「はーあー……何で誰も相手してくれねーんだよぉ……」
斎王のデュエルの後、十代の対戦相手探しを手伝うみさと達は森の木陰で休憩していた
「そんなにしょぼくれてんじゃないわよ
あたしだって、ジニー以外は誰も相手してくれてないんだから」
「いきなりアニキやみさとさんとやって、メダル取られたらたまんないッス」
「皆、兄貴達の強さにビビッてるドン」
「その通りですよ」
みさとは大きく背伸びをしながら、翔達はデッキ調整しながら十代に声をかける
「あーっ!!
誰かオレとデュエルしてくれー!!」
[[クリクリ~]]
そこに、慌てた様子のハネクリボーとクリボーが十代達の周りを回った
「どうした相棒?」
「クリちゃんズ、何かあったの?」
「何スか、クリちゃんズって…;」
翔がやんわりツッコむ中、晴れていた空が急にドンヨリとした曇り空へ変わっていく
「急に曇って来たザウルス…」
「一雨来そうですね…」
剣山とかりんが呟いた次の瞬間、ドオオォンッと大地を揺らすような轟音が響き、森の奥の方で炎々と燃え上がる炎が一直線に立ち昇る
「な、何だアレ!?」
「アレ、ホントにソリットヴィジョンなんスか!?」
炎に目を見開く十代達の隣で起きたみさとの異変を、いつの間にか側に控えていた三騎士達が見つけた
[おい、みさと…?]
[お嬢、しっかりしろ]
[どうかしたんですか?]
「…この感じ……前にもどこかで……」
《え?》
その呟きに、三騎士達と十代達は一斉にみさとの方を振り返った
「何だありゃ!?」
炎から黄金色の翼が姿を出すのを見た瞬間、みさとの脳裏に思い出したくない光景が蘇った
(─アレってまさか…そんな……ッ!!)
…結局その炎の正体は分からず終いに終わり、十代は対戦相手をどうにか見つけて勝利し、何とか初日のノルマをクリアした
……翌日、十代とみさとは校長室へ走っていた
「急げみさと!!」
「分かってる、レディを急かすんじゃないわよ!!」
「…レディって誰だ?」
「ぬぁんですって…?」
ほんの少しの怒りとどこかワクワクした口調で言い合いながら、2人は校長室へ雪崩れ込んだ
「「─隼人/くんが来てるって!?」」
「…十代・みさとさん!!
元気そうなんだなぁ!!」
振り返ったスーツ姿の男性 前田 隼人はその巨体で十代に抱きつき、思わず苦しそうにもがく十代も再会に嬉しそうに笑っていた
「何よ、スーツ姿が様になっちゃって
すっかり社会人の仲間入りね」
「まだ新人だから、大した事は出来て無いんだなぁ」
「No Noー!!
隼人ボーイの才能は、素晴らしいデース!!」
十代達の話に鮫島校長と一緒にいた男性が、両手を広げて入って行った
「…誰だ?」
首を傾げる十代に鮫島校長と隼人はギョッとして、みさとは盛大にスッ転んだ
起き上がると同時に、みさとはどこからか取り出した竹刀でバッシイイィンッと十代を殴り倒した
「アホかーっ!!
デュエルモンスターズの生みの親、ペガサスよ!!」
「今のオレの職場の名誉会長でも有るんだな」
「えっ!?
この人が!?」
「そうよっ!!
っていうかアンタ、知らなかったの!?」
「おう」
「「おう」じゃないわよっ!!
ったく……久しぶりね、ペガサス」
「みさとガール、お久しぶりデース!!
お元気そうデスネ」
「アンタもね
…んで、一応紹介しておくわね
このバカは、隼人くんの友達の遊城 十代よ」
「何だよバカって!!」
「間違っちゃいないでしょうが」
「Ohー!!
ユーが十代ボーイデスか!!
話は隼人ボーイから聞いていますヨ」
「えへへ、どうも」
「…それで2人共、どうしてここに?」
みさとの一言でその場の空気は引き締まった
「ユー達にならバ、話しても良いでショウ……」
神妙な口調のペガサスに、十代とみさと…そして奥に控えている三騎士達は顔を見合わせた
「「ええーっ!?」」
…数分後、十代達の絶叫が校長室に響いた
「─神のカードが…『ラーの翼神竜』が盗まれた!?」
「そうなんです…」
話に頷く鮫島校長に、みさとは待ったをかけた
「ちょっと待って、そんなのおかしいわ!!
神のカードはもうこの世には無いのよ!?」
「どういう事だ?」
「あたし、三幻神と千年アイテムの最期を見てるもの
もう、誰の手にも渡らないハズなのに……」
「みさとガールの言う通リ、オリジナルは存在しまセン
ですが研究用にしてコピーカードを保管しておいたのデスが、それをうちのメインデザイナーが持っていってしまったのデース」
「しかもそのデザイナーが、この大会に紛れているみたいなんだな」
「じゃあ、昨日のアレは……!!」
[ラーの翼神竜の力、だったんですね…]
見かけた禍々しい炎を思い出し、みさととクィーンは真剣な表情を見せた
「コピーとはいえ、その力は計り知れない
既に何人ものデュエリストたちが被害に遭っている」
「癪だけど同意ね…このまま放置したら、全員の命が危ないわ
ラーの翼神竜は、三幻神の中でも最強の神なんだから」
鮫島校長とみさとの話に、その場の全員が気を引き締めた
『ジェネックス全参加者に告げる
一時的に大会を中断、全員外出禁止を命じる
繰り返す…』
鮫島校長が島中に校内放送を言い流す中、十代とみさとは隼人を連れてレッド寮まで歩いて行った
久しぶりの再会で話は弾ませながら十代達の部屋へ着くと、中で待っていた翔が驚いたように走り寄ってきた
「隼人君!?」
「翔!!
元気そうなんだなぁ…でも今は、ゆっくり話してる暇はないんだな」
「誰ドン?」
「さぁ…?」
知らない顔に首を傾げる剣山とかりんをよそに、翔は十代達に話し掛けた
「外出禁止って、どういう事っスか?」
「ああ……ちょっとな」
「十代・みさとさん、やっぱり行くのか?」
「「ああ/もちっ」」
隼人は心配そうに2人を見て、2人にそれぞれ1枚ずつカードを手渡した
「これは?」
「オレが作った、新作のカードなんだな
何かの役に立つと良いが…」
「ヤダ何コレ凄い!!
役に立つに決まってるじゃないの!!
流石ね、隼人くん!!
アンタは出来る奴だって信じてたわよ!!
もう最高ーっ!!」
ハイテンションなまま、みさとは貰ったカードを片手に隼人に飛び付いてそのまま跳び跳ねていた
「…それじゃあ、行って来るぜ」
「行って来るわね」
気をつかって翔達に本当の事を伝えなかった隼人に、「気をつけて」と見送られ、十代達はペガサスの所へと駆け出した
「皆もよろしくな!!」
ペガサスの所へ走りながら、十代は宙を飛ぶ三騎士達を見上げた
[フッ、任せておけ]
[オレ達なら、きっとやれるさ]
[紛い物とはいえ相手は神、気を引き締めていきましょう]
[[クリクリーッ!!]]
クリボーとハネクリボーが横で跳ねるのを見ながら、2人は走り続けた
「「─会長さーん/ペガサスー!!」」
見覚えの有る後ろ姿に、十代とみさとは揃って声をかけた
「…十代ボーイ・みさとガール……」
ペガサスは2人に話をする為に、近くの石に腰掛けた
…過去にもコピーを使おうとした者達はいた
しかし神の怒りに触れ、中には命を落とした者も居た事をペガサスは包み隠さずに話した
「命を……」
[随分と物騒な話だな]
[それだけ、神のカードは恐ろしい代物という事でしょうね…]
絶句する十代の隣で、ジャックとクィーンの話を聞いたみさとは1つ頷いた
「神のカード…特にラーの翼神竜は「化け物」…とでも言うしかない程の力を持ってるわ
だけど、選ばれた人にしか使いこなせないカードなの
あたしが知ってる中でも、2人しかいないわ」
「2人?」
「武藤 遊戯とマリク・イシュタール…バトル・シティの優勝者と準優勝者デース」
「バトル・シティっていえば、みさとは上位8人の1人だよな!?」
「まぁね……けど、あの決勝トーナメントは地獄だったわ……」
話しながら視線を反らすみさとを見て、十代とペガサスは何も言えなかった
[ッ…お嬢っ!!]
鬼気迫る口調で叫んだキングの声に、みさとと十代はキングの視線の先を見た
「─これはこれは…ペガサス会長」
そこには白コートに身を包んだ1人の男が、ラーの翼神竜を見せるように立っていた
「Mr’フランツ!!
それを返すのデス!!
取り返しのつかないことになるのは、あなたにもわかっているはずデース!!」
「えぇ、わかっていますよ…この世で最強のカードだと言う事を」
そう言いながら、フランツと呼ばれた男は神のカードをデッキに加えてシャッフルした
「何の真似、デスカ…?」
「このデッキを破ることが出来たら、カードを返しましょう」
不敵に笑うフランツを見てみさとと三騎士達は頷き、仕方なしにとデュエルディスクを構えるペガサスの前に歩み出て、スッと片手でペガサスを制した
「ペガサス、あたしに行かせてちょうだい……」
「みさとガール…」
「
いくら伝説のデュエリストと呼ばれていても、お前程度がこの神に勝てると思っているのか?」
「「勝てると思っている」、じゃないわ……勝つのよ」
「出来る訳が無い!!
このラーの翼神竜こそ、最強の力なんだからな!!」
「みさと、オレも一緒に「大丈夫、ここはあたし達に任せて」
デュエルディスクを構えようとする十代を制したみさとは、自分のデュエルディスクを装着した
「仲間の助太刀も断るとはな、バカな女だ」
「……バトル・シティ 決勝トーナメントで、あたしは三幻神をこの目で見たわ
そして…神のカードの前に倒れていくあたしの仲間達の姿も今でも思い出せる……思い出したくないけどね」
痛々しい声色で言うみさとは右手を強く握り締め、威圧のこもった口調でフランツに語りかけた
「確かにラーの翼神竜は、三幻神の中でも最強の神よ
だからこそアンタみたいな半端な考え方の奴なんかに、ラーが使いこなせる訳が無いわ
大人しく神を返しなさい」
「……それが出来るんだ、この私ならばな!!
お前を倒せば、ペガサス会長も私を認めざるおえないだろう!!」
(ダメね、言葉じゃ届かないわ……)
[まあ、最初からそうだとは思ってたがな]
[神相手に、オレ達の剣が届くのか…?]
[届かせましょう、私達全員が力を合わせるんです!!]
[クリクリーッ!!]
「(…あたし達なら出来る!!)
行くわよ、クィーン・キング・ジャック・クリちゃん!!」
[[[[おうっ/はいっ/クリッ!!]]]]
「Oh…みさとガールが、精霊と心を通わせていマース……」
ペガサスが呟く中、両者のデュエルディスクは起動した
「「─
…そして、神を賭けた文字通りの決闘が始まった
フランツ LP 4000
みさと LP 4000
「私のターン、ドロー!!
私は『ヌビアガード』を守備表示で召喚!!」
フランツのフィールドに現れたモンスターは、守りの体制をとった
ヌビアガード
☆2 炎属性 戦士族 ATK 500 DEF 500
「カードを3枚伏せて、ターンエンド」
「あたしのターン、ドロー!!
神を出す前に、一気に攻めさせて貰うわ
手札の『ライトレイ ソーサラー』を墓地に送って『ライトレイ グレファー』を特殊召喚!!」
みさとのフィールドに屈強な光の戦士が現れた
ライトレイ グレファー
☆4 光属性 戦士族 ATK 1700 DEF 1600
「─速攻魔法『フォトン・リード』発動
手札からレベル4以下の光属性モンスター1体を特殊召喚出来る
『
みさとのフィールドの三騎士達の隣に、白鳥を模した星の鎧を纏った女性騎士が現れた
☆4 光属性 戦士族 ATK 1500 DEF 1000
「デネブの効果発動
特殊召喚に成功した時、デッキからデネブ以外のテラナイトモンスターカード1枚を手札に加える事が出来る
この効果でデッキから、『
みさとのフィールドに、レイピアと呼ばれる細長い剣を持った騎士が現れた
☆4 光属性 戦士族 ATK 1200 DEF 1600
「リュラの効果発動
召喚に成功した時、デッキからテラナイト魔法カード1枚を手札に加える
デッキから『
自分フィールドのテラナイトモンスターの数だけ、フィールド上の魔法・罠カードを破壊出来る
あたしのフィールドのテラナイトは2体、アンタのフィールドの伏せカード2枚を破壊よ!!」
フランツのフィールドに降り注いだ星の光が、フランツのフィールドに伏せてあった『ドレインシールド』と『神の恵み』を破壊した
「(どっちも回復のカード…ラーの効果対策か)
─星騎士 リュラと星因士 デネブでオーバーレイ!!」
上空に現れた渦に、2人の星の騎士達が吸い込まれていく
「エクシーズ召喚!!
─ランク4 『
上空の渦から大きな光の柱が生まれ、光の中から青白い鎧を纏った騎士が現れた
輝光子パラディオス
★4 光属性 戦士族 ATK 2000 DEF 1000
「ッ…噂の新たな召喚方法か」
「バトルよ
ライトレイ グレファーで、ヌビアガードを攻撃!!」
ライトレイ グレファーの剣が、守りの体勢のヌビアガードを切り裂いた
「パラディオスでダイレクトアタック!!」
輝光子パラディオスの光の剣の一太刀が、フランツの体を切りつけた
「ぐあああっ!!」
フランツ LP 4000→2000
「カードを1枚伏せて、ターン終了よ」
「─ッ…ならこの時に永続罠を発動、神の恵み!!」
「ッ…2枚も伏せてたっての!?」
破壊したハズのカードの発動に、みさとは面食らった表情でフランツを見た
「ドローする度に、私は500のライフを回復する
そして私のターン、ドロー
早速、神の恵みで500のライフを回復
─更に魔法カード『強欲な壺』、更に2枚のカードをドローして神の恵みの効果でライフを回復」
フランツ LP 2000→2500→3000
デッキから連続でカードを引いたフランツは、狂気的に笑い出した
「ククククク…フハハハハハ!!
遊びの時間は終わりだ!!」
「何だアイツ!?」
「まさか…Mr.フランツ、止めるのデース!!」
「七瀬 みさと、手始めにお前に拝ませてやろう…神の力を!!」
(神は最上級のモンスター、自分フィールドのモンスターを3体生け贄にしないと出せない…がら空きのフィールドで、どうするつもり?)
「─私は『ラーの使徒』を召喚!!」
フランツのフィールドに、黄色の民族衣装を来た男が現れた
ラーの使徒
☆4 光属性 天使族 ATK 1100 DEF 600
「ラーの使徒……?」
「No……あんなカード、ワタシは作っていまセーン…」
「って事は、アイツが自分で作ったって事ね……」
見た事の無いモンスターに、十代達は戸惑っていた
「ラーの使徒の効果発動だ!!
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、手札かデッキから同名モンスター2体を特殊召喚出来る!!
デッキから2体のラーの使徒を特殊召喚だ!!」
「何だって!?」
「では、この1ターンで3体のモンスターがフィールドに揃いマース!!」
「何よそのイカサマカード!!」
十代達が驚く中、フランツのフィールドには3体のラーの使徒が現れた
「─魔法カード『
この3体のラーの使徒達を生け贄に捧げる!!
─眠りし神の魂よ 今その姿を蘇らせ この者に立ち向かう愚かさを知らしめるのだ!!
─出でよ、
フランツが手札の1枚をデュエルディスクにセットすると、空は一気にどんよりとした曇り空に変わり、黒い雲の中から眩い光がゆっくりと落ちてきた
「あれが…神……」
「Oh my god……」
「ホントに、出たのね……」
ゆっくりと落ちて来る光の球体を見上げ、十代達は呟いた
ラーの翼神竜
☆10 神属性 幻神獣族 ATK ? DEF ?
「フハハハハハ!!
これこそが神のカード!!
ラーの翼神竜だ!!
ラーの翼神竜 第1の効果……ラーの攻撃力と守備力は生け贄に捧げたモンスターの攻撃力の合計数値となる!!」
「ラーの使徒の攻撃力は1100、それが3体だから…」
ラーの翼神竜 ATK ?→3300 DEF ?→3300
[どうすんだ、お嬢…?]
[こんなに早く出して来るとはな…]
[あの状態が本体とは思えませんが、禍々しい力を感じますね…]
[クリィー!!]
高笑いするフランツを睨みながらみさと達はラーの翼神竜を見つめ、クリボーは脅えていた
「…アンタ、自分の命が惜しく無いの!?」
「今更怖気づいたか、無様だな」
「んな訳無いでしょ!!
…バトル・シティ 決勝トーナメントには、ラーの翼神竜の偽物カードを使った奴も居たわ
そいつは神の怒りに触れて、神の裁きを受けた
アンタ、アイツと同じ道を選ぶっていうの!?」
「「神の裁き」か…そんな物、私の技術の前には無力だ!!」
自信過剰な思考回路での発言を続けるフランツに、みさとは諦めに似たため息をついた
「……ラーの翼神竜はヒエラティク・テキストを唱えないとその真の能力を発動させる事は出来ないのよ
アンタにそれが出来るっての?」
「フン、そんなモノに頼る必要は無い
何故なら、私は神をも支配する力を手に入れているからだ!!」
《なっ…!?》
言い切ったフランツに、全員が目を見開いた
「これが私の支配の力だ!!
─フィールド魔法『神縛りの塚』を発動!!」
ジャララララッとフィールドから飛び出てきた鎖がラーの翼神竜を縛り付け、球体の姿を無理矢理に竜の姿に変えさせられた
「な、何だあのカード…!?」
「Mr.フランツ…何という事を……」
「いくらなんでも、乱暴過ぎるでしょ……」
「フハハハハハ!!
見たか!!
神は最早、私の僕となったのだ!!」
「お前…!!」
「とんだ外道ね…」
大笑いするフランツに十代は怒り、みさとは冷たく言い放った
「フン、偉そうに言ったところで神の前では無力だという事を教えてやろう!!
ラーの翼神竜 第3の特殊効果発動!!」
「第3…まさか!!」
「知っているようだな
この効果はライフを1000払う事で、相手フィールドのモンスター全てを破壊する!!」
「何だって!?
じゃあ、みさとのモンスター達は…!!」
「─雑魚共を蹴散らせ、ゴッド・ブレイズ・ノヴァ!!」
フランツ LP 3000→2000
ラーの翼神竜の放った黄金色の炎が、みさとのフィールドのモンスター達を焼き尽くした
「くッ…パラディオスの効果!!
このカードが相手によって破壊されて墓地に送られた時、デッキからカードを1枚ドローする」
「だがこれでお前のフィールドはがら空きだ
死ね、七瀬 みさと!!
─ゴッド・ブレイズ・キャノン!!」
ラーの翼神竜が悲鳴に近い声をあげながら放った炎が、ドオオォォッと音をたててみさとを直撃した
「あああぁあああぁーッ!!」
「「みさと/ガール!!」」
みさと LP 4000→700
「フン、死に損ないめ
まあ所詮、伝説のデュエリストも私の僕たる神の前では無力という事か
ターンエンドだ」
「─ッ、リバース発動
罠カード『ショック・ドロー』
発動ターンに受けたダメージ1000ポイントにつき、デッキからカードを1枚ドロー出来る
受けたダメージは3300、3枚ドローよ」
機嫌良さそうにするフランツを無視して、デッキからカードを引いたみさとは鎖に縛られているラーを見上げた
(偽者の神の攻撃が、こんなにしんどいなんて……本物を喰らった克也兄ちゃんってば、どんだけタフなのよ…!!
それにしてもさっきの攻撃の時、ラーの声が凄く悲しく聞こえたような……)
「「「「─みさとさん/先輩/お姉様!!」」」」
考え込んでいるみさとの後ろから、翔・隼人・剣山・かりんの4人が走ってきた
「お前等…!?」
「アンタ達、何で……?」
「すみません、会長
オレが話してしまったんだな…」
「隼人くんは悪くないよ!!」
「そうザウルス!!
オレ達が問い詰めたドン」
「お姉様…本当に神を相手に……」
現れた隼人を見たフランツは、忌々しそうに舌打ちをした
「チッ…前田ァァ…ッ!!
さっさとターンを始めろ!!
悪あがきにしかならないだろうがな!!」
「何キレてんのよ…ッ、あたしのターン
─魔法カード『天使の施し』、デッキからカードを3枚引いて手札を2枚墓地に送る」
デッキからカードを引いたみさとは、2枚のモンスターカードを墓地に送った
「─魔法カード『死者蘇生』、墓地のモンスター1体を特殊召喚出来る
天使の施しで墓地に送った『クィーンズ・ナイト』を特殊召喚!!」
みさとのフィールドに現れたクィーンは、ヒュンッと音をたてて剣をふるった
クィーンズ・ナイト
☆4 光属性 戦士族 ATK 1500 DEF 1600
[偽者とはいえ神
この肌を突き刺すような威圧感だけは本物ですね]
「そうね
けど、あたし達ならやれるわ…いくわよクィーン」
[ええ…!!]
クィーンと話すみさとを、フランツは露骨な嘲笑を浮かべながら見ていた
「誰と話しているんだ?
私の神をも支配する偉大な力の前に、精神が壊れたというところか」
「アンタこそ、何1人で盛り上がってるの?
フランクフルトだかポークビッツだか何だか知らないけどね
まあ、こんなくだらない事しか考えられないアンタみたいなバカのブツは、ポークビッツ並なんでしょうけど?
アンタのポークビッツごと、潰してあげるわ」
「だ、誰がポークビッツだっ!!
私はフランツだ!!」
[みさとちゃん、お下品ですよ…;]
みさとのおぞましい発言の数々にフランツは怒り、クィーンは呆れていた
そして十代・翔・隼人・剣山は股間を押さえ、かりんに不思議がられていた
「─本番はここからよ、魔法カード『絵札融合』
自分の手札かフィールドから光属性 戦士族の融合モンスターカードによって決められた素材のモンスターを墓地に送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚出来る
更に自分フィールドに三騎士の誰か1人でもいる時、自分のデッキのモンスターも1体まで素材にする事が出来る」
「デッキから融合素材のモンスターを!?」
「何だドン、その無茶苦茶な効果は!?」
翔と剣山が驚いていると、みさとのフィールドに絵札の三銃士が現れた
「フィールドのクィーンズ・ナイト、手札の『キングス・ナイト』…そしてデッキから『ジャックス・ナイト』を融合
─三種の紋を司りし 聖なる光の騎士達よ
その強き意志集わせ 邪なる未来をなぎ払え
融合召喚!!
─導け『アルカナ ナイトジョーカー』!!」
融合の渦に飲み込まれた三騎士達が1つになり、みさとの最強の騎士になった
アルカナ ナイトジョーカー
☆9 光属性 戦士族 ATK 3800 DEF 2500
「来たぜ!!
みさとの最強の騎士!!」
「攻撃力もラーの翼神竜を上回ってるドン!!」
「行けー!!
みさとさーん!!」
「いくわよ…アルカナ ナイトジョーカー、ラーの翼神竜を攻撃!!
─アルカナティック・デルタ・スラッシュ!!」
アルカナ ナイトジョーカーの一太刀が、ラーの翼神竜を斬り裂いた
「ぐあああぁあっ!!」
フランツ LP 2000→1500
「神が…倒れた…!?」
「スゲー…スゲーぜ、みさと!!」
目の前の光景を呆然と見つめるかりんの隣で、十代は目を輝かせた
「カードを1枚伏せて、ターン終了よ」
「よくも…よくも私の
「寝言は寝て言うモノよ、ポークビッツ」
「黙れェ!!
私のターン、ドロー!!
神の恵みで500のライフを回復する!!」
怒りに任せてデッキからカードを引いたフランツは、カードの力でライフを回復した
フランツ LP 1500→2000
「─魔法カード『壺の中の魔導書』、互いにデッキからカードを3枚ドローする
そして神の恵みで、更に500のライフを回復する」
フランツ LP 2000→2500
「─魔法カード『貪欲な壺』を発動
自分の墓地のモンスターカード5枚をデッキに戻してシャッフルし、デッキからカードを2枚ドローする」
「Mr.フランツの墓地のモンスターは5枚デース」
「私は墓地のヌビアガードと3枚のラーの使徒、そしてラーの翼神竜をデッキに戻してシャッフル
その後カードを2枚ドローし、神の恵みでライフを回復する」
フランツ LP 2500→3000
「ククククク…フハハハハハッ!!」
デッキからカードを2枚引いたフランツは、引いたカードを見て盛大な高笑いをあげた
「急にどうしたドン!?」
「─まさか…神のカードをまた引き当てた…!?」
剣山とかりんが悲鳴に近い声をあげる中、フランツは引いたカードの1枚をデュエルディスクにセットした
「私は引き当てたラーの使徒を再び召喚!!」
フランツのフィールドに、再びラーの使徒が戻って来た
「ラーの使徒の効果により、デッキに戻した2体のラーの使徒を特殊召喚する」
「またアイツ等が…!!」
「何スか、あの見た事無いモンスター達は!?」
「確か、神のカードは3体のモンスターを生け贄にしないと召喚出来ないハズです…!!」
「けどアイツは、もう召喚権を使ってるザウルス!!」
「フランツさん、何をするつもりなんだ…?」
フランツのフィールドに3体のラーの使徒が再び現れ、十代達は思わず身構えた
「勘違いしているようだが、私はさっさのドローで神を引き当てて無い
だが、神はもう私の手中にあるも同然なのだ!!」
「what!?
どういう事ですか!?」
「─魔法カード『
自分のデッキからラーの翼神竜1体を手札に加える
更にこのターン、私は通常召喚に加えてメインフェイズ時にのみもう1度だけ生け贄召喚を行える!!」
《はああぁァーッ!!!?》
フランツが発動したカードの効果に、その場の全員が絶叫した
「デッキからモンスターを手札に加えて生け贄召喚も出来るようにするカード!?」
「何なんスか、その言ったもん勝ちみたいなカードは!?」
「じゃあ、またラーの翼神竜が戻って来るのか!?」
「折角倒したばかりなのに、無茶苦茶だドン!!」
「またデース…あんなカード、ワタシは作っていまセーン
Mr.フランツ、また…!!」
「倒されたのに、デッキに戻して無理やりまた呼び出すっていうのかよ
酷ぇ…何でそんな事が出来るんだよ…!!」
翔達の声を聞きながら、フランツはデッキからラーの翼神竜のカードを取り出してわざとらしく見せびらかした
「3体のラーの使徒を生け贄に…再び現れよ、
再び3体のラーの使徒が光となって消え、フランツのフィールドに球体状の不死鳥の神が現れた
「ラーの攻撃力と守備力は、生け贄としたモンスター達の攻撃力の合計…再び3300となる
フィールド魔法 神縛りの塚により、ラーは私の支配下におかれる!!」
ジャララララッとフィールドから飛び出てきた鎖がラーの翼神竜を再び縛り付け、球体の姿を無理矢理に竜の姿に変えさせられた
「フランツさん…」
隼人の声に苛立ちながら、フランツはラーの翼神竜に指示を出した
「チッ…あんな生温い奴なんかに、何故この私が劣ろされなければならないんだ!!
─ラーの翼神竜 第2の効果を発動!!」
「第2……アレを使うって言うの…!?」
悲鳴にも近い声を出したみさとに、十代達は気を引き締めた
「みさと先輩が、あんな声出したの初めて聞いたドン……」
「それだけ、とんでもない何かが来るという事なのですか?」
「その通りデス、皆さん下がってくだサーイ!!」
ペガサスの指示に従い、十代達は後ろに下がった
「私のライフを1にして、払ったライフをラーの攻撃力に加える事が出来る!!」
ラーの翼神竜が頭を垂れフランツが触れた瞬間、眩い光がその場を包み込みフランツはラーの翼神竜の額に融合した
「な、何スかアレは!?」
「フランツさんが、神のカードと一体化したんだな!!」
フランツ LP 3000→1
ラーの翼神竜 ATK 3300→6299
「攻撃力 6299!?」
「アルカナ ナイトジョーカーの攻撃力を軽々と越えました!!」
「喰らえ!!
─ゴッド・ブレイズ・キャノン!!」
「お姉様!!」
「残りのライフはたった700!!」
「もう後が無いんだな!!」
ラーの翼神竜の炎が迫る中、みさとは伏せていたカードを開いた
「─ッ…リバース発動、罠カード『和睦の使者』
発動ターンの相手から受けるダメージを0にして、自分フィールドのモンスターを戦闘破壊から守る!!」
みさとのフィールドのアルカナ ナイトジョーカーの前に現れた水色のローブの集団は、全力で防御の魔法を使ってラーの翼神竜の炎を防ぎ切った
「チッ…カードを2枚伏せて、ターンエンドだ
神の力を思い知ったか?
サレンダーするなら、今のうちだぞ?」
「「サレンダー」?
何であたしがそんな事しなきゃいけない訳?
あたしのターン、ドロー
『星因士 シャム』を召喚」
みさとのフィールドに現れた星の鎧を纏った弓騎士は、ラーの翼神竜と合体したフランツに弓を向けた
星因士 シャム
☆4 光属性 戦士族 ATK 1400 DEF 1800
「シャムの効果発動
召喚に成功した時、相手に1000のダメージを与える!!」
「しかも、今のアイツのライフはたったの1ポイント!!」
「この攻撃が通れば、みさとさんの勝ちなんだな!!」
「キャー!!
お姉様ステキーっ!!」
「─ステラアロー!!」
弓で狙いを定めた星因士 シャムの放った矢が、フランツに飛んでいく
「─さ、させるかっ!!
リバースカード発動、速攻魔法『融合解除』!!
私と神の融合を解除、ラーの翼神竜の効果により合体時に支払ったライフを回復する
そしてラーの攻撃力は元の3300になる」
星因士 シャムの放った矢が当たる前に、フランツはラーの翼神竜から分離して難を逃れた
フランツ LP 1→3000→2000
ラーの翼神竜 ATK 6299→3300
フランツとの融合から解放されたラーの翼神竜は、また神縛りの塚の鎖に捕らわれた
「あぁ!!」
「融合解除でライフを元に戻した!!」
「しかも、また神が鎖に捕らわれたんだな!!」
「あの人、そこまでして勝ちたいの…!?」
「許せねぇ…!!」
フランツのやり方に、十代達は鋭い眼差しで睨み付けていた
「フン、神は今はこの私の僕なんだ
どうしようと私の勝手だ」
「ふざけんな!!
ラーが苦しんでるのが、分からねぇのかよ!?」
前に出て叫ぶ十代の怒声を、フランツは笑って聞き流した
「フハハハハハ!!
「ラーが苦しんでる」だと?
バカバカしい……ラーは喜んでいる、この私の力になれる事を嬉しく思っているに決まっている!!」
「─…とことんまでおめでたいバカもいたものね」
フランツの高笑いを消す程に、みさとの冷たい声がその場に響いた
「何だと…?」
「何でアンタがこんなバカみたいな事をし始めたのかは、もうどうでもいいわ
けど、これ以上喋んじゃないわよ」
「フハハハハハ!!
所詮ザコはザコ、強いモンスターの前では無力でしかないんだ!!
…ペガサス会長、もうご理解いただけたでしょう?
そんな無能な前田のような奴より、私の作ったカードの方が優れているという事が」
「Mr.フランツ……」
フランツの演説のような言い分に、ペガサスは悲しそうに首を横に振った
「いい加減にしろよ!!
さっきからお前、カードの事をバカにし過ぎだ!!」
「そうだドン!!
そんな事言うアンタに、デュエルをする資格は無いザウルス!!」
「デュエリストにとって、カードは命
それをバカにするなんて、最低です!!」
「そうっス!!
デュエリストは全力で相手にぶつかって、そして相手をリスペクトしなくちゃいけないんだ!!」
「─フランツさん、まさか……この前の事を怨んでいるのか…?」
フランツの言い分に十代達が怒る中、隼人はポツリと呟いた
「隼人くん?」
「どうしたザウルス?」
「何か、心当たりが有るんですか?」
「ああ…ちょっと前に、社内で選考会が行われたんだな」
「その通りデース
その時、隼人ボーイの作った2枚のカードは選考会で素晴らしい成績をおさめてカード化が決定しました
ですが……」
「予選落ちしたフランツさんは、断固反対したんだな
「こんなクズのようなカード、誰が求めるんだ」って
けど、誰もフランツさんの話を聞かなかったんだ」
隼人とペガサスの話に、演説をするようにフランツがまざった
「クズにクズと言って何が悪い?
弱いカードは強いカードに喰われていくのは当然、時は常に強いカードを求め続けているんだ!!」
フランツはそう言って、みさとの後ろにいるペガサスに向かって話を続けた
「だが他の誰も…ペガサス会長は私を認めなかった!!
私の作った強いカードよりも、他の新人のカードが次々と採用されていく
極めつけはあの前田のような新入りの生ぬるいカードを採用し、私のカードは目にも止めなかった!!
私の才能も 考えも 会長は認めなかったのだ!!」
「Mr.フランツ…」
「だから私は決めた!!
伝説のデュエリスト達も恐れた神のカードを上回る力を持つカードをこの手で作り、会長に私の才能を見せつけてやろうとな!!
そして私は神を操る…いや、神をも超える力を手に入れたのだ!!」
得意気に語り終えたフランツに、ペガサスは俯きゆっくりと首を横に振った
「クッ…どうあっても私の作ったカードを認めないつもりか…!!」
「当たり前でしょ?
アンタ、デザイナーとして何もかもが隼人くんに劣ってるもの
ペガサスがアンタの案を採用しなかったのか、何となく分かるわ」
「何だと!?」
みさとの一言に、フランツは噛み付くように怒鳴った
「カードデザイナーってさ、カードに命を吹き込む仕事でしょ?
カードを愛してないと、そんな事出来る訳無いじゃない…アンタみたいに欲や嫉妬に染まった心で作られたカードが、ペガサスの目に止まる訳が無いわ」
「黙れェ!!
生温い事を言ってないで、さっさとターンを終わらせろ!!」
「まだ始めたばっかだっていうのに、何でアンタにターンを渡さないといけないのよ?
─速攻魔法『
デッキからテラナイトモンスター1体を自分フィールドに特殊召喚して、自分フィールドのテラナイトモンスター1体をデッキに戻す
デッキから『星因士 アルタイル』を特殊召喚して、フィールドのシャムをデッキに戻す」
みさとのフィールドの星因士 シャムが星の光となり、光は青い翼を生やした星の鎧の騎士になってみさとのフィールドに現れた
星因士 アルタイル
☆4 光属性 戦士族 ATK 1700 DEF 1300
「アルタイルの効果
特殊召喚に成功した時、自分の墓地のアルタイル以外のテラナイトモンスター1体を守備表示で特殊召喚出来る
天使の施しで墓地に送った『星因士 ベガ』を特殊召喚するわ」
みさとのフィールドの星因士 アルタイルの隣に、星の鎧を纏った女性騎士が守りの体勢で現れた
星因士 ベガ
☆4 光属性 戦士族 ATK 1200 DEF 1600
「ベガの効果
特殊召喚に成功した時、手札のベガ以外のテラナイトモンスター1体を特殊召喚出来る
手札から『
みさとのフィールドの2人の星の騎士達とアルカナ ナイトジョーカーの隣に、長刀を持った星の騎士が現れた
星騎士 アルテア
☆4 光属性 戦士族 ATK 1700 DEF 1300
「─星因士 アルタイルと星因士 ベガで、オーバーレイ!!」
みさとのフィールドの地面に現れた渦に、2人の星の騎士が飲み込まれていく
「2体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築
エクシーズ召喚!!
─ランク4 『ズババジェネラル』!!」
みさとのフィールドの地面の渦から、1人の屈強な将軍が現れた
ズババジェネラル
★4 地属性 戦士族 ATK 2000 DEF 1000
「ズババジェネラルの効果
ズババジェネラルの攻撃力を、装備したモンスターの攻撃力分アップさせる
手札の『星因士 リゲル』を装備、ズババジェネラルの攻撃力をリゲルの攻撃力 1900アップさせる」
ズババジェネラル ATK 2000→3900
「攻撃力 3800と3900のモンスター…!!」
「おのれェ…!!」
「ダメ押しいくわよ、隼人くん!!」
「ぇ、ひょっとして…」
「─フィールド魔法『
「そのカードは、前田の…!?」
「オレがさっき、みさとさんにあげたカードなんだな!!」
発動されたカード名に、フランツと隼人が叫んだ
みさとのフィールド魔法が発動して、神縛りの塚がみるみる壊れていく
「フィールド魔法は、フィールドに1枚しか存在出来ない…よって、神縛りの塚は破壊される!!」
「バカな…!?
私の、神縛りの塚が…神を支配する力が…!!」
神縛りの塚の鎖から解き放たれたラーの翼神竜は、歓喜の雄叫びをあげた
そしてフィールドは、立派な十字架の墓のある草原の広がる丘へ変わった
「隼人くんが生ぬるい?
冗談じゃないわね!!
隼人くんは、こんなにも素敵なカードを作れる才能に溢れてるんですもの
…フィールド魔法
このカードがフィールドにある限り、フィールド上の戦士族の攻撃力と守備力が300アップする」
アルカナ ナイトジョーカー ATK 3800→4100
ズババジェネラル ATK 3900→4200
星騎士 アルテア ATK 1700→2000
「攻撃力が私の
「─…じゃあアンタ、何で怯えてんのよ?」
「何っ!?」
みさと顎で指されたにフランツの片手は、カタカタと震えていた
「な、何故だ…!?
何故震えているんだ!?
私は最強の力を手に入れたハズなのに…!!」
自分に言い聞かせるように言うフランツに、みさとは呆れたようにため息をついた
「はぁ…アンタも本当はわかっているハズでしょ?
偽物の力を手に入れて、アンタの心は本当に満足した?
ペガサスや隼人くん達に、自分が正しいって認めて貰えると本気で思った?
…いくわよ、ジョーカー!!」
みさとのフィールドのアルカナ ナイトジョーカーは、持っていた大剣を握り直して一気に飛び出した
「…この一撃で楽にするから、頑張りましょ
アルカナ ナイトジョーカーで、ラーの翼神竜を攻撃!!
─アルカナティック・デルタ・スラッシュ!!」
アルカナ ナイトジョーカーの大剣がラーの翼神竜を斬り裂き、ラーの翼神竜は心なしか安堵したような悲鳴をあげながら消えていった
「ぐあああぁぁッ!!」
フランツ LP 2000→1200
「ぐっ…バカな…!?
2度も神が敗れるだと…!?」
「トドメよ、ズババジェネラル!!」
アルカナ ナイトジョーカーに続くように手にした大剣を構えたズババジェネラルがフランツに斬り掛かるが、フランツは伏せていた最後の1枚を開いた
「倒されたのならば、何度でも甦らせるまでだ!!
─永続罠カード『リビングデッドの呼び声』!!
甦れ、
フランツのフィールドに、再びラーの翼神竜が戻って来た
「そんな…!!」
「せっかく倒したラーの翼神竜が、もう…!!」
「─いや、何か変だぞ…?」
絶望した声をあげる隼人と翔の隣で、十代はラー翼神竜を指差した
ラー翼神竜は現れてすぐに、ドンドン透明になって…やがてフィールドから消えて行った
「な、何故だ!?
何故消えるんだ!?
神縛りの塚が無いからか!?」
「違うわ…ラーは自分からその身を差し出してくれたのよ
鎖で縛られ服従を強いられた屈辱から解放されるために…神はアンタを見限ったのよ」
「ふざけるな!!
ラーは私の僕だ!!
私はラーの力で、全ての人を見返す!!
戻れ、
フランツは再びリビングデッドの呼び声のカードをデュエルディスクにセットし直すが、ラーの翼神竜は現れなかった
「何故だ…!?
何故だ何故だ何故だ!?
何故、ラーは私の支配から逃れたんだ!!
まだだ、まだ…!!」
「─もう止めるのデス」
悪あがきを続けるフランツを見て、ペガサスが割って入った
「Mr.フランツ、ユーの負けデース
ラーの翼神竜は、もうユーの指示は聞きまセーン」
「いいや、また神縛りの塚で支配すればラーは必ず…「いい加減にしろってのっ!!」
1人で喚き散らすフランツに、みさとの怒声がその場に響いた
「さっきから縛るだの何だのと…モンスターはデュエリストの道具にするんじゃないっての!!
カードに携わる仕事するのに大事なのは、カードを愛し続ける事でしょうが
んで、力はそれを続けていれば勝手について来るわ…けど、強すぎる力は破滅しか呼ばない
アンタはカードへの想いが歪んでしまってるから、隼人くんに勝てない
その証拠が、ラーがそっぽ向いた事なんじゃないの?」
「わ、私は……」
その場に膝をついたフランツを見てペガサスがデュエルディスクをオフにすると、ソリットヴィジョンが消え去った
攻撃を中断していたズババジェネラルやアルカナ ナイトジョーカー達も、みさとのデュエルディスクをオフにすると消えていった
「Mr.フランツ…」
デュエルが終わった事を見届けるとペガサスはフランツの元に歩み寄り、デュエルディスクからラー翼神竜のカードを拾い上げた
「ペガサス…会長…」
「大き過ぎる力は、大き過ぎる悲劇を生む…そして一生その後悔を抱いて生きていかねばならないのデ~ス…」
ペガサスはそう言ってフランツに自分の髪をかきあげ隠された左目を見せると、フランツは思わず息を飲んだ
「ちょっとペガサス!!
その目は…!!」
「良いのデス……これはワタシがしてしまった過ちの証なのデース…」
その場で唯一事情を知っているみさとが止めようとするが、ペガサスはやんわりと片手で制した
「どういう事だ?」
「…ペガサスの言った通りよ
アイツにも、色々と黒い歴史があるって事」
「そうなんだ…」
「…私は…大切な部下に自分と同じ運命を歩ませたくないのデ~ス…」
「…会長……」
フランツの瞳から、涙が流れた…こうしてラーの翼神竜事件は、みさと達の奮闘により無事に解決した
……その日の夕方、デュエルアカデミアでのジェネックス中断は解除された
神のカードを取り戻したペガサスと隼人は、インダストリアルイリュージョン社に帰る為にヘリポートにいた
その見送りに、十代達5人は一緒について来た
「みさとガール、ユーにはとても感謝していマース!!」
「本当に、流石はみさとさんなんだな」
「わたし、お姉様の弟子である事を誇りに思いますわ!!」
「かりん、それアンタが勝手に名乗ってるだけだからね…?;」
ペガサスと隼人に続いたかりんに、みさとはやんわりとツッコんだ
「本当は明日香さん達にも挨拶したかったんだけど…」
「今は、やめといた方がいいっスよ」
「明日香先輩達は、斎王のせいでおかしくなってるザウルス!!」
隼人に答えた翔と剣山は、怒ったような口調でいた
「まあ…それは追い追い、あたし達が何とかするわ
隼人くんは気にしないで、ガンガン素敵なカード作ってちょうだい」
「頑張るんだな」
「みさとガール・十代ボーイ、ユー達はカードの精霊に愛された存在のようデース
いつまでも大切にしてあげてくだサーイ」
「分かってるわ」
「はい、会長さん!!」
「では、また会いましょう」
「元気でな、皆…」
ペガサス達はヘリコプターに乗って、そのまま帰って行った
ヘリコプターを見送るみさとは、強く拳を握った
(隼人くん…明日香達の事聞いた時、寂しそうだった…何とかして元に戻さないと…あの斎王とかいう
……次の日、みさとがラーの翼神竜を倒した事が広まり、みさとがジェネックスの対戦相手を探すのに、十代以上に困るようになったのは……言うまでも無い
今回登場したラーの翼神竜の効果は、一応アニメ版を使用しています
調べてはみましたが、なかなか滅茶苦茶ですね
実際のカードも効果が強いですし…(汗)
そして今回、オリジナルカードを作ってしまいました
我ながら結構気に入ったオリジナルカードなので、ちょくちょく使っていこうと思っています
オリジナルカードのテキストをここに記入しておきます
・『
効果
・このカードがフィールド上に表側表示で有る限り、フィールド上の表側表示の戦士族モンスターの攻撃力と守備力は300ポイントアップする
・1ターンに1度、自分の墓地の戦士族モンスター1体を除外して発動する
除外したモンスターと同じレベルを持つ戦士族モンスター1体を、自分フィールドに特殊召喚する
この効果で特殊召喚されたモンスターが効果を発動したターンのエンドフェイズ時にフィールドに存在した場合、そのモンスターは除外される
この効果は、相手ターンでも使用出来る