遊戯王GX 戦場に立つ乙女   作:なおにぃ

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TARN 24  VS  BEST FRIEND

……授業で隼人が描いたイラストがペガサスの目に止まり、イラストのカード化とI2社へのスカウトが来た

 

最初こそ反対していたがデュエルを通して隼人を理解したクロノスの推薦も受けて、隼人はデュエルアカデミアを中退しI2社へと就職を決めた

 

 

 

 

……3年生の卒業デュエルは、十代VS亮という好カード

 

前半こそらしくないデュエルをやっていた十代だったが、次第にいつもの自分を取り戻し結果は引き分けに終わった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……新学期まで残り数日となったアカデミアの教室に、新2年生となる十代達が集められた

 

「何やるって言うんだ?」

 

「もう1年生の授業は終わったハズっスよね?

…まさか、赤点だった人に特別補講とか!?」

 

真っ青になっていく翔に、近くに座っていた万丈目が怒鳴った

 

「ふざけるな!!

お前達と違って、この万丈目サンダーが赤点なんか取るか!!」

 

[でもアニキ~、この前の処罰でかなり課題出されてたわよね~]

 

スゥ…と音をたてて、万丈目の精霊 おジャマ・イエローが姿を見せた

 

「ええい、やかましい!!

元を辿ればみさと、貴様が校長に余計な事を言ったりしたからだ!!」

 

「アンタが鍵を盗んだからでしょ?

自業自得なんだし、あたしのせいにしないで」

 

[[[まったくだ/ですね]]]

 

そんなやり取りをしている内に、教卓にクロノスが立った

 

「えー、ゴホンッ

シニョール&シニョーラ、今日はあなた達の為にゲストが来てくれているノーネ」

 

「ゲスト?」

 

「誰だ?」

 

クロノスの一言に、教室内が一斉にざわつき始めた

 

「シャラーップ!!

では、お越し下さイーノ」

 

教卓側のドアが開き3人の男女がやって来た途端、教室内は歓声に包まれた

 

《ウオオオオーッ/キャアアアーッ!!!!》

 

「あ、あの人達は…!?」

 

明日香の声に答えるように、クロノスがゲストの紹介を始めた

 

「えー、彼らが今日のゲストの…「克也兄ちゃん・舞さんに静香ちゃん!?」

 

紹介をしようとするクロノスを遮って、席を立ったみさとが大声で叫んだ

 

出て来たのはみさとの仲間で伝説のデュエリストと呼ばれている、城之内 克也と孔雀 舞…そして城之内の妹の静香の3人だった

 

「よぉ、みさとじゃねぇか!!」

 

「本当だ!!

みさとちゃーん!!」

 

手を振る静香に、みさとは教卓の方へ走り出した

 

「みんなぁ!!」

 

「久しぶりだね、みさとちゃん!!」

 

「静香ちゃんも久しぶりー!!」

 

「元気にしてたかい、みさと?」

 

「はい!!

舞さんも相変わらずの綺麗さで何よりです」

 

「あはは、言うねぇ!!」

 

駆け寄ったみさとは静香に抱き付き、舞に静香ごと抱き締められていた

 

 

 

 

 

「…そういえば、たまに忘れそうになるんスけど……」

 

「みさとちゃんは伝説のデュエリスト 決闘乙女(ヴァルキリー)だったね…」

 

「だから彼らと交流があっても、何ら不思議は無いな」

 

翔と吹雪に続いた三沢に、十代達の視線が向いた

 

「…三沢くん、いつの間に?」

 

「最初からいたからな!!」

 

 

 

 

 

「…お取り込みの途中で申し訳ナイーですが、そろそろ本題に入らせて貰いたイーノ」

 

4人が戯れ合う中、クロノスが咳払いをしながら入って来た

 

「ん?

「本題」って、何の話よ?

っていうか、みんな何でここに?」

 

「聞いてないのか?」

 

「何を?」

 

「…オレ達にここの生徒達とデュエルしてくれって話が来たんだ」

 

「えっ!?

克也兄ちゃん達が!?

あたし、聞いてないわよ!?」

 

「アタシが内緒にしてたからね」

 

混乱するみさとに、舞はイタズラが成功したような笑みを浮かべた

 

「ドッキリ大成功、ってね」

 

「もォ~、舞さんのお茶目ぇ~」

 

間延びした声で言いながら、みさとは舞に抱き付いた

 

「…ねぇ、みさとちゃん

1つ、お願いがあるの」

 

「静香ちゃん?」

 

少し距離をとった静香は、真っ直ぐにみさとを見つめた

 

「…バトルシティが終わって、新しい生活に馴れるのに少し時間がかかったけど、私…半年くらい前からデュエルを始めたの」

 

「えっ…?」

 

「隠しててごめんなさい

驚かせたかったから、黙ってたの

アルバイトをしてお金を貯めて、1から私のデッキも作ったの…だから、私とデュエルして!!

私がどれだけ強くなったか、みさとちゃんに見て欲しいの!!」

 

「静香ちゃん…」

 

「アタシからも頼むよ、みさと」

 

頭を下げる静香の肩を、舞はそっと抱いた

 

「一応言っておくけど、静香ちゃんの師匠はアタシだよ

中々見処があるんだよ、静香ちゃん」

 

「舞さんが鍛えたんなら、本物なんだろうな……分かった!!

静香ちゃん、あなたの相手はあたしね」

 

「みさとちゃん…ありがとう!!」

 

「ねぇクロノス、どうせなら残りの2人もあたしが決めていい?」

 

「か、構いませンーガ…

(ワタクシ、このままずっと呼び捨てにされるのでショーカ…?)」

 

「それじゃあ、ねぇ……1人目は…「はーい はいはいはいはいはい、オレがやるー!!」

 

教室中の生徒達を眺めたみさとに、十代が猛烈アピールを始めた

 

「十代…;」

 

「面白そうだな、あの元気な奴!!」

 

「アイツは遊城 十代っていうの

この中じゃ、1番見処のある奴よ…遊戯兄ちゃんが唾つけるくらいだしね」

 

「遊戯がか!?

面白ェじゃねぇか…みさと、オレの相手はアイツに決めたぜ!!」

 

「オッケー…ってな訳だから十代、1人目はアンタで決まり

こっちにいらっしゃ~い」

 

「ヤッター!!

やったやったやった!!」

 

「アニキ、落ちつこうよ…;」

 

嬉しさに小躍りする十代を、翔は宥めていた

 

「やれやれ…」

 

そんな十代の様子に呆れたみさとを見て、万丈目が席を立った

 

「フン…仕方がないな

みさと、孔雀 舞さんの相手は特別にこの…一・十・百・千……万丈目サンダーがなってやろう!!」

 

決め台詞を決めた万丈目に、指名された舞は盛大に引いていた

 

「…何だい?

あのバカ丸出しなのは…;」

 

「見たまんまだよ……;

3人目は……明日香、頼めない?」

 

「わ、私…!?」

 

呼ばれた本人は目を丸くして席を立ち上がり、万丈目はそのままひっくり返った

 

[[[ア、アニキィー!!]]]

 

万丈目に寄り添うおジャマ三兄弟を完全に無視したみさとは、手招きしながら明日香を紹介した

 

「あの娘はここで出来たあたしの友達の天上院 明日香、中々強いわよ」

 

「は、初めまして…天上院 明日香です……」

 

緊張してガチガチな明日香に、みさとは思い切り吹き出した

 

「プハッ

何緊張してんのよ、明日香

らしくないわよ~」

 

「仕方無いじゃない!!」

 

「…ん?

アンタ、ひょっとして……」

 

明日香の顔を見た舞は、ポケットからスマートフォンを取り出した

 

「舞さん?」

 

「どうしたんだよ、舞?」

 

「アンタ、ひょっとして…この写真の娘かい?」

 

「え?

……ええっ!?」

 

舞のスマートフォンの画面には、学園祭時のハーピィ・レディ三姉妹のコスプレをした明日香・ジュンコ・ももえが写っていた

 

「ちょっ…何でこの写真が!?」

 

「みさとから送られて来たんだよ」

 

「みさと!?

あなた、何て事してくれたのよ!?」

 

明日香の猛烈な剣幕に、みさとはタジタジになりながらも答えた

 

「え、ええ…?

だって、送っていいって…」

 

「そんな事言った覚えは無いわよ!!」

 

「吹雪さんは言ってたけど…」

 

その一言でピタリと動きを止めた明日香は、ゆっくりと後ろを振り返った

 

「…兄さん?

どういう事?」

 

「ぼ、僕はただ…可愛い妹の晴れ姿を伝説のデュエリストに見て貰おうと……!!」

 

「兄さんっ!!!!」

 

「ゴメンよ、アスリーン!!」

 

「待ちなさい兄さん!!

それと、何よアスリンって!?」

 

吹雪を追い掛け始めた明日香を眺めながら、舞は呟いた

 

「…写真、消してやった方が良いかい…?」

 

「……明日香のプライドの為にも、そうしてくれると助かるよ舞さん…」

 

「もう手遅れじゃねぇか…?」

 

「かも、ね…」

 

 

 

 

 

 

デュエルリングの上で、城之内・舞・静香の前に、みさと・十代・明日香が並んだ

 

周りの観客席には、アカデミアの全生徒や鮫島校長達教師陣が勢揃いしていた

 

「それではこれヨーリ、伝説のデュエリストチームVSアカデミアチームによるチーム戦を行いまスーノ!!

ルールは簡単、3戦して2勝したチームの勝ちでスーノ!!

対戦カードは決まっているみたいですカーラ、伝説のデュエリストチームの皆さんニーハこのくじ引きで順番を決めて貰いたイノーネ」

 

クロノスは3本の棒が入った小箱を、城之内達に差し出した

 

「あたしと静香ちゃん、十代と克也兄ちゃん…だから明日香の相手は舞さん、か……中々のカードね」

 

「伝説のデュエリストとデュエル出来るとか、ワクワクするぜ!!」

 

順番のくじ引きが行われる中、十代はソワソワし続けていた

 

「…あっ!!

私が1番です!!」

 

「アタシが2番ね」

 

「オレが3番だな」

 

「じゃあ私達がデュエルする順番は、みさと・私・十代の順ね」

 

「最後かよぉ~、早く城之内さんとデュエルしたかったのによぉ~」

 

「駄々捏ねないの」

 

子供のように口先を尖らせる十代を明日香は引っ張ってデュエルリングから降りて、最前列にいた翔達の近くまで離れた

 

それに習うように、城之内と舞もリングを降りていく

 

「第1試合は、シニョーラ 静香VSシニョーラ みさとでスーノ!!」

 

静香はKCが量産したバトル・シティで使用されていたデュエルディスクを、みさとも自分のデュエルディスクを起動させて、お互いのデッキはシャッフルされた

 

「よろしくね、みさとちゃん」

 

「こちらこそ…行くわよ!!」

 

「うん!!」

 

「「─決闘(デュエル)!!」」

 

2人の掛け声に、観客席は盛大に盛り上がった

 

静香 LP 4000

みさと LP 4000

 

 

 

 

 

「始まったっスね」

 

「…彼女は伝説のデュエリストでは無いハズ」

 

「デュエル歴もそこまで長くはなさそうだが…」

 

「だけど、みさとちゃんはあんなにも親しそうに接していたよね」

 

静香を初めて見る三沢達は、不思議そうに首を傾げていた

 

「みさとの友達、みたいだけど…」

 

「城之内様達と一体、どういったご関係なのでしょうね…?」

 

ジュンコとももえに答えるように、一段下にいる明日香が口を開いた

 

「それは、後でみさとに聞いてみましょう?

…今は、彼女がどんなデュエルをするのかが気になるわ」

 

「おう!!

みさとの友達のデュエル、楽しみだぜ!!」

 

 

 

 

 

「…私から行くね、ドローカード!!」

 

デッキからカードを引いた静香は、手札のカードに視線を走らせて1枚のカードを手に取った

 

「私はまず、このフィールド魔法を使います

─フィールド魔法『聖域の歌声』」

 

デュエルリングがあっという間に、天国のような聖域に変わっていく

 

「聖域の歌声…」

 

[まずは守りを固める戦法のようですね]

 

控えていたクィーンが、スッとみさとの後ろに現れた

 

(そうね…けど、静香ちゃんがどんなデュエルスタイルなのか分からない以上、慎重にいかないと…)

 

「このフィールド魔法が有る限り、フィールド上の守備表示のモンスターの守備力は500ポイントアップします

次に私は手札から『ビッグバンガール』を守備表示で召喚します」

 

静香のフィールドに、白銀の長髪に炎のような赤いローブを身に付けた女魔導師が現れた

 

ビッグバンガール

☆4 炎属性 炎族 ATK 1300 DEF 1500

 

「聖域の歌声の効果で、ビッグバンガールの守備力は500アップします」

 

聖域から聞こえてきた歌声に、ビッグバンガールの体は淡く光った

 

ビッグバンガール DEF 1500→2000

 

「いきなり守備力 2000の壁モンスターを!?」

 

「いや、恐らくそれだけじゃないだろう…」

 

翔と万丈目の声が響く中、静香はデュエルを続けた

 

「伏せカードを2枚、場に出してターンエンドです」

 

「あたしのターン、ドロー」

 

カードを引いたみさとは、静香のフィールドを観察した

 

「(守備力強化のフィールド魔法に、自分のライフが回復したらダメージを与えられるバーン効果を持つビッグバンガールに伏せカード…な~んか、どこかで見覚えのあるやり方なのよね~)

『月風魔』を召喚」

 

みさとのフィールドに、赤く長い髪をした美丈夫が長刀を持って現れた

 

月風魔

☆4 闇属性 戦士族 ATK 1700 DEF 1200

 

「─魔法カード『二重召喚(デュアルサモン)

このターンの間、あたしはもう1度だけ通常召喚を行える

月風魔を生け贄に、『月の女戦士』を召喚!!」

 

みさとのフィールドの月風魔が光に包まれて消えた後に、美しい女剣士が剣を構えて立っていた

 

月の女戦士

☆6 闇属性 戦士族 ATK 2100 DEF 1400

 

「(何を伏せてるのか、拝ませて貰うね!!)

月の女戦士で、ビッグバンガールを攻撃!!

─月光一閃!!」

 

月の女戦士がビッグバンガールを斬り付ける寸前、静香は動いた

 

「─伏せていた永続罠カード『グラヴィティ・バインド -超重力の網-』を発動!!

このカードが有る限り、お互いにレベル4以上のモンスターは攻撃が出来なくなるの」

 

「月の女戦士はレベル6、攻撃は出来ないわね

(グラヴィティ・バインド…って事は残りの伏せカード、まさかぁ…)」

 

超重力の網にかかって身動きが取れない月の女戦士を横目に、みさとは嫌な予感が現実になりそうだと口元を引きつらせていた

 

「あたしはこれでターン終了」

 

「ならこのエンドフェイズに、伏せていたもう1枚のカードを発動します!!

─永続罠カード『神の恵み』

ドローする度に、私は500のライフを回復します」

 

「やっぱりィー!!

レベッカと同じロックキュアバーンだわァー!!」

 

嘆くような口調で頭を抱えたみさとを見て、デュエルを観戦していた舞は苦笑していた

 

「静香ちゃんってば、自分だけであのコンボを考えついたんだもんね」

 

「マジか!?

静香の奴、自力でレベッカと同じ闘い方見つけたのかよ!?」

 

それを聞いた城之内はギョッとした顔で、デュエルリングの上の静香を見た

 

 

 

 

「ロックキュアバーンとは、また厄介な相手だね」

 

「確かにね…」

 

真剣な口調の吹雪に、明日香も1つ頷いた

 

「ロックバーンって、そんなに厄介なモノなんですか?」

 

「相手の攻撃を封じて効果ダメージで確実に相手のライフを削っていく、それがロックバーンさ」

 

「下手をすれば一切のバトル無しでデュエルに勝つ事が出来る戦法だ」

 

「「「バトル無しで!?」」」

 

吹雪に続くように言った万丈目の一言に、翔・ジュンコ・ももえは目を見開いた

 

「えー…モンスター達のバトルが有った方が、デュエルは燃えるのによぉ」

 

「皆が皆、十代のように考えているという訳では無いのさ」

 

そう言った三沢に、十代達の視線が突き刺さる

 

「……三沢くん、いたの?」

 

「最初からいたじゃないか!!」

 

 

 

 

 

「私のターン、ドロー!!

この瞬間、神の恵みの効果で私は500のライフを回復します」

 

キラキラと輝く光が、空から静香に降り注ぐ

 

静香 LP 4000→4500

 

「そして、ビッグバンガールのモンスター効果を発動します!!

ビッグバンガールは私のライフが回復する度に、相手に500のダメージを与える事が出来る!!

─バーンフレア!!」

 

ビッグバンガールの杖から放たれた火の玉が、みさとを直撃した

 

「くぅ…!!

…やるわね、静香ちゃん」

 

みさと LP 4000→3500

 

「ありがとう、みさとちゃん

─次に私は手札から永続魔法カード『平和の使者』を発動します

このカードが有る限り、フィールド上に表側表示で存在する攻撃力 1500以上のモンスターは攻撃宣言をする事ができない」

 

「とことん縛って来るわね…」

 

[……けどよ、あの嬢ちゃん大分強くなったよな]

 

(…そうね)

 

聞こえてきたキングの声に、みさとは嬉しそうな口調で呟いた

 

「モンスターを裏側守備表示で召喚、カードを1枚伏せてターンエンドです」

 

「あたしのターン、ドロー!!」

 

引いたカードを見て、みさとは静香のフィールドを睨むように見つめた

 

「(グラヴィティ・バインドに平和の使者…攻撃はほぼ全て封じられた

そこに神の恵みとビッグバンガールのキュアバーンコンボ…これ以上厄介なカードを展開されるのはまずい…!!)

─魔法カード『大嵐』、フィールド上の全ての魔法・罠カードを破壊する!!」

 

「やった!!

これなら相手の守りを壊せるっス!!」

 

「いや、どうだろうな…」

 

「ロックバーンデッキの使い手が、その辺りの対策をしていないとは思えないしね…」

 

翔の声に、万丈目と吹雪は苦い顔をしていた

 

「させないよ、みさとちゃん!!

─カウンター罠カード『マジック・ドレイン』を発動!!

このカードは、相手が魔法カードを発動した時に発動出来ます

相手は手札から魔法カードを1枚墓地に送る事で、このカードの効果を無効にする事が出来ます

しなかった場合、相手の魔法カードの発動を無効にして破壊します」

 

「…やっぱ、その手のカードは入れてるよね……;

あたしの手札に、今は魔法カードは無いから無効に出来ないわ」

 

みさとは苦笑しながら頭を掻いて、手札の1枚をデュエルディスクにセットした

 

「『ピクシーナイト』を守備表示で召喚」

 

みさとのフィールドに、青いトンガリ帽子をかぶった少女のモンスターが守りの体勢で現れた

 

ピクシーナイト

☆2 光属性 魔法使い族 ATK 1300 DEF 200

 

「聖域の歌声の効果で守備力アップ、カードを1枚伏せてターン終了」

 

ピクシーナイト DEF 200→700

 

「私のターン、ドローです!!

ドローした事で、神の恵みの効果で500のライフを回復します」

 

静香 LP 4500→5000

 

「そして、ビッグバンガールの効果で500のダメージをみさとちゃんに与えます!!

─バーンフレア!!」

 

ビッグバンガールの杖から放たれた火の玉に、またみさとを直撃した

 

「くっ…!!」

 

みさと LP 3500→3000

 

「永続魔法カード 平和の使者の効果

このカードを発動し続ける為には、自分のスタンバイフェイズ毎に100ライフポイントを払うか、ライフポイント払わずにこのカードを破壊しなければいけない

私は維持コストとして、100のライフを支払います」

 

静香 LP 5000→4900

 

「更に裏側守備表示の『スケルエンジェル』を反転召喚します」

 

静香のフィールドに、胴体が無い天使が現れた

 

スケルエンジェル

☆2 光属性 天使族 ATK 900 DEF 400

 

「スケルエンジェルのリバース効果で、私はカードを1枚ドロー

ドローした事で神の恵みの効果で500のライフを回復し、ビッグバンガールの効果で500のダメージを与えます

もう1度、バーンフレア!!」

 

「くぅ…!!」

 

静香 LP 4900→5400

みさと LP 3000→2500

 

「聖域の歌声の効果でスケルエンジェルの守備力は500アップします

手札から『そよ風の精霊』を攻撃表示で召喚します

伏せカードを1枚、場に出して私はターンエンドです」

 

静香のフィールドに、優しげな風に包まれた精霊が現れた

 

そよ風の精霊

☆3 風属性 天使族 ATK 0 DEF 1800

 

スケルエンジェル DEF 400→900

 

 

 

 

「…みさとさんが、一方的にダメージを受けてばかりですわ……」

 

「あの静香って人、スゴい…」

 

「本当にね…」

 

ももえとジュンコの呟きに、吹雪は頷いた

 

「典型的なロックとキュアバーンコンボだけど、守りを崩されないようにちゃんと考えられている」

 

「あのロック、そう簡単には崩せないわね…」

 

苦い顔をする明日香の隣で、十代は諦めてはいなかった

 

「けど、みさとならきっと逆転してくれるぜ」

 

 

 

 

 

「あたしのターン、ドロー!!」

 

引いたカードを確認したみさとは、そのカードをすぐに発動させた

 

「(今度こそ、通って…!!)

─速攻魔法『サイクロン』、フィールド上のカードを1枚選んで破壊する!!

あたしが選ぶのは「そうはさせないよ!!」えっ…!?」

 

みさとを遮るように、静香はデュエルディスクを操作した

 

「─伏せていたカウンター罠カード『神の宣告』を発動!!

LPを半分払う事で魔法・罠カードの発動、または自分か相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚を無効にし、そのモンスターを破壊出来る

これでサイクロンの発動を無効にします!!」

 

「くっ…」

 

カウンター罠から飛び出した雷が、サイクロンのカードを粉々に砕いた

 

静香 LP 5400→2700

 

「(やっぱこのロックコンボは、魔法カードだけでの破壊は不可能ね…けど、これならどう?)

カードを1枚伏せて、ターン終了よ」

 

 

 

 

 

 

 

「あー、惜っしいー!!」

 

「だが、彼女はライフを半分も消費した

いくらライフを回復する手筈が整っているからと言っても、これは大きいぞ」

 

 

 

 

 

 

 

「私のターン、ドローです!!

神の恵みの効果で500のライフを回復し、ビッグバンガールの効果で500のダメージを与えます!!

バーンフレア!!」

 

「ぐぅ…!!」

 

ビッグバンガールの同じ炎攻撃が、みさとに襲い掛かった

 

静香 LP 2700→3200

みさと LP 2500→2000

 

「そよ風の精霊のモンスター効果が発動します

そよ風の精霊が自分フィールド上に表側攻撃表示で存在する限り、自分のスタンバイフェイズの度に1000ポイントのライフを回復します」

 

精霊から送られた優しいそよ風を、静香は全身に受けた

 

静香 LP 3200→4200

 

「ライフが回復した事で、ビッグバンガールの効果が発動します

みさとちゃんに500のダメージです、もう1度バーンフレア!!」

 

「させないわよ!!

─リバース発動、速攻魔法『痛魂の呪術』!!」

 

「えっ!?」

 

「相手がコントロールするカードの効果によるダメージ1回を無効にして、その数値のダメージを相手に与える

ビッグバンガールのダメージを跳ね返す!!」

 

カードから出て来た呪術師が唱えた呪術が、静香のビッグバンガールの炎を跳ね返した

 

「きゃあっ!!」

 

静香 LP 4200→3700

 

 

 

「ダメージを跳ね返すカード!?」

 

「その手があったか…」

 

「相手が効果ダメージで攻めて来るなら、跳ね返せば良い…流石に考えてるな」

 

 

 

 

「ぅ…跳ね返されちゃった…

永続魔法 平和の使者の維持コストで、私は100ポイントのライフを支払います」

 

静香 LP 3700→3600

 

「『黒魔導師 クラン』を守備表示で召喚します」

 

静香のフィールドに、黒いうさ耳のファンシーなドレスにピンクの鞭を持った少女が出て来た

 

黒魔導師 クラン

☆2 闇属性 魔法使い族 ATK 1200 DEF 0

 

「フィールド魔法 聖域の歌声の効果で、クランの守備力は500アップします」

 

黒魔導師 クラン DEF 0→500

 

「フィールドにいるスケルエンジェルを守備表示に変更して、ターンエンドです」

 

 

 

 

 

「黒魔導師 クランか……ここで追い討ちをかけてきたな」

 

「確かに…このままじゃまずいね……」

 

「あの、あのモンスターが何か問題なのですか?」

 

万丈目と吹雪の呟きにももえが首を傾げると、三沢が話に混ざってきた

 

「黒魔導師 クランは自分のスタンバイフェイズに相手フィールド上のモンスターの数×300ポイントのダメージを与える効果が有る」

 

「今、向こうのコンボでみさとは毎ターン、1000ポイントのダメージを受けてる」

 

「そして今みさとのフィールドにモンスターは2体、このままだと次のみさとのターンで受けるダメージは…合計1600ポイント」

 

「みさとのライフは残り2000…じゃあ…!!」

 

「このターンでこの状況を何とかしないと、みさとちゃんの負けは濃厚になるね」

 

 

 

 

 

[…みさと、実はかなり追い込まれてないか…?]

 

(わかってるわよ!!)

 

ジャックの一言に答えたみさとの口元は、何故か緩んでいた

 

(何故かな?

ピンチなハズなのに、沸いてくるこの高揚感は…?

こんな感じ、久しぶりな気がする…)

 

そんなみさとの顔を見て、城之内と舞は微笑んでいた

 

「見ろよ舞、みさとのあの顔」

 

「見てるわよ

…昔のあの子に、少し戻って来てるみたいだね」

 

 

 

 

「あたしのタァーン!!

─魔法カード『強欲な壺』、デッキから2枚ドローする」

 

カードを2枚引いたみさとの手には、赤い騎士のカードが有った

 

「…静香ちゃん、強くなりすぎよ」

 

「本当?

ありがとう、みさとちゃん

みさとちゃんにそう言って貰えると、とても嬉しい

このコンボを揃えるの、凄く大変だったんだよ」

 

「でしょうね…けど、ゴメンね

このコンボ、破らせて貰うわ!!」

 

「えっ…!?」

 

「─行くわよ、『魔導戦士 ブレイカー』を召喚!!」

 

みさとのフィールドに、全身真っ赤な鎧にマントを付けた騎士が現れた

 

魔導戦士 ブレイカー

☆4 闇属性 魔法使い族 ATK 1600 DEF 1000

 

 

 

 

「モンスターを更に召喚!?」

 

「何やってんのよ、みさと!!

モンスターを召喚したら、次のターンのダメージが増えるだけじゃない!!」

 

「いいえ、あのモンスターの召喚は正解よ」

 

「「え?」」

 

ジュンコとももえの嘆きに、明日香が答えた

 

「そうだね、あのモンスターの効果ならこの状況を打破出来るかもしれない……」

 

 

 

 

 

「ブレイカーの効果発動

召喚に成功した時、このカードに魔力カウンターを1つ乗せる

そしてブレイカーの攻撃力は、カウンターの数×300アップする」

 

ブレイカーの剣の柄が淡く光った

 

魔導戦士 ブレイカー 魔力C 1  ATK 1600→1900

 

 

 

 

 

「ダメだ!!

攻撃力 1900の4つ星モンスターじゃ、どうする事も出来ないよ」

 

「そんな訳が無かろうが、馬鹿者」

 

嘆く翔に、万丈目がピシャリと言い放った

 

 

 

 

 

「えっと…そのモンスターで何をするの?」

 

「こうするのよ

ブレイカーのもう1つの効果発動、カウンターを1つ取り除く事でフィールド上の魔法・罠カード1枚を破壊する!!」

 

「えっ!?」

 

「グラヴィティ・バインドを破壊!!

─マナ・クラッシュ!!」

 

魔導戦士 ブレイカーの魔法剣が超重力の網を粉微塵に斬り裂き、月の女戦士は重力から解放された

 

「グラヴィティ・バインドが…!!」

 

魔導戦士 ブレイカー 魔力C 1→0  ATK 1900→1600

 

「─更に速攻魔法『魔法効果の矢』を発動!!

相手フィールド上の表側表示の魔法カードを全て破壊して、破壊した魔法カード1枚につき500のダメージを与える」

 

「魔法カード…じゃあ…!!」

 

「正解よ

永続魔法 平和の使者とフィールド魔法 聖域の歌声を破壊、静香ちゃんに合計1000のダメージを与える!!」

 

魔法カードから飛び出した魔法の矢が2枚のカードを打ち消して、そのまま静香を襲った

 

「きゃああッ!!」

 

静香 LP 3600→2600

 

 

 

 

「スゲー!!

一気に消えたぜ!!」

 

「流石みさとさんっス!!」

 

「本当、凄いわみさと!!」

 

ロックコンボの怒濤の破壊劇に、十代達ははしゃいでいた

 

 

 

 

「フィールド魔法が消えた事で、守備表示のモンスター達の守備力は元に戻るわ」

 

「そんな…」

 

「これで思う存分攻撃出来る、ピクシーナイトを攻撃表示に変更して…さあバトルよ!!

魔導戦士 ブレイカーで、守備表示のビッグバンガールを攻撃!!

─マナ・ソード!!」

 

魔導戦士 ブレイカーの魔法剣に、ビッグバンガールは真っ二つに斬り裂かれた

 

「ピクシーナイトで守備表示の黒魔導師 クランを攻撃!!」

 

ピクシーナイトの放った小さな魔法攻撃で、黒魔導師 クランは消滅した

 

「最後に月の女戦士で、攻撃表示のそよ風の精霊を攻撃!!

─月光一閃!!」

 

月の女戦士の剣が、そよ風の精霊を斬り捨てた

 

「きゃあああーっ!!」

 

静香 LP 2600→500

 

「バトルは終了

─手札から永続魔法『未来融合-フューチャー・フュージョン』を発動

自分のデッキから融合モンスターに決められたモンスターを墓地に送り、融合デッキから融合モンスター1体を選択

このカード発動後2回目のスタンバイフェイズに、選んだ融合モンスター1体を融合召喚扱いで召喚出来る

あたしは融合デッキから『アルカナ ナイトジョーカー』を選択、素材になる絵札の三銃士を墓地に送る

あたしはこれでターン終了よ」

 

 

 

 

「やっぱり、みさとは一筋縄じゃいかないか

あの娘、一気に逆転しただけじゃなくて追い討ちまでかけて来たね」

 

「そりゃそうだろ、アイツだって立派なデュエリストなんだからよ

けどよ、静香もこれで終わるとは思えねぇんだよな」

 

「そりゃねぇ

静香ちゃんはまだ、エースモンスターを出して無いんだから」

 

逆転したフィールドを見て、舞と城之内の顔つきは真剣な物に変わっていた

 

 

 

 

「…私のターン、ドロー!!」

 

手札が無い静香は祈るような想いで、デッキからカードを引いた

 

「…やった!!

神の恵みの効果でライフを500回復します」

 

静香 LP 500→1000

 

「フィールドのスケルエンジェルを生け贄に捧げて、『天空騎士(エンジェルナイト) パーシアス』を召喚します」

 

静香のフィールドに唯一残ったスケルエンジェルがいなくなり、ミノタウロスのような天馬の騎士が現れた

 

天空騎士(エンジェルナイト) パーシアス

☆5 光属性 天使族 ATK 1900 DEF 1400

 

「あれ…?

それって、もしかして…」

 

「うん、前にみさとちゃんから貰ったカードだよ」

 

「ぁ、やっぱり?」

 

「バトルです!!

天空騎士(エンジェルナイト) パーシアスで、ピクシーナイトを攻撃します!!」

 

駆け出した天空騎士(エンジェルナイト) パーシアスは、手にした剣でみさとのフィールドのピクシーナイトを斬り裂いた

 

みさと LP 2000→1400

 

「ッ…破壊されたピクシーナイトの効果!!

このカードがバトルで破壊されて墓地に送られた時、自分の墓地の魔法カード1枚を相手が選んで自分のデッキの上に戻す事が出来る

さあ静香ちゃん、選んでちょうだい」

 

みさとが墓地から取り出した複数の魔法カードを見せたられ、静香は悩みながら1枚のカードを選んだ

 

「えっと…じゃあ、強欲な壺で」

 

「オッケー」

 

強欲な壺のカード以外の魔法カードを墓地に戻したみさとは、強欲な壺をデッキの上にセットした

 

「パーシアスの効果も発動します

このカードがバトルで相手にダメージを与えた時、デッキからカードを1枚ドロー出来ます

そして神の恵みの効果でライフを500回復します」

 

静香 LP 1000→1500

 

引いたカードを確認した静香は、そのカードをそのままデュエルディスクにセットした

 

「伏せカードを1枚、場に出してターンエンドです」

 

「あたしのターン、ドロー

このままバトル

月の女戦士で、天空騎士(エンジェルナイト) パーシアスを攻撃!!

─月光一閃!!」

 

月の女戦士が手にした剣で天空騎士(エンジェルナイト)パーシアスに斬りかかる前に、静香は伏せていたカードを開いた

 

「伏せていたカードを発動します!!

─罠カード『マジックアーム・シールド』!!」

 

「はいィィッ!?」

 

ある意味予想外のカードが発動され、みさとは声を裏返させながら絶叫した

 

「自分フィールド上にモンスターがいる状態で、相手がモンスターで攻撃して来た時に発動出来ます

相手フィールド上の表側表示の攻撃モンスター以外のモンスター1体のコントロールを得て、そのモンスターに攻撃を受けさせる事が出来ます

私はみさとちゃんのフィールドの魔導戦士 ブレイカーのコントロールを貰って、月の女戦士とバトルさせます」

 

静香のカードから出て来たマジックアームが、みさとのフィールドの魔導戦士ブレイカーを掴んで月の女戦士と無理やりにバトルさせ、月の女戦士の剣が魔導戦士 ブレイカーを斬り裂いた

 

「攻撃力の差は500、静香ちゃんに500のダメージね」

 

「ううぅ…」

 

静香 LP 1500→1000

 

 

 

 

「何でわざわざダメージを増やすような事をしたのかしら?」 

 

「そうですわね

パーシアスの方が攻撃力は上で、受けるダメージも少なかったハズですのに…」

 

「─月の女戦士の効果が発動するからよ」

 

静香のデュエルに小首を傾げながら話していたジュンコとももえに、明日香が説明するように話に加わった

 

「月の女戦士には光属性のモンスターとバトルする時、ダメージステップの間だけ攻撃力が1000アップする効果があるわ」

 

「そうなったら攻撃力は3100、大ダメージは免れない」

 

「だからあのカードで、攻撃の相手を光属性じゃないモンスターに変更したんだよ」

 

明日香に続くように、三沢と吹雪も話に加わりながらデュエルを見ていた

 

 

 

 

 

「…やってくれたわね、克也兄ちゃん」

 

バトルが終わったデュエルリングでは、みさとのジト目が城之内を捉えていた 

 

「いやぁ、バレちまったか!!」

 

「イタズラ成功、みたいな顔しないでよォ!!」

 

ヘラリと笑う城之内に、みさとの逆ギレに近いツッコミが入った

 

「もう、兄妹揃って同じカード使うとか…カードを1枚伏せて、ターン終了」

 

「私のターン、ドロー

神の恵みの効果で、ライフを500回復します」

 

静香 LP 1000→1500

 

「─魔法カード『天使の施し』を発動します

デッキからカードを3枚ドローして、その後手札を2枚墓地に送ります

そして神の恵みの効果で、ライフを500回復します」

 

静香 LP 1500→2000

 

「─更に魔法カード『貪欲な壺』を発動します

自分の墓地のモンスター 5体をデッキに戻してシャッフルして、デッキから2枚のカードをドローします

私は墓地のこの5体をデッキに戻して、デッキから2枚ドロー

神の恵みの効果で、更にライフを500回復します」

 

静香は自分の墓地から、ビッグバンガール そよ風の精霊 黒魔導師 クラン スケルエンジェル…そして『プリンセス人魚』の5枚をデッキに戻して、カードを2枚引いた

 

静香 LP 2000→2500

 

(プリンセス人魚…天使の施しで墓地に送ったか

神の恵みの効果を使うのとコレが、天使の施しを使った理由か)

 

「─まだいきます、魔法カード『埋葬呪文の宝札』を発動

自分の墓地の魔法カード3枚を除外して、デッキからカードを2枚ドロー出来ます

私は墓地から、聖域の歌声 平和の使者 強欲な壺の3枚を除外して2枚のカードを引きます

そして神の恵みの効果で、ライフを500回復します」

 

静香 LP 2500→3000

 

「これで準備は整った…いくよ、みさとちゃん!!

『心眼の女神』を召喚!!」

 

静香のフィールドに、額に三つ目の瞳を持つ女性が現れた

 

心眼の女神

☆4 光属性 天使族 ATK 1100 DEF 1200

 

(あのカードはあたしも使ってるから分かる…さっきの大量ドローで、揃えちゃったのねぇ…)

 

静香がこれから何をするのかを察したみさとの口元は、心なしか引きつっていた

 

「─『融合』の魔法カードを発動、フィールドの女神様を効果で『慈悲深き修道女』の代わりにして手札の『堕天使マリー』と融合…『聖女 ジャンヌ』を融合召喚します!!」

 

静香のフィールドに現れた堕天使マリーが心眼の女神と一緒に融合の渦に飲まれ、1人の女戦士がレイピアを構えて立っていた

 

聖女 ジャンヌ

☆7 光属性 天使族 ATK 2800 DEF 2000

 

「やっぱり出て来たか

確かビッグ5の時に出してたわよね」

 

「うん

あの時から私、ジャンヌが大好きなの」

 

「そっか

確かにステータス良いし、素材の堕天使 マリーの効果を発動させるにも絶好のモンスターだもんね…見た目も綺麗だし」

 

「ふふ、ありがとう」

 

和やかに話す静香とみさとに、観客席の十代達は首を傾げていた

 

「何の話をしてるのかしら?」

 

「さあ…?」

 

「おーい、みさとー!!

何の話してるんだー!?」

 

十代の大声に、デュエルリングの上の2人は十代の方を向いた

 

「みさとちゃん、あの人……」

 

「根っからのデュエルバカよ

…このジャンヌで静香ちゃんは、遊戯兄ちゃんと肩を並べて闘った事が有るって話よー!!」

 

《ええええーっ!!!?》

 

みさとの大声に、生徒達から一斉に絶叫が響いた

 

「ちょっとアンタ達!!

何よ、その「信じられない!!」みたいな声は!!

静香ちゃんに失礼でしょー!?

表に出なさい、野郎共ォ!!」

 

「まあまあ…私は気にして無いから大丈夫だよ」

 

「そうは言ってもねぇ…まあ良いか、続けましょ」

 

「うん!!

─装備魔法『レインボー・ヴェール』をジャンヌに装備します

このカードを装備したモンスターがバトルする時、バトルフェイズの間だけ相手モンスターの効果を無効に出来ます」

 

(レベッカに続いて亮さんと同じ事やってくるとか…静香ちゃん、なんて末恐ろしい娘…!!)

 

「バトル、ジャンヌで月の女戦士を攻撃!!」

 

レイピアを軽く一振りして駆け出した聖女 ジャンヌの背中に、バサッと音を立てて純白の翼が生まれた

 

翼で飛びながら、聖女 ジャンヌは月の女戦士にレイピアを構える

 

「─セイント・レイピア!!」

 

静香の掛け声と共に、聖女 ジャンヌは月の女戦士を一気に斬り裂いた

 

「ぐっ…!!」

 

みさと LP 1400→700

 

 

 

 

「良い判断だね

月の女戦士は光属性モンスターとバトルする時、攻撃力が1000ポイントもアップするモンスター

レインボー・ヴェールで効果を使わせないようにすれば、倒す事が出来る」

 

「危ねぇー…もしアイツを倒して無かったら、次のターンで静香の負けだったぜ」

 

静香のタクティクスに舞は頷き、城之内は冷や汗をかいていた

 

 

 

 

「これで…決めます!!

天空騎士(エンジェルナイト)パーシアスで、みさとちゃんにダイレクトアタック!!」

 

静香のフィールドの天空騎士(エンジェルナイト) パーシアスが一気に走り出して剣を振り上げた瞬間、天空騎士 パーシアスの視界は一面茶色になった

 

[─クリクリーッ!!]

 

「えっ!?」

 

「惜しかったね、静香ちゃん

─あたしは手札の『クリボー』の効果を発動したの

このカードを手札から墓地へ送る事で、相手からのダメージ1つを0に出来る

ありがと、クリちゃん」

 

[クリ~]

 

「手札のカードは見落としてた…凄いねみさとちゃん

私はこれでターンエンドです」

 

[…楽しそうだな、お嬢]

 

キングの声に、更に笑みを深めた

 

(…うん、こんな気持ち…いつ以来だろう……?)

 

[静香ちゃんは全力で向かって来ています

なら私達も…!!]

 

[全力で相手してやるのが、礼儀ってモンだよな]

 

「(そうね……全力で行くわ!!)

あたしのターン、ドロー!!

スタンバイフェイズ時にフューチャー・フュージョンの効果発動

─三種の紋を司りし 聖なる光の騎士達よ

その強き意志集わせ 邪なる未来を凪ぎ払え!!

融合召喚!!

─導け、アルカナ ナイトジョーカー!!」

 

みさとのフィールドに、黒い甲冑に身を包んだ勇ましい騎士が現れた

 

アルカナ ナイトジョーカー

☆9 光属性 戦士族 ATK 3800 DEF 2500

 

「ピクシーナイトの効果でデッキの上に戻した 強欲な壺を発動、デッキからカードを2枚ドローする

─装備魔法『アサルト・アーマー』をジョーカーに装備

自分フィールドに戦士族が1体の時のみ発動出来て、その戦士族にこのカードを装備する

装備モンスターの攻撃力を300アップさせる」

 

アルカナ ナイトジョーカー ATK 3800→4100

 

「バトル!!

アルカナ ナイトジョーカーで、天空騎士(エンジェルナイト) パーシアスを攻撃!!

─アルカナテイック・デルタ・スラッシュ!!」

 

アルカナ ナイトジョーカーの魔力を帯びた大剣が、静香のフィールドの天空騎士(エンジェルナイト)パーシアスを斬り裂いた

 

「キャアアアッ!!」

 

静香 LP 3000→800

 

「ッ…何とか堪えれた…でも、なさそうだね」

 

「うん…ごめんね、このターンで終わらせる

……本当に強くなったね、静香ちゃん

あたしビックリよ」

 

「ありがとう

でも私、もっと頑張る!!

だから、またデュエルしてね」

 

「勿論!!

…いくよ、静香ちゃん」

 

「うん!!」

 

お互いに姿勢を正し、デュエルディスクを構え直した

 

「装備魔法 アサルト・アーマーの効果

装備されているこのカードを墓地に送る事で、装備モンスターはこのターンもう1度だけバトルが出来る」

 

アルカナ ナイトジョーカーが纏っていたオーラが、フッと消えていった

 

アルカナ ナイトジョーカー ATK 4100→3800

 

「これで決める!!

アルカナ ナイトジョーカーで、聖女 ジャンヌを攻撃!!

─アルカナティック・デルタ・スラッシュ!!」

 

アルカナ ナイトジョーカーが、大剣を構えて聖女 ジャンヌに斬りかかる

 

レイピアで応戦した聖女 ジャンヌだが、奮闘も虚しくアルカナ ナイトジョーカーに斬り裂かれた

 

静香 LP 800→0

 

「そこまデーノ!!

第1試合は、シニョーラ みさとの勝利なノーネ!!」

 

「やっぱり、負けちゃったか…」

 

「良いデュエルだったぜ、静香」

 

デュエルディスクを下げて苦笑した静香の後ろから、城之内と舞がやって来た

 

「みさとを相手にあれだけやれたんだ、文句なしの成長っぷりだよ」

 

「お兄ちゃん…舞さん……」

 

「静香ちゃーん!!」

 

デュエルディスクをしまったみさとは、勢い良く静香に抱き付いた

 

「わっ!!

みさとちゃん…!!」

 

「もう最高!!

あんなにワクワクしたの、物凄く久々だった!!」

 

「うん、私も凄く楽しかった!

もっと強くなって、リベンジするね」

 

「ええ、どんと来いよ!!」

 

「やっぱスゲーな、みさと!!」

 

和気藹々と話すみさと達の後ろから、十代と明日香がやって来た

 

「十代・明日香も…」

 

「見事な逆転勝ちだったわね

静香さんも、みさとを相手にあそこまで追い詰めるなんて…」

 

「ふふ、ありがとうございます」

 

「ガッチャ!!

スゲー楽しかったぜ!!」

 

「ふふん、そこまで言うなら…十代からは観覧料でも取っちゃおうかな?」

 

「ゲェーッ!!

そりゃねぇよ、みさとぉ」

 

「バカね、冗談よ冗談…2割程」

 

「ぎえぇぇーっ!!」

 

みさとの冗談と十代の悲鳴に、その場は一気に笑い声に包まれた

 

 

 

 

 

 

「……さてと、次はアタシだね」

 

「相手は私です、よろしくお願いします」

 

一頻り笑った舞がデュエルディスクを起動させると、相手の明日香も倣うようにデュエルディスクを起動させた

 

それを見た城之内と静香、十代とみさとはデュエルリングから離れた

 

「第2試合は、シニョーラ 舞VSシニョーラ 明日香でスーノ!!」

 

「「─決闘(デュエル)!!」」

 

舞と明日香の掛け声が揃い、デュエルが始まった

 

……1勝して1歩前に出たアカデミアチームだったが、2戦目は1戦目のようにはいかなかった

 

 

 

 

 

数ターンが経過し、デュエルは明日香がほんの少しリードする形で進められていた

 

「『サイバー・ブレイダー』で、『ハーピィ・レディSB』を攻撃!!

─グリッサード・スラッシュ!!」

 

「─罠カード『攻撃の無力化』、攻撃を無効化してバトルを強制終了させるわ!!」

 

「くっ…カードを1枚伏せて、ターンエンド」

 

明日香 LP 2500 手札 0

 

フィールド

サイバー・ブレイダー

サイバー・エンジェル -荼吉尼-

 

フィールド魔法 祝福の教会 -リチューアル・チャーチ

伏せカード 1枚

 

サイバー・ブレイダー

☆7 地属性 戦士族 ATK 2100 DEF 800

 

サイバー・エンジェル -荼吉尼-

☆8 光属性 天使族 ATK 2700 DEF 2400

 

 

 

舞 LP 1900 手札 4

 

フィールド ハーピィ・レディSB

伏せカード 1枚

 

ハーピィ・レディSB

☆4 風属性 鳥獣族 ATK 1800 DEF 1300

 

 

 

「アタシのターン、ドロー!!

魔法カード『天使の施し』、デッキから3枚引いて手札を2枚捨てる」

 

「墓地に好きなモンスターを送る…さっき、みさとを相手に静香さんが使ったタクティクス…」

 

明日香の呟きを、舞は聞き逃さなかった

 

「この対抗戦が始まる前に言ったでしょ?

静香ちゃんにデュエルを教えたのはアタシさ

そしてアタシは静香ちゃんに、こうも教えた…「絶対に安全な1ターンなんて、存在しない」ってね……この意味、分かるかい?」

 

不敵に笑う舞に、明日香はゴクリッと唾を飲み込んだ

 

「─装備魔法カード『早すぎた埋葬』

800のライフを払って、天使の施しで墓地に送った『ハーピィ・クィーン』をアタシのフィールドに特殊召喚!!」

 

舞のフィールドに、長い緑の髪のハーピィがピンクの髪のハーピィの隣に降り立った

 

ハーピィ・クィーン

☆4 風属性 鳥獣族 ATK 1900 DEF 1200

 

舞 LP 1900→1100

 

「サイバー・ブレイダーの効果!!

相手フィールドのモンスターが2体の時、攻撃力が2倍になる!!」

 

サイバー・ブレイダー ATK 2100→4200

 

「甘いよ!!

─魔法カード『万華鏡 -華麗なる分身-』を発動!!

アタシのフィールドにハーピィがいる時、手札かデッキから『ハーピィ・レディ三姉妹』を特殊召喚する!!」

 

舞がデッキから1枚のカードをデュエルディスクにセットすると、3人のハーピィが現れた

 

ハーピィ・レディ三姉妹

☆6 風属性 鳥獣族 ATK 1950 DEF 2100

 

「これでアンタのバレリーナの攻撃力は下がるね」

 

「くっ…だけど、サイバー・ブレイダーの第3の効果!!

相手フィールド上にモンスターが3体いる時、相手の魔法・罠・モンスター効果を無効にする事が出来る!!」

 

サイバー・ブレイダー ATK 4200→2100

 

「まだよ!!

ハーピィ・レディSBとハーピィ・クィーンを生け贄に捧げ、『ハーピィズペット(ドラゴン)』を召喚!!」

 

「えっ!?」

 

舞のフィールドの2体のハーピィが光に包まれ、赤い大きな竜が現れた

 

ハーピィズペット(ドラゴン)

☆7 風属性 ドラゴン族 ATK 2000 DEF 2500

 

「…相手フィールド上のモンスターが2体になった事で、サイバー・ブレイダーの攻撃力は2倍になる」

 

サイバー・ブレイダー ATK 2100→4200

 

 

 

「一体、何をやる気なんスかね?」

 

「分からん…ハーピィズペット(ドラゴン)の攻撃力では、天上院くんのモンスターを倒せないというのに…」

 

「彼女はここから何をする気だろうな…?」

 

翔・万丈目・三沢の呟きに、みさとは呆れたようなため息をついた

 

「はぁ…わかって無いわねぇ、アンタ達」

 

《え?》

 

十代達5人の声を聞き流し、みさとは確信を持った眼差しで舞を見た

 

「このデュエル、明日香の負けね……舞さん、そろそろ決めに掛かるわ」

 

 

 

 

 

 

「─手札を1枚捨てて、永続罠カード発動『ヒステリック・パーティ』!!」

 

舞のフィールドに唯一伏せられていたカードの名前に、明日香は目を見開いた

 

「そのカードは…!!」

 

「知ってるみたいだね…このカードの効果でアタシの墓地から、可能な限りハーピィをアタシのフィールドに特殊召喚する!!

さあハーピィちゃん達、戻って来な!!」

 

舞のフィールドに、生け贄に捧げられた2体のハーピィが戻って来た

 

「これでアタシのフィールドのモンスターは4体、アンタのバレリーナの効果は相手フィールドのモンスターが3体の時までしか使えない」

 

「しまった…!!」

 

「これでサイバー・ブレイダーは何の効果も持たない!!

そしてアタシのハーピィズペット(ドラゴン)は、アタシのフィールドのハーピィちゃんの数×300ポイント攻撃力と守備力を上げられる!!」

 

「舞のフィールドのハーピィモンスターは、今3体!!」

 

「合計 900ポイント、攻撃力と守備力がアップするね」

 

城之内と静香の声を聞きながら、ハーピィズペット(ドラゴン)は雄叫びを上げた

 

ハーピィズペット(ドラゴン) ATK 2000→2900 DEF 2500→3400

 

「攻撃力 2900…私のモンスター達を上回った…!!」

 

攻撃力が飛躍的に上がった目の前のドラゴンを見て、明日香は冷静になる為に首を軽く振った

 

(落ち着いて……私の伏せカードは、罠カード『聖なるバリア -ミラーフォース-』

これでカウンターを仕掛ける…!!)

 

「─更に魔法カード『トライアングル・(エクスタシー)・スパーク』を発動!!

このカードの効果で、アタシのハーピィ・レディ三姉妹の攻撃力はエンドフェイズまで2700になる!!」

 

雷のオーラを纏った三姉妹は、みるみる攻撃力を上げていく

 

ハーピィ・レディ三姉妹 ATK 1950→2700

 

「攻撃力 2900と2700!!」

 

「これを喰らったら終わりだ!!」

 

「行け、ハーピィ・レディ三姉妹!!

サイバー・ブレイダーを攻撃!!」

 

「(ここだわっ!!)

罠発ど……えっ!?」

 

伏せカードを発動させようとした明日香は、異変に気付き声を上げた

 

「トライアングル・(エクスタシー)・スパークのもう1つの効果

このカードを発動したターン、相手は罠カードを発動出来ず、相手フィールドの罠カードの効果は無効になる」

 

「そんな…!!」

 

「─トライアングル・(エクスタシー)・スパーク!!」

 

空へ飛び上がりフォーメーションを決めた三姉妹が、三角形の雷撃をサイバー・ブレイダーに放った

 

「きゃあああーっ!!」

 

明日香 LP 2500→1900

 

「ハーピィズペット(ドラゴン)で、サイバー・エンジェル ―荼吉尼―を攻撃!!

─セイント・ファイアー・ギガ!!」

 

ハーピィズペット(ドラゴン)がゴウッと勢い良く吹いた炎が、サイバー・エンジェル―荼吉尼―をあっという間に焼き消した

 

「くうぅ…!!」

 

明日香 LP 1900→1700

 

「中々楽しかったよ……けど、これで終わりさ!!

行け、ハーピィ・レディSBでダイレクトアタック!!

─サイバー・ライトニング・ウィップ!!」

 

ハーピィレディSBの雷の鞭の直撃を受け、明日香のライフは尽きた

 

「きゃあああああっ!!」

 

明日香 LP 1700→0

 

「そこまでなノーネ!!

第2試合は、シニョーラ 舞の勝利なノーネ!!」

 

 

 

 

 

 

……そして第3試合、城之内VS十代のデュエル

 

数ターンが経過して、徐々に決着が着き始めていた

 

 

 

十代 LP 900 手札 0

 

フィールド E・HERO(エレメンタルヒーロー) フレイム・ウィングマン

E・HERO(エレメンタルヒーロー) サンダー・ジャイアント

 

フィールド魔法 フュージョン・ゲート

 

 

E・HERO(エレメンタルヒーロー) フレイム・ウィングマン

☆6 風属性 戦士族 ATK 2100 DEF 1200

 

E・HERO(エレメンタルヒーロー) サンダー・ジャイアント

☆6 光属性 戦士族 ATK 2400 DEF 1500

 

 

 

 

城之内 LP 1500 手札 2

 

フィールド 漆黒の豹戦士 パンサーウォリアー(守備表示)

リトル・ウィンガード(守備表示)

 

伏せカード 1枚

 

 

漆黒の豹戦士 パンサーウォリアー

☆4 地属性 獣戦士族 ATK 2000 DEF 1600

 

リトル・ウィンガード

☆4 風属性 戦士族 ATK 1400 DEF 1800

 

 

「行くぜ城之内さん!!

フレイム・ウィングマンで、パンサーウォリアーを攻撃!!

─フレイム・シュート!!」

 

「へへっ

掛かったな!!」

 

「ええっ!?」

 

ギョッとする十代のフィールドのE・HERO(エレメンタルヒーロー) サンダー・ジャイアントが、大きなアームに掴まれて城之内のフィールドに移された

 

「サンダー・ジャイアント!!」

 

「─罠カード『マジックアーム・シールド』、発動だ!!」

 

「さっき静香ちゃんも使ったけど、あのカードは克也兄ちゃんの愛用カードの1枚

自分フィールドにモンスターがいる状態で相手モンスターが攻撃してきた時、相手フィールド上の攻撃モンスター以外のモンスターのコントロールを奪って、そのモンスターと強制バトルさせる」

 

「つまりフレイム・ウィングマンの攻撃をサンダー・ジャイアントに受けさせて、味方同士でバトルをさせる状況を生み出す罠カードさ」

 

城之内の罠カードの効果をみさとと舞が解説する中、E・HERO(エレメンタルヒーロー) フレイム・ウィングマンの炎はE・HERO(エレメンタルヒーロー) サンダー・ジャイアントの雷に打ち消されてE・HERO(エレメンタルヒーロー) フレイム・ウィングマンは破壊された

 

「ぐぅぅ…フレイム・ウィングマン!!」

 

十代 LP 900→600

 

「惜しかったな、十代」

 

「ちぇ…ターンエンド」

 

「おっしゃ、オレのターンだ!!

ドロー!!」

 

引いたカードを見た城之内は、雄叫びを上げた

 

「ぃよっしゃァー!!

─魔法カード『右手に盾を左手に剣を』発動!!」

 

「げぇ…!!」

 

十代は、城之内の発動したカードに露骨に嫌そうな顔をした

 

「右手に盾を左手に剣をは、フィールド上の全てのモンスターの攻撃力と守備力を入れ換える魔法カード」

 

「ここまでね」

 

[善戦してたけどな]

 

三沢の解説に、みさとと三銃士は苦笑してフィールドを見ていた

 

 

 

「このカードの効果で、オレ達のモンスターの攻撃力と守備力が入れ換えるぜ!!」

 

「じゃあ、サンダー・ジャイアントの攻撃力は…!!」

 

E・HERO(エレメンタルヒーロー) サンダー・ジャイアント ATK 2400→1500 DEF 1500→2400

 

「嘘だろォー!?」

 

「オレのモンスター達の攻撃力と守備力も入れ換えるぜ」

 

漆黒の豹戦士 パンサーウォリアー ATK 2000→1600 DEF 1600→2000

 

リトル・ウィンガード ATK 1400→1800 DEF 1800→1400

 

「まだだ!!

オレは場の2体を生け贄にして…『真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラック・ドラゴン)』を召喚!!」

 

城之内のフィールドの戦士達が光に包まれ、紅の眼を持った漆黒のドラゴンが現れた

 

真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラック・ドラゴン)

☆7 闇属性 ドラゴン族 ATK 2400 DEF 2000

 

「レッドアイズ!?」

 

「上手いな

右手に盾を左手に剣をで攻撃力を変化させた後からの召喚なら、攻守の変化は無い」

 

万丈目の解説は風に流され、城之内はE・HERO(エレメンタルヒーロー) サンダー・ジャイアントを指差した

 

「決めるぜ!!

真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラック・ドラゴン)で、サンダー・ジャイアントを攻撃だ!!

─黒炎弾!!」

 

「うわあああーっ!!」

 

レッドアイズの黒い炎がE・HERO(エレメンタルヒーロー) サンダー・ジャイアントを焼き尽くし、十代のライフは尽きた

 

十代 LP 600→0

 

「そこまでなノーネ!!

勝者はシニョール 城之内、2対1で伝説のデュエリストチームの勝利なノーネ!!」

 

クロノスの宣言に、観客席は盛大に沸いた

 

「負けちゃったわね…」

 

「悪ぃ、負けちまったな」

 

申し訳なさそうに眉をしかめる明日香と十代に、みさとはケラケラと笑い返した

 

「そんな気にする事無いわよ

今の段階であれだけ善戦出来たからいいのよ」

 

「みさとの言う通りさ」

 

十代達の後ろから、城之内・舞・静香の3人が歩いてきた

 

「明日香、だったね?

あんなに楽しませてくれた女は、みさと以来だよ

これからも頑張りな」

 

「…はい、ありがとうございます」

 

「十代、お前のヒーロー達も結構良かったぜ!!

遊戯が気に入ったってのも、分かる気がするぜ」

 

「本当ですか!?

やったー!!

オレ、もっと強くなります

またいつか、デュエルしてくれますか!?」

 

「おう、いつでも来い!!

この城之内様が相手してやるぜ!!」

 

「もう、お兄ちゃんったら…」

 

「その顔オランウータンみたいだから、止めた方が良いって言ってるのに…」

 

「何だとォー!!」

 

城之内のドヤ顔に、静香とみさとは呆れたようなため息をついた

 

 

 

 

 

 

 

……その夜、客室として用意された舞と静香の部屋では、みさとと明日香・ジュンコ・ももえはお呼ばれされて、女子会が開かれていた

 

「……それでさ、海馬の奴はとにっかく口が悪いの!!

克也兄ちゃんの事は、「負け犬」とか「凡骨」とか「馬の骨」とか、とにかく悪口しか言わない奴なのよね

しかも、デザインセンスも0だし」

 

「そんな~」

 

「海馬様はあんなにイケメンじゃありませんの」

 

「……アンタ等海馬ランドがあんなに悲惨なのは、何でだと思ってるのよ…?」

 

「「ぁ……;」」

 

「さ、散々ね…;」

 

ブルーアイズだらけの遊園地を思い出した明日香達は、何も言えなくなった

 

「だから前までの饅頭を見てたら、何だか海馬を思い出してたのよね

まあ、実力は桁違いだけど」

 

「饅頭…?」

 

「って、何の事だい?」

 

クッキーをつまみながら、みさとの話に耳を傾けていた静香と舞は揃って首を傾げた

 

「みさと、万丈目さんだってば」

 

「昼間、生徒達の中に黒い制服を来たイケメンな殿方がいらっしゃったでしょう?」

 

「イケメン~…?」

 

「黒い制服……もしかして、3人目に自分がなるって言ってた人?」

 

舞が露骨に眉をしかめて考え込む隣で、静香は思い出したように呟いた

 

「そう、その方ですわ!!」

 

「ああ…あのバカ丸出しな奴かい……;」

 

「そう、あのバカ丸出しな奴…;

ジュンコ・ももえ、悪いこと言わないからアイツは止めた方が良いと思うわよ?」

 

「じゃあ吹雪様は?」

 

「ももえ…;」

 

「吹雪さんってのは、デュエルの前に明日香が追い掛け回した人ね」

 

「ああ…;」

 

「あの残念な……;」

 

みさとの一言で吹雪を思い出した静香と舞は、揃って遠い目をした

 

「……このアカデミアで恋愛は難しいんじゃない?

マシな野郎なんて、何処にもいないじゃない」

 

「なら新入生!!

新入生に期待するわ!!」

 

「そうですわね!!

今度来る新入生はどんな殿方がいらっしゃるのかしら…」

 

「ジュンコ・ももえ……;」

 

「ダメだこりゃ…;」

 

自分の世界に入っていくジュンコとももえに、明日香とみさとは揃ってため息をついた

 

「─……十代くんは?」

 

《え?》

 

静香から出た名前に、全員が一斉に静香の方を向いた

 

「十代くんはどうなのかなって思ったんだけど……」

 

「「無い/ですわ」」

 

ジュンコとももえは間髪入れずに言い切った

 

「そりゃあ実力が有るのは認めるけど……」

 

「ガサツ過ぎますわ

ねぇ、明日香様?」

 

「え?

わ、私は……アイツの事は、ライバルだと思ってるわ」

 

「ライバル~?

ホントにそれだけぇ~?」

 

少し頬を染めた明日香に、みさとはニヤニヤした顔を向けた

 

「ど、どういう意味よ…」

 

「前に吹雪さんに好きな人がいるのかって言われた時、アンタ一瞬だけ十代の方見てなかったぁ?」

 

「「「ええっ!?」」」

 

「そうなのかい?」

 

みさとの一言に静香・ジュンコ・ももえは身を乗り出し、静観していた舞も目を輝かせた

 

「ちょっ…みさと!?///」

 

「あはは、ゴメンゴメン

あたしの気のせいかもだしね」

 

「もう……そう言うあなたはどうなのよ?」

 

「あたし?

あたしは…アイツはスゴい奴だと思ってるわ」

 

「あの十代くんって人は、遊戯さんが注目してる人なんだよね?」

 

「まぁね…どこまでも真っ直ぐで、バカみたいに純粋な奴よ

まあ、あたしもアイツのバカさに救われたんだけど…」

 

「みさとちゃん……」

 

「……そうかい

なら、アンタの事はあの十代って奴にもう暫く任せとくとして……」

 

そこで口を閉ざした舞は、ゆっくりと席を立って入り口の方を見た

 

「舞さん?」

 

「─……ゴラァ、野郎共!!

いつまで盗み聞きしてるんだい!?」

 

舞の怒声に、ドアの外で複数の足音が遠ざかって行った

 

「え!?

覗き!?」

 

「ヤダぁ~」

 

「まあ、どうせ吹雪さんと克也兄ちゃんと饅頭が筆頭でしょ

明日にでも絞めとくわ」

 

「城之内の方はアタシと静香ちゃんに任せな

さて、それじゃ続きといこうかね」

 

そんな風に、女子会をしながら夜は更けていった




今回は完全オリジナルのストーリーです
城之内の妹 静香がヒロインと親友だという設定は前に書いておいたんですが、皆様覚えてますか?
静香のデッキは私のオリジナルですが、静香はDM時代に一度だけデュエルをしているので、その時に使用していたカード達をモデルに制作しました

これで1年生編は終了です、次回からは2年生編となります
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