られているようにも見れるが、まあいい

……ご苦労だったな、みさと』

 

海馬の一言に、全員の視線がみさとに向かった

 

「ちょっ、ちょっとアンタ!!

その事は話さない約束でしょう!?」

 

『ふん、確かに入学時はそう言った

だが現状がここまで酷いとなると、KCも手をこまねいている暇は無い

貴様にはKCとデュエルアカデミアの連絡橋の役割を担って貰わなければならなくなった』

 

「「なった」じゃないっての!!

いきなり何言い出すのよアンタ!!

相変わらずなんだから!!」

 

「「みさとさん/くん…」」

 

海馬とケンカしているみさとに、翔と三沢が恐る恐る声をかけた

 

「ぁ……」

 

「みさとさんが、内部調査員って…」

 

「本当、なのか…?」

 

[もう無理なんじゃねぇか?]

 

[ここらが限界だぜ、お嬢]

 

(わかってるわよ~…)

 

全員の眼差しを受けながら、頭をかきながらみさとは諦めたようなため息をついた

 

「はああぁぁ……そうよ、あたしよ

あたしは、海馬に頼まれて調査員としてアカデミアを調査する為に入学したの」

 

その告白に全員がざわつく中、翔は震える指でモニターの海馬達を指した

 

「じゃあ、海馬社長と知り合いなんスか!?」

 

「そうよ

ちなみにさっきアイツ等が読み上げた報告書も、勿論あたしが書いたもの

嘘は1つものせてないわ」

 

「ふざけるな!!」

 

観客席からの怒声に、フィールドにいたみさと達は声のした方を向いた

 

「万丈目…」

 

「「嘘は1つものせてない」だと!?

馬鹿馬鹿しい!!

このオレが最下位だという盛大な嘘をついておきながら、よくそんな戯れ事が言えたものだな!!」

 

「いいえ、嘘は1つものせてないわ

…あの評価にも、間違いは1つも無い

アレが調査員から見たアンタの評価よ」

 

「何だと!?」

 

「書いたのを見たでしょう?

「これ以上の成長は見込めない」って

今がアンタの限界、これ以上は強くなれないわ」

 

「ふ…ふざけるな!!

今すぐオレとデュエルしろ!!

貴様の考えが間違っているという事を証明してくれるわ!!」

 

「お断りよ、それに何度やっても結果は以前にやった時と同じ

アンタのデュエルは相手を侮辱する事で、自分の弱さを隠すデュエルだったわ

アンタはこれ以上強くはなれない…自分の弱さと向かい合わずに逃げ続けている、今のアンタにはね」

 

怒り心頭な万丈目を、みさとは冷静にそして鋭い眼差しで睨み返していた

 

「まあ、いい機会だから自分を見つめ直してみたら?」

 

「何だと貴様!!

このオレに「そんな事より、今はクロノスよ」

 

話は終わりだと言わんばかりに万丈目に背を向けたみさとは、クロノスを睨んだ

 

「ねぇクロノス…コレ、なぁんだ?」

 

取り出された1枚の紙に書かれた内容を見たクロノスは、一気に真っ青になり紙に手を伸ばしたが、みさとが紙をしまい込む方が先だった

 

「残念でした!」

 

「ぬぐぅう~!!

(タイタンからの請求書、無くしたと思ったのに何故シニョーラ みさとが持っているノーネー!?)」

 

「これまでの幼稚な嫌がらせだったら、あたしもここまではしなかったわ

けどね、アンタは絶対にやってはいけない事でアイツ等を危険にさらした…あたしはそれが許せない」

 

「な、何を言い出しまスーノ?」

 

「しらばっくれても無駄よ、証拠はあるんだからね

とにかくクロノス、アンタは教師としてもデュエリストとしても人としてもやってはいけない事をやったの

…アンタに教師を名乗る資格は無い、とっととここから消え去り「待ってくれよみさと」

 

怒鳴ろうとしたみさとに、横からの声が割って入って来た

 

「十代…?」

 

声の主は、今まで珍しく黙っていた十代だった

 

「みさと、クロノス先生をクビにするのは待ってくれよ」

 

「シ、シニョール 十代…」

 

信じられないと言わんばかりに、クロノスは十代を見た

 

「十代、アンタ本気で言ってるの?

コイツはアンタをアカデミアから追い出す為に、今まであれこれ嫌がらせを続けて来たのよ?」

 

「報告書にあった「自身が気に入らない生徒」とは…」

 

「アニキの事だったんスね…」

 

十代とみさとの話に割り込まずに、三沢と翔は小さく呟いていた

 

「そうなのか?

よくわかんねぇけど、オレは別に気にしてないぜ

それよりオレ、もっとクロノス先生のデュエルが見てぇんだ!!

だから頼むよみさと」

 

「シニョール 十代ぃ~…!!」

 

大号泣するクロノスの半目で見つめながら、みさとは盛大なため息をついた

 

「はああぁぁ……仕方ないわね

…海馬、クロノスへの処分を変更するわ

懲戒免職処分は取り消して、代わりに教師としての再教育を要求する

モクバ、確かKCの方にアカデミアの教師を育てる訓練校が幾つかあったわよね?」

 

『ああ、各国に点在してるぜ』

 

「じゃあ一番厳しい教師陣からの一番厳しいカリキュラムで一月ぐらい、ビシビシ鍛え直してちょうだい」

 

「ゲェッ…!!」

 

『いいぜ、早速手配するよ』

 

「頼んだわ

その後から…」

 

「まだ何か有るノーネ!?」

 

処分の内容に堪らずクロノスは大声をあげた

 

「何?

何か文句あるの?」

 

「あ、ありませンーノ…」

 

「あっそ

再教育のカリキュラムが終わったら、そうね…3ヶ月間、給料半額カット…今回はこれで勘弁してあげるわ」

 

「は、半額……3ヶ月……マンマミーヤァ……」

 

給料カット処分にクロノスは目を回していた

 

「じゃあ、クロノス先生は…!!」

 

「再教育のカリキュラムは有るけれど、今まで通りアカデミアの教師でいてもらう事にするわ」

 

「よっしゃー!!

ありがとな、みさと!!」

 

無邪気に笑う十代を見て、スゥッと音を立てて騎士達が姿を現した

 

[みさとちゃん、よかったんですか?]

 

(まあ、一番の被害者にあそこまで言われちゃ仕方ないわよ)

 

[お嬢も甘くなったか?]

 

(失礼ね、あたしは元からそこまで厳しくないわよ)

 

[悪者に対しては容赦無く責め立ててた頃もあっただろ?]

 

(あ、あの頃と今は違うわよ!!)

 

『話し合いは済んだか?』

 

黙っていた海馬の声に、全員がモニターを見た

 

「ええ、アカデミアの方は一応何とかなりそうよ

…そっちは頼んだわよ、海馬」

 

『ふん、言われるまでもない』

 

真剣な口調になったみさとと海馬に、十代達は首を傾げていた

 

『みさと、次の報告書の期限は来週一杯だ

期日は守れよ』

 

「はぁ!?

来週一杯って、そんな急に出来るわけないじゃないの!!」

 

『せいぜい足掻くんだな、フハハハハハ!!』

 

その高笑いを最後に、モニターから海馬兄弟の映像は消えた

 

「あっコラ!!

言い逃げすんじゃないわよ!!

ふざけんなバ海馬!!

こん…の……襟足ィーッ!!」

 

《襟足!!!?》

 

いきなりの暴言に、全員が反射的にツッコんだ

 

「はぁ…ま、アイツだから言っても聞かないわよね

仕方ない……とっととこの制裁デュエル終わらせましょ

それでクロノス、あたし達の相手は誰?」

 

「給料…半額カット…3ヶ月……再教育……」

 

「……完全に壊れちゃってるっスねι」

 

「ったく、情けないわね……クゥロォノォスゥーッ!!」

 

耳元でみさとに叫ばれたクロノスは跳び跳ねた

 

「ウヒャアッ!?

な、何事でスーノ!?」

 

「あたし達の相手はどこにいるのかって聞いてるんだけど?」

 

「そ、そうでシータ

これより、シニョーラ みさとの制裁タッグデュエルを行いまスーノ!!

今回も、伝説のデュエリストにお越しいただいているノーネ!!」

 

「オレ達の時と同じか!?」

 

「いくらみさとさんと三沢くんのタッグでも、伝説のデュエリストが相手じゃ苦戦するに決まってるっスよー…」

 

(伝説のデュエリスト!?

知り合いが出て来ませんように…!!)

 

はしゃぐ十代の隣で翔は嘆き、みさとは天に祈っていた

 

「それでは登場してくだサーイ!!」

 

クロノスが指差した入り口から、2人の男が入って来た

 

「あの2人は…!?」

 

「─ヒョーヒョッヒョッヒョッヒョッヒョッ!!」

 

「─久しぶりやな、みさと!!」

 

「あ、アンタ達……!?」

 

「みさとくん、彼等を知っているのか!?」

 

出て来た男達を指差して固まったみさとに、周りは不審がってざわつき始めた

 

約10秒程固まった後、みさとは笑顔で後頭部に片手をあてた

 

「─ゴメ~ン、名前なんだったっけ?」

 

《だああああああぁーっ!!!!》

 

そのボケに、みさとを除いたその場の全員が盛大に転んだ

 

「お前…このオレ達を忘れたのか!?」

 

「なんて薄情な奴や!!」

 

「か、彼等は元全日本チャンピオン インセクター 羽蛾と準優勝のダイナソー 竜崎ナノ~ネ!!」

 

「スゲー!!

本物のチャンピオン達だ!!」

 

おかっぱ頭に眼鏡の男と、頭にバンダナを巻いた男をよく観察したみさとは思い出したように両手を叩いた

 

「ああ~、思い出した!!

あたし達の前にちょくちょく現れてあれこれと悪さ仕掛ける割りに、あっさり返り討ちにされ続けている亀虫野郎に蜥蜴野郎じゃない!!

久しぶりね」

 

「「誰が亀虫野郎だ/蜥蜴野郎や!!」」

 

散々な言われように、羽蛾と竜崎は同時にツッコんだ

 

「アンタ達なんてそれで充分でしょう?

あたしの師匠は勿論、あたしにすら勝った事無いじゃないの

これじゃどっちがお仕置きされる側か、わからないわねェ!?

おーっほっほっほっほっ!!」

 

「「な、何だって/何やてーっ!?」」

 

「出たっス!!

みさとさんの謎の高笑い…」

 

羽蛾と竜崎がじたばたしながら怒るのを見ながら、翔はみさとのキャラの変わりように怯えていた

 

「バトル・シティで自分がちょっと名前が売れたからって、いい気になるんやないで!!」

 

「自分達の名前がちょっと廃れ気味だからって、僻むんじゃなくってよ」

 

竜崎の文句を、みさとは謎のキャラのままあっさり返した

 

「キィーッ!!

ちょっと前まで、大した事無いヘボだったくせにーっ!!」

 

「そのヘボに1度も勝った事無いアンタ達は、一体何なのかしらねぇ!?

おーっほっほっほっほっ!!」

 

「「ムカつくーっ!!」」

 

「おーっほっほっほっほっほっ!!」

 

「ちょっと待ってくれ!!」

 

みさと達のやり取りに、三沢が割って入った

 

「ん?

どうしたの三沢?」

 

「今、聞き捨てならない話を聞いたぞ」

 

「─みさと、お前…バトル・シティに出たのか!?」

 

「ああ、言って無かったわね

そうよ、あたしが最年少の参加者だったらしいわ」

 

《何ィーっ!!!?》

 

さらっと言った一言に、アカデミアの生徒達が一斉に絶叫した

 

「バトル・シティに参加したなんて…!!」

 

「みさと、あなたは本当に何者なの…!?」

 

観客席の隼人と明日香は、目を見開いてみさとを見ていた

 

「…さてと、この不思議キャラでアイツ等を弄って遊ぶのも飽きたし、そろそろ始めましょ」

 

(遊んでいたのか…;)

 

4人が位置につき、中央にはクロノスが立った

 

「では先程のデュエルと同じくパートナーへの助言は禁止、パートナーの場を自分の場として使用しても良いノーネ

各チーム共通ライフ8000デスーノ、ではよろしいデスーネ!?」

 

「今日という今日は、雪辱を晴らさせてもらうで!!」

 

「アイツには勝てなくても、弟子のお前になら…!!」

 

「相変わらず小さい男ねぇ…

アンタ等があたし達を倒せると思ってんの?

……いくわよ、三沢!!」

 

「わかっているさ!!」

 

「「「「─決闘(デュエル)!!」」」」

 

こうして、2回目の制裁タッグデュエルが始まった




ついに正体の一部がバレました
でも全てがバレたわけではないんです
彼女の正体は、まだ秘密です


そして一応、時間軸の説明をさせていただきます
この連載では、GX世代はDM終了の約3年後となっていますのであしからず
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