今更ながら、この小説のデュエルの大まかなルールとアレンジ(?)を書いておきます
・ライフポイント 開始時は互いに4000
・先攻ドロー有り
・表側守備表示召喚有り
・伏せカードを発動する場合の「リバース発動」は、みさとちゃん独特の言い回し
…だいたいこんな感じです
TARN 25 新学期 新たなデュエリスト達
新学期が始まりデュエルアカデミアには今年も新入生達が入学し、十代達は2年生に進級した
その日は見事な晴れ模様……だが、セブンスターズとの戦いの後処理や、新入生のリストのチェック等で、みさとは朝から机のパソコンにかじりついていた
「お、終わらないぃ~……」
[みさとちゃん……;]
[もう昼前だっていうのに、半分しか終わってねぇな…;]
[まあ、量が量だからな…;]
[クリィ…;]
「あたしは内部調査員のハズなのに、何だってこんな雑用しなきゃなんない訳!?
こんなのアカデミアの事務員の仕事じゃない!!
海馬の奴ゥ~、覚えてなさいよーっ!!」
そんな雄叫びを上げながらも、みさとは仕事を進めていた
[……みさと、今の負け犬の台詞だぞ?]
「うっさい!!」
……数時間後、みさとは喜びの雄叫びを上げていた
「ぃよっしゃーっ!!
後は新入生のリストチェックだけー!!」
[お疲れさまでした、みさとちゃん]
「ホンットにもう、疲れた…
さっさと終わらせて、昼風呂でも……えっ!?」
間延びした声を出しながらリストチェックをしていたみさとは、入試の成績表を見て目を見開いた
不思議に思った三騎士達がパソコンを覗くと、1人の男の名前が乗っていた
「何で、アイツが……」
[どういう事だ?]
[何で奴がここを受験してるんだ?]
[分かりません…ですが、彼がここに来たという事は……]
「あたしはまた難癖つけられるのが見えてくるわ……はぁ、十代達にも伝えておいた方が良いわね
……出掛けましょ」
仕事を片づけてしまったみさとは、特注で作ってもらったブルー寮の制服の上着を羽織って部屋を後にした
(…またアンタと会う事になるなんてね……エド)
女子寮を出ようとしたみさとに、ジュンコとももえがパタパタと駆け寄って来た
「あ、みさとー!!」
「みさとさーん!!」
「ジュンコ・ももえ…」
「みさとならもう知ってるわよね?」
「今年の新入生に、あのエド・フェニックス様がいらっしゃるんです!!」
「ああ、その事
知ってるわよ
アイツとはウンザリする程の腐れ縁だしね」
「羨ましいですわ…」
「ちっとも良く無いわよ」
頬を紅潮させるももえに、みさとは露骨に嫌そうな顔を見せた
「ええっ!?」
「何でですの!?
あんなにイケメンなのに!!」
「…どこまでもブレないわね、アンタ達……;」
[凄いですね…;]
ジュンコとももえの気迫に、みさととクィーンは身を引いた
「あ、そうだ
話は変わるんだけど、明日香さんからアンタをレッド寮に連れて来てって頼まれたのよ」
「明日香が?」
「何でも、十代さんが新入生とデュエルしてるそうですわ」
「ふぅ~ん…まあ、良いわ
丁度十代の所に用もあったし、行きましょ」
歩き出したみさとに、ジュンコとももえはついて行った
……みさと達がレッド寮に着く頃には、行われていたデュエルが終盤を迎えていた
翔に万丈目・明日香に…何故か購買のトメさんも一緒にいた
「やっほー」
「あ、みさとさん!!」
「ジュンコ・ももえ、連れて来てくれてありがとう」
「いえいえ」
「お安い御用ですわ」
「それで、デュエルしてるって話だけど……」
「そうっス!!
アニキが新入生とデュエルしてる最中なんスよ」
みさとがデュエルを覗くと、十代と対峙している相手に目付きを鋭くさせた
(エド……)
「テンペスターを融合デッキに戻し、バブルマン・フェザーマン・スパークマンを特殊召喚!!」
3人のヒーロー達の攻撃を受け、エドのライフは尽きた
膝を付くエドに、十代はゆっくりと近づく
「大丈夫か、新入生」
「…はい」
「ま、デュエルの世界は厳しいが、それがまた楽しみでもある…負けて勝て、だ!!
ハハハ、頑張れよ新入生」
「はい!ありがとうございました、勉強になりました」
「おう!」
(デュエルそのものは予言どおりだったが…アイツが僕の運命を変えるというのはどうかな……あの程度のデュエリストが僕を変えるとは思わない…あの方の予言に疑問を感じたのは初めてだ……そしてもう1人、僕の運命を変える人間…)
崖を上がりきったところで、人のいい笑顔でトメさんがエドに手を振った
それに笑顔で答えエドは小さく会釈したが、隣にいたみさとを見た途端エドの目付きは鋭くなった
「…お久しぶりですね、みさと」
「そうね、あたしとしては2度と会いたく無かったけど」
一触即発のようなピリピリとした空気に、十代達は混乱した
「え、みさと…?」
「知り合いなんスか?」
「もう、何言ってんのよ!!」
戸惑ったような声をもらした十代と翔を咎めるように、ジュンコとももえは声を大きくした
「この人はプロデュエリストのエド・フェニックスさんよ!!」
「気付いていなかったんですの!?」
その声に、十代達はギョッとしてみさとと対峙しているエドを見た
「エド・フェニックスって、確か…」
「現在プロリーグ連戦中の…若き天才プロデュエリストよ
そして…みさとのライバルと言われてもいるわ」
「みさとのライバル!?」
「けど、何か良い意味でのライバルには見えないっスね」
「何かあるのかねぇ…?」
そんな十代達を無視して、みさととエドは睨み合っていた
「こんなところに来るなんて、一体どういう風の吹き回しかしらね?」
「あなたがいつまで経っても帰って来ないから、此方からわざわざ出向いたまでだ
感謝して欲しいものですね」
「そんなの、あたし頼んだ覚えなんて無いし」
「相変わらずの減らず口ですね…」
「アンタの猫かぶりに比べれば、大分マシな方よ」
「とにかくみさと、僕とデュエルだ!!」
「お断りよ」
デュエルディスクを構えるエドに、みさとは一切取り合わなかった
「…また逃げるというのか?」
「冗談
勝敗が分かりきっているデュエルはやりたくないだけよ…アンタじゃあたしには敵わない」
「今日は僕が勝つ!!」
「それ、もう聞き飽きたわ
そう言って、あたしに何十回も負けてるのは誰よ?」
「くっ…!!」
言い返せなくなったエドを一瞥し、みさとは踵を返した
「…ま、人様に迷惑をかけないようにする事ね」
「待て!!」
エドの怒声を無視して、みさとは歩き出した
「おい、みさと……」
「あ、そうだ…言い忘れるとこだった
アンタ達、アイツにあんまり関わらない方が良いわよ」
そう言って、みさとは十代達にも背を向けてレッド寮を去った
[お嬢、あの坊主は…]
「取り敢えず、今は様子見
……何もしないと良いんだけどね」
……それから数日後、みさとは明日香と共に職員室に呼び出しを受けていた
「一体何なのかしらね?
私達を呼び出す理由って」
「さぁ?
けど、クロノス達の事だしロクな物じゃないハズよ」
職員室に入った2人は、鮫島が不在という理由で臨時の校長になったクロノスと新しく教頭として赴任したナポレオンの2人に応接室へ案内された
クロノスとナポレオン、明日香とみさとが並んで椅子に腰掛けながら向かい合うと明日香は話を切り出した
「…クロノス臨時・ナポレオン教頭、私達に何の御用でしょうか?」
「ゴホン…えー、シニョーラ 明日香・シニョーラ みさと
あなた達にーハ、我々が新しく設立する『アイドル養成コース』に移って貰いたいーノ」
「「「アイドル養成コース」…?」」
クロノスの一言を、明日香とみさとは思わず繰り返した
愛想笑いを浮かべるクロノスとナポレオンに、明日香とみさとは顔を見合わせた
「このデュエルアカデミアには華が必要なのでアール
そして、我輩達はあなた達ならデュエルアカデミアの華になると確信しているのでアール
ですから、あなた達にはムッシュ 吹雪とアイドルグループを結成して貰うのでアール」
「そして、更なるエリートを育成する為に我々はレッド寮を廃止する事を考案していまスーノ」
その一言に、明日香とみさとはピクリと反応した
「何ですって…?」
「どういう事ですか?
いきなりレッド寮を廃止するなんて…今のレッド生達はどうなるというんですか!?」
「勿論、全員退学にするのでアール」
「…冗談じゃないわ!!」
ガタンッと勢い良く椅子から立ち上がったみさとは、クロノスとナポレオンを睨み付けた
「アンタ達、それでも教師な訳!?
生徒を伸ばすんじゃなくて捨てるとか…ふざけんじゃ無いわよ!!」
「みさとの言う通りです
私はその話を断らせて貰います」
「あたしも
行きましょ明日香、ここにいるだけ時間の無駄だし」
「ええ、失礼します」
「ちょっ、ちょっと待つノーネ!!」
クロノスの制止を振りきって、明日香とみさとは応接室を出て行った
ブルー寮へ帰る途中、2人の話はクロノス達の事だった
「ったく、あの蝋人形に豚は何を考えてんのかしらね!?」
「ええ…自分勝手にも限度というものがあるわ
…けど、このままブルー寮にいたら、またクロノス臨時達のスカウトが来るわよ?」
「……なら、やる事は1つね」
頷き合った2人は、それぞれの自室に一旦帰った
自室に戻ったみさとを出迎えたのは、見覚えの無い大きな箱だった
「…何コレ?」
[怪しいな]
[怪しいぜ]
[怪しいですね]
[クリクリ]
三騎士達とクリボーは、みさとの後ろで揃って頷いた
警戒しながらも箱の包装を解くと、中にはオレンジ色のフリフリドレスが入っていた
「な、何なのコレェ……;」
[みさと、手紙が入ってるぞ]
ジャックの視線の先には、包装に隠れた1通の手紙があった
『この衣装で、目指せアイドルデュエリスト!!
BY クロノス&ナポレオン』
手紙を読んだ瞬間、みさとはグシャリッと手紙を握り潰した
「あ…ん…の……大ボケ共がァーッ!!!!」
……荷物を纏めてブルー寮を出た明日香とみさとは、真っ直ぐレッド寮の十代達の部屋へ向かった
中では十代と翔・万丈目…そして見知らぬイエロー生が騒いでいた
「明日香・みさと?」
「どうしたんスか?」
「この人はもしかして…!!」
「…ブルー寮を出て来たの」
「悪いけど、暫く置いてくれない?」
「「「「ええええーっ!?」」」」
部屋中に、4人の男の絶叫が響いた
「……素敵!!
こんなに良い部屋を、本当に私達で使っていいの?」
「勿論さ!!
(……天上院くんは、な…!!)」
丁度その日、レッド寮に嫌気がさした万丈目が業者に作らせていた『万丈目ルーム』が完成していたので、明日香とみさとはその部屋を使う事になった
「でも明日香・みさと、何でブルー寮を出て来たんだ?」
「…これ見てよ」
明日香は鞄の中から、真っ赤なフリフリなドレスを取り出した
「ゲッ、何じゃそりゃ!?」
「クロノス臨時とナポレオン教頭ったら、私達にコレを着て歌いながらデュエルするアイドルになれって言うのよ」
「アイドル……良い!!」
「「良く無いわよ!!」」
アイドルになった明日香を想像した万丈目に、明日香とみさとは同時にツッコんだ
「クロノス臨時とナポレオン教頭、鮫島校長がいない事をいいことに好き勝手し放題なのよ」
「しかもコレと同時進行で、レッド寮を廃止するつもりみたいよ」
「何だって!?」
「そんなァ!!」
「このまま好き勝手にやらせる訳にはいかないわ」
「十代、あたし達も手を貸してあげる
思いっ切り反抗してやりましょ」
「ああ、勿論だぜ!!」
明日香とみさとの決意に、十代はグッと拳を強く握り締めた
「…ところで明日香、何でそれ持って来たんだ?」
キョトンとした顔で、十代は明日香の持っているドレスを見た
「えっ…そ、それは…その……///」
「確かにね
あたしのとこにもオレンジのドレスが来てたけど、速攻で送り返したわよ?」
「えっと……///」
真っ赤になる明日香に、三騎士達とクリボーがみさとの後ろにスウッと現れた
[…ひょっとして、十代くんに見て貰いたかったんでしょうか?]
(ああ~…有り得なくは無いわね)
[あの嬢ちゃん、十代に気が有るのか?]
[見事に真っ赤だな]
[クリクリィ~]
(…これ以上は明日香がかわいそうだし、ここまでにしましょうか……)
話題を変える為に、みさとは1つ咳払いをした
「ゴホンッ
…ところでさ、話は変わるんだけど……」
みさとの視線は、見知らぬイエロー生に向いていた
「十代・翔くん、さも当然のようにここにいるけど…この子誰?」
「わ、私もそれは気になったわ」
チャンスだと言わんばかりに、明日香はドレスを慌てて鞄にしまった
その筋肉質なイエロー生は、目を輝かせて明日香とみさとの前に立った
「─初めましてザウルス!!」
([[[「ザウルス」…!?]]])
その独特な口調に、みさとと三騎士達は内心ツッコんだ
「オレは新入生のティラノ剣山というドン!!
やっぱり、あの噂は本当だったザウルス!!」
《「あの噂」…?》
剣山の一言に、十代達は揃って首を傾げた
「「今アカデミアには
「嘘ォ!?」
「お会い出来て光栄だドン!!」
「そ、そう……ありがと…;」
純粋無垢な瞳に見つめられ、みさとはタジタジになっていた
「それはそれとして、どうして剣山くんは十代と一緒に?」
明日香の疑問に、剣山は表情をパアァッと輝かせた
「よくぞ聞いてくれたドン先輩!!
実はオレ、十代の兄貴の舎弟になる事にしたザウルス!!」
《舎弟?》
剣山の一言に、明日香とみさとと三騎士達は声を揃えた
「剣山くん!!
アニキの子分の座は渡さないからね!!」
「臨むところだドン!!」
バチバチと火花を散らす翔と剣山に、明日香は苦笑した
「なるほどね…;」
「やれやれ……はいはい、ケンカは止め!!」
一触即発の翔と剣山の間に、みさとは割って入った
「剣山くん、一旦落ち着いて
翔くんは大人気ないわよ」
「す、スイマセン…」
「ごめんなさい…」
「スゲーな、みさと!!」
そんなみさとを見てケラケラ笑う十代を、みさとはジト目で見上げた
「十代、アンタが止めなさいよね
まったくもう……」
十代に呆れながら髪をかき上げたみさとは、剣山に右手を差し出した
「一応自己紹介って事で
あたしは七瀬 みさと、みさとで良いからね」
「私は天上院 明日香、私も明日香で良いわ」
「よ、よろしくお願いするザウルス!!
みさと先輩・明日香先輩!!」
「あ、そうだ
あたしの事、
あの呼び名、実はあんまり好きじゃないのよ」
「そうなんスか?」
「だって当て字が乙女よ、乙女
あたしに乙女なんて言葉が似合うと思う?」
「ふん、これ以上にない程似合わな…フブゥッ!!」
偉そうに言った万丈目に、近くに転がっていたバランスボールが直撃した
[[[ア、アニキィ~!!]]]
[ヘッ、自業自得だな]
倒れた万丈目に寄り添うおジャマ三兄弟を見て、キングは吐き捨てるように呟いた
……それから数週間後、翔はオベリスクブルー 3年の胡蝶 蘭とのデュエルに勝利しラーイエローへ昇格した
それからまた数日後、アカデミアを卒業してプロリーグで活躍中の亮のデュエルが行われた
相手はエド・フェニックス
アカデミアでも模範デュエルになるとして、生徒全員でビデオルームに集まってそのデュエルを見物することになった
生徒達は亮の勝利を確信しながら、デュエルを観戦していた
その中にみさとの姿もあったが、その表情は険しかった
[みさとちゃん、やっぱりエドくんの事が気になりますか?]
(ええ……あのバカが、妙な事をしでかしそうな…嫌な胸騒ぎがするのよ…)
…カイザー亮として名を轟かせている男が、抵抗も空しくエドによって倒される様を十代達は目の当たりにした
エドが使ったデッキは、十代と同じヒーローデッキ
そのデュエルを見ていた十代達は、驚きで声も出なかった
「お兄さん…」
「あのカイザーが…負けるなんて……」
翔と三沢は、思わず立ち上がり呆然としていた
デュエルの終わった映像には、エドが取材を受けている姿があった
『見事な勝利でした、エド・フェニックス!』
『ありがとうございます
今回のデッキは前から作っていた秘蔵のデッキで、今回が初めてのデュエルだったんです』
大量のカメラのフラッシュを浴びながら、取材陣から向けられたマイクにエドは優雅に応えていく
『何故、このタイミングで?』
『僕が入学するデュエルアカデミアに、僕と同じ…ヒーローデッキを使うデュエリストがいるんです』
「…え?」
エドの答えに、画面越しで十代が目を見開いた
『元々ヒーローデッキは僕の方が早く作っていたのですが…このデュエリストがマニアの間で有名になってしまった
先日彼がカイザーに引き分けたと聞きました、ならば僕がカイザーに勝てば僕の方が強いと言うことになる…だからこの機にデッキを披露したんです』
そう淡々と言うエドに十代達の顔付が険しくなり、その中でもみさとの表情は怒りに満ちていた
(何よそれ…それって、亮さんをダシにしたって事じゃない…!!)
『でも、ファンの中ではそれでも不十分と言う人もいるでしょう…だから僕はこの場を借りて、同じヒーローデッキを使うデュエリスト…遊城 十代に挑戦する事を宣言したい』
十代の周りに座っていた翔達は、思わず十代の方を見た
『遊城 十代、明日僕は学園に行く
その時、本当の決着をつけよう…どちらがヒーローを使うのに相応しいのかを』
「面白ェ、ワクワクすんじゃんか!!」
エドからの挑戦状に、十代はワクワクしていた
そんな十代を見て、みさとはまた表情を険しくさせていた
(エド…アンタ、何を考えてんのよ…?)
…翌日、アカデミアのデュエルフィールドには十代とエドが向かい合い、観客席には翔達とクロノスとナポレオンしかいなかった
[クリクリィ!!]
[みさと、エドのデッキが妙だ]
デュエルが始まる前、観客席のみさとの膝の上にいたクリボーが騒ぎジャックが真剣な声を出した
(アイツのデッキが…?)
ジャックに続くように、クィーンとキングも喋り出した
[おう……何か、得体の知れない力を感じるな]
[これまでお嬢と闘り合ってたデッキと同じだよな…?]
[エドくんもヒーロー使いだった事は、前から知ってましたけど…]
(そうね…それに、前から感じてるこの嫌な胸騒ぎ……当たらないと良いんだけど…)
みさとが不安が拭いきれないまま、十代とエドのデュエルは始まった
序盤はお互いのヒーローの攻防が続いていた
だがそれは、エドが『
「読みが甘かったな、十代…確かにお前はいい腕をしたデュエリストだ
だが、お前は絶対に僕には勝てない、何故なら…僕にはあるものがお前には無いからだ!!」
「オレには、無いもの?」
「ヒーローを渇望する理由さ、僕はこのD-HEROの力を使い父さんを殺した奴に復讐する!!」
エドの父親は、インダストリアルイリュージョン社に勤める優秀なカードデザイナーだったが、何者かに襲われ命を落としてしまった
「そんな…まさか、お前の父さんが…!?」
「そうさ…父さんが最後に作り上げたカード、それがこのヒーロー Dシリーズ…!!
父さんが僕に与えた力…かつて僕も信じていたさ、お前のように正義の力を…だから僕は待った、犯人が捕まるのを!!」
しかし、エドの父親を殺した犯人は特定さえも出来ていない人物
エドはD-HEROの力で犯人を裁く事が目的であり、プロになったのもその為
世界で1枚しかないカードを所有する人物を…犯人を探し出す為に戦って来た
「僕は許さない…父さんを殺した悪を、いや…平気で悪を行う人間を!!」
「けど!!
せっかくお前の父さんが残してくれたカードを、復讐の道具に使うなんて…」
「わかったような口を聞くな十代!!
ムカつくんだよ…お前のように憧れだけでヒーローを使う奴が!!
僕には必要なんだ、奴を倒す為に僕に力を与えてくれる本当のヒーローが!!」
エドは怒りをそのままにデッキからカードを引いた
「行け、ドレッドガイ!!
ターンオブドレッドノート!!」
大きく振りかざした腕が
「…消えろ、雑魚」
そう侮蔑を吐き捨ててエドは背を向け、フィールドを降りて行った
《十代/アニキ/兄貴!!!!》
全員の叫びが響く中、ライフが0になり倒れこむ十代のデッキのカードが空に舞う
十代の閉じかけた瞳には自分のカードが真っ白に映り、そのまま前かがみになって倒れ込んだ
「エド…アンタ……!!」
みさとの声にエドは立ち止まり、背を向けたまま言い放った
「…次はお前だ、みさと」