遊戯王GX 戦場に立つ乙女   作:なおにぃ

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今回はデュエル無しです
みさとちゃんの過去について、少し掘り下げて行きます

それと、デュエルモンスターズの精霊と見える人間について少し脚色を加えますので悪しからず


TARN 15  決闘乙女 闘いの歴史

─ドドドドドド……ッ

 

デュエルアカデミアのある島ではこの数日間、長蛇の列が動き回り続けている

 

この日で5日目になる長蛇の列の先頭には、伝説のデュエリスト 決闘乙女(ヴァルキリー)の七瀬 みさとが……泣き叫びながら走り続けていた

 

「イィィィィィィヤァァァァァァァーッ!!!!」

 

《みさとさーん!!!!》

 

…みさとの正体がバレたきっかけ、決闘王 武藤 遊戯のデッキ展示が終わって数日…数が少なかった初めの頃は話を聞きに来る生徒達に対応していたみさとだが、次第に対応出来なくなり逃げ出して現在に至る

 

ペガサスと遊戯に事情を話し、遊戯のデッキにいた精霊のクリボーはそのままみさとの4人目の精霊として三騎士達と一緒にいる事になった

 

「決闘王の話を聞かせてくれー!!」

 

「海馬様の武勇伝を是非ー!!」

 

「城之内さんの話も聞かせて欲しいんですけどー!!」

 

「オレとデュエルしてくれ!!」

 

 

 

 

[みさと、次の角を右に行けば階段だ!!]

 

[頑張れよ、お嬢]

 

「キング、アンタ後で覚えときなさいよー!!」

 

[もう少しですよ、みさとちゃん!!]

 

[クリクリー!!]

 

上で呑気に飛ぶキングを睨むみさとの両隣をジャックとクィーンが飛び、クリボーは体を揺すって応援していた

 

スパートをかけて階段を数段飛ばしで駆け上ったみさとは、廊下に置いてあった掃除用具入れを見つけた

 

「コレだ…!!」

 

 

 

 

 

…階段で手間取った生徒達が階段を上りきると、みさとの姿はどこにも無かった

 

「どこに行ったんだ!?」

 

「いなくなっちゃったわ……」

 

辺りを見渡す生徒達の耳にカランッという物音が聞こえてきた

 

音のする方には曲がり角から、床に転がった箒の柄が覗いていた

 

「あっちだ!!」

 

1人の声に、生徒達は一斉に走り出した

 

……物音が完全に消えた後、キィ…ッと音を立てて掃除用具入れからみさとは顔だけ覗かせた

 

「……行った?」

 

[みたいですね]

 

[ああ、全員向こうに行ったぜ]

 

[クリッ]

 

「ふぅ……何とか撒けた……」

 

掃除用具入れから抜け出て、みさとはその場に座り込んだ

 

「もぉ~…毎日毎日、これじゃ体がもたないわ…」

 

[皆、考える事は同じみたいですね]

 

[酷い時は1日中、追い回されるもんな]

 

「そうそう、もう嫌……」

 

[人気者は辛いな、みさと]

 

ジャックの的外れな感想に、みさとは力無く頭から床に突っ伏しクィーンとクリボーは苦笑していた

 

「「みさと/さん!!」」

 

床に崩れていたみさとの後ろから、2人の女子がやって来た

 

「ジュンコ…ももえ……」

 

「…生きてますの?」

 

「何よその安否確認!?」

 

「…勝手に…殺すんじゃ、無いわよぉ……」

 

ももえのボケに近い一言にジュンコがツッコむが、みさとにはいつも通りのツッコミを入れる気力は残って無かった

 

「まあ、大丈夫そうで良かったわ」

 

(今のあたしが無事に見えんの…?)

 

「─でさ……」

 

(嫌な予感……!!)

 

話を切り出したジュンコとももえに、みさとは怯えに似た感覚を覚えた

 

「……舞様のお話を聞かせてくんない?」

 

「わたくしは海馬様のお話をお願いしますわ!!」

 

「アンタ達もか、ブルゥゥタァースッ!!」

 

そう叫びながら、みさとは2人から逃げ出した

 

「あっ逃げた!!」

 

「待ってください、みさとさん!!」

 

ジュンコとももえがみさとを追いかけ、いつの間にか戻って来た追っかけ達の連合軍も加わり、再び長蛇の列が発生した

 

 

 

 

 

 

 

……ジュンコ達を上手く振り切ったみさとは、物陰からコッソリ顔を覗かせた

 

「……何とか撒けた」

 

「─お前も大変だな」

 

「─そんな事じゃ体を壊してしまうわよ?」

 

「そうは言うけど、向こうがあたしを休ませてくれな……へ?」

 

当たり前のように話をするみさとが振り返ると、コンビニ袋を持った亮と明日香が苦笑していた

 

苦笑したまま明日香は袋から取り出した水のペットボトルを、みさとに手渡した

 

「はい、喉乾いてるでしょ?」

 

「あ、ありがと……!!」

 

飛び付くようにペットボトルを受け取ったみさとは、中身を一気に飲み干した

 

「…相当喉が乾いていたのね;」

 

「2本買ってきて正解だったな」

 

亮も袋から水のペットボトルを、明日香はサンドイッチを取り出してみさとに手渡した

 

「ここ数日、ロクに食べて無いでしょう?

ハズレを引いた時が申し訳ないから今回はドローパンは止めておいたわ…それと、コレは事情を聞いた購買のトメさんからの差し入れよ」

 

そう言って明日香は、フルーツヨーグルトの瓶を差し出した

 

「…うぅ…あたしの味方はアンタ達だけ」

 

静かに泣き出したみさとに、亮と明日香は再び苦笑して顔を見合わせた

 

 

 

 

 

…食事を終えたみさとは、亮や明日香と話していた

 

「…それにしても、まさかあなたがあの決闘乙女(ヴァルキリー)だったなんてね」

 

「まあ、黙ってた事は悪かったと思ってるわよ

…アンタ達は聞かないのね?」

 

「…話を聞きたくないと言ったら嘘になるわ

けど、あそこまでモラルの無い事をするつもりも無いわよ

それにあなたにもあなたで、言えない事情があったのよね?」

 

「まぁね……さて、これからどうしたもんか…」

 

「そうだな

流石にこのままというわけにはいかない、みさとの体力はもう限界だ」

 

「2人のおかげで少し休めたけど、また走ると思うと…」

 

壁にもたれてぐったりしているみさとを見て、亮は考え込んだ

 

「─……みさと、こういうのはどうだ?」

 

「「え?」」

 

亮の提案に、みさとと明日香は顔を上げた

 

 

 

 

 

 

 

 

……翌日、授業が休みのアカデミアでは、1つの噂で持ちきりだった

 

「聞いたかおい!?」

 

「ああ!!

決闘乙女(ヴァルキリー)が校内放送で、伝説のデュエリストについて話してくれるんだろ?」

 

「海馬様のお話、聞けるかしら?」

 

「遊戯さんのお話が先よ!!」

 

 

 

 

「…スゴい盛り上がりなんだな」

 

「当然と言えば当然っスよね

みさとさんが直々に伝説のデュエリスト達について話してくれるんだから」

 

「なあ、早く行こうぜ!!

その話をオレ達に放送室で生で聞かせてくれるって、昨日みさとから連絡来たんだからさ!!」

 

「まったく、アニキってば…」

 

スキップでもしそうな勢いの十代の端末に、一本の電話が入った

 

「ん?

明日香からだ……もしもし?」

 

 

 

 

 

……アカデミアの放送室の中には、放送委員と亮や三沢、ジュンコにももえがいた

 

「しかし、オレも呼ばれたが本当に良いのだろうか?」

 

「呼んだのはみさとだ、問題は無いだろう」

 

「…それにしても、みさとさん遅いですわね」

 

「ホントね

また誰かに捕まったのかしら?」

 

放送の準備を着々と進める放送委員を尻目に、4人は放送室の入り口を見ていた

 

 

 

 

…それから15分後、準備の整った放送室の入り口が開いた

 

「ごめんなさい、遅くなったわ」

 

「あ、明日香さん…って!?」

 

「どうしたんですのみさとさん!?」

 

「十代達も一緒か!!」

 

「ご、ごめ~ん……遅れた…」

 

明日香の後ろから入って来た十代に背負われたみさとが、弱々しく片手をあげた

 

「みさと、朝ベッドから起きれなかったみたいだぜ」

 

「鮎川先生が診てくれたんスけど、体中筋肉痛で動けないみたいで」

 

「ここのところ毎日、ずっと走り続けていたんだから当然なんだな」

 

「だから私が鮎川先生に話を通して、十代達に女子寮まで迎えに来てもらったのよ」

 

「そ、それは……;」

 

「大変だったな…;」

 

亮と三沢は顔を引き攣らせ、みさとの症状に心当たりのあるジュンコとももえは視線を逸らせた

 

 

 

 

 

「……話をするのはいいけど、何から話せばいいのよ?」

 

席についたみさとを取り囲むようにして、十代達は席についた

 

「じゃあさ、遊戯さん達とはいつ知り合ったんだ!?

ってか、何でデュエリストを目指そうって思ったんだ!?

それから、それから……!!」

 

「ちょっ、十代近っ…アァーッ!!」

 

「ちょっ、大丈夫みさと!?」

 

「アニキ、落ち着こうよ…」

 

怒濤の勢いで質問する十代を、隣にいた翔と筋肉痛が響いてうずくまるみさとを介抱する明日香が宥めた

 

「…分かったわよ、1から話すわ

今のあたし、怪我人なんだからがっついて質問して来ないでよね~…十代アンタ、治ったらマジ覚えときなさいよ」

 

十代への恨み節を終えて話を始めようとするみさとに、アカデミアの全ての人が黙り込んだ

 

「……あたしの従姉に真崎 杏子っていう姉ちゃんがいるの、今はアメリカでダンサーとして活躍してるけど

あたしは杏子姉ちゃんにデュエルの基本を教えてもらってね

んで、その杏子姉ちゃんの友達の中に遊戯兄ちゃんや克也兄ちゃ…あ~…城之内さんがいたのよ、勿論当時は無名だったけどね」

 

「そうなのか?」

 

「そう、あたしは杏子姉ちゃんの繋がりで遊戯兄ちゃん達と知り合ったの

克也兄ちゃんってばその頃デュエルはド素人でさ、昔のあたしでも勝てるレベルの弱さだったわけよ

…その次に遊戯兄ちゃんとデュエルして……結果は完敗、手も足も出なかったわ

その後、遊戯兄ちゃんにデュエルを少しだけ教わったの

その後からもちょこちょこ教えてもらってて……それが目茶苦茶飛躍して、今あたしは決闘王になった遊戯兄ちゃんの弟子って事になった訳」

 

「じゃあ、みさとさんが遊戯さんの弟子って呼ばれてるのは……」

 

「嘘じゃないけど本当でもないって感じね

まあ、あながち間違っても無いから放っておいてるんだけど」

 

「みさとさんも苦労しているんですね…」

 

筋肉痛で辛そうに椅子の背もたれに体を預けるみさとを、ももえは同情の眼差しで見ていた

 

「……あたしがデュエルに本気になったのは、デュエリスト・キングダムの一件がきっかけね

ある日、遊戯兄ちゃんの所にペガサスからの招待状が届いたのよ

克也兄ちゃんは無理矢理参加を決めて、あたしは杏子姉ちゃんと克也兄ちゃんの友達のヒロト兄ちゃんにくっついて5人でデュエリスト・キングダムに向かったの」

 

「無理矢理って、城之内さんには招待状が届かなかったのか?」

 

「そう…だからかなり無茶して無理矢理に参加したの

克也兄ちゃんには、何が何でも出場して優勝しなきゃいけない理由があったから」

 

「理由?」

 

「あの人にも色々あるのよ

(そう、克也兄ちゃんは静香ちゃんの為に……)」

 

[みさとちゃん……]

 

みさとが一瞬だけ目を伏せた事を、三騎士達とクリボーは見逃していなかった

 

「あたし達の制裁デュエルで闘ったあの4人、アイツ等とは全員デュエリスト・キングダムで知り合ったわ」

 

「制裁デュエルの相手っていうと……」

 

「あの迷宮兄弟やインセクター羽蛾にダイナソー竜崎か」

 

「羽蛾の野郎、遊戯兄ちゃんの持っていたエクゾディアのカードをいきなり海に捨てたのよ、酷くない?」

 

「何でだよ、何でそんな事!!」

 

「まともにぶつかっても勝てないからでしょ

だからあたし、アレを亀虫野郎って呼んでるのよ」

 

「自分の未熟さをカードのせいにするなんて…!!」

 

「ホントにアイツ、チャンピオンなのかよ!!」

 

みさとの答えを聞いた明日香と十代は、この場にいない羽蛾に怒りを覚えた

 

「ま、結局は遊戯兄ちゃんにコテンパンにされたんだけど

その時の名台詞が、「お前、弱いだろ」なのよ」

 

「だから制裁デュエルの後、羽蛾に対してあんな事を言ったのか…;」

 

当時を思い出し、三沢は引き攣った笑みを浮かべていた

 

「そういう事~、まあ所詮あれは小者だから良いのよ

次に竜崎は克也兄ちゃんとデュエルしたの

克也兄ちゃんはデュエリスト・キングダムが始まる前に、1枚のレアカードを遊戯兄ちゃんからもらっててさ、竜崎はアンティルールを持ちかけたのよ」

 

「カードを賭けたんスか!?」

 

「結果は克也兄ちゃんの勝ち

その時のアンティルールで克也兄ちゃんが手に入れたのが、『真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)』よ

アンタ達も知ってるでしょ?」

 

「ああ、彼のエースモンスターだからな」

 

「迷宮兄弟とは、あたし達が地下に迷い込んだ時に会ってね

アイツ等、あたしを拉致って遊戯兄ちゃん達を地下に誘い込んだのよ?

しかも自分達に勝ったら、外に出してくれるっていうルールまで作ってさ……思い返しただけでもムカつくわね、あのハゲ共

…んで、遊戯兄ちゃんと克也兄ちゃんがタッグを組んだのよ

結果は遊戯兄ちゃん達の勝ちだったけどね……とまあアンタ達が見た人達以外にも、孔雀 舞さんともキングダムで知り合って仲間になったの」

 

「舞様とも!?」

 

興奮したような声を出したジュンコに、全員の視線が集まった

 

「ああ…そういえばアンタは舞さんの話を聞きたがってたわね

舞さんも賞金目当てに参加してたみたいよ、んで初心者丸出しの克也兄ちゃんとデュエルしたの

あの時は確か…カードに香水を振り掛けて香りでカードを判断するっていう『アロマ・タクティクス』っていう離れ業を使ってたわね」

 

「そんな技があったんだ…」

 

「けど、何の意味があるんだ?」

 

翔と隼人が顔を見合わせると、みさとが答える前に亮が話し出した

 

「カードを見ないで言い当てる…まるで予言のような事をされ続ければ、やられた側のプレッシャーは半端では無い

おそらく、そういった意図があったんじゃないか?」

 

「多分、そんな感じね

けど結局、克也兄ちゃんはアロマ・タクティクスを見破って逆転しちゃったんだもんね~

そういえば舞さん、あの技はあれから使ってないな…

…とまあそんな感じで、デュエリスト達はデュエルをしながら「スターチップ」っていうチップを10個集めなきゃいけなかったのよ

そして先着4人が決勝トーナメントに進めるっていうルール、その4人が誰かは知ってるわよね?」

 

「武藤 遊戯 城之内 克也 孔雀 舞……そして、バンデット・キースだろう?」

 

それに答えたのは、今まで黙って話を聞いていた三沢だった

 

「そう

遊戯兄ちゃんが舞さんに、克也兄ちゃんがキースに勝って、デュエリスト・キングダムの決勝は遊戯兄ちゃん対克也兄ちゃんのデュエルになったの……正直、見てるのが辛かった」

 

「辛かったって…」

 

「何かあったの?」

 

「お互いに何があっても譲れないモノを背負って、デュエリスト・キングダムに挑んだ者同士なんだもの

けどデュエルは勝負事、どちらかが譲れないモノを手放さなければいけなくなる……重たすぎる闘いだったのよ」

 

「みさと…」

 

(克也兄ちゃんは静香ちゃんの眼の手術費、遊戯兄ちゃんはペガサスに囚われた双六おじいちゃんの魂…どちらも重たすぎるわ…)

 

[お嬢…]

 

[クリィ……]

 

思い詰めたような顔をするみさとに、キングとクリボーは心配そうな眼差しを向けていた

 

「結局、遊戯兄ちゃんの勝利でデュエルは終わったわ

続いて行われたペガサスとのデュエルにも勝って、遊戯兄ちゃんはデュエリスト・キングダムの優勝を飾ったの……その時の遊戯兄ちゃんの後ろ姿、今でも覚えてる

「あんな風になりたい」って、初めて思った……あたしが本気でデュエルに打ち込み始めたのは、デュエリスト・キングダムが切っ掛け」

 

「オレ達と同じなんだな」

 

「そうね、あたしはアンタ達より少し先に遊戯兄ちゃんを知り合ってデュエルに打ち込み始めたってだけよ……バトル・シティの話に移るわよ、いい?」

 

《勿論!!》

 

全員一致の声にみさとは苦笑しながら、手元のペットボトルの水を一口飲んだ

 

「ふぅ…デュエリスト・キングダムが終わってからのあたしは、カードの勉強三昧だったわ

遊戯兄ちゃんみたいに強くなりたい…って思わなかった訳じゃないけど、「あたしもあのステージに立ちたい、自分の可能性を試してみたい」…それだけだったわ……けど、殆どの人があたしをバカにした」

 

「どういう事だ?」

 

「女のデュエリストって今でも人口が少ないじゃない?

デュエリスト・キングダムが終わった頃は、女デュエリストなんて殆どいなかったのよ」

 

「確かに、今のアカデミアでも女子の人口は少ないしな」

 

「プロにも数える程度しかいない」

 

「しかも当時のあたしは子供、「デュエルしろ」って言っただけで笑い者よ」

 

「酷いっスね…」

 

翔は自分の事のように悲しそうな顔をした

 

「けど、あたしも意固地になって町内大会に出て優勝を繰り返したの

そしたら笑っていた奴等もあたしを認めざるを~って感じでさ……けど、あたしは満足出来なかった」

 

「どうしてですの?」

 

「町内大会ってさ、選手は町内の人間じゃない?

「こんな狭い視野でいいのかな」って思うようになっちゃって…そんなある日、あたしの住んでる童実野町で古代エジプト展が開かれたの

あたしはミーハー気分で1人でエジプト展が開かれた童実野美術館に行って…その時偶然、責任者のイシズって人と話をしたの

そしたら「広場へ向かえ」って言われてさ、良く分からないままあたしは広場に向かったんだ

(そう、全てはあの日から始まったのよね……)」

 

みさとの脳裏に3年前の出来事が甦った

 

 

 

ーーー

みさと視点

 

3年前 童実野美術館

 

童実野美術館の展示を見て回ってると、あたしのバックのストラップがたまたま空いてた関係者用のドアの奥に転がって行って、あたしはそのストラップを追い掛けて奥の部屋に行ったんだ……そこであたしは、とんでもない物を目の当たりにしたの

 

「な…何、コレ……?」

 

あたしの目の前に展示されている古い石板、そこには見覚えのある人やモンスターが刻まれていた

 

「遊戯兄ちゃんとブラック・マジシャン…?

反対側のは、海馬と青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイトドラゴン)…!?

何で、何で遊戯兄ちゃん達やデュエルモンスターが石板に……!?」

 

「─…その石板に刻まれているのは、厳密に言えばあなたの顔見知りの方ではありません」

 

聞こえてきた人の声に振り返ると、民族服を着たとても綺麗な女の人があたしの方へ向かってきた

 

「あ、あの…すみません勝手にっ

落とし物しちゃって、その……」

 

「大丈夫です、あなたがここに来る事は分かっていました」

 

「え…?

あの、あなたは…?」

 

「私はイシズ・イシュタール

コレにあなたは見覚えがあるのではありませんか?」

 

イシズって名乗った人は、自分の首飾りを片手で示した

 

「それって、確か…千年アイテムとか言う…?」

 

「その通りです

この千年タウクは未来を予知する事が出来る力を秘めています」

 

「そんなのもあるんだ

だからあたしがここに来るって……」

 

イシズさんは石板の前まで来て立ち止まった

 

「……あなたは今、迷っていますね?」

 

「え……?」

 

「「今の自分のままで良いのか、自分の可能性を試したい」…そう考えてはいませんか?」

 

「何で、それを……」

 

「……今から広場へお行きなさい

そこへ向かえば、あなたは自分の運命を変えられるでしょう」

 

「あたしの、運命を……?」

 

「はい……ですが、それはとても過酷な闘いとなります

更にその選択をした場合、あなたはこの石板の運命にもかかわる事になるでしょう」

 

「石板の運命……」

 

イシズさんの言葉を繰り返しながら、あたしは石板を見上げた

 

(この石板、遊戯兄ちゃんに似てる……ならきっと、その運命に遊戯兄ちゃんもかかわっているハズ!!

なら、あたしの答えは決まってる)

 

答えを決めたあたしは、イシズさんに向き直った

 

「ありがとうございました、イシズさん

あたし……行きます!!」

 

「……分かりました、お気をつけて」

 

微笑みながら見送ってくれたイシズさんにお礼して、あたしは駅前の広場に走ったわ

 

 

 

 

 

 

(何、このピリピリした空気…)

 

駅前広場に向かえば向かう程、周りから変な気配を感じるようになって来た……そんな時、あたしは後ろから声をかけられた

 

「─みさと!?

みさとじゃない!?」

 

「─ぇ、舞さん!?」

 

そこにいたのは、デュエリスト・キングダムで知り合った孔雀 舞さんだった

 

「久しぶりだね、元気だったかい?」

 

「はい、舞さんもお元気そうで良かったです!!」

 

「ところでアンタ、何だってこんな所に1人でいるのよ?

遊戯は一緒じゃないのかい?」

 

「遊戯兄ちゃん…?

一緒じゃないですけど…」

 

「ホントに1人でここに?

驚いたね」

 

「…舞さん、ここで何か有るんですか?

あと、周りから来るこのピリピリした何とも言えない感じは一体……」

 

あたしが周りを見渡していると、舞さんは満足げに笑っていた

 

「ふぅ~ん、アンタにもコレが感じられるんだ

見込みがあるみたいだね」

 

「へ?」

 

「…アンタ、デュエリストになる気かい?」

 

「はい、自分の中の可能性を試してみたいんです」

 

「そっか……っと、おーい遊戯・杏子ー!!」

 

舞さんが前にいた遊戯兄ちゃんと杏子姉ちゃんの方に駆けて行ったから、あたしも後を追い掛けた

 

「舞、ここに何しに来たんだ?

みさとまで連れて」

 

「何しにって……初心者のみさとはともかく、遊戯…アンタも例の情報を聞いて来たんだろ……」

 

「情報?」

 

「アンタ達、何も知らずにここへ!?」

 

「な、何?

今からここで何があるのよみさと?」

 

「あたしも知らないよ

ただ、ここに来ればあたしは自分の運命を変えられるみたいって聞いて……」

 

「何よその怪しい話は?」

 

「舞さんに会うまでは、あたしだってそう思ってた~」

 

あたしと杏子姉ちゃんが話してる隣で、一気に真剣な雰囲気になった舞さんと遊戯兄ちゃんが向かい合っていた

 

「遊戯、アンタなら気付いてるハズだろ……」

 

「ああ…さっきからデュエリスト特有の殺気ってやつを感じるぜ」

 

「え、殺気って…さっきから来るこのピリピリする感じの事?」

 

「お前も分かるのか?」

 

「多分

通行人が何となくピリピリしてる空気を纏ってるから、何だろうなって…」

 

……そしてそこに現れた海馬が、バトル・シティ開催を宣言した

 

ー「この街はバトル・シティと化す!!」ー

 

……あの日の海馬のあの言葉、今でも耳に残ってる

 

あの日から、あたしはデュエリストとしての道を歩き出したんだから

 

みさと視点 終了

 

 

 

 

「あれ、あの後テレビでも放映されてたよな!!」

 

「みんなこぞって、カード屋に行ってたしね」

 

昔を思い返しながらもみさとは話を続け、バトル・シティ開催までを話していた

 

「次の日、あたしは遊戯兄ちゃん達とカード屋にディスクを貰いに行ったの」

 

「誰でも貰えたんですの?」

 

「違うわよももえ」

 

首を傾げたももえに、明日香がツッコんだ

 

「KCがリサーチして設定したデュエリストのレベルが一定のラインを超えてた人だけが、バトル・シティに出られたのよ

遊戯兄ちゃんは最高のレベル8、克也兄ちゃんはギリギリのレベル5だったわ」

 

「そうなんだよなー

オレ、レベル1って言われて出れなかったんだよ」

 

「ぇ、出ようと思ったんスかアニキ?」

 

残念そうに椅子の背もたれに体重を預けた十代を翔を始め、全員がギョッとした顔で見つめた

 

「それで、みさとくんのレベルは何だったんだ?」

 

「あたし?

あたしも克也兄ちゃんと同じでレベル5」

 

「ギリギリだったのね」

 

「まぁね…けど、何でだったのかな…?」

 

「何が?」

 

「もっとレベルが高いと思ってたのか?」

 

亮の質問にみさとは首を横に振った

 

「むしろ逆…何で海馬の奴、あの頃のあたしにあんな高評価を与えたのかなって

あの頃のあたしは町内大会でしかデュエルしてなかったのに……アイツの考えは今でも分からないわ」

 

「当たり前ですわ!!

だって海馬様ですもの、あんなにイケメンですもの!!」

 

「ゴメンももえ、訳分かんない…;」

 

「私も…;」

 

「ももえ……;」

 

力説するももえに、女子3人は引いていた

 

「……まあでも、出れるようになったんだから全力を尽くさなくちゃって思って、その日はディスク貰って直帰して、1からデッキを作り直したのよ」

 

「君がバトル・シティで使用していたデッキは確か、戦士族と天使族の合成デッキだったハズだったな」

 

「そうそう、杏子姉ちゃんの影響で天使族主力でね

あの頃上級のモンスターカードは数枚しか持って無かったし、なかなか大変だったわ」

 

「バトル・シティのデータだと、確か攻撃力 2750の天使族モンスター『翼を織りなす者』と、攻撃力 2450の戦士族モンスター 『ソードハンター』が当時の君の主力モンスターだったハズだな」

 

「そうね、あの2枚には本当に助けられたわ」

 

「─でもさ、確かドラゴンのカードが1枚無かったか?」

 

十代の一言に、みさとはピクリと小さく反応した

 

「ッ…そ、そうね

確かにいたわ、あたしの唯一のレアカードだったし

……結局徹夜したまま、あたしはバトル・シティに参加したの…途中、まあトラブルもイロイロあったけどね」

 

言葉を区切ったみさとは、そっと外を眺めた

 

(克也兄ちゃんがレアカードハンター グールズに襲われて、真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)を奪われちゃって…

それを皮切りに、グールズは遊戯兄ちゃんを執拗に狙い続けて、仲間のあたし達も狙われて……)

 

「みさと?」

 

「どうかしたのか?」

 

真面目な顔で固まっていたみさとは、ジュンコと隼人の声で我に返った

 

「っ…何でもない、話してたら昔を思い出しちゃっただけ

バトル・シティ予選はパズルカードっていう専用のカードを6枚手に入れて、カードに記された決勝の場所に行けた先着8人だけが通過出来るっていう、かなり狭き門だったのよね」

 

「参加者は全部で何人くらいいたんスか?」

 

「はっきりと数はわからないけど、軽く100人はいたんじゃない?」

 

「そんなに!?」

 

「うん…遊戯兄ちゃん・克也兄ちゃん・舞さんも参加して、あたし達はそれぞれバラバラに予選に挑んだの

初戦と2戦目はギリギリ勝利

んでその後、あたしは舞さんとタッグを組んだのよね」

 

「舞様と!?」

 

ガタンッと勢いをつけて立ち上がり、ジュンコはみさとに食い入るように話した

 

「アンタ、本当に舞さんの事好きね~…まあ、気持ち分かるけど

組んだはいいものの、当時のあたしは初心者…舞さんの足を引っ張っちゃったわ

もう残りのライフも200まで削られたくらいだし」

 

「相手が強かったのか?」

 

「それもあるけど、あたしが弱すぎたのよ

んで挫けそうになったあたしに、舞さんが叱咤激励ってヤツをしてくれたのよ

三沢、アンタと組んで亀虫達と闘った時のあの言葉を覚えてる?」

 

「ああ、あの言葉が無かったらオレは挫けていたよ

今さらだが、あの時はありがとう」

 

「どういたしまして

…けどね、アレは舞さんの言った事をほぼそっくり言っただけなのよね

受け売り、とも言うけど」

 

「そうだったの?」

 

「そうよ~

その後は、あたしは舞さんを全力でサポートして逆転勝ち

舞さんがいなかったら、今のあたしはないわ」

 

「舞様ステキーッ!!」

 

「素晴らしいですわー!!」

 

「ジュンコ…ももえ…」

 

2人ではしゃぐジュンコとももえを見て、明日香はどこか呆れたような顔をしていた

 

「まあそんな感じで勢いに乗れて、5枚まではドンドン手に入れる事が出来たの……当然、遊戯兄ちゃん達4人の中じゃ、あたしがドベだったけど」

 

「威張って言う事じゃないぞ…」

 

呆れたような声をもらす亮を無視して、みさとは話を続けた

 

「5枚目を手に入れた後、ちょっとトラブルに巻き込まれてね…」

 

そこで区切ったみさとは、そっと目を伏せた

 

 

 

ーーー

 

みさと視点

 

あたしの前にもグールズはやって来て、デュエルで勝って5枚目のパズルカードは奪った

 

その足で童実野埠頭に向かって、埠頭にたどり着いたあたしの目に飛び込んで来たのは……ある意味、地獄絵図だった

 

「ぇ……何、コレ…?」

 

真上に大きなコンテナがある椅子に縛られてる杏子姉ちゃん、モクバを人質にとられている海馬…そして、豹変した克也兄ちゃんとデュエルする遊戯兄ちゃん

 

訳が分からなかった…一体何があったのか、何でこんな事になってるのか…何1つ分からなくて、目の前の光景を認めたく無かった

 

克也兄ちゃんがグールズに奪われた真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)を従えた遊戯兄ちゃん、それを見て苦しみだす克也兄ちゃん

 

……見ていられなかった、こんな悲しいデュエルは初めてで、あたしは隠れて泣く事しか出来なくて…でも泣いてばかりも嫌で、あたしは一か八かの賭けに出た

 

埠頭にいるグールズ達にあたしはまだここにいる事を知られていなかった

 

そしてあたしの目の前には、モクバを抱えて背中を向けているグールズの男…足元に転がってた石と鉄パイプを握ったあたしは深呼吸して、モクバを抱えてる男の後頭部目掛けて思い切り石を投げ付けた

 

石が当たるのを確認して、あたしは鉄パイプ片手に男達に殴り掛かった

 

「やあああっ!!」

 

「ぐあっ!!」

 

「何だコイツは!?」

 

「みさと!?

お前、何で…!?」

 

「海馬手伝って!!」

 

「言われるまでも無い!!

死ね、ブタ共ォ!!」

 

海馬と2人掛かりでグールズの男達を殴って海に突き落としてモクバを助けたあたし達は、2人のデュエルを止める為に走り出した

 

けど最後の最後で克也兄ちゃんは大会禁止カードの1枚『デス・メテオ』のカードを発動させたけど、遊戯兄ちゃんは罠カード『精霊の鏡』でそのコントロールを得た

 

デュエルディスクをその場に置いた遊戯兄ちゃんは笑ってた……精霊の鏡はプレイヤーの意思で攻撃対象を変更出来るカード、当時素人だったあたしでも遊戯兄ちゃんが何をしようとしてるのかが分かった

 

「まさか……」

 

声が震えた…声だけじゃない、足も手を…全身が震えた

 

「精霊よ!!

デス・メテオの攻撃対象は…僕だ!!」

 

遊戯兄ちゃんの宣言で、精霊は鏡に溜めていたエネルギーを遊戯兄ちゃんにぶつけてデュエルは終了した

 

「遊戯!!」

 

「遊戯ィー!!」

 

「遊戯兄ちゃーん!!」

 

倒れていく遊戯兄ちゃんを見て、あたしは泣き叫んでいた

 

鎖で繋がれた遊戯兄ちゃんが海へ引きずり込まれる中、克也兄ちゃんは真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)の攻撃を受けてライフを0にして箱の中の鍵を取り出した

 

そのままディスクを置いて鎖を使って遊戯兄ちゃんを助けに行ってたけど、手錠で繋がれていた2人はそろって海へ引きずり込まれた

 

遊戯兄ちゃんはすぐに浮いて来たけど、克也兄ちゃんは浮いて来ない

 

「フン…ディスクを取り外すのを優先するあまり、自分の手錠の鍵を取りそこなったか……」

 

海馬の手にあった1本の鍵、あたしはそれをぶん取って克也兄ちゃんを助けに行く……ハズだった

 

「「静香ちゃん!!」」

 

その鍵を先に取って海に飛び込んだのは、何でかその場にいた知らない女の子

 

いつの間にかヒロト兄ちゃんや舞さんもいたけど、この時は気にしてられなくて、ディスクを置いたあたしは女の子を追い掛けて海に飛び込んだ

 

海中で鍵を外したあたし達は、克也兄ちゃんを連れて泳いだ

 

完全に忘れられそうになっていた杏子姉ちゃんを助け出して一件落着……にはならなかった

 

克也兄ちゃんは自分を責めて、あたし達を拒絶し始めたの

 

克也兄ちゃんがあたしの隣の女の子を「静香」って呼んでたから、この時あたしは隣の女の子が克也兄ちゃんの妹さんの静香ちゃんだって事に気付いたんだよね

 

そのままメソメソする克也兄ちゃんは、舞さんとヒロト兄ちゃんの一喝でなんとか立ち直って、克也兄ちゃんと静香ちゃんの眩しいくらいキレイな兄妹愛にあたし達は魅せられていた

 

この一件から静香ちゃんはあたし達の仲間入りをして、舞さんをカッコイイって思う共通点もすぐに見つけて今では静香ちゃんはあたしの一番の親友だったりする

 

……けど、あたしはこの時を忘れられない…自分の無力さをここまで痛感した事は無かったから

 

みさと視点 終了

 

 

 

 

「……まあ、途中でトラブルに巻き込まれて、何だかんだで仲間が全員集まっちゃったのよね

で、そのまま本戦に行こうとしたんだけど……」

 

「けど?」

 

「─…あたしだけ本戦出場権、まだ取れて無かったのよね~」

 

あっけらかんと笑うみさとに、十代達はドテェッと盛大に転んだ

 

「わ、笑い事じゃないっスよ!?」

 

「まあ、そうなんだけどね

みんなで最後の1人探しをしてたら、1人のデュエリストと出くわしたのよ」

 

「どんな人だったんだ?」

 

隼人の質問に、みさとは苦笑を浮かべた

 

「それがさぁ…美術館で会った、イシズさんだったのよ

イシズさんもあたしと同じで、残り1枚で本戦行き決定で…あたしはその場でイシズさんとデュエルして、本当にギリギリ勝って本戦にギリギリ滑り込んだのよ」

 

「その人、強かったのか?」

 

「強かったわよ、本当に

運良く、ギリギリの勝ちだったし…まあ本戦はアンタ達も知っての通り、海馬に負けてベスト8で終わったけどね

あたしに比べて遊戯兄ちゃんはとんでもなかったわよ、決勝戦はオシリスとオベリスクを召喚して、最強の神 ラーと戦って勝ったんだから」

 

「ラーが最強の神だったのか!?」

 

「やっぱり遊戯様は素晴らしいですわ!!」

 

しばらくの間、十代達は遊戯の話で盛り上がり続けた

 

 

 

 

 

 

 

「…なぁみさと、聞きてぇ事があるんだけどさ」

 

「ん?

どうしたのよ十代?」

 

盛り上がりが一段落ついた所で、十代はズイッと身を乗り出した

 

「─いつからカードの精霊が見えるようになったんだ?」

 

《カードの精霊?》

 

明日香達の声が揃う中、みさとの後ろに三騎士達とクリボーがソッと現れた

 

[そう来たか]

 

[クリクリ~]

 

[自分以外に同じモノが見えるんですもの、仕方ないですよ]

 

[まあ、気にはなるよな]

 

「(そうよね…)

あたしは10歳くらいの頃かな、生まれつき見えたわけじゃないのよ」

 

「そうなのか?」

 

「あの~」

 

2人の話になりかけていた所に、翔がおずおずと声をかけた

 

「前から気になってたんスけど、カードの精霊って何スか?」

 

「それは私も気になっていたの

みさと、折角の機会だし教えてくれないかしら?」

 

翔の一言に明日香も加わり、全員がみさとの返事を待った

 

「……デュエルモンスターズのカードには、極稀にカードの精霊と呼ばれる存在が宿るの

基本的には、目に見えず 声も聞こえない 存在を感知する事も出来ないわ」

 

「そ、それってもしかして…!!」

 

「ゆ、幽霊ですの!?」

 

「「違ェよ/違うわよ」」

 

怯えだしたジュンコとももえに、十代とみさとの同時のツッコミが入った

 

「幽霊とはまた別の存在よ

基本的には見えないけど、これまた極稀に精霊を感知して対話が出来る人間がいるのよ、あたしや十代みたいにね」

 

「そ、そんな非科学的な事が……」

 

(それで十代もみさとも、カードのモンスターに向かって叫ぶ事が多いのね……)

 

信じられないという顔をして呟く三沢の隣で、明日香は1人で納得していた

 

「アンタ達も知ってる神のカードだって、人知を越えた存在じゃない

神がいるなら精霊がいたっておかしくないでしょ?」

 

「ま、まあ……」

 

「遊戯兄ちゃんや海馬も、精霊を見る事が出来る人間よ」

 

「遊戯さんも見えるのか!?」

 

「そっ、だからアンタにハネクリちゃんのカードを渡したんでしょうね

多分兄ちゃんは、アンタが精霊が見える人間だって勘か何かで分かってたんじゃない?」

 

「そうだったんだ…へへっ」

 

十代は嬉しそうにハネクリボーのカードを見つめてながら、横目でみさとを見た

 

(けど、あの廃寮で見たナイト達は本物だったよな…?

どういう事なんだ…?)

 

「遊戯兄ちゃんみたいに生まれつき見えるのか、あたしや海馬みたいに何かの切っ掛けで見えるようになるのか……良く分かってないのよね」

 

「…みさと、あなたがその精霊を見えるようになった切っ掛けって何?」

 

「あたし?

あたしは生まれつき精霊が見える奴と出会った事が切っ掛けね」

 

「どんな奴なんだ?」

 

「あたし達と同い年の男よ、外国にいるわ」

 

「イケメンですの!?」

 

「アンタ、ブレないわね…;

うーん…まあ、悪くは無いんじゃない?

若干、十代に似てる感はあるけど」

 

「そうなんスか?」

 

話に華を咲かせる十代達を見て、みさとは静かに祈った

 

(どうか、コイツ等は闇のデュエルに関わらずに、純粋にデュエルを楽しめますように…)

 

 




今回はみさとの武勇伝(?)を書けました
みさとがどのようにデュエリストとして成長していったのかを、少しだけ書いた……つもりです

一応大まかな設定としては…
デュエリスト・キングダム デュエルは少しやってるだけの応援
決勝戦の遊戯対城之内のデュエルに感動して、本格的に始める

町内大会連覇

バトル・シティ ベスト8(海馬に負ける)
……となっています

そろそろ本格的に闇のデュエルの所に入らないとですね
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