推しのために死に続ける話。   作:三つ首黒虎

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日曜までといいつつ書けたので、いきましょう。
どうぞ。

そしてこの話の最後に選択がありますので。
お好きな方を選んでいただければと。
期限は12/31の23:59までにしましょうか。

それではお楽しみくださいな。


━━選択

 

 

 しろい(くらい)しろい(さむい)しろい(さびしい)

 からだはかるく、しかいはかすむ。

 

 いたみはあるようでなくて、ないようである。

 あぁ、でもやっぱり、もういたみはない。

 

 

 じぶんのからだをみるとひどくちいさくなっている。

 まるで……はっさいじだ。

 それに……からだが、すけている。

 

 あれ……?

 さっきよりちいさくなっているきがする……?

 

 ぼくは、どうなったんだろう……

 しんだのかな、おわりかな。

 

 あぁ……でも、このしろさはみたことがある。

 あのかみさまがいたところと、にたけしきだ。

 

 おもいかえしてもなにものこっていない。

 

 ぼくは……なにをしてたんだっけ……

 

 しかいにノイズがはしった。

 

 あぁ、そうだ。

 かんそくのこせいをつかったはずだ。

 

 そのあと――どうしたんだろう……?

 

 ――おもいだせない。

 

 

 そのとき……こつり、こつりとあしおとがきこえた。

 

 ――だれだろう……

 

 ぼくいがいもここにいるのかな。

 ぼくはふりかえる。

 

 ……?

 

「……おんなの、ひと……?」

 

 そのひとはおんなのひとで、

 かみはこしまでながくて、

 めがねをかけてて、

 すーつをきていた。

 

「――」

 

 そのひとはなぜかめをみひらいてことばをうしなっている。

 

「なんか……せんせいみたいだね」

 

 ぼくはすなおなかんそうをこぼした。

 あれ、さっきよりもめのまえのひとがおおきくなったきがする。

 

「――えぇ、そうよ。

 先生、よ……」

 

 ――いいや、わからないことをきにしてもしょうがない。

 だから、このひとにきくことにした。

 

「あのね、ぼくはなんでここにいるんだろう……?」

 

 おんなのひとはすこしなきそうなかおにみえる。

 

「……えっとね、

 君はね、私を助けてくれたんだよ」

 

 それをきいてぼくはむねがあったかくなった。

 

「そうなんだ!

 なんだか、うれしいな」

 

 ぼくのことばをきくとおんなのひとは、

 ひざをついてじぶんのからだをだきしめた。

 

「――どうしたの……?

 なにかやっちゃったかな……?」

 

 ぼくはそのひとにかけよって、

 なでてあげようとした。

 

「ううん……ちがう、違うの――」

 

 ――でも、できなかった。

 ぼくのてはそのひとをすりぬけた。

 

「――あ」

 

 そっか、さわれないんだ。

 でも、よりそうことはできる。

 

「だいじょうぶだよ」

 

「大丈夫……じゃ、ないわよ。

 何一人でむりしてるのよ……」

 

 おんなのひとは、さっきよりもうずくまっちゃった。

 

「……ごめんね、わかんないんだ。

 やっぱり、ぼくがなにかしちゃったのかな」

 

「……いいえ、きみはわるくないの。

 わたしが、よわかったから――あなたを助けてあげられなかった」

 

 なにいってるんだろう……

 

「……?ぼくはたすけてもらったよ……?

 あなたにあえたもん」

 

「あなたにたすけてもらったんだ」

 

「なんかね、おぼえてないけど……

 やりたかったことができたきがするんだ……」

 

「そっか……、よかったね」

 

 だんだんとからだがちいさくなってきてる。

 ぼくのてはもうちいさくて、あるくこともできない。

 

「からだが、さむいな……」

 

 ぼくがそういうと、

 おんなのひとはたちあがってぼくをだきしめた。

 ふれられなかったけど、でも――

 

「……あったかい、ね」

 

 あたたかかった。

 さむいのがきえた。

 やりたいことができて……

 

 あぁ、うん……なにもおぼえてないけど、ぼくは――

 

「ぼくは……たのしかったんだ……」

 

「あなたがいたから、さびしくないよ」

 

 あ、そうだ……

 これだけちゃんとつたえておかないと、

 

「ぼくはね、あなたのことが――」

 

 そのさきのことばがでるまえに、

 ぼくのいしきはねむるようにふわりときえた――

 

 

 

 

 

 




  ――ふぅ、面白かった。

 これが彼の物語、置換隷の物語の幕引きだ。
 ボクは満足したけど……すこし、物足りないかな。
 キミたちは、どうかな?
 

 なんだかんだ、つまらない時もあったけど。
 彼は頑張ってくれた。
 思わず少しだけ好きになっちゃったよ。

 んー、ルール違反してもいいかなってくらいには好きになれた。

 あぁ、この世界の後日談を話しておこうか。
 彼が救おうとした香山睡はあの一年後……全てが終わった後に森の中で発見される。

 ヒーローは続けるみたいだね。
 まるで贖罪の様に、誰かを探して、探し続ける。
 時折手紙を見て泣いていることもあったかな。

 世界は何も変わらない。
 だって、もともといなかったものが全ていなくなり。
 元々死ぬべきだった人は少なくとも一度死んでいる。
 世界のルールに何も反さない。

 ボクはね、そもそも成功すると思ってなかったんだよ。
 物語の死者を救う。
 そんなことは不可能だ……ってね。

 だって観測された事実は固定される。
 君たちも見ただろう?
 原作で香山睡が死んだって事実を。

 つまりその瞬間、彼女の死は絶対のものとなったんだ。
 死ぬことが約束された、と言ってもいい。
 だから、彼がいくら足掻いても救えなかった。

 ボクはその絶望が観たかったんだ。
 でも、心の底ではどこか、世界のルールを打ち破る姿を見たかったのかもしれないね。
 だから、なんどもチャンスを与えた。

 殺せるタイミングで彼を殺さず周りを消した。
 香山睡がツイていたのはね。
 死体を観測されなかったことだ。

 だから、世界から退場する事が確定していても……
 今回みたいな手段で生存することができた……。
 あぁ、本当に信じられないよ。

 こんなにも胸が躍るなんて――
 ヒトはほんとうに、タノシイナ。

 頑張ったものは報われなくちゃいけない。
 でも、ボクはね……彼は満足したと思うんだ。
 だから、ボクは君たちに問おう。
 
 君たちは、彼をどうしたい?
 ボクはこの結末で満足したけど……
 彼含めての大団円が見たいのか……否か、選んでいいよ。
 それによってボクは最期の力を行使しよう。

さぁ、どうしたい?

  • 彼を生かす。
  • 彼を眠らせる。
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