今作のヒロイン…ヒロイン…?
推しの登場です!可愛いですよねミッドナイト先生。
年上なのもいい…
気づけば僕はベッドに横になっていた。
瞼を開き周りを見渡す、ここは……保健室だろうか。
周りは白いカーテンで覆われていた。どうやら、前も来た保健室のベッドに寝ていたようだ。
僕は……なんで保健室にいるんだろう……?
……思い出さなきゃ……
えっと……職員室……
そう、職員室に行ったんだ。
そこでヴィランに襲われて……
僕ははっとした。そう、ヴィラン‼︎あの後どうなったんだ⁉︎
僕がベッドから飛び起きた音が聞こえたのだろう。カーテンの外から声が聞こえた。
「あら?」
「⁉︎」
そうだ。保健室だよね、生徒が横になってるなら先生がいるのも当然だ。
「起きたのね、身体の調子はどうかしら?リカバリーガールは大丈夫っとおっしゃってたけど……」
なぜかこの女性の声を知っている。女性の先生の心配そうな声が聞こえた。
「えっと、はい……身体は特に……」
「そう、よかったわ。起きて早速で申し訳ないのだけど……聞きたいことがあるの。カーテンを開けてもいいかしら」
優しげな声で申し訳なさげにそう尋ねられた。
「はい、大丈夫です。」
僕がそう返事をすると白いカーテンが開きミッドナイト先生が入ってきた。
‼︎⁉︎ミッドナイト先生‼︎なんで⁈
――そうか、あの香り……先生の個性だ……
「最初に謝らせていただくわ……貴方が襲われたのは私達教師のミス。警報が鳴ったから、避難があったからといって、全員が出張るべきではなかった。本当にごめんなさい」
そう言って僕に頭を下げてきた。
「そんなっ、むしろ僕が素直に避難していればこんなことにはなっていなかったはずです……むしろ謝るのは僕の方が……」
「いいえ、私たちは教師でもあるけどヒーローよ。市民であり学生の身を守るのは当然のこと。それができなかった以上謝罪はしなければならないわ」
そこまで言われては僕は何も言えない。
でも、僕にも悪いところはあったから謝罪されるのは落ち着かない……雰囲気を変えないと……
何か、何か話題はないかな……?
――そうだ!
「えっと、僕を襲ってきたヴィランは……?」
「そうね……気になって当然よね。貴方を襲ってきたヴィランだけど、私が職員室に入った時には誰もいなかったの。荒らされた職員室と私の個性で寝てしまった貴方がいただけ」
「そう……ですか……」
「でも、本当に無事でよかったわ」
「あ、ありがとうございます……」
あ、いい……
推しに心配されてる。推しと話せてる……
え、何この幸せ空間。今が永遠に続けばいいのに……
時よ止まれ――っは、そんなことを考えてる場合じゃない。
あんまり時間取らせるのも申し訳ない……
多分先生が僕に聞きたいのは――
「聞きたいことは……襲ってきたヴィランのこと……ですよね」
先生は一瞬黙った後
「……えぇ、そうよ。あまり思い出したくないことだとは思うけれど……教えてもらっていいかしら?」
「――はい」
僕は話した。
用事があって職員室に行ったこと。警報が鳴って先生に指示を仰ごうと職員室に入ったこと。職員室には二人のヴィランがいて死柄木弔、黒霧と呼ばれていたこと。
ヴィランの個性、逃げようとしたが閉じ込められたこと。
それらをゆっくりと思い出しながら先生に話した。
「そうだったのね……思い出させてごめんなさい。ありがとう、助かったわ」
そう言いながら先生は僕の頭を撫でた。
え…………?
!、っっっ‼︎‼︎⁈、⁉︎……え?なに、なに、撫でられた?
「……それじゃあ私は他の先生たちにこの話を伝えてこなきゃいけないから、先に行くわね。置換くん、ゆっくり休んでから帰るのよ」
「あと……今日起きたことは他の生徒には教えないでほしいの。あまり混乱させたくないから」
「――わかりました」
「ありがとう置換くん……」
「こちらこそ色々と……ありがとうございます。先生のおかげで命が救われました」
そう言って僕が頭を下げてると
保健室の扉が開き、コツコツと足音がだんだんと遠ざかっていく。
少し、休もうかな。ちょっとだけ疲れたや……
そう思い僕はベッドに再び横たわろうとすると――
今度はダダダとこちらに走ってくるような音が聞こえる。
勢いよく扉が開いた。
「「大丈夫⁉︎、置換(くん)‼︎」」
「‼︎え、なになに、誰⁉︎」
誰か来たのかと思ってはいたがあまりの勢いに驚いてしまう。
来てくれたのは葉隠さん、尾白くん、梅雨ちゃんだった。
「また怪我して保健室で休んでるって聞いたんだけど……」
「うん、置換が午後の授業いなかったから先生に聞いたら保健室だって言うから葉隠さんとお見舞いに来たんだ」
「ええ、心配だったの。大丈夫かしら?……ケロ」
「それで、置換今度はどうしたんだ?」
尾白くんが尋ねてくる。
えっと、今日会ったことは秘密にしないといけないから……階段から落ちたってことにしよう。うん……
「実は……階段から足滑らせちゃって……」
「え、頭打たなかった⁉︎大丈夫⁈」
葉隠さんがすごい心配してくる……
うっ、心が痛い。嘘……ついてるもんなぁ……
「置換ちゃん、足元はしっかり見て歩かないとダメよ」
「あはは……だね、次から気をつけるよ」
僕は梅雨ちゃんからの叱咤にそう答える。
「あ、そう言えば委員長は飯田になったよ」
話を変えようとしたのか尾白くんがそう教えてくれた。
「そうそう!食堂で飯田くんすっごい活躍したんだよ‼︎」
「飯田ちゃん、非常口になったの」
「……?非常口……?え?」
疑問符を浮かべまくる僕に対して尾白くんが苦笑いしながら答える。
「蛙吹さん、それじゃあ伝わらないよ。非常口のマークあるでしょ?人形のやつ。EXITの上にあるやつね。麗日さんの個性で浮いてみんなの視線引いて警報が鳴って慌てる皆を諭したらしいよ」
「本当すごかったんだから!大丈ー夫‼︎って」
「ケロケロ」
「それで、委員長の緑谷くんが飯田くんの方が正しいってみんなもそれに賛成したから……飯田くんが委員長になったんだ〜」
「そっか、ならよかった。僕飯田くんに投票したからね。」
「そうだったんだ!確かに委員長っぽいもんね」
「確かに、委員長飯田って感じだ」
「そうね、飯田ちゃん。確かに委員長っぽいわ」
「んー、さて。僕はそろそろ帰ろうかな」
「また、心配だからついてくよ〜」
「一緒に駅まで行こうぜ」
「ケロ……私も一緒していいかしら?」
「うん、みんなで帰ろう!改めて三人ともありがとう、来てくれて嬉しかった」
一度教室に戻り荷物を持った後、四人で駅まで向かった。それぞれ方向は違うから駅でお別れだ。
「それじゃ、みんなまた明日ねー!」
「みんな足元に気をつけるのよ」
「あはは、みんな転ばないようにね」
「お恥ずかしい限りです……じゃあ、また明日ね」
放課後会議室にて
「さて、ここから先は大人の時間サ‼︎」
「ボロボロに崩れ去った雄英バリアー。そして、職員室に現れたヴィランたち……」
「幸い犠牲者は出なかったが、生徒がヴィランと遭遇してしまったのは問題だ」
「危うく、遭遇した生徒が犠牲になるところだったわ」
「あぁ、助かった。ミッドナイト先生。貴女が職員室に戻らなければ生徒を一人失うところだった」
「気にしなくていいわ。私もヒーローであり教師だもの。当たり前のことをしただけ。誰があそこにいても生徒は助けたでしょう?」
「それはもちろんサ。皆それぞれの手段で助けたはずサ‼︎」
「さて、話を戻そう」
「訪れたヴィラン、死柄木弔、そして黒霧。個性は一人は崩壊、もう一人は黒いモヤって言ってたか」
「生徒はモヤに触れるのを嫌がって避けてたから個性はわからなかったらしい」
「私の香りから逃れていなくなっていた以上、モヤの方は移動系の個性である可能性が高いわ」
「二人とも男だったらしいからな。逃げれたのならその可能性が高いか」
「となると、ゲートの方は崩壊の個性か。移動系があるのになぜ壊した……?」
「それこそ、宣戦布告だったかもしれないわ」
「職員室にいた理由はなんなんだ?何も無くなってなかったんだろ?」
「情報が漏れている可能性を考えないと……」
「さぁ、色々と対策の会議をするのサ‼︎」
そんな根津校長の声が会議室に響きわたった。