遊戯王GX 戦場に立つ乙女   作:なおにぃ

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TARN 18  決闘乙女出陣  VS ヴァンパイア カミューラ

保健室で飛び起きるように目覚めた十代は起き上がり、苦しそうに胸を押さえた

 

隣で椅子に腰掛けていた翔は、十代の様子を見て眠そうに伏せていた顔を上げた

 

「ァ、アニキ…どっか痛むの?」

 

「いや…夢を、見てた…」

 

「夢…?」

 

翔が問いに答えず十代が目を伏せると、保険医の鮎川がやって来て十代の無事を確認すると嬉しそうに微笑んだ

 

隣のベッドで眠り続けている明日香の兄 吹雪のことを説明すると、鮎川はまだ目覚めない吹雪を見つめた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…一方、アカデミアでは夜に湖に出現する美人の吸血鬼の噂で持ちきりだった

 

「吸血鬼は闇を好む」……この一言で噂の吸血鬼はセブンスターズであるという可能性が出た為、今集まれる七精門の鍵を持っているクロノス達は校長室へと集められた

 

部屋に戻り、今一度デッキをチェックするクロノス達……窓から覗く、黒い蝙蝠の存在に彼らは気付いていなかった

 

……そして、みさともまたデッキ調整をしていた

 

[……お嬢、外に変なのがいるぜ]

 

(…なるほどねぇ

どうせなら、嫌がらせしてやりましょ)

 

キングの声で座っていた椅子から腰をあげたみさとは、そのまま自室のカーテンを閉めた

 

 

 

 

 

 

夜になり、明日香とデッキ調整を終えて保健室へ来たみさとは付き添っていた吹雪の元から離れ、眠っていた十代のベッドの方を見た

 

「兄さんも、今は眠っているけど…いつかは目を覚ますわ」

 

そう言って微笑む明日香を見て、みさとは真剣な眼差しで明日香を見た

 

「…これで皆分かったハズよ、闇のデュエルは実在するモノだという事が」

 

「ええ…」

 

「明日香…今ならまだ間に合う

鍵を返してこの闘いから身を引きなさい」

 

「みさと……」

 

「他の連中は見栄とかで首を突っ込んだだけに過ぎないだろうけど、アンタや亮さんがそんな事するとは思えない…何かの意図が有る

それは……」

 

「……闇のデュエルに関われば、兄さんの情報を掴めると思ったの」

 

「本当に無茶するわね、アンタ達…でも、これでアンタ達の闘う理由は無くなった訳でしょ?」

 

「そうだけど……新しい疑問が出て来たの

「何故、兄さんは闇のデュエルに関わったのか」…という疑問が

私達はそれを知りたい」

 

「明日香……」

 

そんな時、保健室にみさとの端末が鳴り響く

 

「三沢から……もしもし?」

 

『みさとくん、三沢だ

2人目のセブンスターズが現れた!!』

 

「「何ですって!?」」

 

『場所は湖付近、相手は近頃噂されていた吸血鬼 カミューラだ

クロノス先生が迎え撃っているが、やはり苦戦している』

 

「分かった、あたしも明日香を連れて直ぐに行く」

 

通信を切ったみさとと明日香の目は真剣だった

 

「これで先生もわかったはずよ…現実に闇のゲームが存在すると言うことを」

 

「アイツ、頑なに闇のデュエルを認めなかったもんね…行くわよ」

 

「ええ」

 

2人が保健室を出ると翔と隼人が駆けてきた

 

翔と隼人に十代を頼んで、保健室を出て行こうとするみさとと明日香を弱々しい声が引き止める

 

「待って、くれ……」

 

「アニキ!!

起きたの!?」

 

「オレも…行く…!!」

 

ヨロケながらベッドから起き上がる十代だが、翔と隼人がそれを支える

 

「まだ無理っスよ、アニキ!!」

 

「そうなんだな、今は休んだ方が…」

 

「…仕方ないわ

言っても聞かないんだから、そいつ」

 

「タフさが仇になったわね、十代

翔くん・隼人くん、十代をお願い」

 

ゆっくりと歩く翔と隼人を置いて、みさとは明日香を連れて走り出した

 

 

 

 

 

 

 

…湖に行くと、苦戦を強いられているクロノスの姿が合った

 

三沢や万丈目・亮の姿もあり、一度は体勢を立て直したクロノスも最後はカミューラの攻撃によって倒れてしまう

 

「約束どおり、彼の魂は私のコレクションに加えさせてもらうわ」

 

そういうカミューラの手には小さな人形が握られていた

 

何の変哲もないそれが、どんどんとクロノスのカタチをかたどっていく

 

雑に扱うカミューラに十代は怒鳴るが、それを亮が制止した

 

「カイザー…」

 

「フフ…次の対戦が楽しみだわ」

 

亮の顔を見て微笑むと、カミューラは闇に溶けていった

 

七精門の鍵を1つ奪われ、十代達に精神的に動揺が起った

 

そして湖の上に巨大な城が現れると、カミューラの笑い声が全員の頭の中にこだまする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…翌日の晩、城に導かれるように亮はカミューラと対決

 

善戦し押していた亮だったが、最後の最後と言うところでカミューラは闇のカード『幻魔の扉』を発動、カード効果の代償として翔の魂を人質に取られて敗北した

 

2つ目の七精門の鍵を奪われ、亮も人形にされてしまった

 

「なんでだよ…デュエルって楽しいもんだろ!?

どうして翔が泣かなくちゃいけねェんだよ!!」

 

(十代、デュエルを純粋に楽しむ事しか出来なかった自分に、後悔してる……闇のデュエルに関わった人は、みんなこの問題とぶつかるんだもの…

だからアンタには特に、闇のデュエルに関わって欲しくなかったんだけど…)

 

十代の悲痛な叫びに、みさとは悲しそうに顔をしかめた

 

 

 

 

 

 

……その夜、保健室のベッドで十代は布団を強く握りながら魘されていた

 

うなされていた十代が落ち着きを取り戻すと、付き添っていたみさとはやりきれない表情で隣の明日香を見た

 

(やっぱり、なにがなんでも止めるべきだったんだ……あたしの責任だ…)

 

[みさとちゃん……]

 

[クリィ……]

 

そんなみさとの悲しそうな後ろ姿を、クィーンとクリボーは悲しそうに見ていた

 

「亮…兄さんが帰ってきたというのに、今度はあなた自身が闇のデュエルの犠牲になってしまうなんて…」

 

誰に言うで無く明日香が呟き目を伏せると、吹雪の胸に掛けられていたペンダントが淡く光りだす

 

そしてペンダントを握るかのように自ら手を動かし、吹雪は重たそうに目を開けた

 

「兄さん…!?」

 

「…ぅ…」

 

吹雪のペンダントに反応するように、十代のペンダントも光を発し始めた

 

「な、何……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

…一方、湖の前にいる三沢と万丈目のところに、翔と隼人が大徳寺を連れて来ていた

 

「お前等、この万丈目サンダーの見送りご苦労だな」

 

「論理的に言って、次はオレだろう」

 

「貴様ァ!!

このオレ様に逆らう気か!?」

 

「そんな悠長な事を言っている場合じゃないだろう!!」

 

「何やってるんだ、2人して」

 

隼人と翔が見送る中、万丈目と三沢の口論は続く

 

そんな万丈目達の前に、一隻のモーターボートが到着した

 

「2人共、待って!!

次の相手は、もう決まってるわ」

 

ボートに乗っていた明日香は、浅い湖の上に降りた

 

怪しむ三沢と万丈目をよそに、フラフラと歩く十代を支えたみさとがボートから降りてきた

 

「アニキ、無茶だよ…!!」

 

「十代……!!」

 

心配した翔と隼人は、慌てて十代に駆け寄った

 

十代を翔と隼人に任せたみさとは、自身のデュエルディスクを装着して真剣な眼差しで湖に浮かぶ城を見つめた

 

その胸には十代と吹雪が持っていたペンダントが1つになった姿で光っていた

 

「……保健室で十代と兄さんのペンダントが1つになって、みさとの元へ飛んで行ったの

そして少しだけ意識を取り戻した兄さんはこう言ったわ…」

 

 

 

ーーー

 

「カミューラは…セブンスターズの中でも最も凶悪な奴の1人…正真正銘の、モンスター…アイツは卑怯な術を使うだろう…?

闇のアイテムを使ったデュエルを破るためには、闇のアイテムが必要なのだ…」

 

ーーー

 

 

 

「…十代と兄さんが持っていた闇のアイテム

それに選ばれたみさとがデュエルするしかないのよ」

 

「元々、犠牲者を出した相手にはあたしが挑むって言っといたハズよ

異議は認めないから」

 

そう言う明日香とみさとに、万丈目も三沢も黙り込んだ

 

「……みさと」

 

フラフラなまま何か言いたげな声を漏らした十代に、みさとはニッと快活に笑った

 

「心配しなくて大丈夫……あたしに任せときな!!」

 

 

 

 

 

 

城内へ着いたメンバーはみさとを先頭に、誘われるまま中へと進んで行く

 

奥で待っていたカミューラと向き合う位置にみさとが立ち、他のメンバーは横の通路まで別れるように進んだ

 

「よく来たわね、お嬢ちゃん…その勇気を称えて人形にしてあげるわ」

 

「生憎、人形遊びは嫌いなのよ

前もって言っとくけど、あたしは前の2人と違って闇のデュエルド素人じゃないから」

 

「ほぅ…」

 

その強気な発言に、カミューラは薄く笑んだ

 

そしてお互いがデッキに手を掛けて、デュエルディスクを始動させた

 

「「─決闘(デュエル)!!」」

 

掛け声と共に、女同士の闇のデュエルが始まった

 

カミューラ LP 4000

みさと LP 4000

 

(みんな、もう来てくれたんだ…!!)

 

みさとの手札は三騎士達とクリボー、そして融合の5枚だった

 

「私のターン、ドロー!!

─魔法カード『手札抹殺』を発動!!」

 

「なっ…!?」

 

発動されたカードの名前に、みさとは目を見開いた

 

「互いの手札を全て墓地に送り、デッキから捨てた枚数と同じ枚数のカードをドローする

さあお嬢ちゃん、手札を捨てなさい」

 

「くっ…!!

(みんな、ゴメン……)」

 

歯がゆそうにみさとは手札を全て墓地へ送り、デッキから新しく5枚のカードを引いた

 

「うふふ、その様子だと良いカードが墓地へ行ったようね」

 

「…人の不幸を喜ぶなんて、良い趣味ねオバサン」

 

「何ですってェ!?」

 

みさとの一言に、カミューラは牙を剥き出しにして怒鳴り出した

 

「あなたの魂なんて、人形にしてすぐにボロボロにしてやるわ!!

『ヴァンパイア・バッツ』を守備表示で召喚!!」

 

カミューラのフィールドに現れたコウモリは、羽根を丸めて守りの体勢をとった

 

ヴァンパイア・バッツ

☆3 闇属性 アンデット族 ATK 800 DEF 1200

 

「カードを2枚セットして、ターンエンドよ」

 

「あたしのターン、ドロー!!」

 

最初と変わった手札を見ながら、みさとはカミューラを睨んだ

 

(騎士達も融合も墓地に送られてしまった今、ジョーカーを出すのは一苦労……ジョーカーや騎士達抜きでやるしかない…とするとアイツの出番か)

 

デッキの中に眠るモンスターを思い浮かべながら方針を決めたみさとは、手札の1枚をデュエルディスクにセットした

 

「『ロケット戦士』を攻撃表示で召喚!!」

 

みさとのフィールドに、ロケットを模した小柄な戦士が現れた

 

ロケット戦士

☆4 光属性 戦士族 ATK 1500 DEF 1300

 

「─バカな!!

蝙蝠達の報告では、お前のデッキは天使族のハズ…っ!!」

 

動揺して滑らせた口を被ったカミューラを見て、みさとはどこか呆れたようなため息をついた

 

「そんなところだと思ってたのよ

アンタがクロノスや亮さんを相手にあそこまで闘えた理由……それはアンタの腕前やあの無茶苦茶カードだけじゃなく、前もってあたし達のデッキを盗み見ていたから」

 

「何だと!?」

 

「卑怯だぞカミューラ!!」

 

「最初から、オレ達の手の内を知っていたなんて……」

 

口々に文句を言う十代達を、カミューラは嘲笑った

 

「卑怯?

闘いは合図と共に始まる訳じゃないわ」

 

「そこは同意見ね

相手のデッキを盗み見る、たまにあるパターンだし

けど、今は自分の心配をしたら?」

 

カミューラを睨みながら、みさとはヴァンパイア・バッツを指差した

 

「バトル、ロケット戦士でヴァンパイア・バッツを攻撃!!」

 

みさとの掛け声と同時に、ロケット戦士は手にした剣でヴァンパイア・バッツに斬り掛かる

 

「そうはさせないわ!!

─罠カード『妖かしの紅月(レッドムーン)』を発動!!」

 

「あれは前にも使ってたカード…!!」

 

「このカードは手札のアンデット族モンスター1体を墓地へ送って発動出来る

相手のモンスターの攻撃を無効にして、攻撃したきたモンスターの攻撃力分のライフを回復する

そしてそのままバトルは終了させる

私は手札のアンデット族モンスター『ノーブル・ド・ノワール』を墓地へ送るわ」

 

「チッ…」

 

みさとが苛立たし気に舌打ちするのを見て、カミューラは愉快そうに笑みを浮かべながらライフを回復した

 

カミューラ LP 4000→5500

 

「…カードを2枚伏せて、ターン終了」

 

「…妙だな」

 

カミューラのデュエルを見て、三沢は納得いかない口調で呟いた

 

「どうしたんだ?」

 

「さっきのカミューラの防御さ

ヴァンパイア・バッツにはバトルか効果で破壊される代わりに、デッキから同名モンスターを墓地に送る事で破壊を免れる効果がある」

 

「その効果を使わずに、何故わざわざ罠カードを使ったのか…だろう?」

 

「ああ…」

 

三沢の言いたい事を引き継ぐように話した万丈目も、カミューラの方を見ていた

 

「私のターン、ドロー!!

─手札から速攻魔法『サイクロン』を発動、フィールド上の魔法・罠カード1枚を破壊するわ」

 

「みさとさんの伏せカードのどちらかが破壊されちゃう!!」

 

焦ったような声を出す翔を、カミューラは嘲笑いながらデュエルを続けた

 

「お兄さんとは随分違うのね…そんな単純な事をするわけがないじゃない、ボウヤ

─私はサイクロンで、私の伏せカードを破壊する!!」

 

《えっ!?》

 

「しくった…!!」

 

意外な一手に十代達は驚き、みさとはカミューラの意図に気付いて苦々しい声をもらした

 

そのままカミューラのカードから出た竜巻が、カミューラの伏せカードを破壊するとカードは棺となって残った

 

「アレは…!!」

 

「─私が破壊したのは、罠カード『不死族の棺(アンデッド・ベッド)

セットされたこのカードが破壊されて墓地に送られた時、墓地からアンデッド族モンスター1体を特殊召喚出来る」

 

「奴の墓地には上級のアンデッド族モンスターがいる!!」

 

「妖かしの紅月(レッドムーン)の本当の狙いはコレか!!」

 

三沢と万丈目が叫ぶ中、カミューラはデュエルディスクの墓地からカードを取り出した

 

「墓地から蘇れ、ノーブル・ド・ノワール!!」

 

カミューラのフィールドに、ヴァンパイアの紳士が現れた

 

ノーブル・ド・ノワール

☆5 闇属性 アンデッド族 ATK 2000 DEF 1400

 

「更にヴァンパイア・バッツを生け贄に、『カース・オブ・ヴァンパイア』を召喚!!」

 

カミューラのフィールドのノーブル・ド・ノワールの隣に、大きなコウモリの羽根を生やしたヴァンパイアの男が現れた

 

カース・オブ・ヴァンパイア

☆6 闇属性 アンデッド族 ATK 2000 DEF 800

 

「カミューラのフィールドに、2体も上級アンデッドモンスターが…!!」

 

「みさと…!!」

 

明日香と十代が叫ぶ中、カミューラは余裕綽々な表情で指示を出した

 

「やっておしまい、同胞達よ

あの小さな戦士ごと、あの小娘を八つ裂きにしておやり!!」

 

カミューラのフィールドの2体のヴァンパイアが動く中、みさとは伏せていた2枚のカードの片方を開いた

 

「─リバース発動、カウンター罠『攻撃の無力化』

モンスターの攻撃を無効にして、そのままバトルを強制終了させる」

 

攻撃しようとした2体のヴァンパイアは、ロケット戦士の前に張られた渦に動きを止められた

 

「チィ…ターンエンドよ」

 

「あたしのターン、ドロー

─魔法カード『強欲な壺』、デッキからカードを2枚ドロー」

 

デッキから2枚のカードを引いたみさとは、引いた光の戦士のカードに目を向けた

 

「(ペガサスがくれたカード…コレでならいける…!!)

─手札の『太陽の戦士』を墓地へ送り、『ライトレイ グレファー』を特殊召喚!!」

 

みさとのフィールドに、光輝く剣を握った筋骨隆々の戦士が現れた

 

ライトレイ グレファー

☆4 光属性 戦士族 ATK 1700 DEF 1600

 

「ライトレイ グレファー…?」

 

「聞いた事の無いカードだわ」

 

「ペガサス会長が彼女に送ったカードの1枚だろうな」

 

見た事の無いモンスターに、十代達は戸惑っていた

 

 

 

「随分と暑苦しそうなモンスターね」

 

「やかましいっ!!

コイツは手札からレベル5以上の光属性モンスター1体を墓地へ捨てる事で、手札から特殊召喚できる

そしてライトレイ グレファーを生け贄に、『聖導騎士(セイントナイト) イシュザーク』を召喚!!」

 

みさとのフィールドのライトレイ グレファーが光の中に消え、白銀の鎧を纏った戦士が現れた

 

聖導騎士(セイントナイト) イシュザーク

☆6 光属性 戦士族 ATK 2300 DEF 1800

 

「アレは、入学試験の時の…!!」

 

「─バトルよ、ロケット戦士でノーブル・ド・ノワールを攻撃!!」

 

《えっ!!!?》

 

みさとの予想外な行動に、十代達は揃って声をあげた

 

「攻撃力で負けてるロケット戦士で攻撃!?」

 

「みさと、一体何を…!?」

 

「お友達の言う通りよ、お嬢ちゃん

随分と頭が悪いみたいねぇ」

 

露骨にバカにした口調で嘲笑うカミューラに、みさとは含み笑いを返した

 

「んっふっふっふっふ…どうやら皆知らないみたいね

─ロケット戦士のモンスター効果発動!!」

 

「何?」

 

「自分のターンのバトル中、このカードが受けたダメージは0になる

─ロケット戦士、無敵モード!!」

 

緑色のロケットの形になったロケット戦士は、そのままノーブル・ド・ノワールに突撃し爆発して消えた

 

「っ…とんだ虚仮威しね

ダメージが0になるから何だって言うのよ?」

 

「慌てんじゃないわよ、ロケット戦士の効果にはまだ続きがあるんだから

そしてこのカードの攻撃を受けたモンスターは、このターンの間だけ攻撃力が500ダウンする」

 

ノーブル・ド・ノワール ATK 2000→1500

 

「みさとさんの狙いは、向こうのモンスターの攻撃力を下げる事だったんだな!!」

 

「イシュザークで、ノーブル・ド・ノワールを攻撃!!

─斬り裂け、セイント・セイバー!!」

 

聖導騎士(セイントナイト) イシュザークが手にした大剣を振りかざすと、カミューラは再びみさとを嘲笑った

 

「とんだおマヌケもいたものね、知らないみたいだから教えてあげるわ

─ノーブル・ド・ノワールの効果発動!!

このカードがフィールド上にある限り、相手モンスターの攻撃対象はこのカードのコントローラー…つまり私が決める事が出来る!!」

 

「何だと!?」

 

「それじゃあ…!!」

 

「─その攻撃の対象を、ノーブル・ド・ノワールからカース・オブ・ヴァンパイアに変更!!」

 

ノーブル・ド・ノワールの不思議な呪術を受けた聖導騎士(セイントナイト)イシュザークは、無理矢理方向転換させられカース・オブ・ヴァンパイアを斬り裂いた

 

カミューラ LP 5500→5200

 

「っ…残念だったわね、お嬢ちゃん

カース・オブ・ヴァンパイアには効果があるの

自身がバトルで破壊され墓地に送られた時、500のライフを支払う事で次のターンのスタンバイフェイズに攻撃力を500アップさせて墓地から復活させられる」

 

「そうなったら、攻撃力は2500…みさとのモンスターを上回るわ!!」

 

「みさとの攻撃は無意味どころか、向こうを有利にしただけか…!!」

 

明日香と万丈目が焦ったように叫ぶ中、カミューラは嘲笑を浮かべながら声高らかに宣言した

 

「私は次のターンに墓地のカース・オブ・ヴァンパイアの効果を「─使えたら良いわね」なっ…!?」

 

カミューラの演説を途中でぶった切ったみさとは、そのままカミューラのデュエルディスクを顎で指した

 

「そういうのは自分の墓地を確認してから言いなさい」

 

「小賢しい小娘ね、一体何が……ッ!?」

 

墓地を確認したカミューラは、驚きに目を見開いて声にならない悲鳴をあげた

 

「何だ?」

 

「どうしたんスかね?」

 

「─…カース・オブ・ヴァンパイアが、いない…!?

そんな、どこに…!?」

 

「残念だったわね

さっきのバトルで、イシュザークのモンスター効果も発動していたのよ」

 

「え?」

 

「この騎士が戦闘で破壊したモンスターは、墓地に行かずに除外されるの

─あたしの掌の上で踊ってくれてありがと」

 

「何ですって!?」

 

「上手い!!

アンデット族は墓地で効果を発揮するモンスターが多い!!」

 

「除外されれば効果は発動されないわ!!」

 

「─まさか…お前このターンの最初から…!!」

 

「だから言ったでしょ?

「あたしの掌の上で踊ってくれてありがと」って」

 

「─みさとの狙いは、最初からカース・オブ・ヴァンパイアの方だったんだ!!」

 

「みさとくんは、ノーブル・ド・ノワールとカース・オブ・ヴァンパイアの効果を初めから知っていたのか!!」

 

「それを逆手に取っての攻撃…伝説のデュエリストの名は伊達じゃない、か…」

 

興奮したように叫ぶ十代と三沢の隣で、万丈目はどこか不貞腐れたような顔をしていた

 

「よくも……」

 

ダメージを負い、恥をかかされ顔を俯かせていたカミューラが低い声を漏らす

 

「ん?」

 

「よくもやったわね小娘ェ!!」

 

カミューラは牙を剥き出しながら目を血走らせて、みさとへの怒りを露にした

 

「先にクロノスと亮さんをやったのは、アンタの方でしょ?

そのくらいでギャーギャー喚くんじゃないわよ、鬱陶しいわね

ターン終了よ」

 

カミューラの怒りを、みさとは気にも止めていなかった

 

「私のタァーン!!

こちらも強欲な壺を発動、カードを2枚ドローするわ」

 

デッキから引いたカードに、カミューラは狂気的な笑みを浮かべた

 

「フフフ……アハハハハハハ!!」

 

「何だ!?」

 

「いきなり笑い出して……!!」

 

「まさか……!?」

 

(来た…!!)

 

笑い出したカミューラに十代達は動揺し、みさとはデュエルディスクを構え直した

 

「遊びの時間はここまでよ、お嬢ちゃん

─『幻魔の扉』を発動!!」

 

カミューラの後ろに禍々しい扉が現れ、徐々に開いていく

 

「またお前の仲間に生け贄を譲ってあげる…さぁ、誰の魂を代わりにしようかしら?」

 

「ぐっ……」

 

「うぅ……!!」

 

「アンタ達……!!」

 

幻魔の扉が開き、その中から溢れ出した闇の力に十代達は次々苦しそうに膝を付いていく

 

「どうせなら仲間たち皆を犠牲にしてあげてもいいわね…そして一気に鍵をいただくわ」

 

「卑怯、だぞ…カミューラ…!!」

 

「簡単よ、お嬢ちゃんが負ければいいだけ

お前が負けなければ…仲間たちはみんな人形になってしまうのよ」

 

[─愚かですね]

 

[─出来るのなら]

 

[─やってみろ]

 

「何っ!?」

 

苦しそうに叫ぶ十代を見て勝ち誇った返事をしたカミューラに、3人の男女の声が響いた

 

「今の声は……!!」

 

「誰だっ!?」

 

十代達の前をパアアッと強い光が包み込み、剣と盾を構えた三騎士達が現れた

 

[お前の闇の力はオレ達の光の力で防げるんだぜ?]

 

[これ以上、あなたの好き勝手にはさせませんよ]

 

「だ、誰だお前達は!?」

 

「みさとのナイト達!!」

 

十代の声を明るくさせ、万丈目達は目を丸くして三騎士達を見ていた

 

「みさとくんの相棒モンスター達……」

 

「私達を、守ってくれるの……?」

 

[もう大丈夫ですよ、明日香ちゃん]

 

[お前等は下がってろ]

 

[お嬢、今だ!!]

 

「わかった!!」

 

キングの声を合図に、みさとの胸元の十代と吹雪がつけていたペンダントが重なり合い、1つのアイテムとなったペンダントが強く輝いていた

 

「何よそれは…ッ!?」

 

「闇の力に対抗出来るのは、もっと強い闇の力のみ

闇をもって闇を制するのよ」

 

「キャアアアーッ!!」

 

ペンダントから発せられた光が、十代達を襲っていた黒い煙が扉の中へと押し戻されていく

 

「1度発動してしまった幻魔の扉を、止める方法はないハズよ

幻魔との契約は自分の魂でしなさい!!」

 

「クッ……勝てばいいだけよ!!

幻魔の扉の効果で相手フィールドのモンスターを全て破壊する!!」

 

「っ…!!」

 

「そして墓地のモンスターを1体、私のフィールドに特殊召喚できる

…あなたの騎士、いただくわ」

 

幻魔の扉に吸い込まれた聖導騎士(セイントナイト) イシュザークが、カミューラのフィールドに現れた

 

「みさとさんのモンスターが!!」

 

「まずい!!

カミューラのフィールドのモンスターの総攻撃を受けたら…!!」

 

「フィールドにモンスターのいないみさとくんの負けが決まってしまう!!」

 

「更に『不死のワーウルフ』を召喚」

 

カミューラのフィールドに、不気味な狼男が現れた

 

不死のワーウルフ

☆4 闇属性 アンデット族 ATK 1200 DEF 0

 

「アレはクロノス先生を苦しめたモンスター!!」

 

「自分のモンスターに傷つけられるがいいわ!!

聖導騎士(セイントナイト) イシュザークでダイレクトアタック!!」

 

カミューラに操られた聖導騎士(セイントナイト) イシュザークが、みさとに斬りかかる

 

《みさと/くん/さん!!!!》

 

「─…リバース発動、罠カード『ディメンション・ウォール』」

 

みさとの目の前の空間が歪み、聖導騎士(セイントナイト) イシュザークは空間の歪みに呑み込まれた

 

「何っ!?」

 

聖導騎士(セイントナイト) イシュザークが空間の歪みに消えて直ぐにカミューラの目の前の空間が歪み、中から出て来た聖導騎士(セイントナイト) イシュザークがカミューラを斬り付けた

 

「グアアアッ!!」

 

カミューラ LP 5200→2900

 

「な、何故私に攻撃が…!?」

 

「罠カード ディメンション・ウォール

あのカードは発動したターンのエンドフェイズまで、自分が受ける戦闘ダメージを相手に移す事が出来る」

 

「何ですって!?」

 

万丈目の解説にカミューラは目を見開いた

 

「さあ、どうすんの?」

 

「チィ…ターンエンドよ」

 

「あたしのターン、ドロー

モンスターを裏側守備表示でセット、ターン終了よ」

 

「私のターン、ドロー!!

このままバトルよ、聖導騎士(セイントナイト) イシュザークでモンスターを攻撃!!

─セイント・セイバー!!」

 

聖導騎士(セイントナイト) イシュザークが攻撃したのは、近未来風な工作員の服を着た金髪の女だった

 

金髪の女は聖導騎士(セイントナイト) イシュザークの腕を掴み、そのまま道連れにして消えた

 

「裏守備のモンスター『異次元の女戦士』の効果、このカードが相手モンスターと戦闘を行った時、両方をゲームから除外する」

 

「だけどこれでフィールドはがら空き

不死のワーウルフ、あの小娘に攻撃よ!!

─ハウリング・スラッシュ!!」

 

不死のワーウルフが襲い掛かり、その爪でみさとを傷つけた

 

「アアアアッ!!」

 

みさと LP 4000→2800

 

「ノーブル・ド・ノワール、ダイレクトアタック!!」

 

ノーブル・ド・ノワールの放った暗黒の魔法が、みさとに追い討ちをかけた

 

「アアアアアアーッ!!」

 

みさと LP 2800→800

 

 

 

 

 

 

「みさとが押されてる……」

 

「残りの鍵を持つ人の中じゃ、最強のみさとさんが……」

 

「みさとさんがやられたら、もう後が無いんだな……」

 

一気に劣勢になったみさとを見て、明日香・翔・隼人が弱気な声を漏らす

 

「このターンは凌いだが、次のカミューラのターンで総攻撃を受けたら…!!」

 

「このターンで逆転しなければ、アイツに勝機は無くなるぞ」

 

「そんな…じゃあ、みさとさんもクロノス先生やお兄さんのように……!!」

 

三沢と万丈目の話に、翔は悲鳴に近い声を上げた

 

「…ぐっ………諦めんなよ、みさと!!」

 

 

 

 

 

 

「(冗談じゃない、そんな目に遇うもんか!!)

あたしのターン、ドロー!!」

 

引いた戦士のカードに、みさとは小さく笑みをこぼした

 

「気に入らないわね、この状況で笑ってられるなんて」

 

「余裕が無くなるのは、歳をとった証拠よ

それに…とってもいい子が来てくれたんだもの」

 

「何ですって…?」

 

「逆転してやろうじゃないの!!

─『放浪の勇者 フリード』を召喚!!」

 

みさとの前に、薄い青紫色の鎧を着けた金髪の男が現れた

 

放浪の勇者 フリード

☆4 光属性 戦士族 ATK 1700 DEF 1200

 

「たかが攻撃力 1700で、一体どう逆転するのかしら?」

 

カミューラの嘲笑を無視し、みさとは自分の墓地のカードを操作し始めた

 

「フリードの効果

1ターンに1度、自分の墓地の光属性モンスター2体を除外して、このカードより攻撃力の高いフィールド上の表側表示のモンスター1体を破壊する!!」

 

「何ィっ!?」

 

「墓地の太陽の戦士とロケット戦士を除外

いい加減、その目障りなヴァンパイアには消えて貰うわ

─ジャスティス・ブライト!!」

 

放浪の勇者 フリードの剣から伸びた光が、カミューラのフィールドのノーブル・ド・ノワールを貫いて破壊した

 

「チィ…!!」

 

「フリードで不死のワーウルフを攻撃!!

─ブレイブ・ソード!!」

 

「ぐあっ!!」

 

カミューラ LP 2900→2400

 

「ッ…不死のワーウルフの効果発動!!

バトルで破壊されて墓地に送られた時、デッキから不死のワーウルフ1体を特殊召喚出来る!!」

 

カミューラのフィールドに、2体目の不死のワーウルフが現れた

 

「この時、攻撃力は500アップする」

 

不死のワーウルフ ATK 1200→1700

 

「カードを1枚伏せて、ターン終了」

 

「私のターン、カード ドロー!!

このままバトルよ、不死のワーウルフで放浪の勇者 フリードを攻撃!!

─ハウリング・スラッシュ!!」

 

「相討ち狙いか!?」

 

「いや、ワーウルフには破壊されてもデッキから同名カードを特殊召喚出来る効果がある!!」

 

「しかもその時はパワーアップしてしまう!!」

 

焦ったような声を出す三沢と万丈目が言い終わると同時に、不死のワーウルフと放浪の勇者 フリードは相討った

 

「不死のワーウルフの効果

破壊され墓地へ送られた時、デッキから同名カードを特殊召喚できる

この時、攻撃力は500ポイントアップする」

 

カミューラのフィールドに、再びワーウルフが現れた

 

不死のワーウルフ ATK 1700→2200

 

「今はバトル中、この不死のワーウルフでも攻撃出来るわ

これで終わりよ、ダイレクトアタック!!

─ハウリング・スラッシュ!!」

 

《みさと/さん/くんッ!!!!》

 

3体目の不死のワーウルフがみさとに襲い掛かると、みさとは伏せていたカードを開いた

 

「─リバース発動、罠カード『魔法の筒(マジック・シリンダー)』!!

相手モンスターの攻撃1つを無効にして、その攻撃力分のダメージを相手に与える!!」

 

「何ですって!?」

 

「ここでそんな強力なカードを…!!」

 

興奮したように話す三沢を尻目に、みさとのフィールドに現れた2本の魔法の筒の片方に襲い掛かった不死のワーウルフは吸い込まれた

 

もう片方の魔法の筒がカミューラに向いたと同時に、ドウッと音をたてて吸い込まれた不死のワーウルフがカミューラを直撃した

 

「ギャアアアァァーッ!!」

 

カミューラ LP 2400→200

 

「ライフが逆転した!!」

 

「後もう少しなんだな!!」

 

翔と隼人が叫ぶと、ダメージでふらついた体で踏ん張ったカミューラはフルフルと全身を震わせた

 

「…ょ………に」

 

「ん?」

 

「…調子にのるんじゃ無いわよ、小娘ェー!!」

 

「2回目ね、そのセリフ」

 

形振り構わず怒り狂うカミューラに、みさとは冷静に呟いた

 

「私は負けない…一族の為、負ける訳にはいかないのよォ!!」

 

《一族…?》

 

出て来た単語にみさと達は首を傾げ、十代はカミューラに叫んだ

 

「アンタ、闇のデュエルなんかしなくても充分に強い…なんで闇の力なんかに頼るんだ!?」

 

「…デュエルに勝つことなど、私にとっては何の意味もない…

私の目的、それはかつて滅びたヴァンパイア一族を人形にした魂を使って復活させる事

そして自分たちを追い込んだ、お前達 人間への復讐」

 

「要は今、あたしは七精門の鍵を賭けてだけじゃなくて人類とヴァンパイア一族の戦争もやってるって訳ね」

 

何も言えなくなった十代達に代わって、みさとがデュエルディスクを構えたまま呟いた

 

「アンタが闘う理由はわかった……けどそれはそれ、これはこれ

闇の力に頼った時点でアンタは身の破滅への階段を昇り始めたのよ」

 

「黙りなさい!!

どんな手段を使ってでも、私は一族を復活させて人間共を滅ぼすのよ!!

『ヴァンパイア・レディ』を、守備表示で召喚してターンエンドよ」

 

カミューラのフィールドに現れたヴァンパイアの女は、守りの体勢をとった

 

ヴァンパイア・レディ

☆4 闇属性 アンデッド族 ATK 1550 DEF 1550

 

「あたしのターン、ドロー

─魔法カード『命削りの宝札』を発動、手札が5枚になるようにデッキからカードを引く事が出来る

発動後5ターン後、手札を全て捨てないといけないけどね」

 

「手札 0の状態で強力な手札補充のカードだと…!!」

 

忌々しそうに睨むカミューラを見ながら、デッキから5枚のカードを引いたみさとはその内の2枚に指を滑らせた

 

「─手札1枚を墓地に送って、装備魔法『(ディファレント)(ディメンション)(リバイバル)』を発動

除外されているモンスター1体を自分フィールドに呼び戻し、このカードを装備する

戻って来なさい、イシュザーク!!」

 

みさとのフィールドに、聖導騎士(セイントナイト) イシュザークが再び戻って来た

 

「イシュザークで不死のワーウルフを攻撃!!

─セイント・セイバー!!」

 

聖導騎士(セイントナイト) イシュザークの大剣の一太刀を受けた不死のワーウルフは、悲鳴をあげながら散っていった

 

「ぐぅ…っ!!」

 

カミューラ LP 200→100

 

「カミューラの残りライフは後100ポイント!!」

 

「後一息なんだな!!」

 

「イシュザークの効果で、アンタのワーウルフは除外される

カードを1枚伏せて、ターン終了よ」

 

「私は…負けない……負けてたまるかァァーッ!!

私のタァァァーンッ!!」

 

鬼気迫る勢いでデッキからカードを引いたカミューラは、そのカードをそのままデュエルディスクにセットした

 

「─魔法カード『埋葬呪文の宝札』を発動!!

墓地の魔法カード3枚を除外して、デッキからカードを2枚ドロー出来る」

 

カミューラは、墓地から手札抹殺・サイクロン・強欲な壺の3枚のカードを取り出した

 

「この3枚を除外して、カードを2枚ドロー

…お前はこの子で八つ裂きにしてあげるわ!!」

 

2枚のカードを引いたカミューラは、ニヤリと怒りと侮蔑の感情を剥き出しにした笑みを浮かべた

 

「何だと!?」

 

「まさか…!!」

 

「─ヴァンパイア・レディを生け贄にして、『ヴァンパイア・ロード』を召喚!!」

 

カミューラのフィールドの吸血鬼の女が消え、入れ替わるように吸血鬼の男が再び現れた

 

ヴァンパイア・ロード

☆5 闇属性 アンデッド族 ATK 2000 DEF 1500

 

「ヴァンパイア・ロード…!!」

 

「アレが出たという事は、やはり…!!」

 

「アイツが来るぞみさと!!」

 

「─そして自分フィールドのヴァンパイア・ロードを除外して…『ヴァンパイアジェネシス』を特殊召喚!!」

 

カミューラのフィールドの吸血鬼の男が消え、吸血鬼の大男が現れた

 

ヴァンパイアジェネシス

☆8 闇属性 アンデット族 ATK 3000 DEF 2100

 

「出た!!

アイツのキラーカード!!」

 

「みさとさん!!」

 

「バトルよ!!

ヴァンパイアジェネシスで、聖導騎士 イシュザークを攻撃!!

─ヘルビシャスブラッド!!」

 

カミューラのフィールドのヴァンパイアジェネシスの悪の波動が聖導騎士(セイントナイト) イシュザークを襲う前に、みさとは伏せていたカードを開いた

 

「─リバース発動、罠カード『和睦の使者』

発動ターン自分のモンスターは破壊されず、あたしが受ける戦闘ダメージは0になる」

 

ヴァンパイアジェネシスの攻撃は、みさと達の前に現れた水色のローブを着た集団の張ったバリアに防がれた

 

「チィ…!!

カードを1枚伏せて、ターンエンドよ

(仕留め損ねたけど、慌てる事は無いわ

次のターンで、ヴァンパイアジェネシスの効果を使えば良い

ジェネシスは1ターンに1度、手札のアンデット族モンスター 1体を墓地へ送って墓地へ送ったアンデット族モンスターよりレベルの低いアンデット族モンスター 1体を自分の墓地から特殊召喚できる

次のターンでモンスターを引いて総攻撃を仕掛ければ良いだけ

伏せたカードも『万能地雷グレイモヤ』、攻撃さえしてくれば奴のモンスターを破壊出来る

勝てる…私に負けは無い!!)」

 

「あたしのターン、ドロー」

 

デッキから引いたカードを見て、みさとはカミューラを哀れむような眼差しで見つめた

 

「…残念だけど、あなたの復讐はここまでよ」

 

「戯れ言を

その騎士のカードに何が出来るというの?」

 

「誰もイシュザークで終わらせるなんて言って無いわよ

…このカードは、自分の墓地の光属性モンスターが5種類以上の時のみ特殊召喚できる!!

─『ライトレイ ギア・フリード』!!」

 

みさとの前に現れた強い光が爆発し、光が消えると金のラインの入った白い甲冑を纏った戦士がいた

 

ライトレイ ギア・フリード

☆8 光属性 戦士族 ATK 2800 DEF 2200

 

「ライトレイ ギア・フリード……」

 

「な、何だそのモンスターは……!?」

 

ライトレイ ギア・フリードから発せられる威圧に当てられたカミューラは、数歩後ろに下がった

 

「ライトレイ ギア・フリード…この騎士で終わらせるわ」

 

「笑わせてくれる…攻撃力が足りないじゃない」

 

「確かに攻撃力 2800では、攻撃力 3000のヴァンパイアジェネシスを倒せない…!!」

 

「─慌てるんじゃないわよ、永続魔法『連合軍』発動

自分フィールド上の戦士族モンスターの攻撃力を、自分フィールド上の戦士族・魔法使い族モンスター1体につき200アップさせる」

 

「何ッ!?」

 

「みさとの今のフィールドには戦士族が2体!!」

 

「×200で400ポイントアップだ!!」

 

ライトレイ ギア・フリード ATK 2800→3200

聖導騎士(セイントナイト) イシュザーク ATK 2300→2700

 

「攻撃力 3200、ヴァンパイアジェネシスの攻撃力を上回ったぞ!!」

 

「アンタが最初に使った手札抹殺、アレであたしのエース達を墓地へ送ってくれた時から、アンタにトドメを刺すのはコイツって決めてたのよ」

 

「ライトレイ ギア・フリードの召喚条件って自分の墓地の光属性モンスターが、5種類以上で有る事…って言ってたっスね」

 

「みさとさんのナイト達は皆、光属性なんだな」

 

「更にライトレイ グレファーと放浪の勇者 フリードも光属性……アイツの墓地の光属性モンスターは、丁度5種類!!」

 

「召喚条件を満たしてる!!」

 

(落ち着きなさい

私の伏せたカードは、罠カード『万能地雷 グレイモヤ』

攻撃して来たら、あのモンスターは破壊出来る!!)

 

「終わらせるわよ

ライトレイ ギア・フリードで、ヴァンパイアジェネシスを攻撃!!」

 

手にした大剣を構えたライトレイ ギア・フリードがヴァンパイアジェネシスに斬りかかると、カミューラは伏せていたカードを開いた

 

「(もらったァ!!)

─罠カード『万能地雷 グレイモヤ』を発動!!」

 

「万能地雷 グレイモヤだと!?」

 

伏せられていたカードの名前に、十代達は目を見開いた

 

「相手の攻撃宣言時に発動出来る

相手の攻撃表示モンスターの中で、最も攻撃力の高いモンスター 1体を破壊する!!」

 

「みさとのフィールドで1番攻撃力が高いのは、ライトレイ ギア・フリードだ!!」

 

「みさとさん!!」

 

「アハハハハ!!

折角のモンスターも、もう退場みたいねぇ!!」

 

「─……そう来ると思ったわ」

 

「何っ!?」

 

慌てる事無く、みさとは冷静に口を開いた

 

「この瞬間、ライトレイ ギア・フリードの効果発動

自分フィールドのモンスターが戦士族のみの場合、自分の墓地の戦士族モンスター 1体を除外する事で、1ターンに1度だけ魔法・罠カードの発動を無効にし破壊する

─放浪の勇者 フリードを除外、スペル・ブロック!!」

 

カミューラのカードから起きた爆発は、ライトレイ ギア・フリードが持つ光の盾で防御された

 

「そんな……!!」

 

「これで終わりよ、吸血鬼(ヴァンパイア) カミューラ」

 

「や、止めろォーッ!!」

 

「─光芒一閃!!」

 

光の線を描いたライトレイ ギア・フリードの剣が、ヴァンパイアジェネシスを斬り裂いた

 

「アアアアアアアアーッ!!」

 

カミューラ LP 100→0

 

デュエルの決着が着いたのも束の間、幻魔の扉に魂を抜かれたカミューラは灰になって消え去った

 

「カミューラが……!!」

 

「闇のデュエルの敗者は、こんな風になってしまうのよ…」

 

闇のデュエルに敗けて人形にされていた亮とクロノスも元の姿に戻ったが、後味の悪いデュエルとなった

 

全員が何も言えないでいると、ゴゴゴゴ…と城が揺れ始めた

 

「この揺れは……!!」

 

「城が崩れる、急げ!!」

 

三沢は叫びながら、全員を出口へ誘導した

 

湖のほとりまで逃げ切った全員は、崩れ落ちて行くカミューラの城の末路を見た

 

悪夢のような夜に終わりが来て、朝を迎える

 

「まるで、悪夢を見ていたようね……」

 

「これは悪夢なんかじゃない…奴は本物のヴァンパイアだったんだ」

 

(十代……)

 

十代は胸の痛む思いを感じながら、城が崩れた湖の先を見つめていた




セブンスターズ編、みさとの相手はカミューラにさせていただきました
カミューラはセブンスターズの中でもトップレベルらしいですし、一応強い設定のみさとの相手にはピッタリかと思って…

けど、書き始めたらカミューラのカードは殆どオリジナルカードばかりで中々苦戦しました

今回出したライトレイシリーズも、ナイト達同様にこれからも使っていこうと思っています
……ライトレイシリーズの殆どが、みさとのデッキの種族に一応当て嵌ってますからね

次のみさとのデュエルは、オリジナルキャラにしようかな…と、思っています……出来たら良いなぁ←
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